一日で倍の倍からまで増えてて心肺停止するかとも思いました。
本当にありがとうございます。
また、誤字報告、感想と続けて感謝申し上げます。
短いので意外とすぐに書き終えていますので、いつペース落ちるか分かりませんが、ゆっくりと書いて行きたいと思います。
……クオリティ大丈夫かな……
この島田湊という男の事はよく分からない。初めて会ったのはカチューシャを探している時だった。最初はこんな時に話し掛けてきて、かなり迷惑に思った。けど私のことを知っているみたいで、カチューシャの捜索を手伝いたいと申し出てきた。正直信用出来ない。何故初対面の相手に対して、そこまでしようと思うのかわからないし、理解が出来なかったからだ。
断ろうと考えていた時に、チームメイトが此方へやってきた。カチューシャに対して友好的な部類の人間だ。現在のカチューシャを取り巻く環境は良いと決して言えない。自分自身を正しく評価出来ない奴らが、カチューシャの邪魔をしているからだ。それもあり、チーム内に対立が起きていて、良くない空気が流れている。
そんな中でも彼女はカチューシャ側の人間で、まだ信用できる人間だった。彼女が駆け寄って来ると、やはりカチューシャは見つかっていないらしい。次は何処を探すべきかと考えていると、彼女が島田湊に話し掛けているではないか。この時点で私は彼の名前すら知らず、警戒していた相手とチームメイトは普通に話していて、どうやら知り合いだったらしい。
すると、彼女は勝手に彼に手伝ってもらおうとしていた。知り合いで良い人そうだからと、手伝って貰っても大丈夫という。確かに、現状人手が多くあるに越した事はない。それに他のカチューシャ側のチームメイトにも手伝って貰っているが、見つかっていない。
彼女と話し合い渋々了承すると、彼にカチューシャについて教えて、捜索を再開した。
日も落ち、焦燥感に苛まれていく。本当にカチューシャは無事なのか?厄介な事に巻き込まれていないだろうか?
そんな時に携帯へメールが入った。彼がカチューシャを見つけたとの連絡があり、場所も記載されていた。その瞬間に私は、その方向へ何も考えずに駆け出していた。
確かに最近のカチューシャは笑顔が少なくなっていた。彼女は他人を気にしていないと言っているが、私からすれば他人に認められたいという心が強く表面に出ている。だからこそ、
私はどうにかしたいと思っていたが、どうすれば良いかわからなかった。ただ、カチューシャの隣にいて、彼女が無理をし過ぎないように手伝う事しか出来なかった。
そんな自分がとてつもなく嫌で、けどどうすれば良いかわからなくて、ただカチューシャの傍にいる事しか出来なくて、近いからこそ彼女の表情が日々日々疲れていくのがわかって。
彼女の元へ駆けつけたとして、何て声を掛ければ良いのだろうか?それも分からない。
考えている内に、カチューシャのいる場所へ着いた。同時にチームメイトの内の一人と出会い、一緒に彼女の元へ向かう。
そして、彼女を見つけた。その時だ。
久し振りに見た彼女の笑顔だった。まだぎこちなくはあったが、それでも彼女は笑っていた。そして、その先には彼が、島田湊がいたのだ。
彼はどうやってカチューシャに笑顔を与えたのだろう。すると、彼は私達に気付いたようで、カチューシャと言葉を交わすと、その場から去っていく。彼に聞きたいことが沢山あるが、今はカチューシャだ。
駆け寄ると、どうしても堪え切れず、カチューシャを抱き締めていた。同時に涙さえ出てきた。しかし、何を言えば良いかわからない。黙っていると、彼女が語りかけて来る。ごめんなさいと、そして彼女が抱えていたであろう思いを全て聞いた。
何て私は不甲斐ないのか。彼女にここまで想って貰えていて、そして逆に苦しめてしまった。直接的な原因は、
私は彼女を抱きしめる事しか出来ず、そして彼女が話を終えると、私の思いを彼女へ伝え始めた。
「と、言うわけですが」
「え?それで俺に何を話せと?」
「どうやってカチューシャに取り入ったかを聞いているのです」
「えぇ〜……そんなつもり無いし、この話の流れで聞くのそれですか?」
「早く言いなさい。〇〇しますよ?」
「ちょ!まるまるって何ですか。口で言う人初めて見ましたよ。てか当たり強くありません?」
あの夜から二日後、彼の路上でのライブの休憩中に話し掛けている所で、内容は勿論あの夜の事だ。
本当なら彼は、昨日の朝には此処を出るつもりだったらしい。しかし、改めてお礼を言おうとしたカチューシャが、たまたま彼を見つけて引き止めた。結果、私達も年末近いが、明日には青森を出て北海道へと移動する為、そのタイミングまで彼は滞在する事になった。
「うーん、あの夜カチューシャと話した事って言っても、ノンナさんの事を信頼してますね、って事だけですよ」
「……本当ですね?」
「本当ですよ。歌を聴きに来る前に二人で話してたなら知ってると思いますが、ノンナさんに対する思いが色々と複雑化してたんで、もうちょっと単純で良いんじゃない?ってことを」
「……」
嘘は言っていないみたいですね。しかし、中々他人を認めないカチューシャが、貴方のことを認めたのには驚きました。
あの夜、歌を聴いた後のカチューシャはしばし無言になった後、他の曲も歌いなさいと彼に言っていました。それに昨日だってお礼を言いつつ、彼を引き留め、その後のライブを鑑賞してました。
ちなみに今カチューシャは戦車道についてあの先輩達と話し合っています。私もお伴しますと言いましたが、胸を大きく張って、自信満々なカチューシャが「ノンナは待ってて、これは私個人の問題であり、先輩達と私の戦いよ!」と言っていた。それを見て、何とかわいら……頼もしいと感じ、この時間を使って島田湊のもとへ話を聞きにきました。
「うーん、カチューシャから認められてるってのがイマイチ実感が」
「彼女が自分の名前の一部を使って他者を呼ぶ事はそう言うことなんですよ」
そう、カチューシャは彼のことをナトーシャと呼んでいる。
「ミナトのナトから取っているとは思いましたが、なんかゴロおかしくないですかね?」
「貴方はカチューシャの呼ぶ名に不満があるのですか?〇〇しますよ?」
「また!?てか怖いですって!不満なんてないし!」
……そんなに睨んでるつもりはないのですが。その時、彼は思い出したかのように言う。
「そう言えば今日はカチューシャが居ないですね?どうしたんですか?」
「……カチューシャは戦車道について先輩たちと話し合っています。もう今年も終わりですしね」
「そうですか……すぐに行動に起こせるのって本当すげぇよな」
私の一言で、大体察しがついたみたいですね。なるほど、そこまでカチューシャは島田湊に話をしていたんですね。
まだカチューシャ自体これからどうして行くのか、考えが固まっていないみたいですが、それでも彼女は周囲に目を向けてみる事にしたみたいです。
……私でも感じます。カチューシャは今以上に強くなります。そして、プラウダの全員を掌握した時、その強さは発揮され、そして誰が見てもカチューシャを認めざるをえないと。その為にも私も全力を以てカチューシャと共に在らなければいけません。
「それでは始めましょうか、ロシア語講座」
「え?……まじでやんの?もう明日でノンナさん達も俺も帰るんだよね?」
「当たり前です。帰る帰らないは置いておいて、まず第一にカチューシャが戦車道に音楽を取り入れると言ったのです。つまり決定事項です」
「それで歌の方のカチューシャを俺に覚えろって?」
「と、カチューシャは言いましたね。実際に士気の高揚の為に音楽は使われています」
「いや、それは聞いたことはあるけど……もしかしてプラウダ戦で、カチューシャ歌ってたのが此処では俺が原因かよ」
ちょっと後半は声が小さくなって聞こえませんでしたが……。これが効果的な局面も訪れるかもしれません。しかしそれを思いついたのが島田湊の歌を聞いてからと言うのが癪ですが。
「では準備して下さい……ところで何故私には敬語を?」
「いや、なんかノンナさんって敬語を使わなきゃという感覚が」
「……そうですか」
……変に圧かけすぎましたかね?
「カチューシャを抜きに密会するなんて!立場わかってるのナトーシャ!」
「ちょ、待ってくれ。俺はいつも通り休憩してただけなんだが」
青森滞在最終日、昨日ノンナと二人で居た事に対してカチューシャからの追求を受けている。俺は何もしてねぇ!
そろそろプラウダ高校の学園艦が出港する時間であるが、カチューシャとノンナはまだ此処いる。
「まだ行かなくていいのか?」
「時間的にも余裕があるわ……あのね、ナトーシャ」
カチューシャは何か言い淀んでいる。ノンナはこちらを睨んでいる。なんかノンナさん俺に対して当たり強いよなぁやっぱ。カチューシャと仲良くしてるとこになんかあるのかな。
「昨日、私を馬鹿にしてた奴らや他の先輩達と話してきたわ。
やっぱり今までのことは許すつもりないし、奴らの対応も今までと同じようだった。
だけど、私自身も変わらなきゃ本当の意味で前に進めないと思ったから、この私が譲歩してあげたわ!」
なんともまぁ、随分な言い方だな〜。でも実際のところは違うんだろうな。
「……絶対にこのプラウダが来年優勝して見せるわ。ノンナと一緒に私が率いてね。
だから待ってなさい!黒森峰は勿論、聖グロリアーナにも、そしてサンダースにも負けてあげないんだから!」
カチューシャは凄惨な笑みでそう言い切った。これが本物のカチューシャか……。けど、サンダースにそこまで敵意あったのか、知らなかった。
「あぁ、待ってるよ。まぁあいつらも負けるつもりは無いと思うけど」
「む!ナトーシャは何処の味方なの?」
「そうです。大洗には戦車道が無いからいいとしても、贔屓にしてるチームはあるはずです、戦車道が好きならば。それがプラウダではないと言うつもりですか?」
「い、いやそんなつもりは無いけど……」
な、なんかノンナさんもカチューシャもすごい顔してますよ?
「俺は見ていて楽しい戦車道のとこを応援するさ」
「だったら、私達ね!ね?ノンナ」
「その通りです」
なんて自信満々なんだ……でもこれからのプラウダは本当に楽しみだな。やっぱ生で見るのでは全然違うし。
そうこうしているうちに、出港の時間が迫る……伸びた分の滞在費は、何故か支払われていてタダみたいなもんだった。プラウダから支払われていたみたいだが……え?こんな権力既に持ってんの?
「じゃあ、そろそろだな。乗り遅れるぞ二人とも」
「そうですね。……カチューシャ、行きましょう」
「……」
カチューシャが俯いている。どうしたのか。
「カチューシャ……はや」
「あのね!ナトーシャ、連絡先教えて!」
「ん?」
「だって、ノンナには教えてるんでしょ!?ならカチューシャにだって教える義務があるわ!」
「ノンナさんは成り行きだったけど……それに、俺の連絡先くらいでいいなら」
そう言って連絡先を教える。……ノンナさん、眼光の鋭さ増してません?
「!!いい、ナトーシャ?定期的に連絡を寄越して、カチューシャを楽しませなさい!じゃなきゃシベリア送り25ルーブルよ!」
「別に連絡するくらい構わないけど、楽しいかどうかは保証できんぞ?」
しかも何だよシベリア送りって。かなり重そうな罰だぞ。
「じゃあね!ナトーシャ!今度は学園艦内に招待して、貴方の歌を披露させる機会を与えるわ!行くわよ、ノンナ」
「……カチューシャが直々に連絡先を教えるなんて光栄な事です。ちゃんと連絡を寄越さないと……どうなるかわかりませんよ?あと、確かに貴方の歌は良かった。また聞かせて下さい」
そう言って二人は学園艦へと戻って行く。その後まもなく学園艦は出港して行った。
「……取り敢えず一段落だなぁ。課題はこなせてないけど、楽しかったし来てよかったな」
ノンナさんは分からないけど、カチューシャには気に入ってもらえたようで良かった。会う約束もしたし、ちゃんと二人を楽しませれるように練習もしとかなきゃ。
「……貴方の歌、か」
今回もまたみんなが褒めてくれた。また聴きたいと言ってくれた。けれど心の何処かにその言葉が引っかかる。
先人達の曲を広げたい、そこに含まれる思いを伝えたい、それら一心で此処までやってきた。それは本心だ、けれどこのまま盗人みたいな事を続けてもいいんだろうか?
「あぁ、だめだめ。難しく考えるな。皆に思いが伝わってる、また聴きたい言ってくれる。それで良いじゃないか」
そう思考を打ち切り。俺も帰る準備を始める。
「君は……いい声をしている。そしていい歌を歌うね」
そんな声が突如として響いた。そして同時に珍しい楽器の音がなる。
「けど、そこに君の心は込められているのかい?」
そこにはカンテレを持っている、一人の青い白線の入ったジャージを着た女生徒がいた。
カンテレを持っていきなり現れたこの人は一体誰なんだ……
一つ、この人は個人に向けた彼の歌を聴いていません。
まぁ、それでも差異が出てしまうのは曲を借り続けていた弊害か?…-具体的な差異とは……何か感じ取ったんじゃ無いんですかね(震え声)