赤色カンタービレ   作:蒼華

14 / 14
お久しぶりです、投稿がかなり遅くになってしまいましたが最新話を投稿させていただきます。ネームレスオリキャラもいます。


主にローストビーフとマッシュポテト

どうしてこうなった、そう思った。そして同時にこうも思った、「…………顔はいいのにな」と。

 

顔面偏差値高い高いの御曹司という石マニアは、べらぼうに顔がいい。写真集とかブロマイドとか売ったらそれだけで食っていけるのではと考えるくらいには顔がいい、それはわかる。

 

顔面宝具と言いたくなるほど顔がいいうえに大手企業の子息、そして(私だけは反則知識で知ってる未来の)チャンピオンとなるこのツワブキダイゴはどこからどう見ても優良物件である。問題点といえば石を愛し石に人生を捧げる勢いで婚期を逃しそうな残念なイケメンというくらいの地名的なところくらいだろう。

現時点では婚期を逃すようには見えないけどいずれそうなるんじゃないかなと。

 

石、Love!と言う点は黙ってさえいればわからない、見てくれと社会的スペックと本人の善性だけ見ればSSRのこの男は良くも悪くも視線が集中してしまう。

 

 

「あれがデボンの次期社長ツワブキダイゴ……」

「何でも頭脳明晰で……ポケモンバトルも優秀と……」

「ただの優男にしか見えないが……」

「うちの娘と是非見合いをして……」

「本当に使える男なのか見ものじゃないか……それに……」

「懐に入ればこっちのもの……」

「とても素敵なご子息ですわ……」

「玉の輿に……」

「紳士的で格好良い……」

 

 

………………。

 

 

「…………(アホくさ)」

「つまらなさそうな顔してるね」

「…………誰のせいだと」

「まあもしかしなくても僕かな」

「(胡乱気な視線を向ける)」

 

いつもの半袖上着とズボンの代わりに緋と黒のグラデーションとフリルが付いたドレスで無心で手にした取り皿からローストビーフを食べる。金持ちのパーリィはとてもいい食材を使ってますねもっしゃもしゃと咀嚼。

 

紳士的?イケメン?自分としては紳士は年下の少女を虫除けスプレー代わりにしたりしないと思います眼科に行きやがりくださいませお嬢様方。数度しか出会ってないのに頼むとかどんな神経してるんだと呆れてしまうが、美味しい食事があると聞いて秒で了承した私の恐るべき反射神経が憎い。くっ、これもマサラ人だからなのか……!

(※マサラ人の反射神経は関係ありません)

 

知り合いの歳が近い女性たちは圧が強すぎて恐ろしいということで黙っていたらしく、相手からの着信履歴がみっちりしてて気持ち悪いねと言いつつマナーモードでスルーしてるダイゴさんはずぶとい性格なのかもしれない。

庶民にはちょっとよく分からない世界である。

 

 

ダイゴさんが手洗いに行ってくると離れ、その後一人ひたすらローストビーフとマッシュポテトをもりもりと食べていれば、何やらキンキラ通り越してギンギラギンな気の強そうなお姉さまがこっちにずんずんと向かってくる。どうせ来るならギンギラギンでもさりげなく来ればいいのに、とカツカツと高いヒールを鳴らしながら面倒事の気配を嫌でも察知した。

 

「あなた、ダイゴ様のなんなのよ!!」

「こっちが知りたい(知らんがな)」

 

よし、後でダイゴさんに慰謝料請求しよ。

 

 

 

「あの人の傍に当たり前のように居座るなんて頭が高いのでは無くて?ぽっと出のあなたは何様のおつもりかしら」

「(虫除けスプレーさまかな)」

 

どうやらこのお姉さまは彼の近くに私がいるのが気に食わないらしい、その気持ちわからなくもない。

 

「ダイゴ様はお優しいから何も言わないのでしょう、ですが私は言わせていただきましょう。あなた、なってないわ。ええ、全然ダメよなんなのふざけてるの?」

「突然のダメだし」

「有り得ないわ、何考えてるのかしらあの人」

 

これは俗に言う悪役令嬢(仮)みたいなテンプレですかね、知ってる!前世に小説投稿サイトで散々見たやつだ!

 

「──ドレスのセンスと着る本人が噛み合ってませんわ……!!素材を絶妙なバランスで殺しているなんて!!」

 

あっ違うやつだこれ。

 

 

 

/*/*/*/

 

 

 

「ふ、素材を生かすというのはこういうことですわ……よくって?」

「…………さようで」

 

 

虫除けとして着ていたドレスはフリルがごちゃごちゃしているAラインの緋色と黒のグラデーションドレスだったのだが、彼女いわく「フリルが鬱陶しいですわ、潔く追い剥ぎされてくださいませ」と言って別のドレスを押し付けてきた。

 

白いブラウスとコルセット式のワインレッドのロングスカート、それから変装用にと付けた肩先より少し長めのウイッグは同じワインレッドのリボンでハーフアップにされていた。

わーお、ビビデバビデブー……じゃなくてなぜ私は着せ替えパート2をされている。

 

「グラデーションに目をつけたのは褒めて差し上げましょう、ですがなんですかあのフリルは!動きにくいとかなかったのですか!」

「ローストビーフの方が大事……」

「せめて野菜も食べなさいな!」

「マッシュポテト」

「……いえ、そういう問題ではなくってよ?」

 

まあいいですわ気は済みました、そのドレスは差し上げますわ!それではアディオス!と風のように去るお姉さまを、とりあえずいい人だったな……と見送る。私になんなのよ!!と言っていたが彼女こそいったいなんだったのだろうか。

 

「あ、あー……多分知ってる子かもしれない。だとしたらうん、悪い子じゃないから安心して」

「(悪い人では無いのは)何となくわかる」




トレーナーが着せ替えられていた頃、黄色い相棒は渋い紅茶を味わっていた(舐めていた)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。