漆黒の英雄譚   作:おしるこをしるこ

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お久しぶりです。
長い間投稿できず、すみません。
実は今年になってからエタってしまっており、これ以上質を高めるのは無理なのか?と自分の中で限界を感じていたり……。

投稿するのを優先して質は後回しにします。私の人生そんな感じばっかです。はい…すみません。最近リアルで割と疲れることが多くて…という感じです。

今は少し某ゲームと出会い『エルデの王』を目指してモチベ上がってきているような気がするので今後少しだけ頑張れる気がします。

もしいたらですが、読者の方にはこれまでと変わらない温かく見守って下さるとうれしいです。

なのでもう少しだけ頑張りたいと思います。



それでは本編どうぞ


"ツアー"

大きな金属音が闘技場内に響き渡る。

 

 

 

モモンは思わず目を見開く。

 

 

音の発生源を知ったことで本能的に反応してしまった結果であった。

 

 

 

シメイがモモンの鎧を薙ぎ払った音……違う。

 

アガネイアがモモンの鎧を砕いた音……違う。

 

そもそもその音の原因にモモンは関わってはいない。

 

 

 

 

それもそのはず。

 

何故ならその音の正体は……。

 

 

 

 

 

 

「邪魔しないでくれないかい?」

「あら、いたの?」

 

 それはモモンの目の前で発生した音であったからだ。アガネイアとシメイの武器が互いにぶつかっていた。ハンマーと鎌、性質が大きく異なる二つの武器、その金属の不協和音こそが音の正体であった。

 

 

「やれやれ、仕方ないか。まずは君からのようだね」

「あなた強いの?そうは思えないけど」

 

会話が終わると同時に第二、第三の交差。攻撃による応酬が行われる。斬撃、防御、刺突、薙ぎ払い…からの兜割り、回避……からの打撃。

 

そんな戦いが行われていた。

 

それも空中で……。

 

 

 

 

(あの二人の戦いは気になるが…今は放置しておいても問題なさそうだな。それよりも……)

 

 モモンは関心を空から地上に向けた。自身に接近する気配が三十はいる。どうやらモモンに挑む者たちのようだ。

 

 

 

「おらくたばれ!全身鎧!」

 右手側からスキンヘッドの男が斧を振り上げ……。

 

「死ね」

 真正面からは顔に傷がある男は大きく拳を振り上げ……。

 

「良い鎧を着てるんじねぇよ」

 左手側からナイフを両手に持ったフードを被る男が何かをしようと……。

 

 

 

 

「邪魔だ」

 モモンは真正面にいた男を蹴った。続いて左右から仕掛ける男たちの攻撃を防御するために腕を折る形で構える。攻撃を防いだ時点に反撃として大剣を押し出した……シールドバッシュならずソードバッシュである。

 

 

 

蹴られた男が宙を舞う。そのまま他の参加者を巻き込む形で五人が倒れこむ。左右から仕掛けた者たちも同様で宙を舞ってこれもまた他の参加者たちを巻き込んだ。全員恐らく気絶したのだろう。

 

 

「おいおいやべーぞ。あの鎧野郎。めちゃくちゃ強ぇじゃねぇか」

「おい、十人掛かりで挑むぞ」

「よし、いくぞ」

 そう言って即席のチーム出来上がりと言える十人以上集まった参加者たちがモモンに向かって攻撃の態勢に入った。

 

剣を。槍を。斧を。……構えた者たちを一閃。その風圧のみで吹き飛ばす。

 

 

「悪いが……こんな所で負ける訳にはいかないんだ」

 モモンは男たちを蹴る。両手が塞がったモモンにとって両足を使うことは全力の手加減である。力加減が苦手なモモンにとってはそれは最大の配慮であった。

 

 

 

(さて…近くにいた参加者は大体戦闘不能にはした。後は…っ)

 モモンは再び空に視線を向ける。しかし先程までいたアガネイアとシメイは空高い場所で金属音を出しながら交戦している。それを見てモモンは思わず溜息が出た。

 

 

(あのまま二人とも場外で失格になってくれると嬉しいんだが……流石にそれはないだろうな)

 モモンは再び地上に視線を戻した。モモンに真っすぐ視線を向ける男が一人いた。

 

 

 

 

「ブレイン=アングラウス……」

「モモン……悪いがここでお前を倒させてもらうぞ」

 

 

 モモンとの距離、約二十歩。

 

 ブレインは武技を発動。そのまま居合の形で刀を構える。

 

 

 

 だがモモンはそれに対して構えなかった。ブレインの武技を見てみたかったことが最大の理由であったからだ。

 

 

モモンがブレインの武技の発動範囲に入ると同時に抜かれた刀の刃がモモンの首元を切り裂こうと向かう。

 

だがモモンはこれに対して……

 

 

回避した。

 

 

 

「……三倍で回避可能。成程な……」

「何を言っているんだ?」

 

 ブレインの武技を使った居合をモモンはただひたすらに回避していく。

 

そんな時間が二分は続くとブレインが肩で息をしていた。精神からくる疲労が全身に広がったようだ。

 

 

 

「ハハハ……どうも俺の人生はあの白いのに出会ってからおかしくなっちまったらしい」

「?」

 

 

モモンはブレインの発言で分かることは多くはなかったが、物言いから『強者』と出会ったのは確かなのだろう。エ・ランテルへの危機が訪れる可能性を想定した。だからモモンがブレインにそれを聞き返したのは英雄としては当然のことであった。

 

 

「そういえば以前も同じことを言っていたな」

「あぁ。その女は……っ」

 

 そこでブレインは息を呑んだ。それにすぐさま気づいたモモンは気配を感知する。そしてアガネイアとシメイと同等かそれ以上の気配の持ち主を。

 

モモンは気配の先へと視線を向けた。

 

そこには全身に白い貴人服を纏う仮面の女性が立っていた。

 

 

 

(もしやあの女がブレインの言っていた……特定の武技を探し回っていた女か!)

 

 

「どうしてあの女がこんな場所に……まさか帝国で何かを起こすつもりなのか?」

「!っ」

 

 

 モモンは思考を巡らせた。これだけの人数を集めた闘技場内で悪意を持った強大な力を持つ未知の敵。何かを起こすならば何をするつもりなのか。考えられることの一つは大勢の人質を確保すること、次に……。

 

 

(皇帝がこの場にいることを知っているならば、皇帝暗殺でも考えているのか?だとしたら……)

 

 モモンが思考の海に浸っているとブレインは走り出した。どうやら白い貴人服の女に向かっているようだ。

 

 

「おい!よせ。お前じゃ…」

「分かっているさ。俺じゃああの女に敵わないなんて。でもいつまでも負けたままじゃいれれないんだ。悪いが俺はここで大会から抜ける。じゃあな」

 

 

 

 モモンはブレインを追おうと駆けだす。

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間であった。

 

 

 

 背後から迫りくるそれを感知しその場から離れるように横に跳躍した。

 

 だがそれはモモンの行動を予測していたかのような動きで瞬時に態勢整え進路を変更。

 

 モモンに向かってハンマーを叩きつけていた。

 

 

 

 

 それに対してモモンは五倍速(・・・)で対応した。

 

 大きな金属音が会場内に響き渡る。

 

 

 

 

「不意打ちとは意外だな。そういうことをするタイプだとは思わなかったが」

「気が付いたじゃないか。これのどこが不意打ちなんだい?」

 

 

 

上段から振り下ろされた一撃を正面から受け止める。ハンマーを両手の大剣で受け止める形になった。だがモモンは攻撃を受けてしまったことを後悔する。何故ならアガネイアの腕力はモモン以上で彼の装備しているハンマーもまたモモン以上であったからだ。そんな相手の攻撃を受けたことで大剣や自身の肉体にダメージが通るのは当然の結果であった。そのため大剣を握る両手から神経を通り激痛がが走った。だがモモンは眉を歪めただけで態勢を崩すことはなかった。しかし一瞬の精神の硬直。それを逃すアガネイアではなかった。

 

 

 

「彼女はどうした?」

「あぁ。彼女は場外に吹き飛ばした。少しの間は戻ってこないはずさ。さてその間に…」

 

 

「君の力……見させてもらうよ」

 アガネイアは確かにそう言った。しかし少しばかりその声が遠くに感じた。それもそのはず、モモンの無防備であった腹部をハンマーを振り下ろしていたアガネイアが両足で蹴り飛ばしたからだ。咄嗟に腹に力を込めて衝撃に備え、後ろへと跳ぶ。その状態であったおかげでダメージをかなり抑えることに成功した。

 

 

「がっ!」

 ただの体術。されど……。それがモモンの感想だった。アガネイアがどのような職業(クラス)を取得しているかは分からない。だが体術までこなすとなれば修行僧(モンク)を取得している可能性が高いと考えていた。しかし蹴りを受けたモモンはすぐにその可能性はありえないと否定する。何故ならとある人物と比較した時あまりに弱弱しい蹴りだったからだ。

 

 

____【純銀】のセバス

 

かつて王都で対峙した兄弟子。手加減していたはずの蹴り。それを踏まえてもアガネイアの蹴りは弱く感じられた。それは一つの可能性を示す。

 

 

アガネイアは体術・格闘術に関するクラスを取得していない可能性だ。

 

 

(だが妙だな…その割には奴はあまりにも動けている(・・・・・)。そんなことありえるのか?)

 モモンはそう考える。体術などに秀でたクラスを修めていない者にあの動きが可能かどうか。もしそこまで動けないのであれば特定の武器---この場合はハンマー---に特化したクラスを取得しているかもしれないと考えられる。しかし奴の動きにそれらしいものは見当たらない。

 

また先程ハンマーによる攻撃を受けた時も"純粋な力"のみだと感じ、とても武器を使いこなすような技量は感じ取れなかった。

 

 

(あるいは……あの鎧そのものが奴の『武器』なのかもしれない。それならば武器の扱いに特化したクラスを修めていると仮定できる。あくまで可能性の一つでしかないが……。ただそうなると別の可能性が浮上するのだが……)

 

 

 

 

 

(だがその可能性はあまりにも……ありえないことだ)

 そこでモモンはふととある言葉を思い出す。

 

 

 

----世界の可能性は小さくない----

 

 

 

「……結局の所、全部推測でしかない。だが可能性はゼロじゃないな」

 

 

 

 モモンが思考を巡らせているのに対し、アガネイアは猛攻と呼ぶに相応しい乱撃を繰り返す。その攻撃の一つをモモンは対応できずまともに受けてしまう。

 

 

 モモンは吹き飛ばされたまま地面に両足を差し込む。その衝撃を殺し、会場内の壁に激突せずに済んだ。モモンは思考を止めぬまま両手に力を込める。

 

 

(何だ?この違和感)

アガネイアは明らかに強い。それは確かだ。しかしそれも至高の領域に達していたミータッチや格上のセバスとも違っているように思えた。

 

 そしてモモンは気付く。

 

(そうだ。奴の間合いの取り方は戦士のそれではない。これではまるで……魔法詠唱者(マジックキャスター)か戦士のフリをしているようではないか)

 モモンそう考える。するとアガネイアからの空気が一変した。

 

 

 立ち止まりこちらを見ている。まるで巨大な何かに注意深く観察されているような……。上手くは言えないがそんな感覚だった。ドラゴンに睨まれたゴブリンとはこんな感じなのだろうと…そんなどうでもいいことを思い出していた。

 

 

 

「……」

「どうした?」

 

 

「……」

「?……!っ」

 モモンは違和感とは異なることに気づく。

 

 

 

(そうだ!私はこの鎧が誰か知っているじゃないか!あの預言書(エメラルドタブレット)で見た。名前は確か…)

 

 

 

 

ツアー(・・・)?」

 

 

 

 瞬間、空気が凍り付いた。いやまるで今まで留まっていた巨大な圧が一気に解放されたような……例えるなら爆発。膨張する圧をモモンや周囲を襲った。

 

 

 

「!貴様っ……」

 先程までの空気とは異なり、明らかな殺気を向けてくる。巨大な殺気がモモンを襲う。モモンは密かに冷や汗を流すもそれに気づかれぬように口を開く。

 

「そうか……ようやく会えた訳だな。だが何故この場所に?」

 

 

 

「誰から聞いた?」

 殺気が大きくなっていく。しかしモモンはそれを受けてもなお別のことを考えていた。

 

 

 

「(答えてもいいが……。いや下手な交渉は信頼関係の構築に差し支えがあるか……ならばここは正直に話すべき!)……とあるアイテムを通してお前を見た。そこでお前の存在を知る者からお前の名前を聞いた。それよりも私の質問に答えてほしいんだが…」

「まさか……あのアイテムか。だがアレは……。だとしたらもしやお前が【預言者】か?」

 モモンの言葉にツアーは返事をしない。あくまで独り言をブツブツと呟く。

 

 

「さぁどうだろうな」(それは分からないが。わざわざ言わずともいいだろう。相手が何か情報をバラしてくれるかもしれないしな。質問してもいいがこの様子だと恐らく答えてくれることはないだろう)

「……そうか。やはり…君も【流星の子】か。その力の大小に問わず危険だな」

 

 

 

「?私たちが敵対する理由は無いはずだが」

 

「許せとは言わない。だが【流星の子】である以上、君を殺さなくてはならない。同じ過ちを犯さないために!」

「?(過ち?……【八欲王】のことか?。いやアレを通して見た記憶では少なくともこの者がそんな感情的になるような出来事だとは認識していなかったはずだ。私の知らない所で何かあったのか?可能性が高そうなのは……)」

 

 

 

 六大神

 

 八欲王

 

 と来れば…残された可能性は一つしかない。

 

 というよりモモンが知っている有名な伝承などそれぐらいしかない。

 

 十三英雄だ。

 

 

 

 

 

 

 アガネイアのハンマーがモモンを襲う。回避する。背後から大きな得物で狙われたのを感知したからだ。横に移動する様に跳ねたモモンは先程までいた場所を見た。地面は陥没しておりハンマーの跡がクッキリと残っていた。

 

 

「ツアー」

「黙れ!彼のように(・・・・)私を呼ぶな!」

 

 

 モモンはツアーに向かって駆け出す。だがそんなモモンに向かってツアーはハンマーを大きく振り上げた。振り下ろされたそれをモモンはそれを二本の大剣を交差させて防ぐ。そしてその瞬間、小規模な爆発が起きる。

 

 

「!爆発…」

 ツアーは一瞬だけだがモモンの存在を見失う。それは視界を煙で覆われたからではなく、この状況下で爆発を起こされたことへの一瞬の驚きゆえに。

 

 突然煙の中から飛び出てきたものを叩き下ろす。しかしツアーがハンマーで叩いたのはモモンではなくモモンの大剣の一振りであった。ツアーの頭上に跳躍して大剣を両手に構えたモモンを感知した。

 

 

 

 

 モモンは二つの武技を併用し自身の物理に干渉する攻撃力のみを……十倍にし、それを振り下ろす。

 

 

ツアーはそれに対応した。それは視覚に頼っていなかった(・・・・・・・・・・)ゆえに。だがモモンはただ斬撃を振り下ろした訳ではない。

 

飛ぶ斬撃である<飛翔斬>を放っていた。ゆえにツアーは振り上げたハンマーを一度叩き落される形となった。一瞬だけだがハンマーを持ち上げることが叶わなかった。勢いを殺されたハンマーにモモンは自分の全力の一撃を放つ。

 

 

 

それを受けたツアーを通して地面の土埃が舞い、二人を包み込んだ。その瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界が止まった。ハッとし周囲を見渡す。モモンとツアー以外の全ての時間が止まっていた。戦場で飛び交う歓声は聞こえず、踏みつける砂が周囲に飛び散ることもない。全てが止まっていた。まるで特定の時間や空間に隔離されたような感覚であった。それはまるでエメラルドタブレットに触れた時の様な……。

 

 

----ツアーか…----

 

 

思わず頭にそんな誰かの声が響き渡る。モモンはそれが瞬時に自身が所有するエメラルドタブレットによるものだと分かった。そうモモンだけがその声に気付いた……そのはずだった。

 

 

 

モモンはツアーから距離を取った。それは警戒心を最大限まで引き上げたため、そして何より相手の様子を伺いたかったからだ。

 

 

ツアーの様子がおかしい。

 

 

微動だにしなかったのだ。

 

だが先ほどまで存在していなかった殺気が飛び出てきた。エメラルドタブレットから漏れ出た言葉が聞こえた直後である。これで警戒するなという方が難しいだろう。

 

 

 

 

「君に聞きたいことが出来た。答えろ」

ツアーは先程とは全く異なる威圧的な話し方であった。

 

 

 

それ(・・・)をどこで手に入れたッ!!それは我々が探し求めていた【秘宝】の一つ。その欠片だ!」

「……これは私に生き方を教えてくれた恩師がくれたものだ」

 

 

「まさかスレイン法国から持ち出したのか!」

「知るか!これは私が大事な人から託されたアイテムの一つだ!」

 

 

 

「やはり…貴様らは死ぬべきだ。【世界の盟約】さえなければ貴様らなど!」

モモンの大剣にヒビが入る。あまりの圧に剣がひび割れrる。

 

 

 

----ツアー、止せ。この者はお前の敵ではない----

 

 

 

「信じられるか!今更……五百年前に死んだはずのお前の言葉など。お前が【流星の子】に肩入れしたせいで世界がどれだけ被害を受けたと思っている?ふざけるな!」

 

 

 

----許せとは言わぬ。だがこの者は我々にとっても希望となりえる存在。殺すことは許さぬ----

 

 

 

「希望だと!?既にほとんどの者たち亡き今、今更希望だと…戯言を」

 

 

----仕方あるまい----

 

 

次の瞬間、ツアーは倒れた。ガシャンと音を立てて崩れ落ちる。それと同時に世界が再び動き出す。観客たちの歓声が戻り、モモンの汗も流れていく。

 

 

 

「……ッ。僕はこの場を去ろう。だがモモン、忘れるな」

「?」

 

 

「【流星の子】は必ず殺す。例え誰であっても殺す(・・・・・・・・・・)

 そう言ってツアーは去っていった。

 

 

 

 

(最後の言葉は私にではなくまるで自分に言い聞かせているように思えたが……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 闘技場から離れたツアーは一呼吸置いた。

 

(冷静欠いてしまった。……やはり【流星の子】に対してはどうしてもこうなってしまう。分かってはいる。もう二度と戻らないのだと……だがそれでも…。)

 

 

(『彼』らは特別……特例中の特例だ。基本的に【流星の子】は皆死んでもらう。いつかはその本質も悪に染まるだろうし、その可能性がある限りやはり死んでもらう。世界の為に)

 

 

 

 

 ツアーは自らの拠点に戻ろうとした。

 

 

 

 

 その瞬間あった。

 

 

 

 

「!っ……この気配…まさか」

 

 

 ツアーは目を開けた(・・・・)。本来の姿に戻った状態で気配を感知する。

 

 

 

「この位置……もしやエリュエンティウに向かっている?この気配はやはり最初の(・・・)!?馬鹿な、早すぎる!」

 

 

 

 

 

 

 世界は大きく動き出そうとしていた。

 

 

 大きなうねりが……強大な力が……。

 

 

 世界を包み込む。

 

 

 その力の名は……。

 

 

 かつて神という概念が無かった時代に現れた災厄。

 

 

 文字通り、世界を震撼させた存在であった。

 

 

 

 そして世界はまだそのことを知らない。

 

 

 

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