投稿から2ヵ月も経ったのは神様の気まぐれでしょうか?いいえ、俺の慢心のせいですはい。
あれから更新できなくてすみませんでした。
学年末が1、2学期の成績関係なく赤点とったら補修になりましてや補修を失敗したら留年というプレッシャーに駆られ投稿ができませんでした。
兎に角、失踪する予定はないのでご安心してください(投稿ペースが速くなるとは言っていない。下手したら今回と同じようなことに……)
感想ありがとうございます
では、ごゆっくり……
満天な星空と光り輝く満月に近い待宵の月。人も草木も寝静まる丑三つ時―――――。化け物や幽霊が出る時刻といわれている。『丑満時』とも言われている時刻だ。
マンションや立ち並ぶ住宅街の近くにも、昔ながら風情を漂わせる民家の近くにも人が一人っ子いない。この時間帯なら普通な風景である。
しかし、そのいつも通りの風景に2人の影が映っていたのである。
その影は古い民家の屋根を駆けていた。
昔ながらの名残で家の壁と壁が繋がっているため壁同様に屋根も繋がっている。お陰で足音も最小限に抑えることができ、家主にばれることは少ない。
「何で急にあなたたちが追ってくるの……ッ!」
しかし、人を気遣って屋根をしている場合ではなかったのだ。
彼女ら2人はその背後から数人の男に追われていたのだ。
神主の装束のような服装、羽織には一筆書きで書かれた星形、いわゆる五芒星がかかれている―――――。2人を追いかけているのは陰陽師だった。
「逃げ足が速い狐だなッ……大人しく捕まれッ!」
彼らは札を取り、警告をした。しかし、彼女らは止まらなかった。
「あなたたちに大人しく捕まる理由なんてないわっ……」
警告を無視してでも逃げていく2人。その姿を見た陰陽師たちは互いに見合い、首を縦に振ると2人の周りへと解散していった。バラバラに散らせることで逃げ場をなくし、万が一突破されたとしても時間が少しでも稼げる。
「俺は正義だ。悪しき存在は抹消するッ!
クナイのように札を飛ばし、その札からは火が宿り、火針のように飛んで行った。
向かう先には狐と呼ばれし女性と少女―――――。彼女らは軽快な足取りでひょいと屋根から屋根へと飛び乗っていく。
避けられても陰陽師の攻撃は収まらない、確実に正確に狙いを定め放っていく。
右へ左へと逃げていこうとしても散開していった陰陽師たちに阻まれ思うように突破することができない。
「まさに鳥籠の小鳥、ね……」
彼女は苦笑を浮かべるしかなかった。しかし、上空ならと思い、隣りに走っている少女を片手で抱えた。
「に゛ゃ……ッ!」
猫のような鳴き声を上げた少女を余所に彼女は屋根を蹴り上空へと逃げた。
「そこをがら空きにしていたと思うなよッ!女狐ェッ!」
上空に逃げることも計算内、と言わんばかりな声を張り上げ、陰陽師らは上空へと札を飛ばした。
火針となった札は目標へと直進に進んでいく。
「一筋縄に行かないわ……ねッ!」
腕を火針の方へと突き立て、五芒星の魔方陣を目の前に展開させた。
突っ込んでくる火針はその魔方陣に衝突し、呆気なく火の粉となって散ってしまった。
しかし、陰陽師たちは怯まない。火鉢を放った後彼らは上空に上がり次の攻撃を整えていた。
「「「「「吹け、噴け、
3枚の札を目の前に展開させ、変形すると無形の風が生み出された。
それをブーメラン型にし、いくつか2人に向け飛ばす。
綺麗に円を描いている風のブーメランが彼女らを襲った……しかし、先ほどと同じの防御結界を貼ると風は消されたのかと思うが如くに焼失した。だが、計画の内《・・・・》……
「式神解放――――――」
刀を構える姿勢をしながら、1人の陰陽師が風に乗って飛んできた。
「『
構える手元には札が掴んでおり、それを抜刀するように抜き取ると一瞬にして太刀とほぼ同じ刃渡りの刀が出現した。それを結界の方へ一気に振り下ろした。
しかし、この程度の式神ならこの結界は破ることは不可能に近い。
「式神で簡単にこの結界は破れないわ」
「何寝言いってんだ?誰もはなっから
その時だった。
刀の刀身がモヤモヤっと霧のように消えていった。
「きゃぁ……ッ!」
彼女は何かに衝突したのか如く、上空から地上へと落下していった。
「今だッ!」
指示するかのように叫ぶと同時に残りの陰陽師は何かを詠唱し始めた。
「「「「落ちろ、堕ちろ、堕ちろ、身を地上へ挫かせ縛らんとす。汝我は式を従えしものなり。我汝は縛り堕とすものなり。オンビシビシ・カラカラ・シバリソワカッ!」」」」
手と手を合わせ手拍子を鳴らすと、地上から数本の鎖が彼女らに向け襲い掛かってきた。その鎖は両腕と両足、胴へと延び、落下して行く体を強く地上へと引き込んだ。
落下して行く瞬間、指先から火を飛ばし少女に向かって行った鎖だけを払い、自分だけ鎖に囚われた。
「ぐっ……!」
地面と衝突する際に大きな衝撃音と振動が民家に届くかと思われたがどうやら鎖が出現した場所はあらかじめ結界が貼っており、自分たちはみるみると敵の罠にはまった、と感じさせられた。
少女は自分が縛られた後、縛られ勢いよく引き込まれた為自分の傍にすでにはいなかった。
「捕獲、完了……」
空からスーっと降りてきた陰陽師は一安心したのか彼らの表情は和らいでいた。しかし、1人だけ表情を変えず冷静な表情をしているものがいた。
「み、三善殿……?」
刀の式神を使った陰陽師、三善だった。
彼だけは他とは違い何故か不満そうな表情をしていた。
三善は捉えた狐の女性に歩み寄ると見下したような目線で刀を突きつけた。
「おい、化け物。もう一匹はどうした」
「あなたの方がよっぽど化け物に見えるわ……」
そう皮肉そうな笑みを浮かべた女性は唯一縛られていない指先を使い三善に向け青い火を放った。
「封じろ、印をかけろ。神前止まり木よ。朱の華表を落とし給え」
放たれた火は呆気なく刀で抹消され、詠唱された言葉と共に上空に札を打った。
「諦めの悪い女狐だ。貴様は既に敗北している」
三善は彼女から目を背け、後ろに待機している仲間たちに「逃がしたもう1匹を探し出し捕らえろ」と耳打ちをすると彼らは首を縦に振り、その場から散開した。
ある者は地上から式神を使い、ある者は空から式神を使役し、またある者は目を瞑り探知している者もいた。
「これで見つかるのも時間の問題だなぁ?」
再び女性に目線を戻すと、その表情は笑みを浮かべていた。
「あなた……相当酔っているわね……」
やれやれと言わんばかりな呆れた表情をする他なかった。
この人……この先長くないわね。まったく、正義感は強いのはいいけどほどほどにしないと後先後悔することになるわ。人って何でこう不思議なものたちばかりなの、人から見ても私たちも不思議だと感じるはずね……
「酔って結構。正義こそ俺の生き方だ」
ふっ、と言葉を漏らした瞬間、上空から何かが落ちてくるような音が聞こえてきた。
その音が徐々に大きくなっていくことに気付くと彼女は動きにくい体を動かし何とか空を見ようとしたがその正体はつきとめずに分かってしまう。
ゴォッ!
「……ッ!」
体はその落ちてきた物体によって再び地面とくっ付いた。
ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!ゴッ!
物体は次々と落下して行き、体に大きいものを1つ、尻尾1つにつき1つずつ計10つの物体が彼女の体を固定した。
「この鳥居は体の自由以外に能力の自由も縛る。これで貴様はただの狐だ」
先ほど上空へ撃ち出した札は鳥居へと姿を変え彼女の能力を封じるために落下してきた。
「……」
私が捕まっても
身動きが取れなく助けに行けないことに悔しがりながらも彼女はただただ三善を見つめるしかなかった。
――――――○●○――――――
陰陽師から逃げた想雅たちは鴨川の橋の下に身を潜めていた。
想雅は傷ついている狐耳の少女に『聖』の力を流し込んでいる。
「今の時代も陰陽師っているもんだな、てっきりいないもんだと……」
現代の陰陽術というのは昔と違い、かけ離れているとは聞いたことあるけど……どう見てもアレは昔とそっくりなような気がする。特別な儀式をして札に文字を書いて自分に幸運をもたらしたり、逆に他人を不運にしたりとテレビで紹介されているぐらいことしか知らない。ましてや漫画でよくある『式神』を使役するというのが目の前で起こった。
「まぁ、現に見たことだし……常日頃から妖怪や神様を見てるしな」
想雅は「別に珍しいことでもないな……」と現実を見た。
「にしても何だったんだあの陰陽師は……予言があーだこーだとか言ってたが、たかが予言だ。的中率が10割の奴のような流石においしい話なんてあってたまるか」
ブツブツと先ほどの陰陽師が言い放った言葉を否定しながら目の前のことに集中をする。
「これでよし……」
ひとまずはこの子の怪我の治癒は終わった。後は意識の回復を待つだけだな……しっかしまぁ、変なことに巻き込まれたな……いや、自分で巻き込まれにいったな……なんて言えばいいんだろうか。不幸?なのかこれは。
一息つき、下流へと流れていく川を眺めた。
真夏なためかところどころで水遊びしている子供たちがいる。泳げるほどの深さはないが水鉄砲や水切りといった遊びで夏を楽しんでいる。
想雅は昔を懐かしむように遊んでいる子供を見ていた。その横では少し羨ましそうな目で見ているノエルがいた。
「まぁなんだ……せっかく来たんだし遊んできてもいいぞ。後は俺が見とくから」
「で、でも……」
「気にすんな、あとはこの子の目が覚めるのを待つだけだからな。ほら、行ってきなよ」
後押しするように想雅は親指をたて「大丈夫」と現した。
一瞬考え込んでいた表情をしてたが、ノエルは「そ、それならお言葉に甘えて……」と嬉しそうな口ぶりを見せながら川の方へと近づいた。
しかし、橋の外側ではなく橋の下で水遊びを始めた。
想雅は、あの子を心配して近くで遊ぶことにしたのか……と思いつつも楽しんでいるノエルを見ている。
にしても、この狐の少女。どこからどー見てもモフモフの尻尾が
『九尾の狐』であると――――――
だが、俺が知っている九尾の狐は金毛九尾の狐、三国伝来金毛玉面九尾。いわゆる『白面金毛九尾の狐』だ。
顔は白く、金色の毛並をしており、九つの尻尾を持つ。 また、玉面とも呼ばれることから、白の意味は元々、美しいという意味で与えられた表現とも考えられている。
強大な妖力の持ち主であり、その強さは全ての妖狐の中でも最強と云われている。日本では崇徳大天狗、酒呑童子と並ぶ三大悪妖怪と名高い。
金色の毛を持つ九尾の狐は俺も存じている通り八雲藍で、平安の時代に紫と知り合い式になったらしい。詳しいことはプライベートなためあまり踏み込んでいない。
話しを戻すが、白い毛を持つ九尾というのは実際のところ誰にも聞いたこともないし、見逃しているだけかもしれないが書籍に書いてあるところも見たことない。
まぁ、現に隣りにいるのが現状なんだがな……
「ぅん……」
「ん?」
可愛らしい吐息が隣りから漏れてきた。
その声に気付いたのか想雅の視線はノエルから狐の少女へと傾いた。
ビクビクと身体が
想雅は無理に彼女の顔を覗かず、そのままの態勢で彼女が起きるのを待った。前に気絶したルーミアを家まで運んできたみたいに変な誤解が生まれなければいいんだがな……
少女は仰向けの状態のまま目を覚ました。
「ここ……は……」
目を覚ますと薄暗く左右から眩しい光が差し込んでいることが分かる。
少女は「捕まった……」と牢屋に入れられたのだと心底残念がるような心境だった。
「気分はどうだ?」
少年の声が耳に届いた。
監視する見張りの人だろうと少女は思った。
「どうもこうも災や……」
言葉の途中で何かの違和感を感じた。
陰陽師たちに襲われ体のあちらこちらに傷があるはず。しかし傷と感じるほどの痛みは無くまるで最初から無かったみたいに不思議と感じた。
それ以上に監視役が妖怪に向け先ほどのような気遣いができるような言葉を言うはずもない。もっと蔑むように言うだろう。
少女はゆっくりを体を起こし、少年の声が聞こえた方に首を動かした。するとその声の主の少年の顔が目の前にあった。
「……ッ!?!?!?」
声にならない悲鳴を上げ、後ろに跳び警戒し始めた。
「あ、いや、待てッ!俺はまだ何にもしてないッ!?」
「『まだ』じゃとォッ!?そなた、何かするつもりじゃったのかッ!?」
「
またもや同じような誤解を招かれ、語源がフランス語に変わるほどのショックに襲われた。
そ、そんなに……俺がそういうことやる奴に見えるのか……
「おうも……??そなた、言葉が通じぬのか?」
想雅が叫んだ言葉が聞き慣れないためか戸惑いを見せた。
「
「おけ……??そなたが使う言葉は奇妙なものじゃな……」
不思議に思い考え込んでいる少女が今の状態は落ち着いているため想雅は誤解を解くことが先決だと感じ、その場で少女に話しかけた。
「『まだ』と言っちまったがアレはただの言葉の綾だ。俺はただ気絶していた君をここまで運んでさっきまで治療してたんだ」
「ち、治療ッ!?そなたよッ!?服を脱がしてあんなことやこんなことを……ッ!?」
「んなわけあるかァァァァァァァァァァッ!!!」
誤解の上にまた誤解を招いてしまった想雅は「なんでこうなるんだよ……」と空回りした言動に頭を抱えた。
「さすがに脱がせる勇気はない……てか無理……理性がぶっ飛んじまう。ま、まぁ、治療したのはこの力でな……」
想雅は片腕を目の前に伸ばし仄かに光る手を少女に見せた。
「何じゃそれは?式神か精霊の
「生憎、そういった他者の力ではないんだ。これは『聖』と言って、悪しき者を浄化したり傷などを治療したりできる代物だよ。君の傷を治療したものこの力があってこそできたんだ」
「ふむ、それで体が痛くないのじゃな」
「あっさりと信じるものだな……」
「信じるも何も、そうでなければ傷がまるっきり消えてなくなることなんて有より無の方が等しいじゃからな。それに、信じなければまたそなたの謎の言葉で返ってくるのじゃ」
「うっ……面目ない……」
図星をつかれた想雅はただ苦笑いをするしかなかった。
それにしても元気がいいなこの子は……あれだけ傷があったあとなのにここまで話したり動けたりするのは予想を斜め上を行ったな……
「あの子、目覚めたんですね」
濡れた足をひたひたと歩いてくるノエルが少女を見るなり安心した口調で話しかけてきた。
「見ての通りピンピンしておるぞッ!」
と、少女は反り返った体勢でドヤ顔交じりに言った。
その時だった。
先ほど襲われ傷つけられていたためか、巫女服の袴部分がずるっと足元へと落ちて行ったのだ。
「……ッ!?!?」
「んな……ッ!?」
少女は思わず、声にならない悲鳴を上げその場に蹲った。流石に急すぎたためか想雅は手で顔を覆い隠す前に
「……のか?」
「……え?」
少女は蹲ったまま、ぼそぼそと何かを言った。
「見たのかッ!と聞いておるのじゃッ!?」
顔を赤めらせ想雅を睨みつけた。
「あ、いや、見たくて見たわけではなく……事故っていうかなんていうか……」
「つまり見たのじゃな……」
「……はい」
「うぅ……」と呻く少女と、「まさかな……」驚愕と恥じらいがある想雅。
おいおい、まさか
「マスター、それよりもあの子の服を新しく創るのは?」
「そ、そうだな……」
想雅は少女が着ている巫女服を思い出しながら『言霊』で創り上げた。
「これをあの子に……」
下を向いたまま想雅はノエルに完成した巫女服を渡し、「後の事は頼む」と不甲斐なく思った。
何で巫女服を思い出すたび、あの子のことを思い出すんだよ……べ、別に見たくていたわけでもないし!あれは事故だし!だからと言って思い出す俺は変態かァァァァァァッ!!!
頭の煩悩と戦いながらも落ち着きを取り戻すことに集中したのだった。
久しぶりに書いたためか凄くスランプしていることに改めて気づいた。
何とかスランプ脱出のためにも投稿ペースをちと速めなければ……(使命感
感想待ってます!
次回もお楽しみに!