アカム武器なめんな。   作:糸遊

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滅龍ビンなめんな(笑)




第7話 滅龍ビンなめんな。

 

 

 

 

「ずばんっ!ずばんっずばんっ!」

 

 

 

 

 

ダウン中のラギアクルスに向かって、私は両手に握ったスラッシュアックス『真名アナトカルナイム』で連撃を加える。 大丈夫、冷静にだ。

 

 

 

 

 

「がしゃんっ! どしゅどしゅっ!どしゅっ!」

 

 

 

 

 

もうすぐでラギアクルスはダウンから復帰するだろう。 私はフィニッシュを決めるために属性解放突きの構えを取る。

 

 

 

 

 

 

「しゅっ! ずごごごごご………

ここだッ!! どっかぁぁ

 

「うるさいわよッ! いくら狩技ぶっ放してる最中だからって少しは静かにできないの!?」

 

………ぁぁん」

 

 

 

…………ちなみにさっきからズバズバドシュドシュ言ってるのはもちろん私ではない。何時もの通り、カルムのアホだ。

 

今回は、あのアホもスラアクを担いで来ている。もちろんアカム武器。

さっきのガシャガシャほざいていたのは狩技『トランスラッシュ』をぶっ放している最中だったかららしい。

 

 

「あのねぇ……1人でやる分には何も言わないわ? けどね? 隣に別のハンターがいる時くらいはバカ丸出しの振る舞いはやめた方いいわよ?」

 

 

ラギアクルスが瀕死になって寝床へと逃げていったので私達も一休み。

落ちた斬れ味を回復させたり怪力の種を齧ったりしながら、私はそんな言葉をカルムに投げかけた。

 

 

「いや……俺だって見境なくあんな振る舞いはしないって。 まぁ…お前の前くらいじゃないか? あんな自由にできるのはさ」

 

 

………私の前だけ…ね。 なんか複雑な気分だ。

 

 

「というかさ……なんでお前はまたカマキリ武器なわけ? ウカムル武器が泣いてんぞ!?」

 

「いや…だってラギアクルスって氷属性通らないじゃない。相手が氷弱点ならウカムル武器も担ぐけどあんたみたいに無属性武器じゃないんだからなんでもかんでもってわけにはいかないわよ?」

 

「おいコラ、覇裂斧を無属性と言いやがったな?

違います〜! アカムスラアクは『滅龍ビン』という至高のビンが搭載されてるんです〜!

 

圧倒的攻撃力!飛び抜けた会心率! 更に龍属性!

弱いわけがない! 」

 

「そんなに物理火力が高いのなら同じような性能で『強撃ビン』のついた宝纏スラアクの方がいい気が……」

 

「だまれぃ!なーにが『剣鬼形態』じゃ!なーにが『エネルギーチャージ』じゃあ!

スラアク使いなら黙って『トランスラッシュ』だろうがよぉ!

スラッシュアックスのことスラッシュソードって呼んだやつ絶対許さないからな!

 

ううぅぅ……誰か滅龍ビンに救いをくれよぉ……」

 

 

………なんか勝手に愚痴をこぼし始めたかと思ったら今度は急に泣き出したぞ?

こっちが疲れるから情緒不安定な反応はやめてほしいところなんだけど…。

 

 

「いや…大丈夫だ…。 今は無理でもいずれ滅龍ビンが輝くときがくる…!

こう…無属性武器にしか乗らないスキルと龍属性を両立できたり、なんか龍を封印する力を貰ったり、なんか特殊なゲージが溜まりやすかったり…ともかくそんな感じになる日は絶対くる!

俺はその日まで滅龍ビンを愛し続けるからなぁ!

 

おっしゃあ!やる気出て来た!

よし、ウルス!早い所ラギアクルス倒して帰るぞ!」

 

「ちょっ…いきなり走り出すな!」

 

 

本当に感情の起伏が激しいヤツだ…。

最近は私もコイツに振り回されるのに慣れてきてはいるけれど、それでも相変わらず疲れる。

ちょっとよくわからない笑顔を浮かべてラギアクルスの寝床へと走り出すカルムを、私は少し呆れた思いで追いかけ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「………カマキリスラアクってさ、ちょっとアカム武器っぽい名前してないか?」

 

 

無事にラギアクルスを倒した私達。

剥ぎ取りなどを終え、ギルドからのお迎えを待っている時にカルムがそんなことを呟いた。

………言われてみれば似てなくもない。確かに『覇裂斧アナトカルナイム』とか普通にアカム武器っぽい気がする。

 

 

「いや……まぁ確かにそうだけど。それがどうしたのよ?」

 

「スラアクはネセト武器に名前似てるから紫ゲージをくれていいんじゃないかな? 俺はそう思う。」

 

 

………突拍子も無い事をほざき始めたぞ?

 

 

「……仮にそうなったとしたらみんなアカム武器を担ぎ始めるわよ?

アンタがそれで満足ならいいんじゃない?」

 

「うっ…。 それだと俺はただのテンション異常なハンターになっちまうな…。 やっぱアカム武器は今のままでいいや…」

 

 

なんかしょぼんとしてしまった。悪いことしたかなぁ…。

 

 

「別にアンタが周りと同じ武器を使ってるからって私は軽蔑したりはしないわよ?アンタはアンタなんだしさ。

むしろそのままアンタらしくいてほしいわ」

 

「ん? どうゆうこと? そのままってことは…。

 

はは〜ん。さてはウルスさんったらとうとう俺の華麗な実力に魅せられてメロメロになっちゃったとか?

アッハッハ! 俺もとうとう周りにチヤホヤされるハンターになった……あいたぁ!?」

 

「………うっさい! ほら、ギルドの迎え来たわよ! 早い所帰る帰る!」

 

「ちょちょちょ…そんな怒んなって…。冗談だからさ…。 カリカリしてたら美人が台無しだぞ〜?」

 

 

この男は…もう…。

 

私は足早に迎えの飛行船に乗り込んだ。

早い所このアホから距離を置いておきたいところだ。

 

 

「お疲れ様です〜。 あ、あれ…? ウルスさん、大丈夫ですか?顔が真っ赤ですけど…」

 

「いっ…!? だ、大丈夫! とりあえず個室で休んでるわね!」

 

 

迎えのギルド職員さんからそんな事を言われてしまった。

恥ずかしくて死にそうになる。

 

私は個室に入り、防具を脱ぎ捨てて身軽になると個室に設置されている寝台に飛び込んだ。

そして、胸の奥から込み上げてくる恥ずかしさを隠すように布団の中に丸まった。

 

 

夕食の時にアイツにあったらぶん殴ってやる…。

 

茹でダコのような真っ赤な顔になりながら、私は心の中でそんな決断をした。

 

 

 

 




ワールドのビン調整は自分はいい感じにしてくれたと思ってます。
ワールドにアカムトルム実装されないかなぁ…。


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