東方神聖魔   作:東来

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はい、題名でネタバレですね。今回は平将門との対決です。
さて、想雅は勝てるのか?奴の怨念を浄化することができるのか?
まぁ、その展開は読んでからのお・た・の・し・み。

では、ごゆっくり。




平将門

「クッソ、アイツらに時間を取られすぎた……」

 

想雅は人里を襲っていた怨霊たちを皆、浄化させ平将門を探していた。今向かっている方角は俺の家……というか屋敷がある場所だ。なんだかルーミアの事が心配になってきてな。まぁ、そんなことで自宅に向かっているところだ。

しかし、怨霊どもが次から次からわんさか出てきやがり、倒すにもひと苦労だった。『聖』の力も『魔』の力も、そこでだいぶ使ってしまったため正直のところ、平将門に勝てるか分からない。

自分もまだまだということだな……思えば、悪魔や英雄と戦ってまだまだとか、俺ってもう人間やめようとしてねぇ?

 

「さて、そろそろ着くはずだな……」

 

想雅はふと下を見てやる。おぉ……やっぱり結構高いな。これ高所恐怖症の人だったら失神しかねない高さだな。

想雅は怨霊を見た時よりも、背中がゾクゾクとした。想雅はそう思いながら自宅の門の前へと着地した。

 

「わおぉ……門から怨念が湧き出ているな」

 

想雅はそう言うしかなかった。だってたぶんここに平将門がいると思うんだぜ。この怨念、普通の怨霊より凄まじく怨念が濃いんだぜ。こりゃぁ、ヒットしたかな。まぁ、いると仮定して戦闘態勢を取りながら入りますか。

想雅は、刀を構え自宅の門をくぐった。

 

「怨念は庭の方か……」

 

はぁ、よかった、自宅に居なくって。そこで戦闘したらどれだけ家に被害が出るか……え?言霊があるだろ?ま、まぁ、そうだな。

だけど、平将門の奴は不法侵入しやがった。よし、裁判にかけてやろうか。あ、いや、第一人間じゃねぇよな、アレは……肉体持っているけど……

想雅は将門が人間じゃないことを悟った。だって、何千年前の人物だよッ!確か、かこめかみに矢が刺さって死んだはずだしな……

庭に行く道を歩きながら、周りを見ているとやはり怨霊どもがわんさか湧いていやがる。

 

「アイツらを浄化したところで何も事態は収まらんしな……やっぱ親玉を倒すしか(すべ)は無いな」

 

想雅は残りの霊力、『聖』の力、『魔』の力の残量の事も考えて、そこら辺を徘徊している怨霊たちにばれないように息を殺しながら庭へと向かった。そして、刃と刃が交わる金属音が想雅の耳にも聞こえてきた。

 

 

ボォォォォォォォォォォンッ!

 

 

「ふぁッ!?」

 

想雅は庭のところで起きた轟音に驚いた。慌てて庭の方に向かうと……

 

「あ……あぁ……」

 

想雅はその場で足から崩れた。そこには傷だらけのルーミアが、先ほどの轟音で出来たクレータの中で倒れていた。そして、その近くに想雅が探していた平将門の姿も見えた。家は一瞬見た時は本当に先ほどまで人が住んでいたのか分からないほどの廃墟となってしまった。

 

「ルーミアッ!」

 

想雅は急いでルーミアの元へと駆け寄った。駆け寄ってわかった。うん、目のやり場に困る……

 

「何、目を逸らしているのよ」

 

ルーミアが不満そうに言った。い、いや、目を逸らしたくて逸らしているわけじゃないんだけどな……まぁ、ひとまず俺のコートでも着せとくか……

想雅は自分のコートを脱ぎ、ルーミアの肩に着せた。

 

「とりあえず、目のやり場に困るからこいつを着てくれ」

 

「そういえば、さっきから寒いと思っていたわ」

 

さっきから寒いと思っていたって……自分の服装見てわかることだろ。なんかこいつの抜けているところ見ると、調子狂うな……弾幕ごっこならこんな抜けているところ無いんだけどな……

 

「まぁ……、生きていてよかった」

 

「あら、心配してくれたのね」

 

「当たり前だ。ルーミアは休んでいてくれ」

 

想雅は平将門を睨みつけながら、ルーミアの言葉に答えた。

 

「いいえ、私はまだ戦えるわ。ほらこのとおり」

 

ルーミアはその場に立ち上がりクルクルと回り始めた。

 

「そうか、なら、他の場所に行って怨霊を倒しに行ってくれ」

 

「私もアイツとたたk「勝算は?」うっ……」

 

ルーミアは想雅に勝算について聞かれてしまったため、だんまりと無口になってしまった。それもそうだ。先ほどから平将門には、鎧までには傷がつくが肉体には一切の傷をつけられていないのもそうだ。しかし、言いだしっぺの想雅にも勝算があるか分からないのだ。想雅曰く、あまり女の子に傷をつけさせたくないと思っているらしい。

 

「アイツは俺がやる。いいな?」

 

「……わかったわ」

 

ルーミアは想雅に背を向け、どこかに向かおうとしている。そして、ルーミアが「そうそう」と言いながら思い出したことを言った。

 

「アイツにはさっきから弾幕が当たらないのよ。当たる前に地面に衝突したり、途中で消滅したり、進行方向がずれたりと……まぁ、アイツに弾幕は効かないのよ。それじゃぁね」

 

ルーミアは言いたいことが言えたため、その場から飛んで行った。

弾幕が効かない?それがアイツの力と言うなら、『魔』の力で斬るのみだ。

 

「さてと……住居不法侵入罪および、器物損害罪の疑いで平将門、あんたを浄化させる」

 

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁッ!」

 

 

ガキィィィィィンッ!

 

 

刃と刃が交わり、大きな光と共に火花を散らした。

 

「ほう、小僧。中々の強さじゃないか」

 

平将門は表情を1つも変えず、ただ無表情で、ただ冷酷な表情を見せた。これが戦乱の世を駆け回った新王の表情だ。戦いには情けは無用……それをよく知っている顔だ。だが、何千年ぶりの戦に心躍らせているのも無理はない。

 

「だが、これはどうだッ!」

 

平将門は、後ろに後退し怨霊を腕から弾丸のように飛ばしてきた。

想雅は、刃に『聖』の力を宿し、それを斬る。平将門も怯まずに撃つ、撃つ、撃つ……しかし、想雅は少し何かに引っ掛かった。

 

(いくら撃っても無駄なのに、なぜ繰り返し撃つのだろうか?肉体的疲労を狙っているのか?それとも、ほかに策があるとでもいうのか……?)

 

弾丸を斬っていくうちに謎は深まるだけ、かといってむやみに動いたりでもしたら奴の思うつぼとでも言っておいても過言ではない。だが、こちらも守ってばかりじゃ決して勝てるというわけでもない。なら、動くまで……だ……

 

「……ッ!」

 

何でだッ!あ、足が……足が動かないッ!

想雅は力いっぱい足を動かそうとするが、それは何かによって縛られたようにびくともしない。ふと足元を見てみると、想雅の足に黒く禍々しい腕が想雅の足首を掴んでいた。

 

「これは……ッ!怨霊ッ!」

 

触られて感じた。この毒々しい邪気、そして執念を……

想雅は足に『聖』の力を流し込み、自分の足を掴んでいた怨霊を剥がした。目を背けた瞬間、平将門は地面を蹴り、想雅へと攻撃を始めた。

 

「もらったァァァァァッ!」

 

平将門は刀を振り上げ、想雅に斬ってかかってきた。

想雅は後方に下がるも、少し胸のあたりを斬ってしまいバランスを崩した。そこに尽かさず平将門の刀が斬りかかろうとした。

足を踏ん張りぃ……体勢を整えてぇ……刀を振るうッ!

 

 

ガキィィィィィンッ!

 

 

両者の刃が交わった。そして、想雅は押し出し平将門の刀から自分の刃を離す。想雅も同じくそこに尽かさず刀を振るう。

 

「ハッ!」

 

平将門は足で地面を踏み、怨霊たちによって作られた壁で防御した。

両者は1歩、2歩、3歩、距離をとり体勢を整えた。

 

「まずは小僧を倒さなければ、日ノ本は治めることは出来ぬか……」

 

「なぜそこまで日本を治めることに執着する?」

 

「簡単な話だ。我は生前に日ノ本を治めることができなかった。我を殺した天皇のせいでだ。だからだ、我は天皇に復讐をするために怨霊として復活したのだッ!」

 

「つまり、あんたは復讐のために日本を治めようと」

 

聞くだけでも、相当な執念だな。

平将門が手に持っていた刀を地面に刺し、手と手を合わせて怨霊を自分の体にまとわせていた。しかし、ただまとうだけではなかった。徐々に体の中に吸い込まれていき平将門の様子が変わってきた。大きくなったり、小さくなったり、元の大きさに戻ったり、そのような動作が残像のように見えた。

 

「この姿になるのは、我の娘、瀧夜叉(たきやしゃ)を殺しに来た大宅太郎光圀(おおやけたろうみつくに)以来だ」

 

そして、平将門の体から黒い怨念が噴出された。先ほどまで人型だった平将門が怨念の中で、全長10メートルに及ぶ大髑髏(おおどくろ)へと変化したのだ。

想雅は「でけぇ……」と口をあんぐりさせた。

 

「だが、こいつは少し大味でな。あまり細かい動きができない」

 

「敵に情報を教えていいのかよ……」

 

「確かに言葉の恐怖より、無口の恐怖のほうがさぞ恐ろしかろう。しかし、あえて言おう。こいつはさまざまな人間の怨念がこもっている。つまり、人間を皆殺しにすることだけに生まれてきた存在なのだァッ!」

 

大髑髏の腕が振り上がり、想雅を叩き潰そうと攻撃してきた。

想雅は横に避け、幸いにも怪我は無かったが……

 

「マイハウスッ!」

 

自分の家がもう取り返しがつかないほどに滅茶苦茶になってしまった。しかし、それに構っている暇は無い。続いて大髑髏の薙ぎ払い攻撃が迫ってきた。次は上にジャンプしそれを避けたが……

 

「mes maisons!(俺の家がッ!)」

 

先ほどまで家とは言えない何やらかの物体は大髑髏の薙ぎ払いにより、綺麗さっぱりなくなりただの平地となった。想雅もショックのあまり英語からフランス語になってしまった。

想雅は自分の足が地面に着くと、大髑髏に向け弾幕を放った。するとルーミアが言ったとおりに弾幕の進行方向がずれ中々当たらない。しかし、想雅はそのような力を斬る能力があるため、刀を後ろに構え、大髑髏に刃を向けた。

 

「全てを屠り、焦土と化せ。魔剣『グラム・スピリット』」

 

刃の先端からレーザーが発射された。その攻撃を大髑髏は避けなかった。いや、避けなくてもよいと思っていたからだ。しかし、その考えは儚く散った。

 

「ヌ……オォォ……ウオォォォォォッ!」

 

大髑髏の頭がレーザーにより吹き飛び、頭から下の残った骨は崩れ去るように落ちていった。

 

「平将門は死んだか……?」

 

想雅の視界には平将門の姿が無かった。しかし、まだ怨霊どもはわんさかと湧いて出てくる。まだ、生きていると考えた方がいいか……いや、アイツはすでに死んでいた。

 

「やはり、ますます殺さないといけなくなったな……」

 

「……ッ!」

 

先ほどまで視界になかった怨念が一点に集中し始め、少しずつ人の型を取り始めてきた。やがて見覚えのある形となり、地面に刺さっている刀を抜いた。

 

「大宅太郎光圀と同じく大髑髏が敗れたか……まぁ、良かろう」

 

しかし、大髑髏になる前とは少し雰囲気が違うと想雅は思った。

 

「しかし、我が肉体を大髑髏の生贄にして作り出し、今はその肉体はただの骨。新たな肉体を探さなければ……」

 

その時、想雅の背中がゾクゾクとした。虫の知らせだろうか?ここから逃げろと本能が言っている。

 

「そうだ、そうだった。こんな近くに肉体があるではないカァ?」

 

平将門が顔に笑みを浮かべながら想雅を見た。それによりますます背中に恐怖が感じられた。

想雅は一旦体勢を整えようと、この場から離れようとしたが……足が動かない。足を怨霊によって掴まれていたのだ。急いで『聖』の力を宿し振り払ったが、また足を掴んできた。しかし、その手も先ほどと違った。怨念が強いためか『聖』の力の浄化速度が間に合っていないのだ。

 

「クッ……ッ!」

 

想雅は『聖』の力から『魔』の力へと切り替え、刀で足を掴んでいる手を斬っていった。しかし、斬る速度より手の湧く速度の方が速いため次々に怨霊の手が想雅の体に絡みついてきた。

 

「ガッ……ッ!クソッ!手に力が……」

 

ついに想雅の手から刀が離れてしまった。

徐々に体が手により上へと持ち上がってきた。想雅は暗くあまり見ることができない視界の中で、平将門が目の前に来たことを最後に気を失った。

 

「カカカッ!貰イ受ケルゾ、ソノ体ッ!」

 

 

 

 

 

 






平将門が大髑髏になったのは、『相馬の古内裏』と検索すれば出てくるでしょう。
詳しくはあまり乗っていませんが……

お、おい……想雅、どうした……?負けたのか……?お、おいったら……
やはり、怨念は強し。怨念は即ち人の『欲』
欲に勝てるものなぞ存在しないというわけか……

感想待っています!
次回もお楽しみに!

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