黄金の日々   作:官兵衛
<< 前の話 次の話 >>

21 / 27
悪い顔の暫定王

 

 

 

 

 暫定王としての布告が出たと共に俺の仕事量は数倍に膨れ上がった。

 あの時に俺の体を掴んでいた貴族たち(王国政府首脳)をこき使ってやろうと企んでいたのに、俺の暫定王の就任とともに殆どの当主が隠居して当主の座を子供へと譲ってしまった。くそう。

 仕方ないのでラナーに相談しながら内閣を組閣し、一番の肝である人物の出馬を嘆願し続けた。

 カッツェ平野の虐殺から、すっかり自領に引きこもってしまったレエブン候の宰相就任が、俺を王とするというトリッキーな内閣にとって最も必要なパーツだろう。しかもラナーからは「アドバイス程度しかお手伝いしませんよ」と釘を刺されている。

 レエブン候に何度か手紙を送ったが「表に出ず子供と過ごしたい……」という趣旨の返答を色んな言い方で返されただけだった。

 仕方ないのでレエブン候の自領である『エ・レェブル』まで赴いて、「もしレエブン候が宰相になってくれないならアインズ・ウール・ゴウンに従属する。エ・レエブルはエ・ランテルの近くですし直轄地として吸収されるかも知れませんな、あの大魔法使いの。自分の領地で魔法実験とかされても我々は文句言えませんし。あの魔法とか」と、懇切丁寧に説明したら、凄く渋々と引き受けてくれた。なんか最後は泣きながら息子さんを抱きしめていた……凄く悪いことをした気分だ。いや、したのか?

 

 レエブン候は本当に有能だった。内政外政軍事の全ても万能に(こな)せたし、特に素晴らしかったのは人物鑑定、人を見る目だと思う。

 以前も無名の市井の軍師を最高指揮官に任じたり、ラナーのことを早くから見抜いていたりと、その片鱗はあったが、彼が指名する下級貴族の役人、官僚は有能揃いで国の統治能力が格段に上がった。貴族派の多くが物理的(・・・)に消滅したのを良いことに領地の転封や合併、割譲を成し遂げて大きな王直轄地を新たに作り上げたり、街道と河川の整備で作農地も拡大し、国力はエ・ランテルを失った分を既に取り戻しつつある。

 

 特に、相容れない敵国であったバハルス帝国とスレイン法国と接していたエ・ランテルが『アインズ・ウール・ゴウン魔導国』として強大な(くさび)を打ってくれたことが想定外に大きな利益をもたらしていた。少なくとも、モモ……アインズさんの言葉を信じるのであれば(まあどれだけ警戒していても攻められたら一瞬で滅ぶので信じるしかないが)今まで帝国と法国相手に費やしていた膨大な軍事費を他に回せる訳で、八本指も大人しくなった状態で色々なことが上手く回りだした。これなら大商人たちへの長年の負債も少しずつ返済が出来るだろう。

 

 そんな矢先に、深夜、自室で書類を見ていると突然机の脇に置かれていたハンドベル(アインズさんに貰った物)がリンリンリーンと赤く光りながら鳴った。

 ……これは確かアインズさんからの御用の合図だっけ?

 で、俺はどうすれば良いのかな? あ、鳴らし返さないと駄目なんだよな。

 俺がベルを振るとベルは青く光るが音はならないようだ。

「呼び出す側は鳴らないシステムなんだな……」

 

 なるほどと感心していると「コツン」「コツン」と部屋の窓を何かがノックする音が聞こえた。急いで窓を開けると、黒い影の様なモノが窓の隙間から「ぬるり」と室内に飛び込んできて人の形になり、いつものとは違った簡素なローブを纏ったアインズさんが現れた。

 

「……次からベルが鳴ったら窓を開けてくれるか?」

「え? あ、はい」

「夜中に窓に小石を投げるのとか学生の恋愛漫画みたいで恥ずかしい……」

 

 確かに骸骨が夜中に窓に向かって「えいえい」と小石を投げている姿を想像すると……来るものがあるな。

 

「そうですね……もしやアインズさんはリアルで経験済みですか?」

「ないな。リアルでも魔法使いだったし。……君は?」

「ないですね。病弱で学校も殆ど行ってなかったので」

「……」

「……」

「よ、よしこの話は止めよう」

「ええ……自爆テロでしたね……」

 お互いに心に深刻なダメージを負った。

「そのベルは普通に使えたようで何よりだ」

「はい でも、こんなアイテム、ユグドラシルに在りましたっけ?」

 こんな不便なアイテムなくてもフレンド同士のチャット機能が充実していたからな。

「いや これはこっちの世界……バハルス帝国の魔道具市で買ったものだ」

「え そうなのですか!?」

 こっちの世界だとすれば便利な道具だ……リ・エスティーゼとバハルスではこんなに差が付いているのか……。

「あの国は通信魔法系の発展がめざましいぞ?まあ皇帝が優秀だからな。何が重要か解っているのだろう」

「すみませんね……優秀じゃない暫定王のリ・エスティーゼ王国ではこんなの売ってません」

「交易したまえ。我が国で取引を行えば税金も入ってくるしな! あ、暫定王就任おめでとう。ザナック」

「……はい 有難うございます」

 凄く嬉しくないんですけどね……。

「正式に王になったら贈り物を送るが……これを見てくれるか?」

 そういってアインズさんはボックスと思われる黒い穴から一本の剣を取り出す。

「……これは」

 剣は中々良い剣だった。ユグドラシルの世界ではどうかわからないが、この細やかな文様はドワーフが作ったものだろう。この国なら中流貴族が「我が家の家宝です」と大切にするレベルではないだろうか。

「ん?」

 良く良く剣の文様を見ると、ユグドラシルで見たことのある文字が書かれてあるのが見えた。俺がこの世界で、この文字の実物を見たのは初めてかも知れない。

「ルーン文字だ……」

「そうだ。ユグドラシルに限らずあの世界でのファンタジーでは欠かせない古代文字だ。実はこれはウチのドワーフが作った」

「えっ そうなんですか?良いなあ」

「うんうん いい反応を有難う。ルーン文字にはロマンあるよな!」

「はい 重ねがけして強くなっていく武器防具は素敵です。ロングソード+1とかいう素っ気のない表示は勘弁して頂きたいものです」

 なんだろう……今、何らかの集団に喧嘩を売ってしまった気がする。

「うむ 実はこれを販売したり、ウチで育てる冒険者達への報奨品として生産しようと思っている」

「良いですね。程よい強さというのが有り難いです。強すぎると与える側としては渡しにくいものですからね」

「良く分かっているなザナック。そう、ちょうど良いのだよ。ちなみにユグドラシルレベルで10~20くらいの物なら大量生産出来そうだ」

「お値段次第ですが、是非ウチでも買わせて欲しいですね。功を挙げる度に領土とか地位とかやっていたら堪らないですから」

「うんうん。そうだろそうだろ」

 

 アインズさんは上機嫌だ。俺なんて普段、ラナー1人相手に脳をフル回転させながら会話しても小馬鹿にされているのになあ。あれだけの悪魔たちと渡り合った上で感服させると云う凄い智謀の持ち主だというのに子供みたいに可愛いところもあるんだなあ。まあ、俺みたいな凡人相手の方が気楽に話せて楽なのかも知れないな。俺も楽しいから良いんだけどね。

 

「ところで、少し暫定王にお願いがあるのだが……」

「はい」

「実はアンデッドを労働力として運用していこうというプランがあるのだ」

「……アンデッドを?」

「アンデッドは疲れないし食糧も賃金も不要だ。不満を言うこともなければ、不眠不休で働き続けることが出来る。まあ単純な命令しか聞かないから、運搬や耕作、土木や鉱山業などが中心となるが……」

「……なるほど、それは確かに素晴らしいアイディアですね」

「そうだろ!わかってくれるよな!……ち 沈静化されたか」

「? はい 無賃金・無休養・無不満で働き続けるとか夢の労働力じゃないですか!」

「だよなあ。でも、どうも下僕(しもべ)達はピンと来てないんだよな……画期的な案だと思うんだけど」

「なるほど……配下の方からすればアインズさんのために「無休」「無給金」で働くのが当たり前だという感覚があるのかも知れませんね」

「え?」

「例えば、こちらの貴族にその案を披露しても「は?無給金?公共事業なら平民が血税として無償労働するのは当然だろうが!」「無休?動けなくなったら代わりの民を使えば良いだけだし」「不満?良し、ムチを打て!」という感覚なのではないでしょうか。これが魔導国の方々なら、より『アインズ様のために!』という想いが強いでしょうから、むしろアインズ様のために働けるという幸せを何故アンデッドに与えられるのですか?という疑問が付きまとうのかも知れません」

「……なるほど」

「私達はリアルの世界でブラック企業の中に身を置いていても、労働に対する対価だとか、休憩や休日という物が例え少なくても当然に存在しているものだと認識しており、それら全てをザックリと無視出来るアンデッドの労働力という新エネルギーにワクワクしますが。そもそも人権が希薄にしか存在しないこの世界では「人間で良いじゃん」みたいな意識があるのではないかと。むしろアンデッドに仕事を奪われるかも……とか」

「ううむ……なるほどな。いや、実はそのアンデッドを提供するという事業も始めようと考えていて、実際にウチではドワーフの鉱山などで試用し、満足のいく結果を出している。それでジルクニフに……バハルス帝国に申し出てみたのだが、まさに今、ザナックが言った理由で「調整に時間がかかります」と言われてしまってな」

「提供? 他国に貸し出されるのですか?」

「うむ 事業というのは我が国の中での労働力というだけではなく、他国や市民へも貸し出してレンタル料や、相手によっては売ることも考えている」

「そうなんですか?そうなるとかなりの量のアンデッドが必要になりますよね」

「……一応、何も無いところからでも作れるんだよ。アンデッドは」

「……一応?」

 俺はジト目で骸骨を見る。

「……まあ、ほら、先日沢山カッツェ平野で手に入ったからな。原材料」

「わあ……ちょっと引くわー」

「まあ そう言うな……なんかゴメン」

「知り合いがアンデッドとなって穴掘りしてたら、ちょっと、こう……」

「ううむ マスク等を被せることも検討しよう」

「そこまでしてレンタルを……あっまさかアンデッドを大量に国に入れた後で操って反乱を起こさせるとかですか?そりゃバハルス帝国も拒否しますよ」

「いや、そんなこと考えてないんだよね……下僕たちならともかく、俺は『部下を守る』『ギルメンを見つける』というのが最低にして最大目標でなあ、世界征服とかは二の次三の次というか、どうでも良いというか……そもそも、国を潰すならいくらでも簡単な方法があるからな」

「超位魔法……ですね」

「それもあるけど……この世界の人達って英雄級でもユグドラシルレベルで30台って説明したよな?」

「はい 恐ろしいことに」

「まずな、俺はユグドラシルの時から魔王のロールプレイを行ってきたからゲームでは普通取らないスキルを沢山とってるんだけど……例えば『上位物理無効化Ⅲ』とか『上位魔法無効化Ⅲ』というスキルを取っていて、これはレベル60までの物理攻撃と魔法攻撃を無効化するスキルなんだけど、レベル100のプレイヤーや、それ以上のボスを相手にするユグドラシルでは完全に死にスキルな訳です。でも、この世界だと殆どの物理攻撃も魔法攻撃も完全無効化されるし『絶望のオーラⅤ』を使うと……街を歩くだけでパタパタと殆どの人が死ぬね。呼吸困難、ショック死、心臓麻痺などでな。死の街が数刻で出来上がるな」

「歩く厄災ですね」

「おい なぜ距離を取る」

「ははは つまり国を滅ぼすくらい簡単に出来るのに、そんな間怠(まだる)っこしいことしませんよ?という事ですね」

「そうそう。本当に、普通に交易して、お互いに繁栄で良いんだよ。ただ、ナザリックの運営に金がかかるので、金を稼ぎたいし、ナザリックの武力やアンデッドを有効活用しながら我々全体の強化を図り、現在どこかに潜むプレイヤーや、100年後に来るかも知れないプレイヤーから子供たちを守るのが一応の目標だ」

「……思った以上に壮大な展開と、それに反して慎ましい目標と手段ですね」

「そ、そうかな?」

「いえ なんとなく部下たちとのすれ違いの原因みたいなものが見えました」

「慎重派なのだ……ということにしておいておくれ」

「その方がこの世界の住人としては有り難いですし、何よりもプレイヤーが居たとした時の事を考えたら大義なき行動は彼らを敵にしてしまうことになりかねないですからね」

「うむ……さて、話を戻しても良いかな?」

「はい、そうすると……そのアンデッドによるプランテーションをリ・エスティーゼ王国で作ってみてはどうか?……ということでしょうか? それとも単にリ・エスティーゼ王国の農場にアンデッドをレンタルしてみては?というお話ですか?」

「うむ 今のところは貸し出してのレンタル料でも頂こうかと考えているが、大規模農場をリ・エスティーゼ王国でか……それも面白い話だ」

「そうですね……いくつか条件をクリアすれば可能かも知れません」

「ふむ 聞こう」

「まず、私が暫定王ではなく正式な王になってからであること。多くの臣民を亡くした大戦から、まだ数ヶ月です。父上が半隠居した理由の一つに、あの戦いの責任を取った。という意味も在りますので、父上が正式な王であるうちは強引でも罷り通らないでしょう」

「うむ 君が王なら通ると?」

「……そうですね。魔導国は大戦の後に建国後、いち早く親善大使を送って下さいましたし、私が、その……団長とゴニョゴニョという噂も流れましたから、代替わりして魔導国と私が同盟で結ばれるのは苦々しく思う人もいるでしょうが、断行は可能だと思います」

「うむ なるほど」

「そして、我々がアンデッドを借りて事業を行った場合、アンデッドを嫌う団体から「王政府」への非難が高まるでしょうし、大規模農業を営む貴族からの反発も大きいでしょう」

「そうだな」

「ですから、我が政府としてはまず魔導国と強固な同盟関係を築くことを提案致します」

「ふむ」

「そうすれば我が広大な領土から農作地などに適した土地を借地として同盟国に貸すことに問題はありませんし、カッツェ平野での戦いを知っている者はアインズさんの強さを知っているため、魔導国からの要請が断りづらいことに理解があるはずです」

「ふふ 庇を貸して母屋を取られる。という風に危ぶむ者も出てくるのではないか?」

「かまいません 魔導国と同盟を結び国交と交易を増やすことで、魔導国内でのアンデッドの安全な運用などを目にする者も増えていくでしょうし、そのうち小さくても民間の結びつきも出てくるでしょう。別に魔導国は異形の者だけが住む街でないわけですから、生活必需品などはスレイン法国やバハルス帝国とやり取りをしているはずです。そこに、もと同じ国の商人が加わることはむしろ自然と言えるでしょう。そして、貸し出した土地からの収穫があり、利益が出れば人の気持ちなど簡単に変わるものです。しかもそれが自分の遠隔地であり安全が確保されていれば尚更です」

「となると?」

「はい、今までは魔物たちが出没し人が住むのに適していなかったトブの森付近などの危険地帯に耕作地を作って徐々に広げればよろしいかと。アンデッドですから危険地帯でも気になりませんし、元より自分たちが入れなかった地です。まさか『我が国の農作地を取りあげられた』などとは言いますまい」

「先程言った君たちの利益とは?」

「アインズさんはナザリック運営のために金を必要としているのですよね?」

「うむ」

「そこで、耕作地は借地として貸出しますが、家賃としてお金を頂くのではなく、収穫した穀物を安く売って頂くのはどうでしょうか。平均価格の何割引きかは熟考して決めたいと思いますが」

「ほう」

「以前、アインズさんはAOGがDQNギルドだったので、敵対プレーヤーに注意してユグドラシル金貨を市場に放出したくないと仰っておりました」

「うむ まあ、ユグドラシル金貨の方が価値が高いので、ナザリックの経費に使いたいというのもあるのだが」

「しかし、私もそうでしたが、AOGほどのギルドになれば、かなりのユグドラ金貨が貯まっているのではないですか?」

「ふふ まあな」

「その金貨を僅かばかりの手数料で、ウチが普段入れている分量の不純物を入れてリ・エスティーゼ金貨と鋳造し直して、この世界で使用して頂くのも良いのではないでしょうか?」

「うむ それは確かに困ったときには頼むかも知れないな」

「はい お任せ下さい。そして、アンデッドによる穀物をウチが買い取ることにより、この世界の金貨を正当に我々から入手出来ますので、先程のユグドラシル金貨の再鋳造で得た大金を魔導国が所有し使用することが不自然ではなくなります」

「なるほど。それは良いな」

「まあ、マネーロンダリングですね。ここは二人で悪い顔をする場面ですよ?」

「ふふふ」

「そして格安で購入させて頂いた穀物は有益に使わせていただきます。商人への払い下げ、貧困層への配給、国庫への貯蓄など色々あります。アインズさんが許してくれるのであれば他国への売却も考えており、慢性的な食糧不足を解消しつつ利益も出れば、この国で文句を言うものは少なくなりますしね。そして魔導国としての利点は、実はエ・ランテル周辺の土地は決して農業に向いている訳ではありません。それゆえに開発を平民に丸投げして小さな開拓村ばかりが出来ていた訳です。単純労働力であるアンデッドが農地を作成したとしても成功するかどうか解りませんし、この大事な一歩で失敗してしまえば、誰もが『アンデッドに農作業なんか無理に決まっている』との烙印を押されてしまうでしょう」

「むう」

「ですが、他のリ・エスティーゼの肥沃な土地は耕作地として優秀です。大きなプランテーションを作るのに向いておりますし、魔導国内ではプロパガンダだと疑われそうなアンデッドの有効活用の情報が信用されやすいでしょう。なによりも『アンデッドは安全であり、人に富をもたらすことも出来るのだ』というモデルケースになりますから、それは何よりも魔導王をアンデッドであるだけで忌避している現時点の世界中の人々への効果的な宣伝(アドバタイジング)になります。アインズさんのことだから、きっとそこまで考えておられたのでしょう?」

「……あどば……う、うむ、そうだな」

「やはり!さすがはアインズさんですね」

「……いや……違う、違うんだ。……デミウルゴスみたいなことを言うんじゃない」

「え?」

「やめろ!同世界人(オマエ)だけは俺をそんな風に見るな……」

「ど、どうしたんですか!?」

「俺は一般人だ!」

「え? いや、あんなギルドの運営をしていて、そして今やこの世界で魔導国を建国し、王に成られた人が何を言ってるんですか?」

「おい そこの暫定王。オ・マ・エもだ!」

「ぐむう……で、でも俺は本当に凡人で……」

「その凡人だった君が、突然放り込まれた世界で王子として育てられ、泣く泣くでも立派に王をやっているからこそ偉いんじゃないか!」

「鏡見てもらえます!?そっくりそのままお返し致しますよ!恐いNPCに囲まれた中で遂に一国の王と成られたではないですか!」

「ハアハア……」

「ふうふう……」

 

「「よし」」

 俺とアインズさんの目があった。

 

「「お互い知らない世界で良く頑張った!!!」」

 

 俺はアインズさんとガッシリと抱き合った……そうだ!俺たちは知らない世界に放り込まれて、本当に良く頑張ってきたんだ……誰にも褒められることも無く、ただただ頑張ってきたんだ……それをこの人だけは解ってくれるんだ……全部、全部解ってくれるんだ……やべえ惚れそう。骸骨なのに……てゆうか……。

 

「ぎぃやあああああああああああああああ!?」

「あー!一応他国なのでネガティブ・タッチ作動させてるの忘れてた。はっははははは」

「はははは、じゃねえわ!?」

 

 死ぬわ!?川の向こうで良い顔したガゼフが手を振ってたわ!

 

「すまんすまん レベル4の燃えるゴミを灰にする所だったな」

「くそう……誠意は行為で示して頂きたいものですな!」

「ほう? ふふふ」

「先程の格安で食糧を売って頂く件、宜しくお願いいたします!」

「ふうむ 確かに他国での実験。そして実績作り。格安だとしてもエクスチェンジボックスに放り込むよりは遙かに金になるな。しかし……私が勝手に決めてしまっても良いものかな?下僕の計画の邪魔になったりしないだろうか……」

「大丈夫です。賢い下僕には『ふふふ 敢えて私がそうした理由……オマエなら解るよな?』と思わせぶりに言えば『なるほど……そこまでお考えになられておられたとは』と勝手に理由を考えてくれますよ。俺はラナー相手にいつもこの手で誤魔化してます」

 

 で、「馬鹿なの?死ぬの?」と虫を見るような眼で見てくるんだよな、アイツ……。

 あれ?誤魔化せてないじゃん。

 

「おまえ……それはいつもの俺とデミウルゴスの会話だよ……なんだ?見てたの?」

 

 アインズさんは頭を抱えながらハイライトの消えた眼で俺を見る。だから、なんでそんなに器用なんだ……。

 

 

 

 

 

 

 









とんぱ様 Sheeena様 誤字脱字の修正を有難うございます







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。