この世界で伝えられる事を探して   作:かささぎ。

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あれですね、こっちは1話1話短くていいや、って開き直っているからか、バンバンかいています。
1日1話ってしてるのに書き溜めが増えている件について。
お気に入り、感想、少しでも呼んでくれている方々ありがとうございます。
自分が考えていた以上に難しいことを扱う作品になりそうではありますが、なんとか期待に添えられるようにしたいと思います。


4話 計画

 

 大洗学園に入学し、四ヶ月程経った。

 

 まず一つ、自動車部に入部した。これは戦車道に関わる部活であり、また整備の知識を学ぶ事ができるからだ。昔戦車について教わっていたが、周囲からは島田家なのに凡人の域を出ない、などと言われまくっていた。愛里寿が生まれ、戦車道を始めてからは見向きすらされなくなったし……戦車について俺に出来ることは無いのかもしれない。

 

 しかし、西住みほ以外が初心者な此処では、そんな俺でも少しは力になれると考えて整備だけは手伝いたいと思った。だから一から整備についてと戦車についてやれるだけやってみようと思ったのだ。

 

 ……だが、一言だけ。この人達人間じゃねぇ。なんで車の部品一から作ってんの? いや、そっちは何やってるんですか? ……改造? 既存のものを下手に改造するといけないんじゃ……アッハイ、大丈夫なんですね了解です。

 

 ちなみに同じ一年である中嶋を始めとした原作の自動車部3人とは仲良くなりました。そして中嶋達は先輩たちを凄く尊敬してるみたいだ。なるほど、原作の裏での活躍はここから生まれたのか。

 

 二つ目は路上ライブについて。あれからも定期的に時間を作ってやっている。自分で言うのもなんだがすごい好調だ。やる時間も自動車部を早めに切り上げて、夕方から日が沈む前くらいまで演奏している。対象は帰宅する生徒や仕事帰りの大人、主婦等。内容に関しては、いろんな曲をローテーション組んで演奏したり、回数を経るごとに曲の希望まで上がるようになった。流石偉大なる前世の歌手たち。貴方達の歌は世界共通で心に響くもののようです。

 

 また、少ない男子の中で、学年主席の挨拶したっていう副産物も含めて、学園では既に有名人扱いされてる。自動車部の皆からも「こっちの参加頻度少ないと思ったら……取り敢えず、ちょっと聴かせてみ?」なんて言われたから、取り敢えず皆に似合う曲をだなと思って、Driver's Highを聴かせてみた。

 

 その際にテストとして、作成したバンドサウンドを使用しての演奏行ってみた。大洗に来て一人でライブするようになっていたが、流石にギター一本では限界があると考え、バンドサウンドの打ち込みを始めた。他の楽器に関しては中学時代のバンド仲間から作成して貰ったり教えて貰ったり、またネット等で情報を集めて、自分なりにやってみたりしていた。しかし自分で言うのもなんだが、所々怪しいとはいえ、よくこんなに曲の中身覚えてるな……と思う。

 

 原作の内容だってもう二十年ほど前に見たのが最後になるのに、人の名前とかも余程目立ってなかった人を除けば意外と覚えてるし。まぁ、覚えてる事についてはいい事だとポジティブに考えておこう。

 

 なお先輩達や中嶋達からは想像以上って褒められて、こっちでも定期的に聞かせてくれだの頼まれた。もっと曲あるので聴いた際には感想くださいとか言いつつ、内心めっちゃ嬉しかった。調子に乗ってると思われたくなくて、口数少なく、あまり表情にも出さないようにして静かに過ごすようにしていたが、ここまでくるともっと自信を持ってもいいのかなとも思う。

 

 ……しかしこの前先輩達がパソコン部の人達とコソコソ話してたのが気になるんだよなぁ。なんか裏でしてんのかね。

 

 最後にだが、神から与えられている条件についてである。おさらいすると、

・ダージリンからお茶会に誘われる

・聖グロリアーナ女学院OB会を説得し、新戦車導入を手伝う

・ケイがサンダース大付属高校戦車道の隊長になること

・単独でアンツィオ高校に赴き、屋台を手伝うこと

・カチューシャを肩車する

・ノンナに同志と言われる

・西住しほとみほを和解させる

・ミカと一晩を過ごす

・西住みほ率いる大洗学園を優勝させる

・西住みほ率いる大洗学園を大学選抜チームに勝利させる

 

 相変わらずふざけた内容だなと改めて思う。正直全く進んでいない。あれから、どのようにこれらをこなして行くかと考えたが、その結果がこれだ。

 

・ケイがサンダース大付属高校戦車道の隊長になること

・カチューシャを肩車する

・ノンナに同志と言わせる

・単独でアンツィオ高校に赴き、屋台を手伝うこと

・西住しほとみほを和解させる

・西住みほ率いる大洗学園を優勝させる

・西住みほ率いる大洗学園を大学選抜チームに勝利させる

 

 この順番で優先順位を決めた。まぁ、西住関連は西住みほが来るまで進展は無いだろうし。そもそもケイについては何をすればいいかわからん。取り敢えずなんか問題があんのかと見に行って確認してみるしかない……が今は一年のはずだし、そもそも門前払いだろ……。そして、それはカチューシャ、ノンナにも言える。まぁこっちはまずは友達とかそんな感じで始めるしかない。流石に原作のタイミングで知り合うと、そんなに仲良くなれん、というか関わるタイミングがねぇよ。アンツィオは……ぶっちゃけどうとでもなる気がする。

 

 そして、

・ダージリンからお茶会に誘われる

・聖グロリアーナ女学院OB会を説得し、新戦車導入を手伝う

 

 ダージリン及び聖グロ関係は正直何とかなる。何故かと問われれば、ダージリンとは知り合い兼メル友である。ネックはOB会の説得だが、どうしろと?そこは凛ちゃ……ダージリンとの会話次第だな。これらは互いに一年だし、まだ先になるかな。

 

 んで、取り敢えずある意味最大の問題とも言えるものが、

・ミカと一晩を過ごす

 

 もうこれは訳が分からない。恐らく普通に何もせず一緒に過ごすだけでもいいんだろうが、それすら難易度が高すぎる。一体どうしろと。

 

 そもそも、これらの人達に出会うためにはそれぞれの学園艦に行くしかない。しかし普段の学園生活中は無理。となれば長期休暇や連休を利用するしかない。それでもそのタイミングで、学園艦が寄港しているかどうかってのも問題だ。

 

 そして、調べればわかるが、各学園艦の本拠地について、継続は石川県である。しかしミカさんって、何処にいるか予想つかないでしょ……大人しくそこに居るなんて想像が出来ないぞ。と、言うわけで放置しとく。最悪石川県やプラウダに行った時に情報を集めるくらいか。

 

 プランというにはお粗末過ぎるが、長期休暇のタイミングで各学園艦の本拠地に行く。どうにかして知り合う。まずはそっからだな。

 

 もし、トントン拍子で進んでいけば黒森峰方面にも行って、西住姉妹の様子を伺っておくのもいいかもな。姉の方はちょっとした面識があるが、妹の方は無い。そこで出会ってしまって大洗で再会したとしても、旅行だったとか誤魔化しは何とかできるだろう。

 

 そういう訳で、そろそろ夏休みに入る訳だが、戦車道大会も始まる時期だろう。サンダースでのケイの様子を見るために長崎県佐世保まで行ってみるか。

……今回寄港するのは調べがついたが、試合会場によっては短期間しか居ないよな。最悪手続きしてそのまま学園艦に乗り込むことも視野に入れておくか……

 

 自動車部の皆には、夏休みは参加出来ないと伝えておかなければならない。正直そこがまず第一関門だな……

 

 

 

 

 夏の日差しがアスファルトを焼き、海風が吹く今日、俺は長崎県佐世保港のサンダース大付属高校学園艦を目の前にしていた。

 




L'Arc〜en〜CielのDriver's High、知らない方は是非聴いてみて下さい。

この主人公はいつ壁にぶつかるのか?さて、いつでしょう。
しかし、もっと長く書いたほうがいいのか、展開が早すぎるのか描写不足なのか……
キリがいいとこで切っているのですが、1話あたり長くかける作者はとても尊敬します。

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