東方神聖魔   作:東来

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1ヶ月ぶりの投稿……ねぇ……久しぶりすぎて何書いていたか忘れてた。
いやぁ……高校がマジで楽しすぎるんですのよwwしかも夏休みに入ってフリーな状態。
まぁ、この小説を投稿できたし良しとしましょう……ね?

あとあと、活動報告に書いた通りに新しい小説でも書こうかなと思っているのでよろしくお願いします。
実際のところ活動報告に書いた神話系の物語じゃなくなるんですけどねぇ……

甲子園の予選も始まったことだし、また熱い夏がやってくるな

感想ありがとうございました。
では、ごゆっくり。




月からの使者

今宵の月は美しい。それは真ん丸で神々しく輝いておりどこか優しく見守ってくれるような感じだった。

しかし、今日の満月を見るとどうしてもそういった感情が持つことができない。

『蓬莱の薬』を飲んだ罰で地球に島流しにした月の民たちはなぜまた輝夜を月に連れ戻しに来たのか?輝夜から聞いても「わからない」という一言だ。憶測だが地球で頭を冷やせ、と思っているのだろうか?

まぁ、今はそんな考えは置いておこう。

想雅は渡り廊下を歩きながら夜空に映えている満月を見ていた。その視線をふと下にやると、数百……いや、数千といった野郎たちがいた。

その男たちは帝の命令で輝夜の屋敷にいるのだ。輝夜が月に帰るという事をどこからかで耳にしたのかは不明だが、今はそんなことを考えている場合ではない。

廊下を歩いている最中に庭にたくさんいる男たちにジロジロ見られている視線を感じた。

「さっきから見かけるがあいつは誰だ?」「噂に聞いたんだが……輝夜様の屋敷に何度も出入りしているのを見かけてるらしいぞ」「もしや……輝夜様の婿さんか?」「中納言石上麻呂様を圧倒的な力で止めたとか……」「我らでは太刀打ちできないか……」「それより、イイ男だな……やらないか?」

最後のやつ誰だよ……この時代からホモは健在かよ……

想雅はそんなことを気にしながら輝夜の自室まで歩いた。

輝夜の自室の障子をゆっくりと開けると、輝夜とノエルが座っていた。爺ちゃん婆ちゃんは違う部屋で何かをやっている……というか監禁?帝がよこした兵たちにある一部屋に監視されている。

 

「そろそろ時間か?」

 

想雅はその場にあぐらをかき、輝夜に訊いた。

 

「えぇ、そろそろ来るはずだわ」

 

輝夜は少し険しい表情を見せながら呟いた。

『竹取物語』の話が本当なら、ここで庭にいる兵たちは謎の光により石像のように身動き一つも出来なくなってしまう、となっているのなら、俺とノエルも動きを封じられてしまうのではないか?まぁ、俺は『魔』の力を使って無理やり破るが、ノエルは普通の女の子だからそんな化け物染みた怪力を持ち合わせていない。その時はノエルにも『魔』の力を流し込むまでだな。

しかし、想雅の考えは浅はかだった。

タイムトラベル1回目のとき、彼ら月の民たちは独自の科学技術を進歩させていた。その時には対物ライフルのNTW-20がすでに完成されており、月に行く時のロケットなどと、歴史的にいえばだいたい20世紀後半ぐらいの進歩レベルだった。

なら、想雅が1回目に来たときと2回目に来たときでは当然のように時間が経っている。何を隠そうが輝夜たちに出会ったときから、平安時代まで……約、数億年は経っているのだと……

 

「「……ッ!」」

 

想雅とノエルの動きが急に止まった。

想雅はすぐに反応して、『魔』の力を全体に流し込み無理やり拘束を解いた。そして尽かさずノエルにも流し込み、拘束を解いた。力が弱い女性でも『魔』の力さえあれば超人的な怪力を得ることができるのだ。

想雅の視線がノエルに集中していた時、輝夜は障子を開け外を確認した。

 

「やっぱり……」

 

外の庭にいた兵たちは先ほど拘束にかかった想雅たちと同様に、その場にいる兵たちが頭から杭を打ちつけられたようにピクリとも動かない。

上を見上げるとどこかが光り輝いており、おそらくその光のせいで兵たちは身動きが取れないと考えた。そして、月が見える方向から徐々に何かが近づいてくるのが見えた。近づいてくるたびにそれが何なのかと……いや、このような状況を作り出せる人たちと察しはついていた。

 

「ただいまお迎えに上がりました、姫様」

 

片手に弓を持ったある一人が輝夜に近づいてきた。

その人は昔から傍にいていつも面倒を見てくれた人だった……

 

「永琳……」

 

永琳、と呼ぶとそう呼ばれた女性は「はい」と静かに答えた。

永琳は輝夜に触れるぐらいの距離を取り、輝夜に手を差し伸べた。

 

「では、行きましょう」

 

その言葉の矢先、永琳の目の前に思いもよらないことが起こった。

 

「大丈夫かッ!輝夜ッ!」

 

彼女の視線に映ったのは、この時代、この大地では珍しく目立つ茶髪の髪と銀髪の髪、眼は両方とも青く、碧く、と見覚えのある2人だった。

そう永琳が思いもよらないこととは、あの時に姿を消したまま戻ってこなかった少年と少女の2人……天上想雅とノエルだった。

想雅たちは輝夜の近くに来て初めて永琳が目の前にいることを察した。

 

「……よ、よぉ……」

 

「久しぶりね……」

 

「……」

 

「……」

 

その言葉を交わした後、しばしの沈黙……そして……

 

「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!?」」

 

彼と彼女の声が屋敷全体に響き渡った。

近くにいたノエルと輝夜は五月蠅かったため耳を両手でふさいでいた。

 

「ちょ、ちょっとッ!今までどこに行っていたのよッ!」

 

「い、いやぁ……まぁ……いろいろあってな……」

 

「いろいろって……人様に心配させておいてその答えは無いでしょう?しかも、どうしてまだ生きているの?あれから数億年は経っているのよ?」

 

「え?マジですか……」

 

ここに来てやっと自分たちがあれからどのぐらいの時間が経ったのか把握ができた。第一、輝夜に訊けば早かったのだが、そのことに関してのことをすっかり忘れていた。

 

「他にもいろいろツッコみたいところはあるけど……まずは仕事を片付けましょう」

 

永琳は想雅たちに背中を向け、片手に持っていた弓を引くと一緒に輝夜を連れて帰ろうとしていた一人の右肩を永琳の矢が貫いた。

その人の叫び声は聞こえてこなかったものの彼が苦しそうに肩を押さえているのが見えた。しかし、想雅とノエルの2人はどうしても理解できないことがあった。

 

「なぁ、お前は輝夜を連れ戻すために来たんじゃないのか?」

 

輝夜のもとに届いた手紙には『お迎えに上がります』と書いてあったはず……しかし、今永琳がやっている行動とは全くの真逆。『お迎え』というより『帰りたくないでござる』状態だった。

 

「元からそんな気は無かったわ」

 

と、さらっと他人事のように言った。

視線を輝夜に向けると知っていたような表情を浮かべていた。

 

「なぁ、輝夜。まさかお前も知っていたのか?」

 

「騙すなら味方からって言うでしょ?」

 

さいですか……

この光景を見た想雅とノエルはこの後自分たちが何をするのかがだいたい察しがついていた。

 

「つまり、俺たちはお前らの逃走計画に手伝えと……」

 

「あら、察しがいい」

 

「そうだと思ったよこんチクショウ」

 

想雅は頭をかきながらどうするかと考えた。

まぁ、月の人たちとやり合うことは免れない事だし、最低限殺さないようには戦闘不能にしておかないと追手とかが面倒なことになるしな……とりあえず、帝の兵たちと爺ちゃん婆ちゃんに危害を加えないようにこの場から逃げないとな。

しかし、想雅とノエル、永琳は動きやすい服装だが、輝夜だけが平安時代の女貴族が来ていた十二単ではないが、スカートの長さが足元までと驚異の長さだった。

 

「失礼するぞ、輝夜」

 

「え?」

 

想雅がいきなり何を失礼するのか理解できなかった輝夜はきょとんとした表情を浮かべた。しかし、想雅はそんな事を気にせず、バッと輝夜をお姫様抱っこをした。

 

「ちょ、ちょっとッ!いきなり何をするのよッ!」

 

「あ、暴れるなッ!落ちるぞッ!」

 

輝夜はバタバタと降りようとしていた。

 

「お前の服装じゃ逃げるのに苦労するからこうやって抱えているだけだッ!別にそんなやましい事なんて考えてないッ!」

 

そう想雅が叫ぶと納得してくれたのか少し輝夜が大人しくなった。

 

「べ、別にこのままでもいいけど……」

 

「ん?何か言ったか?」

 

想雅は聞いておらず、少し不機嫌になってしまったのか、ぷいとそっぽを向いてしまった。

ホント、女の子とかかわると何で俺はこうなってしまうんだよ……何が悪い、接し方か?

そんな考えを想雅は脳みその端っこに追いやった。

 

「じゃぁ……行くぞッ!」

 

想雅の号令と共に4人は屋敷を後にした。

 

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

 

「チッ!しつけぇなッ!」

 

想雅は自分に向かってくるレーザーらしきものを避けながらどこかに逃げようとしていた。

 

「おい、永琳ッ!どこまで月の技術が進歩しているッ!」

 

想雅は念のために月の住人であった永琳にどれぐらい進歩したのか訊いた。

 

「だいたいだけど……数億年よりは確実に進歩しているわ」

 

「それだけじゃわからんッ!もっと……使ってくると思う兵器とかは知らないかッ!」

 

「えーと、さっきのはレーザーを撃ち出す兵器で岩なら簡単に溶かすことができるわ」

 

「殺す気満々じゃないですかーやだー」

 

あのレーザーどんな熔解力なんだよ……岩なら簡単にって、いわゆる人間なら即熔解ってもんだろ?恐ろしいわッ!

そんなことより、俺たちと一緒に輝夜と永琳までも殺そうとしていやがる……

 

「他にも、近接攻撃に特化したビームサーベルや戦車、狙った目標に追尾するホーミング弾、それに宇宙からの人工衛星の攻撃などといった兵器があるわ」

 

「これ……完全に勝ち目無いだろ?」

 

想雅は苦笑いしながら言った。

 

「要するに逃げるが勝ちよ」

 

「簡単に言ってくれるじゃねぇかよ……」

 

そう言って想雅はレーザーが放たれたと思う方向に輝夜を落とさないように向きを変え、片手で支えると同時に胸ポケットからスペカを取り出した。

 

「龍は偉大である。あらゆるものを凌駕する覇気を持つがために。覇気『龍王の威圧』」

 

想雅の青い眼が紅く光り、向かってくるレーザーの動きを拘束した。

動きが止まったことを確認した想雅は抱えている輝夜を下ろし、輝夜と永琳に向け言った。

 

「あそこに見える竹林があるだろ?あそこに逃げろ」

 

想雅が見据えている先には確かに竹林があり、その量は尋常ではないぐらい竹がたくさん生えていた。そのため、逃げる、隠れるといったことは適していると想雅は判断した。

 

「また私たちを置いていくつもりなのッ!?」

 

近くにいる輝夜が想雅に向け不満な意見を出した。

まぁ、そうだよな……数億年前に「後から行く」と言って行かなかったわけだし、今回ばかりは譲れないと輝夜も思っているはず。

 

「じゃぁ、誰がアイツらの足止めをする?このままだと全員終わるぞ?」

 

想雅の言ったことは本気だった。

 

「そ、それは……」

 

流石の輝夜も言葉を亡くした。

輝夜と話している時、レーザーが放たれる音が想雅の耳に聞こえた。

 

「話の邪魔をするな」

 

想雅の眼がより一掃紅く光った。

拘束されているレーザーとそのレーザーは無残にも儚く散っていた。散ったレーザーの光の残留がキラキラと美しく光っているのがわかる。

 

「この拘束がいつまでも持つわけじゃない。早く逃げろ」

 

しかし、輝夜は納得がいっていないことは想雅自身にもわかっていた。想雅は輝夜の手を掴んで自分の方向へと引き、輝夜に抱き着いた

 

「えっ、な、何ッ!?」

 

いきなりの出来事だったため輝夜が戸惑った。

そして、戸惑う輝夜を余所に想雅は語りかけるように言った。

 

「今回もお前たちのところには戻ってこれそうにない。別に死ぬから帰ってこれないわけじゃない、俺たちにもいろいろと事情があってな。まぁ、俺たちも一応不老不死だし、会おうと思ったら会えるからそんなに悲しまなくていい。これで終わりではないからな」

 

そう語りかけるとゆっくり輝夜を抱いていた腕を外した。

 

「本当に?」

 

「あぁ、約束だ」

 

これで納得がいってくれたのか、輝夜は自ら永琳の近くに走っていた。

 

「後は頼むぞ、永琳ッ!」

 

「わかったわ、あなたたちも死なないようにねッ!」

 

そう言い残し、輝夜たちは竹林の中へと逃げて行った。

2人の姿を確認できなくなったと同時にノエルが想雅の傍まで来た。

 

「さて、ノエル。時間稼ぎと迎えが来るまでの時間、頼むぞ」

 

「私はマスターの剣、マスターの想うがままに」

 

 

 

 

 

-----○●○-----

 

 

 

 

 

 

想雅はノエルを構えるとその場に足を開き戦闘態勢を取った。

しかし、先ほどレーザーを撃ってきた本人の姿が先ほどから見えない。いや、レーザーの事だからどこか遠距離で撃ってきているのも可能性である。だが、実際のところそんな感じには思えない。

なぜか近くにいるという感覚があるのだ。

別に周りは視覚で確認する限り俺たち以外の人物は見当たらない。なら、なぜそんな感覚を覚える。誰も周りにいないはずなのだが……

 

「考えても無駄だな……」

 

そう呟いた矢先、キィィィィィ……と何かの音が想雅の耳に届いた。そして、その音が聞こえなくなるとバシュッ!といった何かが発射される音が聞こえた。

 

「……ッ!」

 

想雅は自分の頭を狙ってやってくるレーザーを見てギョッとした。こんな暗く頼りになるといったら月光ぐらいだ。しかし、それだけでは完全に脳天を狙うことができない。

想雅は姿勢を地面まで崩し、レーザーが向かってきた方向に霊力槍を撃つ。だが、放った方向には何も人の叫び声さえ聞こえない。すでに撃った後に移動している。

ただの時間稼ぎではこちらがやられるだけ、本気でやり合うしかない。相手は戦闘のプロフェッショナルと考えた方がいいだろう。

想雅は先ほどのキィィィィィ……という音はレーザーを溜めている音だと仮定して、たぶん発射には数秒かかったはず……なら、そこを狙って行けば……

想雅は左手に霊力槍を作り出し、その音が聞こえるまで備えた。

 

 

キィィィィィ……

 

 

「そこだッ!」

 

想雅はどこから音が聞こえるか耳を澄まして確認し、その方向に撃ち込んだ。

 

「グギィッ!」

 

どうやら想雅が想定した仮定は正しかったらしく命中したらしい。

想雅は霊力槍を撃ちこんだ方向に行くと人が倒れていることを確認した。その人は片手にハンドガンと同じぐらいの大きさをもっているレーザーガンらしきものを持っており、顔の方は某アニメの戦闘力を測るみたいなスカ○ターみたいなものが装着されていた。

 

「これ何だ?」

 

想雅はその顔に装着されていたス○ウターらしきものを取り、自分の耳に装着した。

何やらカチカチとやっているとピピピピピ……という何かを解析しているのか探しているのかと思わせる機械音が聞こえた。

 

「ん?何か赤色なのか黄色なのかわかんない物が表示されたな」

 

その機械音の後にはその○カウターのスクリーン上に暖色を基調とされた物が映し出されていた。中には青く緑くといった寒色もあるがだいたいの表示の仕方は暖色だった。

その形は常に人の形をしており歩いているような動きもしている。そして、人らしきものが止まると拳銃を構えるようなポーズを取った。

 

 

キィィィィィ……

 

 

「……ッ!」

 

想雅は気付いた。

これは人のような形をしたものじゃない……人そのものの動きだ(・・・・・・・・・・)、と。

想雅は霊力槍を作り出し撃ち出した。

生憎、レーザーの溜める時間よりは速く難なく気を失わせることに成功した。

 

「こいつで俺の居場所が分かったのか……月の民ってすげぇ……」

 

戦闘力を測るものではないというのはガッカリしたが、温度を測り敵の居場所を探知できるというのは凄いと思った。だから、こんな暗闇の中でも俺の居場所を察知できたんか……

 

「さて……こいつで探知しているのはあと3人……意外と少ないな」

 

このような状況ならもっと人が多くてもいいはず……何か作戦でもあるのか……

そんなことを考えていた時、スカウ○ー(温度探知機)から人がこちらに熱原体を構えて向かってくるのが確認できた。たぶん永琳が言っていたビームサーベルだろう。

想雅は居合の構えをして攻撃に備えた。

目を鋭くさせ目標を確認したと同時に打ち込む……

 

 

ピピピピピ……

 

 

スカウタ○(以下略)が何かの熱原体を確認した。

その熱原体は軌道を蛇のように動きながらこちらに向かってくるのが確認でき、その動きを見て想雅はホーミング弾だと察知した。

居合の構えを一時中断しようとしたが想雅はあることに賭けてみることにした。

 

(だいたいは逃げることを考えるがあえてここは……)

 

想雅は『魔』の力を脚に流し込み強く地面を蹴った。

丁度、ホーミング弾の下を通り一直線にその熱原体を持つ人にみねうち居合斬りを入れた。

 

「ガッ!」

 

腹に思いっきり撃ち込まれた人は熱原体を落としながら地面に倒れた。

それと同時に目標を見失ったホーミング弾はそのまま地面に激突した。その衝撃は地面を揺らした。

想雅は先ほどまで役に立っていたス○ウターを取ると足元に捨てた。

 

「ふぅ……あとは迎えを待つだけか」

 

そうい言って竹藪の方に向いた時。

 

 

ピピピピピ……

 

 

足元のスカ○ターが何かを探知したらしい。しかし、その音は先ほどのように静かな音とは違った。

音が大きくなっていくにつれ徐々に……徐々に想雅の額に汗が流れてきた。ス○ウターの音によりあまり周りの音が聞こえにくいがゴォォォォォ……という音がどこからともなく聞こえてきている。その音が近づいてくると同じに○カウターの音も大きくなっていく……

 

 

ピピピピピ……ピピピピピッ……ピピピピピッ!ボォンッ!

 

 

スカウターが爆発したと同時に嫌な感じを覚えた想雅は後ろに下がった。

 

 

ゴォォォォォ……ドォォォォォッ!

 

 

下がったと同時に目の前に何かが降ってきた。ギリギリ後ろに下がっていたため踏みつぶされることは無かったがその轟音は一つだけではなかった。

 

 

ドォォォォォッ!ドォォォォォッ!ドォォォォォッ!

 

 

合計4つの物体が砂煙をまき散らしながら地面に落下した。

その物体が落下後に数秒経ち、キィィィィィ……と金属と金属が擦れる独特な音が聞こえてきた。

ドォォォォォンッ!と先ほどと同じく地面が揺れる。

そして、先ほどまで立ちこんでいた砂煙は轟音が聞こえたと共に吹き飛ばされ、その物体の姿が現れた。

全長は20メートルを超えている人型ロボットだった。

装甲は真っ白、背中にはバックパックのような物でその上にビームサーベルの柄が刺さっていた。頭にはアンテナが数本付いており、片手にはビームライフルらしい物を持っていた。

 

「すでにガン○ムやん……」

 

そのガン○ムもどきが想雅に向けビームライフルを突きつけた。

 

『あー、あー、マイクテスマイクテス。おい、そこの少年。輝夜様と永琳様の居場所は知らないか?』

 

中にはやはり人が乗っていたらしい。

 

「知らない、例え知っていたとしても教えるわけにはいかないな」

 

想雅は見上げながら言った。

ロボットに乗っている人が無言でビームライフルを装填はじめた。

 

「やばッ!」

 

想雅は後ろに下がり撃たれる前に逃げたが……

 

 

バシュゥゥゥゥゥッ!……ゴゴゴッ!ゴゴゴゴォォォッ!

 

 

地面が抉れそれによりさまざまの大きさをした岩が宙に飛んだ。想雅は避けるがガ○ダムもどきはそんな岩を気にせず前に進んできた。

それに気付いた想雅は逃げようとするがロボットの頭部からバルカン砲のような物が乱れ撃ちされてきた。その弾は石に当たり跳ね返ると思ったが次々と破壊していく光景を見たため逃げられずにはいられなかった。

しかし、そのバルカン砲攻撃は1つだけではなかった。

 

 

バババババッ!バババババッ!バババババッ!

 

 

一機のロボットばかりに集中しすぎたためか残りの3機のロボットが想雅の左右後ろを塞いでおりそこからバルカン砲攻撃を仕掛けてきた。

四方八方から放たれるバルカン砲は岩を破壊していく、想雅は焦りの表情を見せてきた。

 

「チッ、逃げ道は……目の前かッ!」

 

想雅は目線を凝らし逃げ道を探すとちょうど図体がデカいためかロボットの又の間がトンネルみたいになっていた。

尽かさずそこに走っていきロボットの又の間を通り抜けた。

 

「よし、これでだいぶ……」

 

助かったと思った想雅だったが目の前に出現したある物体に絶句した。

形は球根型の約20センチの物体が浮遊していた。

想雅は察した……あれは……

 

「ファン○ルッ!」

 

想雅が叫んだと同時にファンネ○は先からレーザーを発射させたが、そのようなものをアニメで見たことがある想雅はすぐに察し、すぐに行動したため当たることは無かった。しかし、危機は終わらない。

次々とファ○ネルもどきが想雅を狙って瞬間的な動きを繰り返しながらレーザーを撃ていく。想雅はギリギリのところで避けているためだいぶ体力がきれてきた。その時だった。

 

「ガァッ!」

 

想雅の体が何かに縛り付けられるような痺れているような感覚におちった。体は宙に浮いたままそして周りにはフ○ンネルもどきが展開されていた。

一機のファ○ネルもどきが想雅に向けレーザーを放った。

想雅は『魔』の力を体に流し込み、その拘束を力づくに壊し刀でレーザーを斬った。しかし、レーザーは一機だけではない。

他の○ァンネルもどきも同じくレーザーを放つ、想雅は避けていくがさすがに全弾は避けることは出来ず当たってしまった。

 

「ガァァァァァァァァァァッ!」

 

『魔』の力により体には穴が開くことは無かったが、死ぬほどの痛みが想雅を襲った。当たったときにその場に崩れたためか一時的に動きが止まり残りのレーザーが想雅を襲う。

 

「グガァァァァァァァァァァッ!ゲホッ!ゲホッ!グッ……カハッ!」

 

あまりの痛みに叫んだと同時に咳き込んでしまい、ましてや血までも吐き出してしまった。

痛い……痛すぎる……岩を溶かすレーザー……死ぬほど痛い……体に穴が開かなかったのがよかったが……

その場に倒れながら想雅は思っていた。

こんなんだと……俺の寿命減ったな……あっ、寿命なかった……

 

「は、早く立たなければ……」

 

左腕で地面を掴み立とうとした瞬間。

 

 

ボォォォォォォォォォォッ!

 

 

とてつもない暴風が想雅を襲った。

死ぬほどの痛みを味わった想雅は思うように力が入らずそのまま飛ばされてしまった。その際に自分の手元から刀が離れてしまい。刀が想雅が倒れていた場所に刺さった。

暴風に飛ばされた後、力が入らない想雅は意識が遠のいていた。

 

「グガッ!」

 

最終的に木の幹に当たりそこから崩れていき屍のように力が入っていない。

こりゃぁ……骨が何本か逝ったな……体中が痛い……過去に行ってからこんな危ない状況が多いな……ははは……チャラ神め、俺を鍛え直しているのか?

想雅の脳裏にはこんな状況でもヘラヘラ笑っているチャラ神の姿が思い浮かぶ。

ふと目線を上にやると目の前まで迫ってくるロボット軍団が薄れている視界に見えている……

ここで終わりなのか……いや、ダメだ……約束を果たしていない……アイツと会うまでは死ねない……月移住計画のときもこんなこと思ったな……やはり俺は弱いな……

振動が少しづつ大きくなっていくことに徐々に想雅には焦りが見えていた。

ならどうする……どうすればいい……

 

『勝負はその気を緩めた瞬間に決まることだってあるんだぜ。さすがに冷酷になれとは言わないがな。(*゚∀゚)*。_。)*゚∀゚)*。_。)ウンウン』

 

その言葉が想雅の頭を過った。

やはり気を緩めていたか……なら冷酷になれと?無理だ、俺はそんな器じゃない……なら……

想雅はロボットの距離が数メートルになったとき想雅は大胆な考えを思いついていた。

 

「そんな器がないのなら自分が変わればいい……俺の考えは変わらないが、約束を果たすために俺は生きるためには手段を択ばない……」

 

想雅はすぅ……と息を吸った。

 

「我は孤高である。我は獰猛である。故に何人たりとも邪魔されぬ絶対者。灼眼に輝く双眼は覇者の証、鋭い角は王者の証、大きなる翼は我の孤高の証、我行く道が邪道だとしても我は決して屈さぬことを誓おうぞ」

 

想雅はふぅ……と息を吐くと何かを待つように夜空を見上げた。そしてゆっくりと瞼を閉じていった……

 

 

グィィィィィンッ!ガションッ!ブゥゥゥゥゥン……

 

 

ロボットが背中についているビームサーベルを手に取り起動させた。そして想雅に向け斬りかかる……

 

「カッ!」

 

想雅は急に眼を見開き威嚇するような声を上げた。

 

 

ガ……ガガガガ……ガガ……

 

 

攻撃してこようとしていたロボットの動きが止まった。

動きが止まるという事は想雅のスペカの1つ、覇気『龍王の威圧』が使用されたと考えれるが詠唱をしていないためそれが使われたことは無い。

想雅は脚で地面の掴むように立ち上がった。一瞬フラっとしたが倒れることなくその場に耐えきった。

そして地面をずっと見つめていた想雅の瞳は顔が上がると同時にその瞳が露わになった。

 

 

夜空に映える輝く青の瞳が……

 

 

その眼は、覇気『龍王の威圧』とは似ているが似ていない。

今回の瞳は本物の龍の瞳(・・・・・・)だからだ。しかし、これだけでは変化は止まらなかった。

頭の側頭部から角のような物が生えてきた。その角は純潔な白を思わせるように美しく、ただ一片の穢れもないほど綺麗だった。

そして、背中からは勢いよく白い翼が生えてきた。

想雅の姿は人間という存在から変化し……

 

 

龍となったのだ。

 

 

人間の形をした龍……即ち、龍人となったのだ。

しかし、これは『言霊』だ。自分から解けば元通りの人間になる。ただただその場しのぎみたいなものだ。

 

「フシュゥゥゥ……」

 

想雅は口から青い火の粉を吐いた。

おいおいおい……ここまでリアリティ何て求めてないぞ。ただこの場をしのげればいいだけだったんだが……想いが強すぎたらしい……まぁいい。

想雅はボロボロになっていた自分の体を触った。しかし、不思議と痛みもなく先ほどまであった傷もない。

 

「龍の再生力は流石だな……」

 

俺の『聖』の力は先ほどの傷だとだいたい30分から1時間で再生できる。それだと今の状況で完全に死ぬ。なら、再生力が高い龍に変化すればいいと思ったまでだ。まぁ、人間を一時的にやめるというのも結構辛い……

想雅は先ほどからずっとロボットを睨んでいる……

想雅は『魔』の力を脚に流し込み……地面を蹴ったッ!

 

 

ボゴォォォガゴォォンッ!

 

 

想雅の拳がロボットの頭を貫いた。そして、『魔』の力により速度が格段に上がったのにもかかわらず翼を広げ何も衝撃がなかったかのようにその場に静止した。

想雅は空気を吸うようにして青い炎を吐く準備をした。

 

『たかがメインカメラをやられただけだッ!』

 

だが、ロボットの頭部を破壊されたア○ロも黙ってはいなかった。

サブカメラで上空に上がっている想雅を見つけ出し左腕でビームライフルを構えた。想雅は今静止していたため狙い撃つには申し分なかった。

 

 

バシュゥゥゥゥゥッ!

 

 

想雅に目がけてレーザーを放った。

その想雅は先ほどから青い炎が口元から溢れ出していた。

 

 

ボゥッ!

 

 

ついに口から青い炎を吐きだした。しかし、ただの炎ではなかった。放たれると同時に不安定な形から徐々に形あるものに変化していき槍の形をした青い炎が完成した。

その槍は先ほど放たれたレーザーを貫き消滅させた。そのまま槍はロボットの左腕を貫いた。

それを確認すると想雅はロボットに翼を広げながら突っ込んでいった。

想雅の体がロボットの又の下を通ると実際は翼が引っ掛かるのだが今回はなぜか引っ掛からなかった。

右腕で地面を掴み、地面に刺さっていた刀を取ると回転するように体勢を整えた。

 

「大丈夫か?ノエル」

 

『大丈夫です、マスターこそ大丈夫ですか?』

 

「大丈夫だ、龍の再生力には驚かされたよ」

 

拳を開いて閉じて開いて閉じてを繰り返した。

 

『マスターはこのまま龍のままですか?」

 

「いいや、『言霊』を解けば人間に戻るさ。人間はやめたくないもんでね」

 

想雅たちは今は戦闘中のはずなのだが余裕のように話していた。それもそのはずだ……先ほど又の下を通ったロボットは脚が綺麗に斬られそのまま落下していった。

 

 

ドゴォォォォォォォォォォ

 

 

そのロボットはただ動けないだけの鉄塊になった。

 

「さてと……残りの奴も片付けますか……」

 

鉄塊になったロボットの方に振り向こうとした時だった。

 

 

シュバッ!シュバッ!

 

 

空気を斬るような音が想雅の耳に伝わった。

 

『な、なんだッ!?この剣はッ!?』

 

ロボットから人のような声が聞こえてきた。

そのロボットの方に目線を向けると数百……数千、いや下手したらそれ以上の数の光の剣が3体のロボットに一斉掃射されていた。

その無数の光の剣には想雅自身見覚えが無い、聖王剣『エクスカリバー・コールブランド』でもこのような数の剣を創りだすことは不可能。

無数の剣により斬りつかれ、貫かれたロボットは爆発をしないままその場に崩れていった。剣が一斉掃射されてから倒れるまでの時間、わずか10秒だった。

状況をまだ理解できていない想雅はその場に杭を刺されたように棒立ちだった。

 

「私の弟を傷つけたのですから当然の酬いですよ」

 

聞き覚えがある声が上空からした。

目線を逸らすと、月光に照らし出される白い翼、その翼は神々しく見惚れてしまいそうに映えている。頭の上には黄金に輝く天使の輪っかが……

 

「ミカエルさん」

 

想雅の声が聞こえたのかミカエルは想雅の姿を見ると一目散に降下してきた。

 

「そぉぉぉぉぉくぅぅぅぅぅんッ!」

 

「ちょ、ミカエルさんッ!その速度はヤバいでs……オフゥッ!」

 

想雅は勢いよくやってくるミカエルを両腕で抱え込みながら足を踏ん張った。

ズザザザザザァ……と滑って行き、想雅が脚に『魔』の力を流し込んだことによりやっとのことで止まった。

想雅はミカエルの顔をミカエルは想雅の顔を見ると、ミカエルは想雅に頬擦りをした。

まいったなぁ……と思う表情で半ば嬉しい想雅。

 

「ミカエルさんが来たという事は……時間ですね?」

 

「えぇ、迎えに来たわ、そーくん。それより立派な角ね」

 

「え?あ、あぁ……今すぐ戻します」

 

想雅は『言霊』解き元の人間の姿に戻った。

そんなやり取りをした後、ミカエルがやってきた魔方陣の中へと消えて行った。

 

 

 

 

 

 






次回でこの章は終わると思います。
早く、想雅をルーミアに会わせたいものですからねぇ……皆さんもそう思うでしょ?

感想待ってます!
次回もお楽しみに!

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