さて、何者かの登場です。
想雅と、天魔様の戦闘に乱入してくるなんて、度胸あるねぇ~
では、ごゆっくり。
想雅、天魔に向け急降下してきた何かは、砂煙の中で立ち上がり、暴風を起こした。
砂煙が、飛ばされ何かの姿が確認できた。
その者は、黄金に輝く毛並を持っており、
翼も、黄金に輝いており、どこか硬い感じにとらえられた。右腕には、黄金の剣を持っていた。
「フフフ、やはり来て正解だったな」
黄金の獣は、嬉しそうに肩で笑っていた。その行動を見て、想雅以外の人たちは身構えた。
想雅は、天魔との戦闘の痛みと、暴風に飛ばされた痛みがあるため今は立ち上がることができない。
黄金の獣は、赤く恐ろしく光った双眼で、想雅を見た。
「カッ!小僧は死んだのかぁ?まぁいい、おい、そこの女。俺と一戦交えようぜ」
黄金の獣は、視線を天魔に変えて言った。
いや、死んでねぇぞ。まだポックリ行く歳じゃねぇんだよ。
「それは無理な相談だ」
「そうかッ!」
黄金の獣は、天魔に向け突進していった。
天魔は、黄金の獣の行動に一瞬戸惑ったが、剣で応戦した。
「おい、貴様。私は断ったはずだ!」
「フン、知ったことか。俺は強き者を求めここに来た。戦わず引き下がることなどできねぇんだよ!」
黄金の獣は、天魔の剣をはじき、斬撃を繰り出す。
斬撃は遅いのだが、一発一発に、重みがある攻撃をしてくるため、天魔の剣が折れそうな勢いだった。
「クッ……」
「おらおらどうした女ぁ?俺をあまり期待外れにするなよぉ?」
やばいな……天魔様が押されている。クソッ!なぜこんな時に立てないんだ!俺の体は!
想雅は、立とうとするが、思い通りに体が動かなかった。
霊力はまだあるのに……体が動かん。意識が朦朧としていやがる。
飛ばされた後、頭を地面に打ち付けたせいで脳震盪が起こったのだった。
「はぁぁぁぁぁ!」
黄金の獣の後ろから、椛が斬りかかろうとした。
しかし、黄金の獣の翼がそれを防いだ。
「なッ!」
「あまいあまい、その程度では俺の体に傷は与えられんぞ。俺の翼は、剣のように鋭く、盾のように硬いからなぁ!」
椛の剣を払い、体を捻らせ、天魔と椛に翼で斬ってかかる。
天魔は、隙を見て後ろに下がったが、椛は盾でガードするが吹き飛ばされてしまった。
「くぅッ!」
椛が飛ばされている途中、文が空中でキャッチし、そのままゆっくりと地面に降ろした。
「文様、あれはいったい……」
「さぁ、わかりませんね。ただし一つ分かることがあります」
文は、黄金の獣を見ていった。
「あれは
天魔と互角な戦いをしているものなど、文は聞いたことがなかった。
もしあったとしたら、文の情報網に引っ掛かるはずだからだ。
「紫様ッ!」
藍が紫の元へやってきた。
「あら、藍。遅かったわね」
「申し訳ございません。結界を治すのに時間が掛かりましたので」
「まぁいいわ、それよりアレの正体はわかるかしら?」
「いいえ、あんな黄金に輝く獣人なんて見たことがありません」
その黄金の獣は、嬉しそうに高笑いした。
「ハハハハハ、いいぞいいぞぉ!何しても攻撃を通せないというその皮肉顔ぉぉぉぉぉ!」
「クッ!名を名乗らずに戦いに挑むとはな!戦士としての恥だぞ!」
「フンッ!負け犬の遠吠えよ!まぁいい、戦いに挑んだお前の言葉に免じて教えてやろう。俺の名は、クリュサオルだぁぁぁぁぁ!」
クリュサオル……奴は、ポセイドンとゴルゴーン三姉妹の一人メドゥーサの息子。ペルセウスがメドゥーサの首を斬ったことにより、その血が海に流れ込み生まれた。
双子であり、兄がペガソスである。
黄金の毛並みと鬣を持っており、翼は剣のように鋭く、盾のように固いと、奴が言った言葉に当てはまった。
黄金の剣は生まれた時から持っており、それをよく振り回したということから、剣術においては、よっぽどの手慣れということが分かる。
想雅の頭にある言葉がよぎった。
―――――決して朽ちない肉体を持っている―――――
想雅はその言葉を思い出したが、意識がまだ朦朧としているため、天魔たちに伝えようとしても、言葉がなかなか出てこなかった。
奴の翼が強靭なくせに、その分朽ちない体を持ている。アウナスと同じくチートレベルな事だった。
「名も名乗ったことだし、さっさとかたずけるか」
クリュサオルは、黄金の翼を広げ、天魔へと向かった。
天魔は剣を銃に変形させ、クリュサオルに向け撃った。
クリュサオルは剣ではじき、天魔の懐へと入り、みぞに一発、拳を入れた。
「クハッ!」
「カカカカカ!楽しかったぜ。だがもう、さよならだ!」
クリュサオルは愉快そうに笑い、体を回転させ、翼で天魔に攻撃した。
天魔はギリギリのところで銃でガードしたが、体勢が保つことができず、吹き飛ばされた。
「まずは、一人……次は倒し損ねたアイツだな」
クリュサオルは椛に狙いを定めた。
ドォォォォォン!
「……ッ!」
クリュサオルは後ろからの銃声に気付き、翼で弾丸をはじいた。
「部下には……手を出させん……」
ボロボロになった天魔が銃でクリュサオルに向け放った。
「まだ死んでいなかったか……なかなかしぶといな」
クリュサオルは呆れた顔で、天魔の方に飛んで行った。
天魔は銃で撃ち続けるが、クリュサオルの剣さばきですべての弾丸がはじかれた。
クリュサオルが目の前に来たときは、翼に隠してある5丁の銃で撃つが、翼にすべてはじかれた。
「クッ!」
「最後まで手こずらせやがって……痛みも無く殺してやる」
クリュサオルは黄金の剣を振りかざし、天魔に向け斬りかかる。
天魔は剣でガードしようとするが、銃のままらしく変形に間に合わない。
天魔が終わったと思っていたが、
ガキィィィィィン!
「……ッ!」
天魔の目の前には、脳震盪で意識が朦朧としていた想雅が、『閃光の言霊』を使い天魔のもとに行き、クリュサオルの剣を受け止めていた。
「小僧……生きていたのか」
「簡単に殺すな……まだポックリ逝く歳じゃねぇんだよ……」
まだ、頭はクラクラするが、だいたいは動けるようになったな、しかし、言葉が出にくいと言うのはなぁ……『言霊』使うときに言いにくいんだよな。どうにかならんもんかねぇ……
想雅はクリュサオルの剣をはじき光速で斬りだす。
「ぬ、ぬぅぅぅ!」
クリュサオルは想雅の光速の動きに目が追えず、翼で自分の目の前を覆うだけだった。
それでも、想雅は容赦しない。刀身に『魔』の力を込め、斬りにかかる。
「ガッ!」
クリュサオルの黄金の翼が、想雅の斬撃により傷がつけられた。
しかし、それだけでは想雅は止まらない。
クリュサオルの後ろをとり、つかさず斬撃を撃つ。
「グガァァァァァ!」
クリュサオルは倒れるも、地面に倒れるのではなく空中に飛び、体勢を保った。
翼に傷がつけられてなお、飛べるとはさすがだな……感心している場合じゃないが……
「小僧……俺の体に傷をつけたな……」
「俺の能力はお前たち神話の奴らに、
「そうか。俺を傷つける能力か……おもしろい、ククククク……」
クリュサオルが不気味に笑い始めた。
「おもしろいぞぉぉぉぉぉ!小僧!俺はこういう刺激的なものを求めていたんだよぉぉぉぉぉ!」
クリュサオルは想雅に向け嬉しそうに言った。神話の奴らってこんなに戦闘狂なのか?
「いいぜいいぜいいぜぇぇぇぇぇ!」
クリュサオルが猛突進で想雅に向かった。
想雅は来るかと思ったが、クリュサオルが急に体勢を崩し、地面へと落下していった。すれすれのところでクリュサオルは体勢を戻し、自分の左足に目をやった。
「左足に矢か……どこかに隠れているのか?」
クリュサオルはあたりを見渡すが、矢を放った人物は視界に入らなかった。
それもそうだ。矢を放った人物は、
「……ッ!上か!」
気付いた時はもう遅かった。
すでに3本の矢がクリュサオルに向け飛んできていた。
クリュサオルは避けるが、2本、自分の右肩と左胸に刺さった。
「ガァァァァァ!」
膝が地面に着き、クリュサオルが叫んだ。
上空に飛んでいた者はクリュサオルに向け言った。
「クリュサオルよ。お前は己の欲のために自由が過ぎている。身をもって己の愚かさを知れ!」
クリュサオルは上空にいる何者かを睨めつけた。
「貴様は……」
クリュサオルに向け矢を放った人物は誰か?
しかも、クリュサオルは知っていそうな口ぶりだったが……
ポセイドーンとゴルゴーン三姉妹の一人メドゥーサの息子のクリュサオルの登場です。
こいつは、RPGなどではよく黄金の鎧をまとった騎士の姿で登場するが、それは実は誤りで、本当の姿は金色の毛並みと黄金の鬣を持ち、翼も金色の天馬なのですよ。
ここでは、あえて黄金の獣にしていますけど、馬だとぶっちゃけなんかなぁ~なんだよね。
黄金の剣を持っている。それって二足歩行の馬になるわけでしょ。正直キモいと思うんだよねぇ。
というわけで独自の解釈が含まれる場合がありますが、なにとぞよろしくお願いします。
感想待っています!
次回もお楽しみに!