東方神聖魔   作:東来

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妖精はこんな霧でも元気ですよ

「発生源はどこだ?」

 

さっそく出オチである。

さっきから進んでいるが、霧ばっかりで飽きてきたころだった。

どうせなら、ルーミアに訊けばよかった。なぜあの時、訊かなかったのだろうか。

しかし、後悔しても遅い。

想雅は、右に行ったり、左に行ったりと、自宅までの道のりが分からない状態だった。

言霊を使えば、発生源の場所を探知できるが、今の状態で使ってしまうと、明らかに落ちる。

落ちて生きていたとしても、霊力の回復に時間が掛かってしまい、霊夢たちだけで異変を解決しそうだ。俺の出番がなくなってしまう。

これだけは言わせてもらう。

 

「不幸だぁぁぁぁぁ!」

 

上○さんのように頭を抱え叫びました。

スッキリした。叫んでも現状は変わらないけど……

 

「しかし、さっきから寒いな」

 

ルーミアの時には感じなかったが、さっきから寒い。夜で寒いのはわかるが、夏の夜にしても気温が半分ぐらい下がっているように感じた。風邪引いたのかな俺……

 

「―――に――――――ぁ―――しょ――――し―――」

 

「なんか幻聴が聞こえたな。ますますヤバいな」

 

幻聴が聞こえると言うのは、死が近いことを意味する。

しかし、気分は悪くない。妖力、魔力は『聖』の力で浄化している。

 

「そこの人間、あたいとしょーぶしろー!」

 

「チルノちゃん、やめようよ」

 

自分の後ろから、二人の少女が向かってきた。

髪は薄めの水色で、ウェーブがかかったセミショートヘアーに青い瞳。背中の羽は六枚で、青か緑の大きなリボンを付けている。服装は白のシャツの上から青いワンピースを着用し、首元には赤いリボンが巻かれている子。

髪の色は緑、左側頭部をサイドテールにまとめ、黄色いリボンをつけている。服は白のシャツに青い服を着ており、首からは黄色いリボンを付けている。背中からは虫とも鳥ともつかない縁のついた二枚の羽が生えている子。

 

「お!ちょうどよかった。この霧のはっs「あたいとしょーぶしろ!」……」

 

こいつ聞いていない。あの少女の頭の中は、弾幕ごっこしかないのか。

しかも隣にいる緑髪の少女は、止めようとしているみたいだけど、まったく聞く耳を持っていないようだ。

 

「人間。あたいに恐れて言葉がでないのか?」

 

「いや違う。馬の耳に念仏だなと思った」

 

「うまのみみにねんぶつ?」

 

少女は首を傾げた。

 

「チルノちゃん、人の意見や忠告に耳を貸そうとせず、少しも効果がないことのたとえだよ」

 

「へ?馬?ちゅーこく?」

 

緑髪の少女が耳打ちするも、馬の耳に念仏の意味があまりわからないようだ。

 

「うーんもう!そんなことより、あたいとしょーぶしろ」

 

そして少女は考えることをやめた。

 

「勝負したら、この霧の発生源教えてくれる?」

 

「いいよ」

 

何も考えないで返事を返しただろ。やはり頭の中は弾幕ごっこ。

 

「君は、ちょっと離れておいてね」

 

「あ、はい」

 

緑髪の少女は素直に聞いてくれた。うん、いい子だ。

 

「それじゃ、開始といこうか」

 

緑髪の少女が後ろに下がリ終った後、弾幕ごっこが開始された。

 

「せんてひっしょう!氷符『アイシクルフォール』」

 

氷の弾幕が展開された。

しかし、少女の正面に弾幕は通っていないところがあった。なに俺を誘っているのか?

それでも、想雅は発生源の場所を早く知りたいため、あえてそこに行った。

 

「なんで当たらないのよ!」

 

え?俺を誘ったわけじゃないの?

想雅は少女の言葉を聞いて驚いた。

普通、弾幕が通っていないところに誘き出して、そこに集中砲火というシナリオだと想雅は思っていたが、別にそういうこともなく、ただ弾幕をそこに展開する発想がなかっただけだった。

この子の頭の中は弾幕ごっこだけど、戦略とか勝利の方程式みたいなものはないのか?

 

「ま、まだよ!凍符『パーフェクトフリーズ』」

 

カラフルな小弾を放射状に展開され、動いている弾幕が動きを止めた。そして尽かさず、カラフルな小弾を放射状に展開させた。そして止まった弾幕は、先ほどとは軌道を変え、想雅に向かってきた。

 

「これだと、動きを止めて軌道を確認したとしても、軌道を変えてしまうから、拘束『龍王の威光』は意味がないな」

 

弾幕の動きを止めたところで、弾の軌道を変えることはできぬぅ!ってか。

 

「なら!無双『斬月』」

 

無数の斬撃が展開され、少女の放った弾幕はことごとく消滅させた。

 

「あたいの弾幕を切った!?」

 

なんか刀の感触が気持ち悪かったが……、まいっか。

 

「むー、これでもくらえ~!雪符『ダイアモンドブリザード』」

 

氷の弾幕がまた展開された。

今度のは、凍符『パーフェクトフリーズ』より弾の数は多いが、さっきのより遅い。

想雅は、ひょいひょい避けていった。

 

「あ~!また当たらない!どうして!」

 

「次はこっちだ!聖矢『フェイルノート・スターダスト』」

 

指先に『聖』の力を込め、斜め上に打ち出した。

打ち出された弾は、一定の高さまでくると、まるでシャワーのように複数のレーザーが少女に向かってきた。

 

「この程度の弾幕をかわすことなんて、朝飯前よ!」

 

しかし、この弾幕はただ拡散しただけではなかった。一つ一つのレーザーが少女を正確に狙ってきた。獣を射抜く矢のように。

 

「こんなはずじゃ……」

 

そして、少女は弾に当たり、落ちていった。

 

 

 

 

-----○●○------

 

 

 

 

落ちていくところ、想雅は少女を抱き、緑髪の少女に誘導され、湖の岬までたどり着いた。

 

「ん……しょうぶは?」

 

少女が目を覚ました。

 

「そうか……あたい負けちゃったんだ……」

 

少女は残念そうに頭をガクリと落とした。

 

「まぁ……、そんなときもあるさ」

 

「そんなときじゃない!いつもだもん!」

 

少女は想雅の言葉にひどく反論した。

少女の目には涙が浮かび上がっていた。

 

「さいきょーなのに、さっき弾幕ごっこした人間にバカにされるし、それだけじゃない、いつもいつも誰かがあたいのことをバカにしているもん!どりょくして、どりょくして……」

 

少女はついに泣き出してしまった。

さっき弾幕ごっこしたって、たぶん霊夢か魔理沙のどちらかだ。

だいぶ辛いことだったのだろう。俺も自分のことをバカにされたら傷つくそれが普通だ。傷つかないやつなんていない。人間も、人間以外の人たちも、皆、心を持つ生物だからだ。

 

「相当辛かったんだな。俺はこの勝負で君のことを知った。そう君の強さも、努力もだ」

 

「今どうしようもなく辛いことや、悲しくて流した涙は、全て肥料。今は辛いかもしれないけど、これからたくさん色んな経験をして行ったら必ずいつかきれいな花が咲くんだ」

 

少女が顔を上げた。

 

「ど、どういう意味?」

 

「努力を積み重ねれば、最強になれるということだ」

 

「なれるの?」

 

「あぁ、なれるさ。ある有名な哲学者が言った。『世界には、きみ以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。ひたすら進め』とね」

 

「今は泣け。ひたすら泣け。満足するまで泣け。それが君の努力の証。恥ではないく誇りだ」

 

少女は想雅に抱き着いてきた。

そして泣いて、ひたすら泣いて、満足するまで泣いた。

 

数分後

 

満足したのか少女は想雅から離れ、吹っ切れた顔だった。

 

「あ、ありがとう……」

 

「どういたしまして」

 

うんよかった。先ほどの元気な姿に戻って。

 

「そういえば、君たちの名前は?」

 

「あたいはチルノ!さいきょーの妖精だよ」

 

「私は、大妖精です」

 

「俺は天上想雅だ。この霧の発生源はどこなんだ?」

 

「たぶん紅魔館という、この湖の岬にある洋館だと思います。霧が出てくるのを見ました」

 

緑髪の少女が答えた。

名前からして、凄く怪しいな。

 

「そこの館には、吸血鬼という妖怪が住んでいます」

 

吸血鬼。日光、ニンニク、十字架、流水など、弱点が多い怪物だ。

本当はそれが弱点なのか知らないが……

まさか、有名な吸血鬼さんとやらに会えるとは、幻想郷ってすごい。

 

「その紅魔館というのはどこにあるんだ?」

 

「向こうに進んでいけばあると思いますよ」

 

大妖精がさした方向は自分の後ろの方だった。

途中で過ぎたのか俺……いやあっちこっち行っているから過ぎたって言っていいものか……

 

「ありがとう。じゃ、ちょっくら行ってくる」

 

「気を付けて」

 

「じゃーな。そーが」

 

チルノ、大妖精に見送られ、想雅は霧の中へと消えていった。

 

「ねぇ、大ちゃん」

 

「なぁに、チルノちゃん」

 

チルノが大妖精に質問する。

 

「なんでそーがは、腰にあんなもの(・・・・・)つけていたんだろう?まさかバk「チルノちゃん!それは言っちゃダメ!」うん。わかった……」

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

一方、想雅の自宅では、

 

「何かないかな~」

 

ルーミアが台所をあさっていた。

 

コン

 

あさっていると、ルーミアに何かにあたった。

ルーミアがそれを手に取った。

 

「これって、想雅の()なんじゃ……」

 

 

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