前回、新スペカを紹介していませんでした。すみません……
聖槍『ロンギヌス・レクイエム』
『聖』の力を込めた槍を作り、相手に投げ、爆発させる。(弾幕ごっこの場合は爆発はさせな
い)
このスペカには、『聖歌を歌え。聖音を奏でよ。故に、悪を挫き邪を砕け』という思いが込め
られている。
感想ありがとうございました。
では、ごゆっくり。
想雅はある一室で目を覚ました。
赤を中心にした部屋……まぁ、見ただけでここがどこか分かるんですけどねぇ……
外は明るく、紅霧が無くなったのを確認した。これでひとまず異変解決ってわけか。
しかし、俺はどれだけ寝ていたのやら。
「お兄様ぁ~!」
濃い黄色の髪をサイドテールにまとめ、その上からナイトキャップを被っている少女、フランドールが想雅に抱き着いた。
「グフッ!」
抱き着いてきたのはいいが、抱き着くっていうより突進だなこれは……みぞおちクソ痛い。その振動で左腕もクソ痛い。ま、まぁフランドールが助かったのが何よりだがな。
「よかった……よかった……」
フランドールは想雅の胸で泣いている。
やはりフランドールは根はいい子だな。あのクソ悪魔生きているっていうのは気に障るな。
「フランドールの方は大丈夫なのか?」
「フランと呼んで」
「あ、あぁ、わかった。フランの方は大丈夫なのか?」
「うん、私は大丈夫。お兄様の方こそ大丈夫?」
「だ、大丈夫だ……」
だが痛い。痛いったら痛い。痛いもんはしょうがない。
「とか言って本当は痛いんでしょ」
扉が開き、部屋にもう一人はいてきた。
水色の混じった青髪に真紅の瞳の少女と、銀髪のボブに両方のもみあげ辺りから、先端に緑色のリボンをつけた三つ編みを結っている女性が入ってきた。
「さらっと人の心を読むな」
「やっぱり、あなたって自分の事より、他人の方が気になるでしょ」
はぁ……とレミリアはため息をついた。
「本当は、お嬢様は嬉しいんですよ」
「さ、咲夜!何言うのよ~」
レミリアは咲夜にポカポカ叩いていた。
やっぱり外見は幼女にしか見えん。
叩き終わるとレミリアはゴホンと咳払いして言った。
「とにかく、フランを助けてくれて心から感謝するわ」
レミリアは想雅にお辞儀した。
「当たり前のことをやったまでだ」
「だけど、その頼みごとで私はあなたに傷をつけてしまったわ……」
「それはお姉様のせいじゃないわ!すべては私のせいだもの……」
「気にするな。今俺はここにこうして生きてる」
「だけど……」
「そんな暗い顔するなよ。せっかく姉妹の再開だからもっと喜べよ。ここだと大した話ができないだろ。俺は大丈夫だからもっと話して来いよ」
「ありがとう……」
レミリアはフランと手をつなぎ部屋に出ようとした。
「咲夜はここに残りなさい。想雅の看病もかねてね。私とフランで話し合ってくるから」
「わかりました」
レミリアは気遣ってくれたのかここに咲夜を置いてくれるらしい。
「そういえば、フラン」
「ん?なに?」
「なぜ俺のことを『お兄様』と」
「名前知らないから」
さいですか……
レミリアたちと入れ替わりにパチュリーと小悪魔が入ってきた。
「体の調子はどう?」
「左腕以外は良好だ」
想雅が寝ているベットの隣にある椅子に座った。
「まぁ、あれぐらい寝ていれば治るでしょう」
「?治る」
「レミィから聞いてないの?あなた3日間も高熱で寝込んでいたのよ」
3日間の高熱ってインフルエンザじゃあるまいし、いやアウナスの炎食らっていたあたりから、体調に異変があったな。
「見ただけでもだいぶ良くなったと思うわ」
そう言うとパチュリーは想雅の目の前に来て……って近い!顔が近い!
「約束通り、あなたの能力について教えてもらうわ」
「あぁ、約束だったもんな」
なんだろう、目の前にきたらなんか脅迫みたいな感じだったな。
「まず1つ目、『聖と司る程度の能力』だ。今回のフランが異常な『狂気』に見舞われた現況のアウナスを追い払ったときに活躍したように、悪魔など、悪しき存在に大ダメージを与えるものだな。あと、回復力は通常より早い。大怪我でだいたい1週間ぐらいだ。即死の場合は……たぶん意味はないと思う」
「そう……ってアウナス!あのソロモン72柱の!?」
「あぁ、そうだ。今回奴は、フランの少しの『狂気』に反応して幻想郷に来たらしい」
「次に2つ目、『魔を司る程度の能力』だ。これに関してはよく分からないが、簡単に言うと、強大な力を与えてくれるらしい」
「強大な力ねぇ……それってあなた以外にも使える能力かしら?」
「わからねぇが、たぶん可能だと思う」
他人にも、『魔』の力を与えるっていう発想はなかった。
能力って、人に話すと使い道などがよくわかるな。
「あとは、通常は傷付けられない神や魔物を斬るなど、何らかの特別な能力を有しているらしい」
パチュリーはふーんと軽くうなずいた。
「最後の3つ目、『言霊を創造する程度の能力』だ。この能力には2つの力がある。まず一つ目に、『想像によって創られる言霊』だ。この前、パチュリーが埋もれていた本にかけたものだ」
「よく短時間で創れたものね」
「この能力は想像したことを『言霊』に創り変える能力だからな、詠唱しないと意味はない」
「2つ目は、『神を知ることによって創られる言霊』だ。こいつは試したことがないから内容はまだわからん。神話を読めば使えるらしい」
「あと、その二つの能力の扱いが逆になると死ぬらしい」
「……死と隣り合わせな能力ね」
ほんとだよ。今は使っていないからいいけどさ。間違えたら死ぬんだぞ。どうやって死ねのかわからない分、怖いんだよ。爆発とかシャレにならないから。
「いい情報だったわ、ありがとう」
「力になれて何よりだ」
パチュリーは椅子から立ち、小悪魔と共に扉の方へと歩いていった。
「ちょっと待ってくれ」
想雅はパチュリーを引き留めた。
「なに……」
「パチュリーが居るところって図書館だったよな。そこに神話に関しての本ってあるか?」
「あるわ」
「それをm「読みたいのね?」……はい」
最後まで言わせろよ。
「わかったわ、少し待っていて」
パチュリーは部屋から出ると、何か嬉しそうに鼻笛を立てながら歩いて行った。
「パチュリー、嬉しそうですね」
「えぇ、パチュリー様は本が好きな人が好きですから。ある魔法使いを除いて」
ある魔法使いって、絶対魔理沙のことだな。本を盗もうとしたし。
「3日間、来てはパチュリー様の本を盗んでいき、ついでに想雅様のお見舞いと言い張るのですよ」
お見舞いは嬉しいが、ついでに盗人って……そこはお見舞いだけにしようぜ。
想雅は、ハハハ……笑うしかなかった。
そうだよな。笑うしかないかったもん。だって、
絶対壊してやってくるもん。
「そーーーーーがーーーーー!」
バリィィィィィン!
黄色の長髪の女性が窓を破って入り込んできた。
部屋に入り込んですぐに、想雅に抱き着いた。
「想雅ー!会いたかったよー」
「お、おう。心配かけたな」
抱き着かれて困るんですけど、当たっているんですけど、特に胸とか、胸とか……
痛い!チョー痛い!腕が左腕に当たって、チョー痛い!
「あなた想雅様から離れなさい!痛がっているでしょ!」
ナ、ナイス……咲夜。
ルーミアは咲夜に言われると、想雅からしぶしぶ離れた。
「だ、だって、お腹すいたもん……」
ぎゅるるるるるるるるるる……
何だろう、涙が出そう……ルーミアのお腹の音が部屋中に響き渡った。
うん、予想はしてたよ。3日間も家に帰ってなければさすがにこうなるって予想していたよ……
しかも、『会いたい』って食事を作ってくれる人に会いたいという意味ね。ハハハ……
「ったく、わかったよ。今から作るからm」
ベットから出て立とうとすると、急に立ち眩みが……
「想雅様は立たないでください。あれだけの出血したのですから、この人の食事は私が作りますから」
「す、すまないな……」
しかし、ルーミアは頬を膨らませた。
「え~、想雅のご飯がいい!」
「駄々こねないの。想雅様は貧血状態なんですから、ご飯作りませんよ」
「わー!すみません!駄々こねませんから!」
ルーミアは咲夜にごめんなさいと手を合わせていた。
「な、何さっきの音!」
扉がバンッ!と開き、レミリアとフランが入ってきた。
レミリアはルーミアを見て、窓を見て、そしてルーミアを睨みつけた。
「またあなたなのね!窓を割ったの!壁の件でも、なんで玄関から入らないの!」
「窓が見えたから」
「それは理由じゃないでしょ!」
次は、パチュリーと小悪魔が入ってきた。
小悪魔だけに、本持たせているな。パチュリーはパチュリーで1冊の本を持て来ては椅子に座って読むし、自分も持てよ。
「こ、これが神話に関する本で……す!」
ベットの隣にある、机に小悪魔が本を置いた。7、8冊はあるな……しかも太い……
読めるのか?辞書サイズだぞ。
扉が開き、美鈴が入ってきた。
「レミリアお嬢様。霊夢と魔理沙が来ました」
美鈴の後ろから、霊夢と魔理沙が入ってきた。
「よぉ、想雅。目が覚めたんだな」
「魔理沙がまた盗みに来た……」
パチュリーは魔理沙の方を向くと、ぼそりと言った。
「いやいや、今回は想雅の見舞いに来たんだぜ」
いや、ぜってー違うだろ。背に持っている本はなんだよ。
「体の調子はどう?」
霊夢が部屋内の人混みを抜け想雅の方へ近づいた。ってか人口密度多ッ!
「熱は下がったが、左腕と痛みと、貧血の症状がある」
「熱は下がったのね……よかった」
霊夢はホッとした。
あと、魔理沙とパチュリーがここで弾幕ごっこしようとしているんですけど……
レミリアはルーミアに説教しているが、ルーミアのボケでカリスマブレイクしちゃったし、咲夜はレミリアを慰めているし、小悪魔はパチュリーを止めようとしているみたいだけど、まったく聞いてないし、美鈴に限って、なんか寝ているし……
「はぁ……あの二人止めてくるわ」
霊夢はため息をつきながらも、魔理沙とパチュリーの方へ歩いて行った。
そういえば、フランはどこ行ったんだ?さっきまでいたはずなんだけどなぁ……
そのフランは、想雅の服の袖をちょんちょんやっていた。
「どうした?」
「横、座っていい?」
「あぁ」
フランは想雅の横に座った。
「なぁ、フラン」
「なに?」
「にぎやかなのは、意外といいだろ」
「うん!」
フランの笑顔は、幸せの笑顔だった。
これで、紅霧異変編はおしまいです。
最後にフランちゃんの幸せの笑顔が見れてよかったです。
次回は紅霧異変が終わってから、1週間後のことを描きます。