沢山のお気に入りと感想、本当に感謝を申し上げます。
今回から英国面の方々の話です。どうぞ。
お気に入りが1000超えました!ありがとうございます!
前みたいに一日に複数の更新連打は出来ませんが、よろしくです!
冬休みに入る前、とある学園艦でお茶会が行われていた。
「今回はお招き感謝致しますわ、カチューシャ」
「貴女とのお茶会はとても有意義ですもの、ダージリン」
「わざわざプラウダ高校までありがとうございます。紅茶の準備は出来ています」
「流石の手際ね、ノンナ。頂くわ」
私は現在、プラウダ高校に来ている。カチューシャからお茶会のお誘いを受けたからだ。カチューシャとは前々から交流、即ちお茶会を定期的に行い、意見交換や他愛ない話をする仲である。今回のお茶会もその一環として、断る理由もなく受けた。
「早速ですが、全国優勝おめでとうございますわ」
「……ふん!あのくらい、この新生プラウダと私がいればどうって事ないわね!褒め称えなさい!」
「勿論です、カチューシャ。貴女の戦術・作戦・判断力、その全てを持ってすればこの程度成し遂げられて当然かと」
「当たり前じゃない!私を誰だと思ってるのよ!このプラウダ高校隊長、地吹雪のカチューシャよ!」
凄い浮かれちゃって……しかし、確かにあの決勝戦にてプラウダの戦いは見事、としか評価し得なかった。何度も映像にて確認しましたが、ほぼ完璧とも言える試合運びとそれを行えるその手腕、感服するしかありませんわね。
「……まぁ、プラウダと私だけじゃ勝ち得なかった事も認めるけど」
「そんな事は無いかと」
「ノンナもそこは正直でいいわ」
「……はい、そうですね」
「おや、何の話かしらね?気になるわ」
「あら、そうなの?ふふん、私達には裏から的確なアドバイスをくれる従順な参謀が居たのよ!」
「それはいい事を聞いたわ」
「カチューシャ……」
「大丈夫よ、ノンナ。彼がダージリンと出会うなんて、そんな都合のいい事が起きる事はあり得ないわ」
彼?彼と言ったのかしらカチューシャは……プラウダの部員に優秀な人材が入ったと思ったのだけど……
「そんな断言するなら是非とも教えて頂きたいわね」
「?……あぁ、彼の事ね。別に構わないわよ」
「カチューシャ!」
「もう、ノンナったら。そんな心配する事ないじゃない。そんなに彼の事が気になるの?」
「そういう……訳じゃないのですが」
「私と貴女の仲じゃない。隠さなくていいわよ。私がお昼寝してたタイミングで電話してるんでしょ?いつも」
「!?……何故それを?」
「周りが言っていたからよ。ノンナが機嫌いい時は電話した後だって」
「どう締めましょうかね。カチューシャ、誰が言っていましたか?」
「お、落ち着きなさい、ノンナ。それに最近で私も驚いた事は、あのノンナが赤面し「ふんっ!」……」
何という事でしょう。ノンナが飲んでいた紅茶を置いた瞬間にそのマグカップの取っ手が粉々になっていますわね。……あれ?あのカップ私が贈ったやつ……
「カチューシャ、話の続きを」
「え、えっ?えっ!?今、ふんっ、て」
「どうかしましたか?私の話をしていたのでは?」
「あ、あう、それは……その」
「……」
「うっ……ノンナぁ〜」
「すいませんカチューシャ、少しばかり力が入ってしまったのですよ」
おい、少しばかりの力でマグカップの取っ手が粉々なる訳ねぇだ……コホン、淑女として取り乱しましたわね。まだまだ精進が足りないという事、如何なる時でさえ優雅たれ、ですわね。
しかし、私だけが会話について行けないのも癪ですわ。ここは更に踏み込んで行きましょう。
「……ノンナ、そのカップでは折角の紅茶も楽しめませんわ。新しいのを持っていらしたら?」
「……いいえ、まだ大丈夫ですので、お気になさらず」
「そうよノンナ!折角のお茶会なんだからみんなで楽しむべきよ。それにプラウダとしてそんな取っ手のないコップを使い続けるのは恥ずべき事よ!」
「……そうですか、では少しばかり席を外します。す ぐ に 戻ってまいりますので」
まずはこれでいいわね。あのカチューシャがこんなにも信頼を寄せていて且つプラウダを優勝まで導く的確なアドバイスができる。加えてあのノンナを赤面させる殿方の情報となれば……手に入れるしかありませんわね!
何かしらの手違いで私達の学園艦へ訪れる可能性もありますし……ね?
取り敢えずノンナは暫くは戻って来ない。ここでこのカチューシャからどれだけの事をを引き出せるかにかかってるわね。……本人は喋りたがりそうだから、簡単そうだけれど。
「そうそう、話を戻しますけど」
「あぁ、ナトーシャの話ね!」
「ナトーシャ……貴女がそんな呼び方をするとはね、余程買っているのね」
「それは勿論、当たり前のことよ!彼は私の左腕にピッタリよ!男の癖に戦車道が好きというのも評価高い事の一因ね!」
右腕はノンナだけれどね!と彼女は胸を張る。……これは予想外、そこまで認めている人だったとは。
そこからカチューシャの話は続く。出会いから別れまで、そして今に至るまでの相談事を含めた彼とのやり取りを聞いた。
「あぁ、本当にあの歌を思い出すだけで、カチューシャがカチューシャ足り得るのよ。今の私とノンナ、そしてプラウダが在るのはナトーシャのお陰ね!」
「……一つ、尋ねてもいいかしら?」
非常に、ひじょーに、嫌な予感がしている。カチューシャが彼と呼ぶ人物の行動や言動が、私の知る殿方とかなり似ている。加えて突然のライブ……まさか、そんなまさか。
「彼の名「戻りました」チッ!」
「あれ?ダージリン今の何の音?」
「さぁ?何か聞こえたかしら?」
くっそ!肝心な所で戻ってきや……コホンッ、平常心〜平常心。私は一口紅茶を飲む。ぬるいわね……
「まぁいいんだけれど、ダージリン何が聞きたかったの?」
「あ、いえ、貴女がそこまで信頼する殿方の名前を聞きたくなってしまって」
「そう?名前はしま「カチューシャ」……え?今度はなに?」
「名前を言っても仕方ありませんよ。それに余り言いふらす事でもありません」
「……そうよね、気が乗ってしまってたわ。ダージリンも気になる気持ちは分かるけど残念だったわね」
「……いえ、構いませんわよ、カチューシャ」
……やられましたわね、これ以上の情報を引き出す事は無理ね。しかし、電話して本人に確認を取れば……
「あぁ!私にいい考えがあるわ。ノンナ、モニターの準備をなさい」
「……もしかして」
「そう、あの生徒会の奴らから買い取ったナトーシャのDVDを鑑賞するわよ!顔に要らない処理が掛かってたけど、歌を聴く事は出来るしね」
「……まぁ、それなら用意しましょう」
するとノンナはモニターとDVDを用意して、鑑賞会を開く準備をする。
「ナトーシャはほんと凄いんだから!まさしく人心掌握術のプロね。初めての場所、初めての人間達相手にあそこまで立ち回れるんだから!」
カチューシャは凄い笑顔になっている。一方で私は話題についていけてない。モニター?DVD?鑑賞会?前後の話を聞くに、ナトーシャという人物のライブ映像?……これはまさか……!
ノンナが映像をつける。するととある会場で1人の男性が歌を歌っている。顔はモザイク処理が掛けられており、判別出来ない。ですが、この歌声は……
か、確定ですわね……
鑑賞会が終わり、お茶会の時間も終わりに近づく。私も帰る準備を行っていた。
「本日はありがとう、カチューシャ。とても有益な話ばかりでしたわ」
「今度は私たちを誘いなさい!いつでも行ってあげるんだから!ね?ノンナ」
「私はカチューシャと常に隣に居るだけですよ」
「流石のお二人ね……ではまた」
私はグロリアーナの学園艦へと戻る、とその前に。
「そういえばカチューシャ」
「何?ダージリン」
「次は必ずこちらで開催しますわ……近いうちに」
私の迎えにとアッサムが近寄ってくる。
「それとね、こんな格言を知っているかしら?」
イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない
そう言って私は自分の学園艦へと戻る。
カチューシャは「一体何なのよ、変な奴ね」と言っていたが、ノンナは頭に手を当てて考え事をしていた。ふふっ、もう遅いわよ?プラウダ高校の砲撃手さん?彼の索敵は既に終わり、こちらの射程圏内よ?
と、その前に……湊さんには今までずっと戦車道が好きって黙ってた事に対して、ちょっとばかりお灸を据えなくちゃね♪
俺は現在空の旅の真っ最中。あの後俺は聖グロリアーナの女生徒達に付いて行き(誘拐だよ!)、聖グロリアーナ女学院に向かってるヘリに乗っている。
しかし、何でダージリンにバレたんだ?そんなバレるような事した覚えないけどなぁ……
いつもメールや電話では、俺というか、昔の普通の女の子の口調(若干お淑やかさ意識したおもしれー感じ)で話してるんだけど、不意に聖グロの生徒にバレないよう、お嬢様口調になるのがかなり面白くてなぁ。おちょくったりしてたんだけど、正直俺がダージリンにお茶会へ呼ばれる理由なんて心当たりが無いんだが。
まぁヘリに乗ってから、またあのピコンっていう音が鳴った。恐らくダージリンからお茶会に誘われるという課題をクリア出来たんだろうが、周りの人達は全く気づいてない様子だったので、多分俺にしか聞こえてないんだろうな。
因みにだが、一つ目にダージリンもとい、凛ちゃんからは楽器を持って来いとの事で、自宅まで引き返し楽器や道具を全部持ってきた事。
二つ目に今日普通の平日で学校登校なんだけど、どこかの会長から許可貰って俺を連れ出せるらしい……なんでそんな権限持ってんだよまじで。
三つ目に冷泉は「あぁ、じゃあ自転車借りて先に登校する」と言って、俺の自転車に乗って登校しやがった。見捨てるのかぁ!と言ったところ、「こんな噂があるんだが、先輩と一緒に居ると生徒会の影響もあって、要らん事に巻き込まれるらしい」と言われた。
おのれ生徒会!覚えとけよ!
そんなこんな考えてるうちに、聖グロリアーナへ到着した。降りるとそこに見えてきたのは、
「ナトーシャ!?今日の特別ゲストってナトーシャの事だったの?」
「はぁ……やはり前回の時に情報を与え過ぎたみたいですね……やられました」
あーそういう事ね!君たちか犯人は!……いやまぁ、正直バレてもいいんだけどね?いずれバレるし、課題もサクッとクリア出来たし、そもそも隠してたのはおちょくるのが楽しかったって理由だし……
とそんな時、もう1人影が見えた。厳密には2人で向かって来てるが、オーラが違う。これはやばいな、俺の直感がそう言ってる……先制攻撃あるべし!
「あら?ごきげんよう……みな「よぉ!凛ちゃん!久し振りだな!」え?ちょ、ま」
周囲が唖然としている。あ、これ面白いかも。
「いやー誘ってくれてありがとなー!今日はほんと嬉しいよ。こんな誘拐紛いな事しなくても、呼んでくれたらいつでも来たのにさ!凛ちゃん」
「ねぇ、ちょっ」
「戦車道頑張ってるみたいだな!いやー密かに応援してたんだけど、バレちゃったなー!黙っててごめんな?凛ちゃん」
「ねぇ、だから話を」
どんどんダージリンの顔が赤くなって来てる。むしろ今の時点で真っ赤だ。よし、なんとか行けるか?よし、ここで誤魔化しを重ねていく!
「カチューシャやノンナも久し振りだな!元気だった?まさかこんな所で出会う……なん……て」
やべぇ、ノンナさんからの眼光がやべぇ、俺死んだわ。その時にとうとう沸点に達したのか、ダージリンが爆発した。
「もー!!湊さんていつもいつも
それ以降、彼はいつでも冷静沈着で英国淑女の体現者?である、あのダージリン様を見事に爆発させた事からグロリアーナの生徒達からこう呼ばれる事になる。
どうでしたでしょうか?やったね主人公!名誉?な名前を貰えたよ!
と言うわけで、久々のダージリンとの再会です。カチューシャやノンナも居ますね。ペコやローズピップ、ルクリリがいれば、流石にプラウダ組は出せませんでしたが……
ダージリンはわたくしで、凛ちゃんはわたしと区別していきます。……凛ちゃん設定が嫌いな方は申し訳ありません。…ちょっとこんな面があったら更に可愛くないですか?普段のダー様も可愛いと面白いを兼ね備えてますが。
ケイさん、そしてケイさんのファンの方々、本当すいません!ケイさんの出すタイミングが見つからねぇよ!畜生めぇぇ!!
完璧な私の実力不足です。