東方神聖魔   作:東来

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ゴールデンウィィィィィクが来たぁぁぁぁぁッ!ヒャッホォォォォォッ!(そのまま窓ガラスに突っ込む)
あっ、やることねぇや。(割れた窓ガラスの奥から這い出てくる)
小説でも呼んで暇をつぶすか……(何事もなかったかのように椅子に座り小説を読む)
何だこの残念な過ごし方は……(頭から紅い液体のような物が出てきたけど、たぶんトマトジュースだろう)
まぁ、外に出て友人とどこか行ってみるのもいいな……(よし、遊びに行くか)

感想ありがとうございました。
では、ごゆっくり。




最後の日常

ツクヨミ様との戦闘に勝利した3日後、ついに妖怪たちが都市に攻めてくる未来予知。そして、都民安全を確保するための『月移住計画』。さらに想雅とノエルが元の時代に変える丁度1週間が経った。

朝起きてからのその日、都市はまだ思っていたよりも静かで、嵐の前の静けさのようだった。しかし、決して静かではない。

外では都民の人々が話し込みをしており、長いときには2、3時間話す込むときもあった。だが、この長い会話も今日で聞けなくなってしまう。そう思うと心のどこかで寂しさを感じてしまう。

想雅は布団から出ようとしたが、両腕が何者かによってホールドされている。まぁ、だいたいわかっているがな……

彼は両腕が空いていないため何者かを起こさないように片足で布団をずらした。そこには右腕にノエル、左腕には輝夜といったサンドイッチ状態だった。これで何日目だ……ノエルと輝夜は元からこの部屋ではないはずなのだが、たぶん俺が寝ているときにコッソリ入ってきたのだろう。

そのホールドがかかっている腕を少女らを起こさないように想雅はゆっくりと腕を引いた。

まだ開けかけている瞼をこすりながら想雅は扉を開いた。

 

「顔でも洗ってくるか……」

 

想雅はぎこちない歩き方で洗面所まで行き、2,3回ほど顔を洗った。ふと顔を上げると鏡に映る自分の姿が映った。その顔は地上に残り、チャラ神が来るまで妖怪を倒さないといけないくせにそれに似合っていなくて、本当に地上に残る気があるのか?という顔をしていた。

しかし、顔はそのようなやる気が無い状態だったが、彼の心の中は生き残れるのかという心配感と、ノエルをこのような過酷な戦闘に連れ出すという後ろめたさがあった。

 

「はは……こんな時でも俺は他人のことが気になるのかよ……」

 

彼は自分に言いつけるように、皮肉そうな声で言った。

鏡に映る自分の青い瞳を見ながら、ツクヨミ様が未来予知により見えた俺の未来……そう『死』のことを考えた。

一応不老不死だが、それは寿命の概念だけが無くなっただけで決して死なないというわけではない。例えば、俺の心臓か脳といった即死の場所が斬られたり、貫かれたりすると、普通の人間と同じく死ぬ。簡単に言えば神々と同じく『体が朽ちることが無い存在』というわけだ。

俺は不老不死になる前に一度死ということを経験している。あの時はルーミアを助けることと、平将門を浄化させたいという思いが強かったのか自然と恐怖心が無かった。だが、いざとなって思うとやはり怖い。そうこれが当たり前なのだから。

想雅は決心をつけるかのようにもう一度顔を洗った。

「ふぅ……」と言いながら、かけてあるタオルで顔に着いた水滴を拭った。

鏡に映る自分の顔を見たときに、その後ろから黒髪の女性が通りかかろうとしていたが、洗面所にいる想雅を見つけ笑いながら言った。

 

「あら、今日は早起きじゃない」

 

「なんだ?俺がいつも寝坊しているみたいな口ぶりは……」

 

俺は寝坊なんてしてない。ただ、布団の中に入ってくる少女たちを起こさないように布団の中でゆっくりしているだけだ。決して2度寝なんかしない。

その女性……永琳には昨日まで実験台にされかけていた。されかけていただけだ。されていない。もし捕まったら自分の穴にデッカイ注射器を入れられてしまうのだから……今だに捕まっていないというのが唯一の救いだったりする。

 

「永琳、今日は俺が朝食作るよ」

 

「あなたって料理なんてできたの?」

 

「あぁ、一応、調理師の免許もあるし小さい頃から父さんに仕込まれたしな」

 

「意外だわ……」

 

「お前……弁当男子っていう言葉を知らないのか?」

 

想雅は永琳の前を通り手を振りながら言った。あれ?弁当男子ってこの時代にはまだ無かった言葉だけな?

そんなことを思いながら想雅は台所へと向かい冷蔵庫の中を確認したが、ほとんど食材が無く想雅は永琳の家を出て食材の買い出しへと向かった。

 

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

 

食材を買い出し、家に戻ってきた想雅は台所へと向かう途中寝起きのノエルと輝夜に廊下で出会った。

 

「おはよう、二人とも」

 

「おはようございます、ますたぁ~」

 

「おはよぉ~」

 

「今から朝食作るから顔を洗っていきなさい」

 

「「はぁ~い……」」

 

2人はまだ眠たいのか目をこすりながら洗面所まで行った。途中、輝夜がこけてその拍子にノエルも一緒に転ぶということもあったが、2人はお互いに笑いながら立ち上がった。

 

「ふふ、お父さんだわ」

 

「俺はまだ16歳だ。2人の子持ちとかどんな父親なんだよ」

 

永琳の冗談を想雅は苦笑いで返した。

台所まで行くと先ほど買ってきた食材を広げ、ささっと調理を開始した。

まずは、台所にオーブンシートを広げ、そこに先ほど買ってきたパイ生地を乗せて、フォークで空気穴をあけた。本当はパイ生地も一から作りたかったが時間がかかるため今回は市販のものを使う。

その後、200度のオーブンでパイ生地を5分焼き、生地が膨らんでいたらオーブンから取り出し、網で抑えて空気を抜き、今度は180度の熱でキツネ色になるまで焼く。

 

「生地が焼きあがるまで15分といったところか……」

 

それまで時間がかかるため、もう1つの朝食を作ることにした。

取れたて新鮮な卵を2個片手で持ちボールの中へと割る。そしてそれかき混ぜていき途中でコショウを少々入れて、またかき混ぜる。

次にフライパンにバターを強火でやや多いめに溶かし、なべ全体になじませる。バターが熱くなってきたら、その前に溶きほぐしておいた卵を流し入れる。

左手でフライパンの柄を前後に動かし、右手におはしを持って、フライパンに密着した部分の卵はすぐに焼けてかたまるので、手早くかき混ぜる。

全体がかたまりかけてきたためフライパンの柄を持ち上げ、底を斜めに引き上げ、おはしかフライ返しで卵を前方へ寄せるように巻いき、左手で持ったフライパンの柄の中ほどを右手で軽くたたきながら、卵をフライパンの中で回転させて全面を焼いた。

合わせ目が1回転して上にきたら、柄を逆手に持って想雅はお皿へと移した。そしてこれを後3回やらなければならない。

 

「おっと、15分だ」

 

4個目を作り終えた後、丁度15分経ったため生地をオーブンから取り出し、焼き上がった生地を4等分に切った。

その生地に挟むチーズクリーム作るため、想雅は新たなボールを取り出した。

ボールの中にクリームチーズと砂糖を入れてよく練り混ぜ、練り混ぜられた後に生クリ-ム、レモン汁、リキュール(蒸留酒に果実やハーブなどの副材料を加えて香味を蒸留酒に移し、砂糖やシロップ、着色料などを添加し調製したもの)を加え、角が軽く立つ程度になるまで泡立てる。

パイ生地に先ほど作ったチーズクリームを塗り、その間にフルーツを並べていく。

その上にパイ生地を乗せて、またチーズクリームとフルーツを並べ、最後にパイ生地を乗せて、粉砂糖をふりかけ、残ったフルーツを添える。

 

「よし、やっと完成だ」

 

想雅は出来上がった朝食を、食卓へと運んで行った。

そこには、待ちくたびれなかったのか輝夜が机に向かってぐでーっとしており、それと真逆にノエルはちょこんと座布団の上に乗っていた。永琳は先ほどから本を読んでいた形跡がある。

 

「おーい、できたぞー」

 

想雅の声に反応したのか輝夜が急にバッと体を起こし、「おっそいー」とぶーぶー言っているような口調で想雅に言った。

想雅は笑いながら「すまんすまん」と言いながら先ほど出来上がった朝食を3人の前へと置いていく。そして、ノエルの隣に来ると自分の分の朝食を置き、静かに座った。

想雅が両手を合わせるとそれに続くように3人も手を合わせた。

 

「それじゃ、いただきます」

 

「「「いただきます」」」

 

想雅は慣れた手つきで朝食を食べようとするが、3人はこの料理を始めてみるのか興味津々に見ていた。

 

「どうした?何か変な物でも入っていたのか?」

 

「何でもないわ。少し珍しかっただけ……」

 

永琳はそう言うと、想雅が作った料理を食べ始めた。

 

「……ッ!おいしい……」

 

「お口にあって何よりだ」

 

想雅はニッコリとほほ笑むと、次は輝夜に質問を受けた。

 

「ねぇねぇ、これなぁに~?」

 

「私も気になります」

 

輝夜が興味津々に2つの料理のことを想雅に訊いてきた。そういえば、まだノエルに俺が作ったところ一度も見せていなかったな……そりゃぁ、気になるよな。

想雅は2人が理解できるように黄色色をした料理を説明した。

 

「えーと、この黄色い料理はオムレツと言ってな」

 

「おむれつ?」

 

「そう、卵を割って溶いたものに、塩、胡椒などで味付けをして、バターや油をひいたフライパンで手早く焼いた卵料理だよ。元はモン・サン=ミッシェルというフランス原産の料理なんだ」

 

「へぇ~、そーなんだ。じゃぁこれは?」

 

輝夜は次にパン生地を何枚も重ね、その間にフルーツを挟んだ料理のことを聞いた。

 

「これはミルフィーユと言ってオムレツと同じフランス原産のお菓子なんだよ」

 

「みるふぃーひゅ?」

 

「ミルフィーユですよ、輝夜ちゃん」

 

ノエルは輝夜が言った言葉を修正するように教えた。

 

「三枚の生地の間にクリームとフルーツを挟んだお菓子で、表面に粉砂糖をまぶしたものだよ。フランス語で『ミル』は千、『フィーユ』は葉という意味で『千枚の葉』ということで一般的に知られているんだ」

 

想雅はわかりやすく説明したと思ったが、やはりこの歳では難しかったのか頭を傾けるような仕草をした。

 

「さっきからフランスフランスって言っているけど、それはあなたたちの故郷の名前なのしら?」

 

永琳は不思議そうに想雅に質問した。あっ、ヤベェ……ついフランスって連呼ちまった。それにモン・サン=ミッシェルも言っちゃったし……

想雅は少し戸惑いながらもその質問に答えた。

 

「あ、あぁ、確かに故郷と言ってもいいが……まぁ、俺たちとしたら『第二の故郷』と言ったところかな」

 

永琳は「そう……」と言ってそれ以上深入りはしなかった。

こんな日常的な会話も今日で聞けなくなってしまうのか……いや、まだ可能性があればもう一度ぐらいは会えるだろうか?

そんなことを思いながら想雅は朝食を取り始めた。もうすぐだ、ツクヨミ様が未来予知で妖怪が都市に攻めてくるときは……そして、俺の運命が決まる時でもあるのだ……俺は絶対に死なない。アイツと交わした約束を守るために……

あの夜に交わした約束を思い出しながら想雅は天井を見た。

 

「『安心して待っててくれよ』、か……」

 

 

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

 

想雅とノエルは『月移住計画』の詳細をツクヨミから聞くため、彼女の家まで歩いて行った。階段を上り終わった後、屋敷の奥から見覚えのある男性が現れた。

 

「お待ちしておりました。すでに皆様がご到着されていますのでお急ぎを……」

 

男性はそれを伝えると、想雅たちをその部屋まで案内した。

皆様?俺とノエル、ツクヨミ様以外にだれか来ているのだろうか?ましてや永琳と輝夜の2人ではないだろう。あいつらには「少し用事があるから出かけてくる」しか言っていないから、ツクヨミ様のところに行くとは言っていないからまずないと考えていいだろう。

 

「ここです、では私はここで……」

 

男性は彼らにお辞儀をして、通ってきた道を戻った。その途中後ろに振り返るとまた想雅たちに軽くお辞儀をした。想雅はその礼儀正しさに驚き、無意識に男性にお辞儀をした。

「ふぅ……」と想雅は息を吐くと、気合いをれるように拳を握った。

 

「ツクヨミ様、計画について少しご相談……が……って、え……?」

 

想雅は障子を開き、ツクヨミに計画の詳細を聞こうとしたが、その部屋は初めにあった時とは違う部屋で、広さは100畳もあるのかという大きな部屋だった。

その部屋に老若男女とわず十数名の人が集まっていた。

その奥に見覚えのある女性が手をくいくいやりながら想雅たちを呼んだ。

 

「あっ、来た来た。こっちこっち」

 

想雅たちはそれに従うまま想雅たちを呼んだ張本人、ツクヨミのところまでその部屋にいる人たちの視線を集めながら歩いて行った。

上座に座っているツクヨミの近くに2つの座布団が用意されていたため、ツクヨミの近くに想雅が座り、その横にノエルが座った。

 

「さて、全員そろったことだし、計画の詳細について話すわ」

 

ツクヨミが計画の詳細を話そうとすると、部屋の中にいる人たちが真剣な顔で耳を傾けた。

 

「最初にこれを言うわ。この『月移住計画』に協力してくれて感謝しているわ。だけど、まだ満足するのには早いわ。まだ、都民の移住が終わるまでまで慢心してはダメよ。その優越に浸っているときに失敗することが多いわ。だから、最後まで気を許さないようにッ!」

 

部屋全体に聞こえるぐらい透き通った声を上げ、その声を訊いた人たちはうなずく者もいれば、胸をドンと叩く者までいた。

 

「忠告をしたから、本題に入るわ」

 

本題に入った途端、部屋中にピリとした雰囲気が経ちこみ、想雅は唾を飲んだ。

 

「今から3時間後、この都市に数千、数万、もしかしたらそれ以上の数の妖怪が攻め込んできてこの都市は壊滅するわ。そのため、都民を移住用ロケットに誘導させる者、その誘導が終わるまで妖怪たちを食い止める者に分かれてもらうわ」

 

部屋中が騒ぎ始めた。それもそうだ移住用ロケットに誘導させる者はまだしも、数千、数万、ましてやそれ以上の妖怪の大群を食い止めることなんて死にに行くも同然な行為だ。

そのような混乱が招じているのにも拘らず無言に想雅は挙手をした。

 

「やってくれるの?想雅くん」

 

「はい、計画に協力した以上それを果たす義務があると思いまして」

 

その言葉を聞いたノエルも静かに手を挙げた。

 

「マスターにそのような覚悟があるのなら、私も挙手します」

 

想雅とノエルの言葉に一同、息を殺した。

このような歳もいかない子供に防衛を任せてもいいのかと。そのうち一人は幼気な少女だ。ツクヨミを除き部屋にいた一同がそのような不安が込みあがった。

その中から眼鏡をかけたインテリ系の男性が眼鏡をクイと上げながらツクヨミに「1つよろしいでしょうかな?」と挙手をした。

 

「構わないわ」

 

ツクヨミが発言を許可したため、彼はその場に立ち一同にこう言った。

 

「私は歳もそれほどいかないそんな子供ら2人に移住のための防衛を任せてもいいのでしょうかと思います。ましてや我々はその子供のことを全く知らないではないですか。聞いた話によると1週間前にこの都市に流れ着いたよそ者と聞きましたが……それは本当ですかな?」

 

眼鏡をかけた男性は想雅に返答を求めるような口ぶりを見せた。

 

「あぁ、そうだ」

 

想雅はそう返答すると男性はニヤリと笑い、次にこう言った。

 

「よそ者である彼らを本当に防衛できる信用してもよいのでしょうか?それ以前に防衛できるぐらいの力があるのか。例えば、攻めてくる妖怪の密偵ということもあり得ると思います」

 

一同が騒然とした。

確かに、妖怪が攻めてくる1週間前に旅人が流れ着くのはどう考えても妖怪の密偵と考えてもおかしくない……と考えている。

 

「その根拠と証拠は?」

 

想雅もその男性に負けないばかりに、彼に根拠と証拠を求めた。

 

「先ほども言いましたが、1週間前にあなたたちがここに訪れたという目撃証g「根拠はわかったが、俺たちが妖怪(・・)という証拠はどこにある?」そ、それは……」

 

想雅の言い返しにより彼は口を噤んだ。

一同の注目を集めてしまった想雅は少し戸惑いながらも、話を続けた。

 

「えーと、誰か妖怪に関する情報とかは……」

 

想雅は誰かに助言を求めるように言った。すると、1人の男性が手を挙げた。図体がこの部屋にいる人たちより大きく、服越しからもわかる屈強な筋肉を持つ男性だった。

 

「この『月移住計画』のため妖怪のことをいろいろ調べて分かったことだが、奴らは己の欲を満たすために暴れており、協力するような仲じゃないということが分かった。それを元にするとだ……別に密偵とか送り込むような奴らじゃないことがわかるな……」

 

屈強な男性の言葉を聞いて眼鏡をかけた男性は「くっ……」と悔しそうな声を出し、無言で元の場所に静かに座った。

これで俺たちが妖怪じゃないということが証明できたから少しは安心かな。

想雅は少し気を緩め落ち着きを取り戻してきている。だが、この時代の妖怪は気性が荒いらしい。元の世界では何だかんだで大人しいというか馬鹿馬鹿しいというか面白い奴らばかりだった。こんな妖怪は幻想郷だけなのかな?

ツクヨミが「あー」と何かを言いたそうにしていたため、想雅とノエルを加えた部屋の一同がツクヨミの方を見つめた。

 

「先に言っておくけど……想雅くんは私より強いよ」

 

その言葉を聞いた瞬間、部屋中の空気がピキッと凍るような感じを想雅は感じた。っていうかそれを今言う必要はあったんですかねぇ~、ツクヨミ様……

 

「つ、ツクヨミ様……そのような御冗談を……」

 

先ほど想雅の発言に負けた眼鏡の男性が頬をひきつらせながら「ははは……」と言っていた。しかし、ツクヨミは首を横に振った。

 

「神である私がそんな出鱈目な冗談を言うと思っているの?」

 

その言葉を聞いた一同は先ほど凍りついた空気から一変して騒ぎ始めた。やっぱ、こんな空気あまり慣れないな……それより横にいるノエルが俺の膝の上で寝ているんだが、別に問題は無いのかな……

想雅は寝ているノエルの頭を撫でながらそんなことを思っている。撫でているのは自分の精神を落ち着かせているためであって決してやましい気持ちなんて無い。

ツクヨミがその場に立ち想雅の方へと歩いていった。

 

「だから、こんなことも出来るのよ」

 

「おふっ」

 

そして、想雅を抱いた。このような公衆の面前で抱かれた為、とても戸惑っている。

ちょ、まっ、こんなところでダメですッ!ホントッ!ほのかに柔らかいものがあたっていますからッ!メッチャ恥ずかしいですッ!やめてください死んでしまいますッ!

 

「こんな感じでスキンシップも取れるんだからね」

 

想雅から離れそんなことを堂々と言うと元の場所まで戻って行った。運が良かったのか想雅の膝で寝ていたノエルは「う、うぅ~ん」と言っただけだった。ホントノエルはどこでも早く寝れるんだからな。

その現状を見た一同はしばしの沈黙が起こった後、妖怪に関して助言をしてくれた屈強な男性が手を挙げた。

 

「小僧に質問だが、旅人であるお前らがこの都市を護衛する意味がある。ここは我らの居場所であり、お前が守ることに何も利益が無いと思うがな」

 

男性は想雅がなぜこの『月移住計画』に関して関わるのかという質問をした。

確かに俺たちにとっては関係ない事だ。1週間無事でいられればいいことだがな……

 

「あなたは妖怪にこの都市を壊されるのを指をくわえて見ていろ……とでも言うのですか?」

 

予想外の想雅の発言に屈強な男性は「ほう……」と顎を人差し指と親指で押さえた。

 

「協力したから、命令だから……答えはNOだ。全ては自分の意志だ。守りたい人がいるから戦う、この都市が好きだから戦う。それだけの理由じゃ不満ですか?それ以前に守ることに理由なんて必要ですか?」

 

想雅はノエルを撫でながら言った。しかし、自分もそんな大層なことを言えた義理ではなかった。

平将門に乗っ取られたとき、ルーミアは助けることができた。しかし、俺が死んでしまったことにより逆に泣かせてしまった。つまり、事実的は守ることができた……が、結果的に守ることができなかったということだ。

男性は頷た後、笑うように自分の顔を手で覆った。

 

「ガハハハハッ!こりゃぁ一本取られた。いいだろう……ツクヨミ様、俺たちの部隊も護衛に回ります」

 

想雅の発言に「参った参った」と答えながら護衛に回ることに挙手をした。

 

「大佐らしいです。では私も……」

 

大佐と呼ばれた屈強な男は隣りにいた女性に少し笑われた。そして、その女性も護衛任務に回ることを決意したのかその場で静かに手を挙げた。

 

「中尉、ここは女が出る幕じゃない」

 

「そんなこと言って、誰が暴走したあなたを止めるのですか?」

 

「そ、それはだな……クソ、好きにしやがれ……」

 

中尉と呼ばれた女性はニッコリと笑いながら大佐に質問をした。しかし、それに戸惑った大佐は戦いのときは暴走するらしく何ていうか自ら護衛任務を置いて、1人戦いに行くみたいなことになるのか?

大佐は「久しぶりに暴れると思ったのだがな……中尉の奴……」とブツブツ言っていた。

 

「それじゃあ護衛の方は想雅、ノエル、大佐、中尉に任せるわ。意義ある者は挙手を」

 

意義ある者は……0人。

だれも、彼らに意義が無いということがわかった。

この後の会議は護衛任務の役割人がきまったため大きな騒ぎもなく事を成した。

 

 

 

 

 

 





さてさて、お分かりの人がいると思いますが次回妖怪たちと戦います。ゴールデンウィークだから早く書くことができるかもです。はい。

想雅がレッツ、クッキングしている時、これを見ていると料理ができそうだなと書いた自分も思ってしまった。

感想待っています!
次回もお楽しみに!

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