東方神聖魔   作:東来

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空腹の妖怪

博麗神社に向かう途中、霊夢と魔理沙に出会った。

 

「遅いじゃない」

 

「ごめんごめん。団子屋で寝ていた」

 

「寝ていたって……、案外、呑気(のんき)なのね」

 

霊夢が呆れたようにため息をついた。

このような事態なのに、よく寝ていられたものだと。

 

「人里を見て来たが、ほとんどの人たちは、倒れていた」

 

「この霧は、妖力、魔力の塊らしいんだぜ。普通の人間じゃ倒れるのも普通だろ」

 

「多くの犠牲者を出さないうちに、早く異変を解決しましょう」

 

「霊夢はただ、面倒だから、早く終わらせようとしているんだぜ」

 

「ま~り~さ?余計なことを言わない」

 

「悪い悪い!本当に悪かったから、その札をしまってくれ!」

 

なんだかんだで、今日も元気な二人だな。

 

「そ、そういえば、想雅。その手に持っている袋はなんだ?」

 

「ん?これか。食材が入っている」

 

「早く家にしまいに行って。その間に、魔理沙をすこし……」

 

「ちょ、霊夢!さっき謝っただろ許してくれ!想雅、早くしまってきてくれ~」

 

女の子って怒ると、取り返しのつかないことになるからな。

想雅は言霊を使い、家に帰り、食材をしまってきたが、戻ってきたときには……

言わないでもわかるな?

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

「まったく、霊夢は酷いぜ……」

 

「私はただ、早く異変を解決して、人里のみんなを一日でも早く助けたいのよ」

 

「はいはい、おっしゃる通りです」

 

紅霧の流れに逆流して、飛んでいた。

進むにつれ、妖力、魔力が濃くなってきた。

霧が深いため、視界が悪いが、発生源に近づいているのは間違いない。

先頭の霊夢、魔理沙が止まった。

 

「ん?何かあったか?」

 

「想雅、あれ」

 

霊夢が指をさした、先には、黒い球体が動いていた。

しかし、動きがおかしかった。

右にフラフラ、左にフラフラ。

まるで、酔っぱらったおっさんみたいな動きだった。

そして、三人の視界から、ログアウトしていった。

 

「「「……」」」

 

三人とも言葉が出なかった。

 

「ど、どうするんだ、あれ……」

 

それから数秒、魔理沙が話を切りだした。

 

「どうしようかしら……」

 

霊夢と魔理沙が、さっきからチラチラこっち見てくるのだが……

それからまた数秒、魔理沙が挙手をした。

 

「私が、あれの正体を見に行くぜ……」

 

「私も、異変の首謀者だった時のことも考えて……」

 

霊夢も挙手した。

またチラチラ見てくるんだが……、俺もやれってか……

 

「それなら、俺が……」

 

「「どうぞ、どうぞ」」

 

「やっぱり、こうくると思っていたよ!チクショウ!」

 

ダ○ョウ倶楽部のネタだった。なんでこんなこと知っているんだ?あいつらは。

そうだよな、二人とも女の子だ。危ない目には合したらいけない。

 

「霊夢は、人里のみんなを一日でも早く助けたいんだよな。魔理沙も、あの黒い球体の正体が分からないまま行かせるわけにはいかないよな。いや……、なんかすまん」

 

無意識に俺は謝っていた。

 

「いやいや!別に想雅に謝ってほしいとか思っていないから!なぁ、霊夢」

 

「そ、そうよ!」

 

結果、霊夢と魔理沙に慰められました。

無意識って怖い。

 

「そ、それじゃぁ、私たちは先に」

 

「ちょっと待ってくれ」

 

二人を引き留め、想雅は慧音にやった時と同じに、手をでこに当てた。

当然、二人はパニックになった。

 

「動かないでくれ。体の中に妖力、魔力が少し入っている」

 

想雅がそれを言うと、二人は顔が赤くなりながらも落ち着いた。

 

(顔が赤く見えるのは霧のせいだろうか)

 

想雅の『聖』の力が二人の体に流れ込み、入っていた妖力、魔力をすべて浄化させた。

 

「この先、妖力、魔力が強くなっているから、念のため取り除いた。あまり無茶するなよ」

 

「……そう、ありがとう」

 

「……あ、ありがとうなんだぜ」

 

二人のお礼を訊くと、想雅は黒い球体が、ログアウトしていった、場所へと消えてった

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

黒い球体が、ログアウトしていった森へと入って行った。

ここにも紅霧が充満しており、普通の人間だと死にいたる量だった。

自分の進行方向には、紅霧の妖力だけではなく、少量の妖力が感じる。落ちていったのは妖怪だとわかった。

紅霧が深いためか少量の妖力を頼りにして、見つけ出さないといけない。

 

「ん?あれか……」

 

想雅は地面に倒れている少女を見つけた。

髪は黄色のボブ。 白黒の洋服を身につけ、スカートはロングである。 左側頭部に赤いリボンをしている。

少女はムクリと立ち上がり、周りを見渡し、早速想雅を見つけ、何事もなかったかのように話しかけてきた。

 

「あなたは、食べれるじんr……」

 

少女がいきなり倒れた。

想雅は急いで、少女を抑えるが、その拍子に少女の左側頭部についている赤いリボンが木の枝に引っ掛かり、ビリッと破れてしまった。

しかし、そのことには想雅は気にしていなかった。いや気にしてはいられなかった(・・・・・・・・・・・・)

少女から、黒いオーラが噴出し、少女を覆った。その瞬間に想雅は少女から離れていたため、黒いオーラに飲み込まれずに済んだ。

そして、少女を覆ったオーラは拡散し、その中から、少女から見違えるような女性が出てきた。

黄色のボブではなく黄色の長髪、背中に漆黒の翼が生え、右手に聖者の十字架を変形させた漆黒の大剣、先ほどとはまるで違う強大な妖力、しかしそれだけではない。さっきまで感じられなかった魔力が感じられた。

想雅は確信した。

この異変はこの妖怪の仕業だと。

確信した想雅は、刀を身構えた。

女性は無言で想雅に迫ってきて、右手に持っている大剣を振り下ろした。

 

「クッ……」

 

大剣を止めたが、想雅の足元にはクレーターができていた。

大剣を押しのけ一旦距離をとった。

女性は左手に魔力を込め、想雅の方へと、無数の闇の弾幕を放った。

 

「スペカを使うか。無双『ざn……」

 

想雅がスペカを使おうとしたが、その前に女性が倒れかけていた。

スペル名の詠唱を中断し、無数の弾幕を避けつつ、急いで女性の方へと向かった。

今度は女性の私物に傷をつけることなく受け止めた。

 

「ぉ……す……ぃた……」

 

「なんだ?言ってみろ」

 

「おなか……すい……た」

 

「……」

 

あまりにも意外なことで想雅は言葉が出なかった。

 

『我は誓おう、剣のような鋭さを、光のような速さを、鋼のような折れぬ意志を、我は、我行く道を突き通そうぞ!』

 

想雅は女性を抱え、『閃光の言霊』を詠唱し急いで自宅へと帰って行ったのだった。

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

想雅は家に一時帰宅し、女性を自室に置いておき、料理の準備をしていた。

 

「はぁ……なんかドッと疲れた……」

 

包丁で具材を切りながらため息をついた。

言霊に、自分の霊力を半分以上根こそぎ持っていかれた。想雅の霊力は、霊夢より少ないため、少し持っていかれたとしても、想雅には結構きつかった。

 

「三ヶ月間、能力のことばかりやっていたから、全く霊力の方に、手をつけていなかったのが失敗だったな……」

 

またもや、ため息。

 

「しかし、あの女性はなんなんだ」

 

倒れたと思ったら、起き上がって、攻撃してきたが、また倒れる。

理由は、「おなかすいた」って、何日も食べていなかったのか。

そのことはいい。より問題なのは、

 

「あの女性が、異変の首謀者かもしれないしな……」

 

あの時感じた妖力と魔力。。

しかしあの様子を見る限りでは、今回の紅霧を作り出すのは不可能に近い。しかしあの妖力と魔力の大きさだ。念のために訊くことはする。

無言で迫ってきたときは、正直肝が冷えた。

料理を作り終えた想雅は、女性が居る自室へと足を運んだ。

料理の匂いに気付いたのか、女性はムクリと立ち上がった。

 

「ここは……どこ?」

 

「俺の家だ。倒れていたもんだから勝手にここまで連れてきた」

 

「あなたの家に!もしかして意識がないあいだに、私にあんなことやこんなことにする気だったでしょ!」

 

「断じて違う!とりあえず料理を食べてくれ、お腹が空いたままだとまともに話ができん」

 

「睡眠薬とか入ってないでしょうね」

 

「お前の中では、俺はどういう存在なんだ!」

 

「意識のない女の子を家に連れ込んだ変態」

 

「はぁ……、ツッコむのに疲れた。とりあえず早く食べてくれ」

 

女性は、疑いながらも、料理を口の中に入れた。

 

「おいしい!」

 

「ならよかった」

 

まぁ、とりあえず料理は口に合った。

 

「睡眠薬とかはいt「入れていないからな」……」

 

女性はようやく大人しくなり、料理を食べていった。

 

 

数分後

 

 

「ごちそうさま」

 

「お粗末様でした」

 

今日買ってきた食材のほとんどを食べてしまった。

食事中に女性の名前を聞いておいた。名前はルーミアって言うらしい。

 

「お腹が満腹になったことだし、本題を話す」

 

一呼吸おいて、

 

「ルーミア、お前はこの紅霧異変の首謀者か?」

 

「その根拠は?」

 

「リボンがとれたとき、大きな妖力と魔力を感じた」

 

「あのリボンは封印のお札みたいなもので、私では取れないの。今の妖力と魔力は本来の力」

 

「封印されたのはいつだ?」

 

「紅霧が発生する前から」

 

今の妖力と魔力は本来の力ねぇ……って封印解いたのか!?

紅霧が発生する前からなら、紅霧は作り出すのは困難だ。

つまり、ルーミアはシロだ。

 

「すまないな、疑って」

 

「いいのよ。あと今回から料理ごちそうしてね」

 

「あぁ、わかt……は?」

 

「だから、今回、つまり今日から料理をごちそうしてねって言ったのよ」

 

「いやそこじゃなくて、なんで俺がごちそうしなきゃならない」

 

「え?だっておいしかったもの。あと、面倒くさい」

 

「おいしかったっていう感想は素直に受け止めるけど、面倒くさいって言う感想は、明日から本気出すと同じレベルだぞ」

 

「なにそれ、おいしいの?」

 

「とにかく、疑ったのは悪いと思っている。しかし、なぜ俺がごちそうしなきゃならないおかしいだろ」

 

「えー、お願い」

 

ルーミアが想雅に四つん這いで近づき、上目遣いで想雅を見つめた。

その眼差しは、ウルウルしており、今でも泣き出しそうな眼だった。

 

(ちょ、それ反則だろ!?)

 

想雅はハァとため息をつき、ルーミアに言った。

 

「……わかった」

 

「やったーーーーー!」

 

ルーミアが天井に拳を突き立て、ガッツポーズをした。

想雅は台所に置いてある刀を取りに行って、異変解決に向かった。

ルーミアがいってらっしゃいと手を振っていた。

 

 

 

 

 

 

 

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