「私が思うにわざわざ自分の自宅に向かう案内表記を書いた看板を置いておくというのは防犯意識があるのか疑われる行為だと思うんだけどそこの所どうなんだろうか。もし仮に万が一ロケット団みたいな手段を選ばず物理で押しかけてくるような凶悪犯たちが押入り強盗してきたりする場合だって考えておかないといけないのにこんなもの置いたらまさにカモネギ案件だよ何やってるの馬鹿なの死にたいのアホじゃないの?」
「あんさんの辛口評価が突き刺さるんやけど……」
「弁解できるの?ねえできるの?馬鹿なの?馬鹿なの?」
「馬鹿をそんな連呼せんでもええやん!!わかったからもう許したって!!すんませんでした!」
マサキから迷惑料としてどうせ自分は行かない物だからと豪華客船の招待チケットを受け取ったレッドは
「(これドレスコードとかないはず……ないよな?)」
と思いつつとりあえずどうもとお礼を言い受け取った。
「大人しい見かけの割にえっらい元気ええんやな少年……」
「…………あ、自分一応女です」
「……ん?確かさっき来たグリーンとかいう少年はピカチュウ連れた顔面筋死んでる幼馴染の男が来るからよろしゅうなーって言っとったんやけど、あんさんがそのレッドやろ?」
…………なんだと?今なんて言った?
「…………女です」
ピカチュウが「(おおん?うちのマスターは紛うことなき女子やぞワレェ)」と言いたげな顔でマサキを威嚇し始めたのを牽制しつつ、会話の一部を脳内で反復させた。
ピカチュウ連れた、顔面筋死んでる、『男』
即座に脳内勘定でこのまま黙って本人が気づくまで自分からばらさないようにするか、それとも本人に次に遭遇したとき淑女のフォークリフトをキメるべきかのメリットデメリットを換算する。というかお前、幼馴染の性別すら把握出来てないとか未来のチャンピオン(爆笑)の名前が泣く案件だぞ。
………………結論としては第二次性徴期が来ればバレるのは確実なのでそれまでこの状況を愉しむ事にした。
私自分で男だなんて名乗った覚えはないですし?勝手に勘違いしてるのはウニ頭の方なので私は悪くない。
マサキには多分あいつ私の性別気がついてないアホだよと伝えると嘘やろ幼馴染ぃ……とドン引きされた。わかる、私も引いてる。とりあえず黙っててもらうことにして、イーブイとその進化系(ブースター、シャワーズ、サンダース)の記録を図鑑に登録させてもらい、退散することにした。おっと、その前に伝えておかないといけない事があった。
「……イーブイ、進化系統まだまだあるから頑張れ」
「は!?いきなり何言っ」
最後まで聞き終える前にさっさとポケセンに戻るため帰りの下り道をすいすいと走り去るレッドと、それを見送りつつイーブイの進化系統についての研究に更なる灯火を抱くことになった取り残されたマサキが残された。
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