東方神聖魔   作:東来

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さて、ペルセウスと想雅の白熱した決闘の幕開けだぁ!

感想ありがとうございました!
では、ごゆっくり。




英雄と神格化の人間

ペルセウスと1週間の一時休戦の約束をした。さすがに英雄とか、誇りとか五月蠅かったのでさすがに裏切るということはまずは無かろう。

その日は、『言霊』をあと1回使うと、バッタンキューになるため、夕方ぐらいから食事を取らずに寝た。

朝起きた後、朝食を取り、()の物をペルセウス戦で試したかったので、紫に紅魔館へスキマで落としてくれた。もう、普通でお願いしますよ……行くたびに体が痛むので。

そこから紅魔館へとひきこもった。心配はしなくていい、ちゃんと日光浴びたから。図書館の紫もやしの人じゃないから。

一週間後、決戦の時がやってきたが、時間の指定をしていなかったため、いつそこに向かえばいいのかわからないので、天魔様の屋敷で待機していた。

 

「なぁ、想雅よ」

 

「なんですか?」

 

想雅がお茶を飲んでいるときに、天魔様から声がかかった。

 

「スキマ妖怪と婚約していることは、本当なのか?」

 

「ブッ!」

 

ちょ、いきなりすぎる。しかもお茶を飲んでいる最中だぜ。噴き出たわ!

まぁ、思えば、ペルセウスが帰った後、すぐにスキマへと自由落下していったからな……天魔様、椛、楓、文にもまだ嘘だと言うこと言っていなかった。っていうか新聞にそのこと書いたのか?

まだ書いたという形跡はまだなかったが、見つけたら即嘘だということを言おう。

 

「い、いや、嘘ですよ。紫が幻想郷にいなくなると、いろいろヤバいじゃありませんか。そこは、あえて紫の口車にのったのですよ」

 

「そうか、そのことを部下に伝えておく。そうでもしないと文の奴は記事に書きそうだからな」

 

「そうですね……」

 

想雅と天魔が話していると、

 

「天魔様。決戦の場に、雷光と共に男が現れました」

 

その知らせを聞くと、想雅は立ち上がり、天魔、椛、楓、文とその決闘の場まで行った。その間に天魔は椛たちに、「紫は妻ではないと」説明してくれた。椛はよかったと思うように胸をなでおろし、楓は「そうですか~」と言って素直に納得してくれた。文というと、納得はしたと思うが、衝撃なスクープだったため捨てきれていない状態だった。まぁ、そのまま掲載されたときは……どうなるのかわかるよな……

紫はペルセウスが破ってきた結界の修復をしてから来るらしい。

決戦の場は綺麗な満月が見えており、その光が美しく照らしていった。

かの英雄はペガソスにすでに降りており、さわやかな笑顔と共に想雅に言った。

 

「ついに再開できたな、少年よ。このときを待ちくたびれたぞ」

 

その顔をこっちに向けるな。夜なのにまぶしく思えるわ!

想雅はペルセウスの前まで歩いていった。

 

「あぁ、こっちも待ちくたびれた。お前を待つのにな」

 

はぁ……こんなに待つのなら、まだ紅魔館にこもるんだったなぁ……

まぁ、満月が出ているだけでも決闘らしいな。こればかりはよかったと思える。

 

「乙女の姿が見当たらないのだが」

 

「ん?あぁ、紫の事か。あいつならどこかの英雄様が破ってきた結界の修復をしているところだな」

 

「ハハハッ、それはすまなかったな」

 

ペルセウスは高らかに笑い、ペガソスを後ろに下がらせた。

 

「あら、満月の日に決闘なんて素敵じゃない」

 

想雅の後ろからレミリアの声が聞こえた。

 

「なんだ、来たのか」

 

レミリア以外にも、咲夜、パチュリー、小悪魔、フラン、ルーミアがいた。ていうより今回の戦闘、人が多いな。

 

「あんた人の家に来て『1週間、ここにこもらせてくれ』とか言ったおかげで、理由が気になってしょうがなかったのよ」

 

「あぁ、その時はすまなかった。あいつと戦うための力が欲しかったからな」

 

想雅はペルセウスへと目線をやる。

 

「力が欲しいと書いていたけど、私の本を読んで力になるの?」

 

パチュリーから疑問そうに質問された。

 

「俺にとっては相当な力を手に入れたと思う」

 

それもそうだ。チャラ神に言われた通りに読むことを繰り返し続けていた。回数を重ねていくうちにそのことが頭の中に入っていき、器の中に水がたまっていく感じが捉えられた。

 

「あいつあら強大な神力が感じられるわ。それでも戦うというの?」

 

「あぁ、そうだ」

 

戦わなければ、紫が居なくなり、幻想郷が保てなくなってしまうからな。

 

「少年ッ!準備はいいかッ!」

 

ペルセウスから孤高な声が聞こえてきた。

 

「それじゃぁ、そろそろ行ってくる」

 

想雅はその場から離れようとすると、フランが服の裾をつまんできた。

 

「……死なないでね」

 

「あぁ、生きて帰るさ」

 

とりあえず、殺されるのは勘弁だな。英雄だから殺すまではいかないと思うことを願おう。

 

「想雅。がんばって」

 

「あぁ」

 

ルーミアから声がかかり、想雅はそれに強く頷いた。

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

夜空に、想雅とペルセウスが移動していた。っていうかペルセウス、ペガソスいなくても飛べるのかよ!なんだよ、かっこよく見せたいわけか!美男子以上にかっこよく見えるわ!

ある地点まで到達すると、ペルセウスは鞘から剣を出し戦闘態勢を取った。想雅もそれに続き、鞘から刀を取りだした。

 

「美しき満月の夜。我にふさわしき舞台だな」

 

「そうだな。お前のその美顔がよく映えていて、余計に美しく見えて腹が立つ」

 

「少年もその美しい顔を持っているではないか」

 

「あんたに褒められても、ただの嫌味にしか聞こえないけどな」

 

「クククッ、よく回る舌だなッ!」

 

ペルセウスは剣で斬りかかるのではなく、弓を出現させ、矢を撃ってきた。

しかもそれは速く、矢は確実に想雅を狙ってきているため、直感で避けなければなかった。

 

「避けてばかりでは、我に傷を1つも与えることはできぬぞ」

 

想雅は、霊力槍を作り出し、ペルセウスが放った矢へと投げる。

しかし、矢は速いため想雅の動体視力では追いつけず、なかなか落とすことができなかった。だが、矢を撃ち落とせなかった霊力槍は、ペルセウスへと一直線に向かっていく。ペルセウスは避けながら想雅へと矢を放っていく。さすが英雄だと言うだけはあるな。おいおい、感心している場合じゃないぞ。

 

「なかなか当たらぬか……」

 

ペルセウスは3本の矢を構え、想雅へと放った。

想雅はは1本目を避けることはできたが、同時に来たためか2、3本目は避けられず、顔と足を掠ってしまった。

 

「ふむ、3本の矢は同時に避けることができないか」

 

ペルセウスは同じく、3本の矢を放った。

 

「クッ!やはり来たか。拘束『龍王の威光』」

 

想雅の目が赤く光り、矢の動きと、ペルセウスの動きを拘束した。

 

「ほほう、我と矢の動きを封じたか。だが、この程度ッ!」

 

ペルセウスは力任せに腕を振るい、想雅の拘束を解いた。

 

「なっ!」

 

想雅は今まで力任せに破られたことが無いため、正直驚きを隠せなかった。

おいおい、マジかよ……英雄様マジパネェッス。

 

「英雄は敵の前では立ち止まることは許されない。英雄は常に孤高であるべきだ」

 

ペルセウスの拘束が解かれたとしても、矢の動きは解かれてはいなかった。

想雅は3本の矢の向きをペルセウスに向けた。そして、拘束を解いた。

矢はペルセウスの方へ向かい、ペルセウスはすべての矢を剣で払おうとしたが、1本だけは払うことができず、体を捻らせ避けた。

 

「少年よ。我の矢に何かしたか」

 

「あぁ、強力な力を流し込んだ」

 

3本の矢に『魔』の力を流し込んで拘束をといたため、普通の矢の力を強力に上げた物が向かってくるというのにもかかわらず、ペルセウスは2本は払いのけたのだった。

そのペルセウスはどこか面白そうな顔をしていた。

 

「弓で戦っても何も面白味もない。次は我が剣で戦おうぞ」

 

ペルセウスは弓をしまい、鞘から剣を取り出した。俺的には最初からそうして欲しかったよ。

想雅は体と刀身に『魔』の力を込め、ペルセウスへと向かった。

2人の刃が互いに火花を散らした。どちらも互角に見えるが、相手は英雄。どう考えてもペルセウスの方が1歩、2歩いやそれ異常に上手(うわて)だった。

 

「剣は戦士の象徴。少年は戦士ならば、剣のような鋭く硬い覚悟を持っているであろうッ!」

 

「あぁ、俺は覚悟をしてこの決闘に挑んでいる。決闘に勝利するということは、逆に負けるということも覚悟して来ている。だが、俺は負けない。負けてはいけない。この決闘に勝利するッ!」

 

「よい覚悟だッ!」

 

ペルセウスは想雅の刀を払い、斬りかかろうとした。想雅は払われた力を利用し、自分の体を回転させ剣を受け止める。ペルセウスは足を使い想雅に攻撃を仕掛けてきた。想雅は足で防御するが、後ろに蹴り飛ばされてしまった。

 

「騎士の名において必要とされる必中の矢よ。決して逃すな、故に悪しき物をを射抜け。

聖矢『フェイルノート・スターダスト』」

 

『聖』を込めた弾を上空に打ち上げ、一定の高さまで来ると拡散し、無数のレーザーを落とした。

すべてはペルセウスに向けて、必中させる。しかし、ペルセウスは無数のレーザーを剣で薙ぎ払いながら避けていた。

 

「追尾機能搭載レーザーもこのありさまかよ……」

 

無数のレーザーはペルセウスによってすべて避けられ、消滅させられた。

 

「時間稼ぎなど無駄なことだ」

 

「俺は時間稼ぎではなく、倒す気でやっているのだがな」

 

アウナスの時は、奴が異常なほどの悪を放出させたおかげで勝てたのも同然だ。悪にとって『聖』は毒。それが異常なほど多ければ多いほどダメージは大きくなっていくのだ。だが、今回はペルセウス、英雄として崇められた神様。悪など持っていないのも同然なのだ。

 

「面白い決闘だった。だが、これで終わらせる」

 

ペルセウスの背から光り輝く太陽のような物が出現し、手からは弓が出現した。だが、今まで使っていた弓とは違い、太陽のように輝いている黄金の弓を出現させ、その黄金の弓の弦を引いた。弓を中心にして光が集まり、黄金の矢が出現した。そのことに想雅は疑問を抱いた。

 

「なぜあんたは、太陽の神格が使える(・・・・・・・・・)?」

 

「この前言ったであろう。ほかの名もあるとなッ!」

 

ペルセウスは答えると同時に矢を放った。放たれた矢は、輝きを増し閃光となって想雅に襲い掛かってきた。

 

「ガァァァァァ!」

 

想雅は避けようとしたが、速さは矢の方が上のため、避けたと同時に左肩を矢によって貫かれた。

その衝撃によって想雅は吹き飛ばされ、地上へと落下していった。

 

「クッ、このままだとペシャンコになっちまう……『魔』の力よッ!」

 

想雅は『魔』を体に流し込み防御態勢を取った。しかし、それが本命ではない。刀を鞘に収め、すこし刃を出した状態にした。刀身に『魔』を流し込み、一気に刀を押す。

 

 

ゴォォォォォォォォォォ!

 

 

暴風と轟音が起こり、そのまま地面へと落下していった。

ペルセウスは想雅が落ちていったことを確認して、自分も地上へと降りていた。

 

「死んだか……いや、まだ生きているな」

 

砂煙の中から、歩いてくる想雅の姿を見たからであった。

 

「いててて、足が……足がジーンとしていやがる」

 

風がクッションとなり大怪我は免れたが、足がジーンとしてしまった。

 

「あら、まだ戦っていたのね」

 

想雅の隣からスキマが開き、紫と藍が出てきた。

 

「まだとか、逆に『英雄相手によく頑張っているね』と褒められたいよ」

 

ったく、のんきに出てきたがって、こっちは幻想郷の未来を託されていると同じことをやっているんだぞ。

 

「そうですよ、紫様。あいつから強力な神力が滲み出ていますよ。人間である想雅がよくその者を相手している時点で、よく頑張っていますよ」

 

藍……ありがとう。どうせなら、紫じゃなく藍のほうが妻がいいよ……って今は違うだろッ!おかしいだろ俺の脳内ッ!

 

「おぉ、乙女よ。我の勝利を見届けに来たのか」

 

ペルセウスはやっと会えたばかりか、嬉しそうに紫に言った。

 

「別にあなたの勝利を見に来たわけではないわ。私の夫がどこまで頑張っているか見に来ただけよ」

 

「ハハハッ、そうか。だが、少年を倒せば乙女は我の物になる。心して待たれよ」

 

ペルセウスは笑った。

 

「紫様、やはり助太刀した方がよろしいかと……」

 

「そこの乙女よ!これは我と少年の決闘である!何人たりとも決闘を汚してはならん。故に、それが我の英雄としての誇りであり、少年の戦士としての誇りであるッ!」

 

「あいつの言う通りよ。これは男と男の戦い、女が踏み入れる場所じゃないわ」

 

紫が言ったことに藍は従うしかなかった。

紫たちは、レミリアたちがいるところへと向かった。

 

「ふむ、では続きと行こうか」

 

ペルセウスは黄金の弓の弦を引き、矢が出現させた。

 

「全てを屠り、焦土と化せ。魔剣『グラム・スピリット』

 

想雅は矢が放たれる前に、スペル詠唱をし、『魔』のレーザーを放射した。

ペルセウスは1歩遅れて、矢を放った。

閃光のようにほとばしる矢と、『魔』の力のレーザーがぶつかり合った。互いに押し合うのが、両方とも、進行方向からずれた。

 

「ガッ……」

 

「クッ……」

 

放った物は、両者の腕を掠った。

 

「我に傷を与えたか……少年よ。名を何という」

 

「天上想雅だ」

 

「天上想雅……天上の爪牙(てんじょうそうが)か。よい真名(まな)だ」

 

ペルセウスの手元から黄金の弓が消え、剣を取り出した。

 

「天上想雅よ!汝は我に倒される資格あり!本気でいくぞッ!」

 

ペルセウスは全力で想雅に向かう。

剣を振るい、想雅を斬ろうとするが想雅は刀で受け止める。だが、それだけではペルセウスは止まらない。刀を払い、想雅に斬りかかった。想雅は避けるが、胸を少し掠ってしまい、体勢を崩してしまった。ペルセウスはそれを確認して、また斬りかかる。想雅は転がるように横に避け、『魔』の力を流し込んだ拳で地面を殴る。

大きな砂煙が起こり、想雅の姿は消えた。ペルセウスは横に薙ぎ払い、風を起こし砂煙を払った。

しかし、目の前には想雅の姿が映らなかった。

 

「剣の乱舞よ。華麗に踊り、月より美しくあれ。無双『斬月』」

 

想雅はスペル詠唱をし、無数の斬撃がペルセウスに向け放たれる。しかし、ペルセウスは冷静に黄金の弓を出現させ、矢を放つ。

矢は斬撃の嵐の中を一気に通り抜け、気付けば目の前に迫っていた。

想雅は刀で防御するが、『魔』の力を刀身に集中していたため、体に『魔』の力が回らず、刀より先に体が耐えられなくなり、遠くに吹き飛ばされてしまった。刀を鞘に収め、『魔』の力を流し込み一気に押し込んだことによって、速度は落とせたが、バランスを崩しているため、上手に着地とまではいかなかった。

 

「ド派手に飛んできたわね」

 

紫にふざけた口調で言われた。

飛んで行った先は、紫たちがいるところだった。

 

「兎に角、痛い……」

 

いてぇ……体中がいてぇ……ド派手に飛んできて地面に背中が当たって痛い。

 

「あら、さっきの強きな言葉はどこに行ったかしら」

 

レミリアからもなんか言われた。

 

「おいおい、あんたらは応援という言葉を知らないのか」

 

想雅は呆れながら立ち上がった。

 

「天上想雅よ。まだ決闘は終わっておらん!こちらに来るのだ!」

 

想雅はペルセウスの言葉を聞くと、その方向へと歩み寄ろうとした。

 

「一度訊くわ。あなた勝てる見込みはあるの?」

 

紫から質問された。

 

「あぁ、そのために紅魔館にこもったからな」

 

想雅はそう答え、ペルセウスのところへと向かった。

 

「乙女と話すほどの余裕があるとはな」

 

「女の子はお話が好きみたいなんでね……ペルセウス!お前を倒し、俺は勝利するッ!」

 

「ほう、見せてみろッ!汝の勝利の形をッ!」

 

ペルセウスが高らかに叫び、想雅は能力のもう1方の『言霊』を唱えた。

 

「我は不敗の剣を持つ武勇を轟かす軍神なり。我は義だ。故に、邪を屠る勇敢なる武勇者なり。我は不敗だ。故に、勝利し続けることが我が偉業であり運命(さだめ)なり。我は剣だ。故に、斬れぬものを許さない必殺の剣なり。我は王だ。故に、孤高である神族の高みなり。勝利に輝く我を、邪悪なるものは討つあたわず!」

 

 

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!

 

 

想雅から強大な神力があふれ出した。想雅から神力が感じられたことにより紫たちは驚いているのが感じられた。

想雅が右腕を横に出すと、腕全体に光がほとばしり、銀の鎧が装着されていた。

 

「ほほう……それが汝の力か……」

 

ペルセウスは興味を示しいながら想雅を見ていた。想雅は刀を鞘に収め、思った。

まだだ、まだ足りない……俺に勝利をもたらす『不敗の剣』が……!

 

「我がもとに来たれ、孤高であるために、不敗の剣よ。閃光にして偉業なる剣よ。邪を屠り、悪を挫くがために、輝ける刃を振るい勝利を遣わせ!」

 

想雅が言霊を唱えると同時に、目の前に光が集まり、一つの剣が出現した。

想雅は銀の腕で取り鞘から剣を抜く、そして、光り輝く刃はまるで勝利を模った剣となって降臨した瞬間だった。

 

「さぁ、第二ラウンドの始まりだ」

 

「フッ、そうこなければ面白くないッ!」

 

ペルセウスは地面を蹴り、想雅へと斬りかかった。それを剣で受け止め、前へ押し斬り、斬りかかる。ペルセウスもそれを受け止め、払い、足で想雅に攻撃してきた。想雅は後ろに避け、ペルセウスへと斬りかかった。

 

「クッ……少しはやるようになってきたなッ!」

 

想雅の剣と、ペルセウスの剣が火花を散らしながら、競り合ってた。

そして、ペルセウスの手元から剣を飛ばし、前に薙ぎ払う。ペルセウスは剣を飛ばされたのにもかかわらず冷静にかわした。

 

「我の手元から、剣を飛ばすとはな。褒めてつかわそう」

 

「英雄様に褒められるなんて、一生無いと思っていたぞ」

 

「しかし、少年が()だったとはな……今まで気配を隠していたのか?」

 

「いいや、気配など隠せる技術は俺にはない。だが、神話の神様の能力を言霊にして、自分を神格化させる(・・・・・・・・)ことは可能だ」

 

「奇妙な技だな……」

 

と、ペルセウスは不思議そうに言った。だが、顔は笑っていた。久しぶりに白熱した決闘をやったのだから、ペルセウスは今、凄く心を躍らせていた。

 

「このように心が躍ったことは久しぶりだ。天上想雅よ。我が誇りに賭け汝を倒すッ!」

 

ペルセウスの背に太陽が現れ、手元に黄金の弓を出現させ弦を弾く、弓に光が集まり矢ができた。だが、まだ光が矢に集まっていた。

 

「我が日輪の力を借り、一矢を必中させん。我は才知だ。我は武勇だ。我は日だ。東から上りし夜を照らすは太陽の理、邪悪なるものは抗えず、屠られるのが光なり、また光は強き光により輝きを失う物なり!」

 

ペルセウスが『言霊』を詠唱し、矢が閃光に包まれ、何人たりも貫く必中の矢となった。

 

「天上想雅よ。我が太陽の光と、汝の不敗の光はどちらが上なのかここで、決着をつけようッ!」

 

黄金の弓から、閃光の矢が放たれた。想雅はその矢に向け走った。そして、自分の剣で斬りかかった。

 

「グッ……つ、強い……」

 

矢は強く、重く、そして神々しく想雅の剣を貫こうとしていた。だが、想雅も負けてはいなかった。

 

「一閃であらゆるものを絶つ剣よ。全ての命を刈り取り屠るために、我に絶対なる不敗を与えるため、勝利の光が宿りし刃を振るいたまえ!」

 

想雅の剣が、強く輝き、閃光の矢を斬りこもうとする。あと……もうすこしだ……

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

想雅は剣に全ての力を込め、ペルセウスの矢を絶ち斬った。

 

「なッ……!」

 

ペルセウスは驚き、想雅はペルセウスに向け、突進し斬りかかった。ペルセウスは黄金の弓で防御するが、想雅の剣により絶ち斬られ、脇腹を斬られてしまった。

 

「グッ……!」

 

ペルセウスは体勢を崩したが、想雅に挑もうとした。だが、想雅の剣はすでにペルセウスの目と鼻の先にあった。

 

「俺の勝ちだな」

 

「あぁ、汝の勝利だ……」

 

ペルセウスは負けたことを自ら悟り、抵抗をしなかった。

 

「さぁ、我の命をその刃で斬るがよい。それが勝者たる象徴だ……」

 

「いや、そんなことはしない」

 

想雅はペルセウスに向けていた剣を下した。それに、ペルセウスは驚いた。

 

「な、なぜだッ!」

 

「いや、あんたら殺せないだろ」

 

「どういうことだ?天上想雅よ。何か勘違いしていないか」

 

は?勘違い?神様とかは体が朽ちないのだろ。

 

「たしかに我らは体が朽ちることが無い、それはただ単に体が朽ちないだけであり、命は朽ちる。我らの命はたしかに不死だが、それは寿命。殺せは我らは死ぬ」

 

そういうことか、体は朽ちぬが命は朽ちぬとはかぎらないか……だが、

 

「それでも俺はお前を殺さない。英雄様を殺すとか俺には無理だ。罪人にはなりたくないからな」

 

ペルセウスは「ふっ」と笑い、立ち上がった。

 

「甘いぞ。天上想雅。それでは戦乱の中を勝ち抜くなど無理の話だ」

 

「戦乱の中とか、俺はゴメンだな」

 

「ハハハハハッ!汝は面白い奴だな」

 

ペルセウスはペガソスを呼び、またがった。

 

「なぁ、勝者の証として、1つ訊いていいか?」

 

「あぁ、それが汝の勝利の証となるなら」

 

「あんたはなぜ太陽の神格が使えた。あんたは英雄のはずだが……」

 

「たしかに我は英雄ペルセウスだ。しかし、ペルセウスというのはギリシアだけでの呼び名ではない。ローマの地での呼び名でもあった。我は太陽神ミトラス。それが我のもう1つの名であり、ペルセウスと同じ本来の名でもある」

 

「なんかややこしいな」

 

ペルセウスなのかミトラスなのかわからんな……

 

「我は異国の地でも崇められるのは悪くはない」

 

ペルセウスはペガソスの綱を引き、上空へと駆け上がった。

 

「天上想雅よ。汝は我の宿敵であり、刃を交わした友でもある。また汝のところに行くこともあると思うが、そのときは我が勝利を飾ろうッ!フフフッ、我が妃アンドロメダに土産話ができたな。乙女に伝えておけ、今は諦めるが、また迎えに行くと、では、さらばだッ!」

 

ペルセウスは雷光と共にその場から消えた。

 

「はぁ……やっと終わった。つかれt……」

 

想雅はその場に倒れた。

 

 

 

 

 




英雄ペルセウスと太陽神ミトラスは接点があったなぁ。やっぱり神話は深いなぁ……
想雅が使った神の『言霊』は何の神様の『言霊』だったか、次回話でわかります。そうそう、当てても構わないよ。
これにて、霊力の修行 ~英雄と神格化の人間~ は終わり。
今回、戦闘シーン書きたかったから長くなっちゃった。
次回は、春雪異変に突入します……いや、考えてみればもう少し先の事だな。

感想待っています!
次回もお楽しみに!


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