誤字は直してあると思いますが、どこかなっていたなら笑わず、温かい目で見守ってください。
レミリアに無数の剣が向かった後、レミリアは飛ばされ、一時的に意識を失った。
数分して、レミリアは目覚めた。
「植物ごときに、私の弾幕が負けるなんて、屈辱だわ……」
「もう灰になったけどな」
ありがとう、戦友ネギ。お前の代用は、まだ家にあるから心配しないでくれ。
ネギはすでに灰になっていた。
無数の剣の出現の後、力に耐えられなかったのか、想雅の手元から、灰となりサラサラと落ちていった。
「ま、まぁいいわ。今回はあの子を助けてほしいからわざと負けてあげたのよ」
「で、あの子というのは?」
「私の妹の、フランドール・スカーレットのことよ」
フランドール・スカーレットか、妹と言うなら吸血鬼に間違いない。
「フランは、生まれてからの半分以上は地下で過ごしているわ。あの子の力が恐ろしかったのよ。だから私は地下に閉じ込めたのよ。しかしね、あの子も出ようと思えば出られるの、だけど出ようとしないの」
「フランドールの力?」
「『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力 』よ」
「つまり、俺にその能力をどうにかしてほしいのか?」
「いいえ、違うわ……」
話を聞く限り、そのフランドールの力をどうにかしてほしいとしか思えない。
「先週、フランの状態がおかしくなったの」
「おかしくなった?」
「『狂気』が一気に増大したの」
レミリアがそのまま続けていった。
「前から『狂気』はあったわ。わたしが地下に閉じ込めたせいでね。けど、増大した『狂気』は私ではどうにかできなかったわ。以前とは比べ物にならないぐらいにね」
「その『狂気』をどうにかしてほしいと」
「えぇ、そうよ。妹を助けられないなんて、姉失格だわ」
「違う」
「え?」
レミリアは驚いた。
「レミリアはフランドールを助けたいから、この異変を発生させたんだろう?」
「ち、違う。私はこの幻想郷を乗っ取ろうと思っていたのよ。フランのことなんか……」
「言ったよな、『あの子を助けてほしい』と、そこからすでにフランドールを思って言っているだ。異変は俺を呼び込む餌ってやつだろ」
「そ、それは……」
「今訊いているのは異変のことじゃない。フランドールをどうしたいのかだ。どうなんだよ。助けたいのか?それとも、ほっといておくのか?」
「助けたいわ……、もっとあの子と一緒にいたいわ。あと、謝りたいわ」
「わかった」
「助けてくれるの?」
「あぁ……と言いたいところだが、刀がないと正直勝てるのかわからん」
想雅には、格闘技の心得はない。幼少から剣術だけをやっていたためである。
爺ちゃんから、『一つのことだけを極めろ』と教えられていたため、格闘技などの肉弾戦はド素人……まではいかないと思うが、それが吸血鬼なら、死が訪れることは間違いないだろう。
「頼りがいがあるのか、ないのか……」
レミリアは呆れていた。
「……ッ!」
レミリアの体が、ビクンと動いた。
「どうした?」
「大きな力が近づいてくる」
「あー、この妖力、魔力は……」
うっすら感じていたが、何かがこっちに向かってきている。
しかし、想雅は気付いていた。あの行き倒れ妖怪だということを。
「そーが!刀忘れていたぞー!」
大きな衝撃と共に、ルーミアが壁を突き破ってやってきた。何とも豪快なお邪魔しますだろうか。小学生でも無いぞこんなこと。
「ちょっとあなた!壁からじゃなく、玄関から入ってきてよ!」
「え?この館に玄関ってあったの?壁しか見えなかったわ」
「あなたが正面しか見ていないからでしょう!?」
登場した瞬間にレミリアに怒られていた。
まぁ普通は玄関から入ってくるものだろう。しかし、ルーミアは違った。逆に壁を突き破って入ってきた。なんと奇想天外なことだろう。
「そのことはもういいわ」
「よくないでしょう!?」
ルーミアがレミリアを無理やり振り払い、ルーミアが想雅に歩み寄ってきた。
しかし、片手に大剣を持ちながら近づいてくるところ、ホラー映画にありそうな場面だった。
「サンキューな。ルーミア」
「当然のことをしたまでよ」
よし、これでフランドールを助けることができる。
「それじゃレミリア、案内してくれ」
「はぁ……わかったわ」
-----○●○-----
紅魔館は予想していたよりも広かった。
館内も十分広いくせに、地下にも部屋があった。そこには町の図書館では見られないほどの本が、本棚に並べてあり、その本棚がたくさんあった。
エントランスホールから広いと思っていたが、まさかここまで広いとは思っていなかった。
ルーミアも興味津々にあちらこちら見ていた。まさに初めて見るものに興味を抱いた小学生みたいだった。その分、レミリアはしっかりとしていた。ルーミアがどこかにフラフラしようとすると止めてくれている。だが、ルーミアが壊した壁のことを話していたが、ルーミアは全く聞く耳を持っておらず、最終的にはレミリアが「うー」と言い、先ほどまであったカリスマが無くなり、普通の幼女化とした。
「ん?あれは魔理沙か?」
一部の空間だけ本がバラバラと床に落ちていた。そこには見覚えのある白黒の魔法使いの魔理沙と、本の下敷きになっている女の子がいた。
長い紫髪の先をリボンでまとめ、紫と薄紫の縦じまが入った、ゆったりとした服。さらにその上から薄紫の服を着、ナイトキャップを被っている。また服の各所に青と赤のリボンがあり、帽子には三日月の飾りが付いている。全体的にゆったりとしたその服装は寝巻きのように見える。
「お、想雅じゃないか」
魔理沙は想雅に気付き、こっちに走ってきた。
「どこにもいないと思っていたが、図書館にいるとわな」
「いや~、異変解決のついでに目ぼしいものでもないのかなって、この館を調べていたんだぜ」
「目ぼしいものってお前、何か盗む気だな……って言う以前に手に持っているし」
「盗むって物騒な、借りていくだけだぜ。一生な!」
「そういうのを一般的に盗むって言うんだぞ、魔理沙」
魔理沙の頭に手刀を入れた。
「い、痛いぜ……想雅」
「盗もうとした物は返しておくからな」
魔理沙が落とした本を拾い、持ち主だと思う紫髪の女の子の方に行った。
紫髪の女の子を本の山の中から引っ張り出そうと頑張っている女の子がいた。
赤い長髪で頭と背中に悪魔然とした羽、白いシャツに黒色のベスト、ベストと同色のロングスカートで、ネクタイを着用している女の子だった。
「手を貸すよ」
「いいんですか!けど、この本の山からパチュリー様を引っ張り出すのは無理でしたよ。この本の山をどうにかしないと救出は不可能と思います」
「この本の山をどうにかしればいいんだな。少し下がっていろ」
想雅は本の山に手を置いた。
『存在有りして、事は無し。事実を塗り替え、それを真実とかさん』
想雅は、『真実の言霊』を使い、目の前にあった本の山は、一瞬にして無くなり、空だった本棚に収まっていた。
霊力は、だいたい回復していた。霊力の量が少ないから……
「た、助かったわ……」
紫髪の女の子は、ムクリと立ち上がった。
想雅は、魔理沙が盗もうとした本を渡した。
「ありがとう。私は、パチュリー・ノーレッジよ。あっちの悪魔みたいのは小悪魔よ」
「パチュリー様からご紹介に上がりました。小悪魔です。パチュリー様を助けていただきありがとうございます」
「俺は、天上想雅だ。これで魔理沙が本を盗もうとしたことはチャラにしてくれ」
「わかったわ……いきなりだけど、さっきのアレは何?呪文を詠唱しているように見えたのだけど」
「さっき唱えたやつは、『真実の言霊』だな」
「なぁ、想雅。その『言霊』ってやつはなんだ?」
魔理沙が質問した。
そういえば、霊夢にも説明していなかったな。あいつらに使ったのって、初めての弾幕ごっこ以来だったな。その時は、霊夢も魔理沙も気付いていなかったからなぁ。説明し損ねた。
「『言霊』は、一般的には日本において言葉に宿ると信じられた霊的な力のことだ。簡単に言えば、魔法の呪文みたいなものだ。この能力を使うと、俺は霊力が低いから、半分以上は無くなる。」
「霊力の半分以上って、想雅の霊力ってそんなに低かったのかよ」
「能力のことばかりに集中していてな、霊力のこと忘れていた」
「その半分以下の霊力で、フランを助けるというの」
またレミリアが呆れている。
「俺の能力は『言霊』だけじゃないんでね」
「『言霊』以外にもなにかあるの?」
パチュリーからの質問だ。
「それはフランドールを助けてからだな」
想雅はパチュリーにそう告げ、紅魔館のさらなる地下へと足を運んだ。
-----○●○-----
「ここに、フランがいるわ」
分厚い扉の前に着いた。
「それじゃ行ってくる」
「気を付けてね」
「フランドールより俺のことを心配してくれるのか?」
「それはそうでしょ。あなたは人間、フランは吸血鬼、その差は歴然よ」
「だけど、俺は吸血鬼に勝った」
「そ、それはわざと勝たせてあげたって言ったっでしょ!?しかも、今のあなたの霊力は、半分もないのでしょう。自殺行為にも程があるわ」
「ご忠告どうも」
想雅は扉に手を当てて、扉を押した。
「あ、そうそう」
扉が開いたところで、想雅は何か思い出したかのようにレミリアに言った。
「レミリア、少しは素直になれよ」
レミリアにその言葉を告げ、扉の奥へと進んでいった。
「……余計なお世話よ」
本当は、次回話と合わせる予定だったんですけど、なんかここがきりがいいと思いまして、
次回話は、明日、投稿します。