この世界で伝えられる事を探して   作:かささぎ。

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これにてアンツィオ高校編終了です。

あと予定では二つほどで原作ですかね。
まだまだ先だなぁ。

そして、多くのお気に入り・感想・評価ポイントありがとうございます!これからも完結に向けて邁進して参ります!

長くなりましたが、一つだけ。
今回同一人物が長く喋る時、一つの「」の中で話をさせています。此方の方が読みやすければ、全て訂正しますので良ければ感想お願いします。


21話 余韻と予感 (下)

 

 

ライブも無事終わり、遅れていた荷物の搬送・準備も完了しプログラムは予定通り進められている。

 

「島田ー!お疲れ様!すごい良かったぞ!」

 

アンチョビが駆け寄ってくる。まだライブの余韻が残っているのか、興奮が覚め止まない様子だった。

 

ちなみに舞台裏に戻る時、次のプログラムの子達が「え?この後に私達やるの?」みたいな雰囲気を出していたが、それは流石に考慮していないので頑張ってくれ。

 

「まさかこんな事が出来るなんて驚いたぞ!他のお客さん達もすごい満足してたし、私から礼を言わせてもらおう!」

 

アンチョビから大絶賛された。その際ツインテールがぴょこぴょこ跳ねてるけど、なにそれ意志持ってんの?

 

「いやーほんと凄いっすね姐さん!こっちも仕事放り出して聴いちゃってたっすよ!」

「それはだめだろペパロニ!気持ちはわからんでもないが」

「本当聞き惚れてしまいました。凄いお上手ですね」

 

ペパロニとカルパッチョも此方へやってくる。皆楽しんでくれてよかったよ。……まじで成功してくれて良かった。

 

「島田、おつかれ〜」

 

遅れながら角谷もやってくる。

 

「角谷、仕事はこなしたぞ?どうだった?」

「十分十分、さっきアンツィオの会長達と話してたけど、助かったってさー。是非とも次もして欲しいって交渉されちゃった」

「えっ」

「流石に返事はしてないよ。まぁ島田がしたかったらまたしてもいんじゃない?」

 

さらっと角谷が凄い事言うけど、それは嬉しいなぁ……まぁ先にケイやカチューシャ達の方に行くけれどね。行く機会があれば。

 

「それはいいな!是非ともまた来てくれよ島田」

「結構予定詰まってるんで難しいぞ」

「別にライブだけの話じゃないさ。機会があれば遊びに来てくれ。戦車道の仲間達は歓迎するし、他の生徒達も同じ気持ちだと思うぞ」

「あはは、じゃあそん時はまたお願いしますよ」

 

そんな話をしている時だった。

 

「ちょっといいかな?」

 

声が聞こえた方を見ると、カメラを構えた人やマイクを持った人達がいる。

 

「さっきのライブの話について聞きたいんだけど」

 

詳しく話を聞いてみると、どうやら静岡の番組の話で、アンツィオ高校のイベントを毎回特集しているらしいんだが、このライブについても放送していいかとの事だった。

 

まさかのテレビで周囲はさらにテンションが上がっていたが、遠慮させて貰った。静岡限定とは言え、テレビに出るって事は簡単に決めていい事じゃないし、いきなり過ぎる。

 

それに踏ん切りは付いているけれど、それでも先人達の曲でテレビに出るってのは流石に抵抗を感じてしまう。それに高校三年間はのびのびと自由にやりたいのだ。調子に乗っているわけじゃないがもしかしたらって事もあり得るので、テレビで放送する事については見送らせて貰ったわけだ。

 

残念そうな顔をしていたが、機会があればいつでもと一言告げて帰って行く。

 

「島田、別に良かったんじゃないか?」

「いきなりテレビ放送はちょっとな」

「顔や名前は出さないって言ってたけどなぁ」

「それでもだよ。火の無いところに煙は立たないって言うしね」

 

アンチョビは名残惜しそうにしていた。そ、そんな可愛い顔しても、駄目なもんは駄目なんだからね!

 

「あーチョビ子〜」

「何だ?あとチョビ子言うな」

「実は……」

 

角谷がアンチョビの耳に当てて何か言ってる。また何か悪い事考えてるんですかね?

 

「おぉ、是非ともよろしく頼む!」

「毎度ありぃ〜」

 

話し合いは終わったようだ。突如としてライブする事になったのも角谷の一言からだし、この前のお礼も兼ねて手伝いを申し出たのはこちらだが、あんまり難しい事は言わないで欲しい……

 

まぁそんなこんなあったけど、無事アンツィオ高校のイベントは終わり、俺たちも学園艦へ帰って行く。帰るタイミングでアンチョビから「いつ来てもアンツィオ高校の伝統に則り歓迎するから、連絡先教えといてくれ!」と言われて、連絡先を交換しておいた。

 

あとカルパッチョからは「大洗に私の友達がいるんです。もし会ったらよろしく言っておいて貰ってもいいですか?」と伝言を受けた。カエサルの事か!……あれ?名前なんだ?わかんねぇ……ま、目立つ4人で固まってるだろうし、会えば分かるか。

 

 

大洗に到着し、角谷と別れる。「今回はあんがとねぇ〜、楽しかったしやっぱ島田といたら飽きなかったよ〜」と最後に言われた。

 

嬉しいことを言ってくれるが、そう何度も無茶振りするのは勘弁願いたい。と言うわけで俺も久し振りに家に戻る。あぁ〜疲れた、寝よう。

 

 

 

 

 

 

 

 

やべぇ、すげぇメールと着信入ってるんだけど。えっと……ケイとカチューシャだ。ケイはメールだから返しておくとして、カチューシャが電話か……折り返しとかないとノンナさんが怖すぎる。

 

少し前にカチューシャからの電話に対して、後でメールを返してたら即電話かかって来て偉い目にあったんだよなぁ。「カチューシャの電話に出られず、しかも文だけで済まそうなどとはいいご身分ですね」と、ドスかかった声で。あん時は身体が震えたね。

 

と言うわけで電話する事にした。

 

『ナトーシャ!遅い!』

 

1コール目で出やがった。反応が早すぎるぞ。

 

「こっちもいろいろあってな……どうかしたか?」

『どうかしたかって……言わなきゃいけない事があるんじゃないかしら?このカチューシャに』

「え?なんかしたっけな?」

 

記憶を巡らす。えぇっと……まて、何も思い浮かば……あ!

 

『……ナトーシャ?』

「あー、試合内容まではまだ確認出来てなかったんだがな。優勝おめでとう、カチューシャ。あの常勝軍団であり9連覇中の黒森峰を倒すなんてたまげたぞ」

『!!ふふん!このカチューシャにかかればあんな奴らちょちょいのちょいよ!』

「いやいや、カチューシャを信用してなかったわけじゃないけど、逆にあの黒森峰がなぁって思うところもあったからさ」

『ま、軽くのしてあげたわ!……ありがとナトーシャ』

「なんだ?いきなりお礼なんて」

『何でもないわよ!そこは聞かなかった振りをしなさい!』

「えぇ……そんな無茶苦茶な……」

『まだまだなようねナトーシャも……そろそろお昼寝の時間だわ。じゃあもう一度電話掛けるからそれまでに試合確認しときなさい。このカチューシャ自身が解説してあげるわ!』

「うぉ、まじかよ。電話が終わったらすぐ確認するよ」

『じゃあおやすみね、ナトーシャ』

 

そう言ってカチューシャからの電話は切れた。あぶねぇ、すっかり忘れてた。取り敢えず、予約してたから……

 

プラウダvs黒森峰の試合を確認するべく準備を始めていた時だった。電話がかかって来たので、誰か確認するとノンナからだ。

 

ちょっとノンナさんも早くないですかね。カチューシャ寝かしつけたんですか?まぁ出るんですけど。

 

「はい、もしもし」

『……今回は出ましたね。先程カチューシャと話していた様ですから、これで出なかったらどうしようかと』

「いきなり物騒ですねノンナさん!」

『そんな事はないですよ?……早速本題に入りましょう』

 

いつもならどうでもいい話題で少し話すんだが、今日はやけに本題に入るのが早いな。どうかしたんだろうか?

 

『私達が黒森峰に勝ったと言うのは知っていますね?先程カチューシャと話していた様ですし』

「ええ勿論」

『そして試合内容はまだ確認できてないんですよね』

「はい、ちょうど今から録画してたものをみようかと」

『なら早く確認して下さい、トロいですよ』

「何で若干棘あるの!?これくらいいつもと比べたらジャブ程度ですけども!」

『ならストレートに打ち込みますよ?……心臓に』

「ハートブレイクショット!?」

『こんなどうでもいい話はいいのです……それで、その試合なのですが』

 

ノンナは話しだした。試合を最後まで見れば分かるが、試合最後に黒森峰側にアクシデントがあったらしい。そのアクシデントが原因で一部から「黒森峰に勝ったのは偶然」だのどうの言われてるらしい。

 

やっぱあれだよなー、けどあの件に対して俺が言いたい事は一つだけだし、それもみほちゃんだけに対してだけなんだよなぁ。

 

『なので、貴方が内容確認して、思った事をカチューシャに貴方の口から伝えて欲しいのです』

「いや、それくらい構わないけど、俺も同じ風に言ったらどうすんの?その一部みたいに」

『それは無いでしょう』

 

やっば、ノンナさんからいつのまにこんな評価されてんの?感動で涙出そう。

 

 

 

 

『貴方がカチューシャと定期的に連絡を取り、彼女を楽しませている事は知っています。

 

その時にカチューシャの悩みについて相談に乗っている事も知っています。

 

決して私達には見せないカチューシャを支えているのは、誠に遺憾ながら貴方なのですよ。

 

そんな貴方だからこそ信頼しているのですよ。

 

……それに貴方も私と同じカチューシャを想う同志、ですから』

 

 

 

 

そう言って一方的に電話は切れた。……なんか凄い言葉が聞こえて来たと思うんだけど……

 

すると家の中にピコン!と高い音が何度と音が響く。その音の先に行くと、あのくそったれの神様が残して行った紙の一部が光っている。

 

中身を確認すると、一部横線が引かれて、文字が光っている。

 

・ノンナに同志と言われる

 

えええ、えぇぇぇぇえええ!!

俺ノンナさんに同志って言われちゃったの?まじで!?やばい、涙出て来たわ。

 

ぶっちゃけ課題の一つをクリアした事実より単純にノンナさんに同志と言われた事が嬉しい。まじかよ、やばい語彙力が行方不明。

 

と、取り敢えずまずはプラウダvs黒森峰の戦いを見よう。話はそれからだ!

 

そうして俺は浮き足立ったまま決勝戦を見るのだった。

 

 




と言うわけでアンツィオ編終了とノンナさんの電話越しからの課題達成です。
かなり難しいであろうノンナさんの課題からのクリアです。意外でしょうか?

理由としては一年……とは経たずも長い期間ずっとカチューシャとノンナと話し、カチューシャから飽きられていないどころか、相談まで乗っているということと、やはりあの夜の出来事でしょうか?

相談内容に関しましては『太陽』を聴いて想像していただけたらなぁと、そして新生プラウダの誕生出来た事もですかね。一応答えは用意していますが、疑問等あればよろしくお願いします。


あと、最後に一つだけ。
後ほど出そうとは思っていますが、活動報告の場でアンケート、と言いますがちょっと聞きたい事がありますので、もし良ければ意見下さい……
初めてなので活動報告の書き方から調べないと

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