何とか生きています。
5ヵ月ぶりという……何ともいえないこの感じ……まぁ、いろいろと忙しかったんですよ。
感想ありがとうございます
では、ごゆっくり
さて、俺、天上想雅は地べたで正座をしている。
何故だって?俺だって何でこうなるんだとつくづく自分の
心の中で嘆いていてもしょうがない。もうなっちまったんだから……
「いや、だからあれは突然に起きたことだから俺だってどーしよもなかったことなんだって……」
「しかしのぉ……見たのじゃろ?」
「はい、おっしゃる通りですはい……」
先ほどからこのようなやり取りを数分ほど続けている。
流石の狐の少女も「こやつは真に男なのか?」と呆れがすでに出ている。その一方ノエルは近からず遠からずの位置で2人のやり取りを眺めていた。
「そなたは素直なのか阿呆なのか全く分からんのぉ……」
「おいこら阿呆とは何だ阿呆とは」
「そのような口が利けるほど反省はしていないようじゃな」
「反省はしていますはい……」
と、言い返すもすぐに言い返され何度も縮こまるだけの想雅だった。
「助けられたのがこんな『意気地なし』の男だとは……」
「うぐっ……」
想雅は『意気地なし』という言葉に精神的ダメージを受けた。
ま、まだ浅い……たかがメインカメラをやられただけだ……
「マスターは『意気地なし』ではありません」
と、先ほどまで2人のやり取りを眺めていたノエルが地べに項垂れている想雅のフォローに入ろうとした。しかし、その後に出てきた言葉は余計に精神をえぐることになった。
「マスターは……『ヘタレ』ですッ!」
「ひでぶッ!」
世紀末の拳法殺しのような断末魔のような声を上げその場に両手を地べたにつけた。
「『へたれ』?なんじゃそれは?」
どうやらこの子はヘタレという言葉を聞いたことがないらしい。いや、安心するのはまだ早い。ここで追加攻撃がこないとは限らない……早く……早くノエルを止めなければ……
「い、いやそんなことy「『ヘタレ』はね……」」
話を逸らし、それを回避しようとしたが関係なかった。そのままノエルのターンだった。
「意気地なし」
「あべしッ!」
「情けない」
「へげえッ!」
「思い切れない」
「あわらッ!」
「優柔不断」
「うわばらッ!」
「などなど……といった人のことです」
次々に来る精神攻撃に対して想雅は世紀末の断末魔オールスターを一人でやっていたのかの如くにダメージを受けていた。
「ふむ、つまり……」
ノエルから『ヘタレ』に関しての説明を受けた少女はその場で考えこんだ。そして、今までより破壊力が強い爆弾発言を放った。
「『残念』というわけじゃな」
「Noooooooooooooooooooooooooooooooooooon!」
「Oh,my god!」と言わんばかりに想雅は頭を抱えそのまま地面に打ち付けた。
いてぇ……頭より精神ダメージの方がいてぇ……
「な、なんじゃいきなり……ただ『残念』と言っただけなんじゃが……」
「Arrêtez de le direeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!(それを言うのをやめろッ)」
想雅は今まで『ヘタレ』と言われ続けてある程度の態勢はついていたものの、より強力な『残念』という言葉は初め言われた為なのか、想雅自身も「自分はヘタレかもしれない」と少しづつ自覚が芽生え始めたのか、どちらにしろ多大なショックを受けたことには変わりがない。
想雅は必至で少女の手を握り、訴えかけるかのように言いかけてきた。
「何を言っているのか分からないのじゃ……って、わ、分かったのじゃッ!分かったから手を離してくれんかえッ!?」
あまりにも必死な想雅を見て少女は少し引き気味だった。
必死な訴えにより分かってくれたことを確認した想雅は握っていた手を離し、また先ほどと同じ正座の状態で戻った。
「まだ正座を続けるかや?」
「い、いや、まだ説教?みたいなこと終わってないし」
「そ、そうじゃったな……」
少女自身、説教何てどうでもいいと思っていた。
こんなことしている間、時間が少しずつ無くなっていく恐怖感……徐々にそれが感じられる。
「あっ……」
少女は想雅を見て何かに気付いたのか考え込んだ。
見られている想雅は何かヤバいことをさせられるのではと思っている。第一、幻想郷で起こる異変や神様などとの死闘を繰り広げきた想雅にとって他愛もないはずなのだが……いつも死にかけているため今回も同じことになるのでは?と考えている。
「そなた……よくあの陰陽師共から逃げれたのう……」
あからさまに「言わないで下さい」と言っているような口ぶりでこの子は俺に探りを入れているつもりなのか?と疑った。
何にせよ立場的に大人しく吐いたほうがいいな。これ以上長引かせる訳にもいかんしな。
「ま、まぁ……ただ脚に力を流し込んで地面を蹴っただけだがな」
少女の表情はただ単に地面を蹴ったという言葉に驚いた。
「そなたよ……本当に人間かえ?」
「人間やってます」
想雅は少女の言葉に即座に反応し、1コンマより速く自分が人間であるという事を肯定した。
「……それより、そんなんで俺に探りを入れているつもりなのか?」
「な、なんとッ!早くもバレてしまったのじゃッ!」
どうやらアレで探りを入れてたらしい……想雅は一瞬にして察した。
あっ……うん。この子、アホの子だ。あえてそこは口に出さないでおこう……と心の奥底に閉まった。
「ば、バレてしまったならこの際致し方ないのう……」
「お、おう……」
探りいれたつもりが普通にバレて気まずい雰囲気になったが、ただ遠まわしに言わなくなったため面倒なことは無くなったといえる。
「そなた……先ほどの事を許して欲しいかえ?」
「モチの論です」
許して欲しいとも。だってもう……足の痺れが限界だ。痛いったらありゃしない。
「一つだけ……一つだけ
狐の少女……九天は俯きながら想雅に告げた。正座をしている想雅からはその表情が窺えた。この子の表情は目が虚ろになっていて悲しみを告げているのであった。
想雅は「内容は?」と訊き、九天の言葉を待った。
「……母上が九天を庇って
最後の言葉だけは継げたくなくてそのまま口を閉じた。想雅もだいたい何を言いたいのかが分かっていたため特に問題が無い。
「わかった。その願いを引き受けた」
家族を失うのは俺は既に体感している。悲しみも、無気力さも、喪失感も……
知っている想雅だからこそどうにかしてやりたい、助けてやりたいと思っている。
「ふぇ?それは
考えもなしにすぐに返答した想雅に対して少しポカンとした。その間にノエルの方を見て彼女はコクリと首を縦に振った。
「あぁ、君の母親が命の危機にさらされているんだろ?力を貸して欲しいんなら手を差し伸べるのが普通さ。あと、足が限界だし……」
固い地面にさっきから正座とかで痺れがきており、足が可笑しくなりそうなぐらい感覚がマヒしている。主に胡坐や椅子に座ったりしているため完全に足が石になったように硬くなっている。動かしてみようもんなら倒れるのは目に見えているだろう。
「まぁ、何だ……成り行きとはいえ助けを求められたなら助ける。それが女の子からのお願いならなおさら」
「もし、九天が女の子じゃなければ引き受けなかったかえ?」
「はは……すまんすまん。言葉の綾……」
と、苦笑を浮かべながら立ち上がろうとすると
「いっ!?足がが……ッ」
案の定、足を攣った想雅は前に倒れ込んだ。
「むぎゅっ!?」
そして、目の前の九天をそのまま押し倒した。
「痛つつ……大丈夫か?」
と、倒してしまった九天を見た。
倒れた時に乱れた巫女服がギリギリのラインでガ肌を視界からガードしており、急な出来事だったため状況を掴めないことを察せるように目を真ん丸に見開いていた。
「あらあら、外がこんなにも暑いのにお
想雅は今の現状を見られたら絶対誤解を受ける人物の声が後ろから聞こえてきたことに体が固まった。
「おや?想雅は女の子を襲っているのですか?」
その誤解を面白ろ可笑しく捉えている人物もそこに居た。お陰様で事態が余計に悪化した方向に向かっている。
「そぉ~がぁ~……」
何でだろうか……後ろが見えてないはずなのに何故か黒いオーラが見えるのだろう……
ふと、視界をもう一度九天に向かせると、プルプルと震えており、顔が赤面しながら怒っていらっしゃる表情が想雅の視界に映った。
「この……」
想雅は悟った。
ここは大人しく
「変態めッ!!!」
想雅の頬に強烈な平手打ちが入り、悲鳴と断末魔が入り混じった音が橋を飛び越え、夏の空へと飛んで行った。
投稿はなんとかできましたはい。
夏休み中に完全復活できればいいな……と思っておりますん。
感想待ってます!
次回もお楽しみに!