東方神聖魔   作:東来

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探そうマイホーム

朝食はいたって普通だった。米飯、魚の塩焼き、味噌汁、豆腐、漬物と見覚えのある食材だった。

想像していたのは、人肉とか何かヤバい雰囲気を出した食材だとかだ。

なんか失礼な想像をしていた。忘れよう……

食卓には椛ともう一人、小さな白狼天狗の……ん?

 

「君の名前は?」

 

小さな白狼天狗はおどおどしてしまった。

あれ?質問の仕方が悪かったのかな。

 

「大丈夫ですよ想雅、この子は少し人見知りなだけですから」

 

そうか、ならよかった。

 

「楓、自己紹介を」

 

「はい。椛先輩」

 

楓と呼ばれた少女は想雅の前に来るや否、正座をして礼をした。

 

「犬走楓と申します。まだ修行の身ですが、よろしくお願いします」

 

「天上想雅だ。天上と言ってもそんなに大層な名じゃないからそこん所よろしく」

 

「自分の苗字をそこまで、注意したいのですか」

 

「この名字だとなんか、『けっこうすごい人物』や『財閥関係の人』とかよく思われていたからな」

 

たしかに初めて聞いたときはすごそうな人だと思うが、自己紹介の前に大天狗を倒してしまていたので楓にとってはすごい人と思っている。

 

「自己紹介もお互い済んだみたいなのでそろそろ、お食事しましょう」

 

椛がそう言うと楓が元の場所に戻り、いつでも食べれる状態となった。

 

「では」

 

「「「いただきます!」」」

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

「「「ごちそうさま!」」」

 

朝食を食べ終わった時だった。いきなり障子が開き、タイミングよく大天狗が出てきた。

 

「なんだ食べ終わるのを待っていたのか?」

 

「気付いていたのか」

 

「障子に姿が見えていた」

 

「気付いていたなら声ぐらいかけろよ」

 

「見えていたおっさんの姿が傑作だった」

 

そう障子から透けていた大天狗の姿は、縁側で持っていたお茶をすすったり、本を読んだりと、

一人で何かやっていたので、すごくぼっち乙とか言いたかった。

それには椛も楓も苦笑い。

 

「ま、まぁいい。ここに来たのはお前に話があるからだ」

 

気を取り直した大天狗は、食卓の上座に着いた。

 

「お前は外来人だろ」

 

「外来人ってのは、この世界の外から来た人のことか」

 

「そうだ」

 

外来人……弥生時代の時、日本以外からやってきた人のことを、いや違った。

あれは渡来人だった。

 

「まずは家を探してもらう」

 

家か……たしかに俺の家はこの世界の外だな。戻り方もわからないから、ここで住まう場所を探さないと。

 

「しかし大天狗様、想雅をここに身を置くこともできるはずでは」

 

「それもそうじゃがな……ここに人間が住まうと、妖怪たちからの攻撃やいたずらとかが絶えない気がしてな」

 

たしかに妖怪の住む場所に人間が入ってきたら妖怪たちもいい迷惑になってもおかしくないな。

 

「それでじゃ、人里に行って、小僧には家を探しに行ってもらう」

 

妖怪が住まう場所もあるらな、人間が住まう場所もあってもおかしくない。

 

「おっさん、俺はここに来たばかりだから人里の場所なんて知らんぞ」

 

「そこんところは任せろ」

 

こうして俺のマイホームを探すことになった。

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

「まかせろと言われても、信用していいのかわからん」

 

まだ知り合って一週間とちょい、いや二日か。一週間眠っていたからな。

想雅は今、大天狗との決闘の場であった、山の開けた場所に来ていた。

やっぱり大天狗に落とされた時、できた穴はまだあったか……

いや、直せよ。ほかの妖怪がはまったらどうするんだ。

それでも大天狗か。

いろいろおっさんに突っ込んでいると、

 

「大天狗様に言われてきた者で~す」

 

空から少女の声が聞こえた。

黒い髪、赤い目、椛やおっさんと違って、フリル付きの黒スカート、白の半袖シャツと外の世界のような恰好だった。付け足すといったら翼は無く、飛んでいた。

少女は想雅の目の前に舞い降りた。

 

「どうも、清く正しい文々。新聞の記者、射命丸文です」

 

「ど、どうも、天上想雅だ」

 

「それではさっそく、想雅さんに質問したいことがあります」

 

「おい、待て。おっさんに何を言われてここに来た」

 

「やはり噂どうり大天狗様のことをおっさんと……」

 

「人の話聞いているかなぁ!?」

 

人の話聞かずメモを取り始めやがった。

 

「聞いていますよ。大天狗様から想雅さんの家さがしの手伝いをしろと命令がありました」

 

「なら取材より家さがしをしろ」

 

「え~、まだ聞きたいことたくさんあります」

 

「わかったから、家さがしが終わってからいくらでも答えてやるから」

 

「今言いましたね。い・く・ら・で・もと」

 

わお、目が鋭くなった。これが新聞を書き上げる人の目か!?

 

「あぁ、男に二言はない」

 

「じゃ、早くぱっぱと終わらせましょう!」

 

本当に大丈夫なのか、この子。

そういえば妖怪って人里歩いても大丈夫なのか。

想雅の不安は膨らむばかりだった。

 

 

 

 

------○●○-----

 

 

 

 

「どうでしたか?大天狗様と戦った感想は」

 

「家探しが終わってからだろ」

 

「いいじゃないですか。探すまで時間がありますし」

 

今は3回目(・・・)の不動産屋に居る。

さっきので気付いたとおり、人里に今物件がない状態のようだ。

 

「まぁ、暇だな」

 

「ではでは、どうでしたか」

 

「まぁ、一言で言うと強かったかな」

 

「ほうほう、強かったと」

 

妖怪と戦って弱いという奴がいるのだろうか

力があったおかげで勝てたからな。

そういえば、俺の力はなんだろう?

 

「それでは次の質問」

 

「想雅さんの骨を見たとき、ものすごく砕けていましたが、それはどうやって治しましたか?そもそも、想雅さんは人間なのですか?」

 

うん。自分でも不思議な質問がきた。これは答えにくい。

 

「文、さっき骨を見たって言ったよな」

 

「えぇ、いいましたよ」

 

「ここにはレントゲンという機械があるのか」

 

「ありますよ。にとりのところへ行ったときに、ちょうど椛と会ったので、一緒についてきました。それで、にとりが作った、レントゲンという機械であなたの骨を見ました」

 

だから椛は、骨が砕けていることを知っていたのか。

にとりって言う子すごい物を作るもんだな。

 

「質問に戻しますね。骨をどうやって治しましたか」

 

「俺にもわからない……」

 

「起きたら治っていた状態だったからな」

 

「そうですか。もう一つ、あなたは人間ですか」

 

「人間だ」

 

「言い切りましたね」

 

ま、自分でもわからないがな。

人間をやめた記憶もないし、やめない。十年前の記憶は置いといてだ。

 

「探している物件のことですが」

 

不動産屋が探し終えたようだ。

 

「ありませんでした……」

 

やっぱりか!?

1回目でダメで、2回目でもダメだったからだいたい予測してたよ!?

なにここに来てからの不運の連続。

滝に落ちるは、おっさんと戦い体がボロボロになるはで!?

想雅が落ち込んでいると、

 

「お、お客様。物件は無くても土地ならありますがどうでしょうか?」

 

土地か、土地ねぇ……

土地があっても家が無ければな……

なら建てる(・・・)ってか、どれだけ金がかかるんだよ。

ん?建てる(・・・)……

できるんじゃね。できるかもなアレだったら。

 

「ならそこに案内してくれ」

 

何事もチャレンジだ!

当たって砕けろだ!

家ではないが土地へと想雅たちは向かった。

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

「ここです」

 

人里から数分といったところか、だいたい人里と妖怪の山の中間地点のところだ。

まぁ、目の前に湖があるから景色はいいだろう。

 

「いくらだ?」

 

「えーと、この広さの土地ですとだいたい、四百円(四百万円)ですね」

 

「四百円か……」

 

安い、と思ったがこの世界のお金の価値ってどうなんだ。

土地だから数百万ぐらいはするであろう。

 

「お金の心配はいりませんよ。大天狗様がそのお金をだしてくれますから」

 

なら心配ないだろう。

想雅はその土地を買うことにした。

 

「お買い上げありがとうございました」

 

不動産屋は想雅たちから離れていった。

 

「終わりましたし、そろそろ取材の方を」

 

「家を建ててからだろ」

 

「家なんてそんじゃそころじゃできませんし、待てません」

 

「まぁ見てなって」

 

できるかわからいけどな。

想雅は両手を前に突出し何かを唱え始めた。

 

『我は求めたり、休息を呼ぶ広間よ。我が身を守る盟約の砦よ。孤高な宮よ。これ成り立つとき、我は事に憂いなし』

 

唱え終わると、目の前が輝き、そこには……

 

「よっしゃ、家ができた」

 

想雅は家が無事完成したことにホッとした。

だって完成しなかったら恥ずかしいじゃん。

文は驚きを隠せないでいた。

 

「こ、これが想雅さんの能力ですか」

 

「たぶんそうだと思う……」

 

無事、家探しは終わったのだった。(探すって言うより作った)

家の内装は、この世界のことと合したので、和風に仕上がっている。

家の中に入ってみたが、外見道理で、広い……

一部屋、一部屋がだいたい十何畳、一番広いところで百畳いやもっとあるかぐらいの広さだ。

もっと小さくてよかった気がする。

その夜は文の質問攻めによる眠れない夜を過ごした。

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