月に、2,3話しか上げられないと言ったが、あれは嘘だ。
凄く上げたいという衝動が止められなかった。
受験がそろそろ近いのに……っていうかあと一週間したら冬休みジャン。速いな。
いや、いやだな。受験勉強が本格的になっちまう。
感想ありがとうございました。
では、ごゆっくり。
紫に手招きされた後、またスキマに落とされた。
なんでこう、ボッシュートされるのだ。解せぬ。
落とされた先は、一軒の家が、視界に映ったが……
「痛ッ!」
また背中を打ちつけた。痛い……連続で背中にダメージ……痛い……
段取りってさっき言ったのに訊いてねぇ……最初から訊く気なかったのか。
想雅の上にまたスキマが開いた。
エ?マジデ?
ゴスッ!
「ガッ!」
さらに追加攻撃。紫に腹を踏まれた。くそ痛い!
い、いや痛いっていうもんじゃない。なんかこう……内臓が飛びでそうな勢いの痛さだ。
紫は下を見て、ウフッっと笑い、何もなかったかのように想雅のお腹から足を外した。
外す時、足に力れるから、マジで痛い。
「い、いてぇぞ……紫……出るところ、考えろよぉ……内臓が飛び出るところだったぞ……」
想雅はただ地面に這いつくばるだけだった。
立てん。痛すぎて、立てん……
「出てないからいいじゃない」
「そういう問題じゃなくてなぁ……」
こ、こいつ……気配りっていうもんができねぇのか……
想雅はまだ痛む腹を押さえながら、ゆっくり立ち上がった。
な、なにが修行だ。こんなようじゃ、俺の命に関わりそうだ。
「やっと立ったようだし、さ、入りましょう」
誰のせいだよ……想雅はため息は今の状況ではつけないので、内心で思った。
紫が扉を開いた。
「おかえりなさい、紫様。おや、後ろの方は誰ですか?」
金髪のショートボブに金色の瞳を持ち、その頭には角のように二本の尖がりを持つナイトキャップを被っている。この尖がりの中には狐耳ようなものがピクピク動いていた。
紫よりは身長は低いと見える。
服装は古代道教の法師が着ているような服で、ゆったりとした長袖ロングスカートの服に青い前掛けのような服を被せている。腰からは金色の狐の尾が九つ、扇状に伸びている。
「あ、挨拶が遅れた……天上想雅だ……」
「私は八雲藍だ。それより大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だと思う……内臓が飛び出そうな感じだが……」
「さっきから、痛い痛いって、私が重いみたいじゃない」
「とりあえず、休むといい」
紫の家に上がり、居間へと案内された。
藍に「くつろいでてくれ」と言われたので、机の前に座った。
少し経った後、藍がお茶を持ってきた。
「お茶を飲めば、多少は落ち着くだろう」
「サンキュ……」
さすがに寒くないため、冷たいお茶だった。
想雅はそれを一気に飲み干した。言われた通り、多少は腹の調子が良くなった。
夏だから、うまいと感じる。
「……で、その霊力の修行内容はなんだ?」
「少しは話せるようになったのね」
「あぁ、お陰様でな」
紫はニコッと笑った。
想雅も笑った。ただし、笑顔の方ではない。
「修行内容だけど、あなたには藍と戦闘してもらうわ」
「それとどう俺の霊力と関係あるのか?」
別に今までとの弾幕ごっこと変わりはないはずだが……
「ただし、条件付きでね」
「条件?」
「あなたは1ヶ月間、霊力以外の力を使うのを禁止するわ」
「ちょっと待てぃ!霊力以外って、『聖』の力と、『魔』の力が使えないというのか!?それで戦闘!?」
たしかに今までの俺は、聖』の力と、『魔』の力に頼りっぱなしだった。
しかし、いきなり霊力だけで戦闘しろと。霊力なんて、『言霊』と空を飛ぶをとき以外使っていない。
「そうよ。そうでもしないとあなたの霊力が一向に上がらないわ」
「にしても無茶苦茶じゃねぇ!?」
「短時間で霊力を上げる方法はそれしかないわ。修行時間が長ければ、もっとゆっくり霊力を上げられるわ。ならいっその事こっちに住む?」
「いや、遠慮するよ」
「そう……それじゃぁ、外に出ましょう」
-----○●○-----
外に出て、結構開けた場所に来た。
空は相変わらず青い。そう地球は青かった。まぁ、どうでもいいことだ。
目の前では藍が立っている。少し離れたところでは、紫がスキマに座りながら見ている。
スキマって座れるものなのか?てっきり落とすだけかと思っていた。
「なぁ、藍。お前は九尾の狐なのか?」
先ほどから触れていなかったが、気になる。それが人間の本能、珍しいものを見ると気になってしょうがない。いや、子供の興味心か?どっちでもいい。
「あぁ、そうだが。想雅は妖怪を怖くないのか?」
藍も不思議だった。ほとんどの人間は妖怪に恐れを成しているからだ。
「最初のうちはそれは怖かったさ、逃げたいぐらいにな。しかしな、少しの間だけ妖怪と暮らしていたんだ。不思議に恐怖心が無くなってな。一緒に過ごすのも悪くないと思ったんだ。しかも、一人一人に個性があって、面白い。有名な九尾の狐とならば、今は話せるだけでも光栄なぐらいだ。しかし、今は九尾の狐ではなく、八雲藍して、修行相手として、正々堂々とやってもらいたい」
「そうか……一つ聞くが、妖怪と人間が共存して暮らせることはできると思うのか?」
藍は想雅に訊いた。
この幻想郷は、紫様が創った世界。妖怪と人間が共存して暮らせる理想郷だ。
「俺は、人間と妖怪次第だと思う。人間は妖怪を恐れ、妖怪は人間を襲う。妖怪は人間を喰らい、人間は妖怪を退治する。どう考えても相容れない存在と言える。しかし、この世界を見れば、だいたい共存していると思うが……あぁー、わかんねぇー!まだ人生16年しか生きていない人間が言うもんじゃないよな」
「「フフッ」」
紫と藍が笑った。
「あなたをこの世界に連れてきて正解だったわ」
「そうですね……って紫様!連れてきたって!神隠しをしたのですか!?」
藍が紫の方へと行ってしまった。
-----○●○-----
あれから数時間後、藍の説教時間は終わった。
途中、紫がスキマで逃げた……と思っていたが、スキマが想雅の後ろで開き、紫が出てくるなり想雅の背中に隠れた。そして紫に、「そ、想雅ぁ~。あなたも何か言ってよ~」と涙目で言われたので、しょうがなく藍に俺がここにいる理由を言った。藍も納得してくれたようだったので、それで説教の幕は下りた。っていうか修行の時間減ってねっ!
「まぁ、そういうことだ。紫のことは責めないでくれ」
「本人が言うから、いいが……」
「そ、それより、ちゃっちゃと修行を始めましょう!」
紫の目には少し涙が浮かんでいた。藍の説教は凄いのか……
「なぁ、一ついいか?」
「ん?なんだ?」
「霊力だけで戦えるのか?」
「そうとでもしないと霊力が上がらないわ」
「いやそういうことじゃなくて、
「「え?」」
紫と藍は目を大きく見開いた。
「ど、どうやってて、普通に霊力弾を打てばいいんだが……」
藍はそう答えるが、
「だから、その霊力弾が打てないんだよ。っていうか打ったことが無い」
「そうならば、あなたは弾幕ごっこにスペカしか使っていないと……」
「そうだ」
紫と藍はお互いの顔を見るだけだった。
2人は、この調子で、修行が続くのかと思っていた。
そう。想雅は弾幕ごっこでスペカしか使っていない。
霊力弾なんてもってのほかだ。
がんばれ想雅!笑いの神はお前に微笑んでいるぞ。いや、爆笑している。