この世界で伝えられる事を探して   作:かささぎ。

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よっしゃー!久しぶりの休みだ!
書くしかねぇ!

お気に入りと感想、誤字報告ありがとうございました!
次はどうなるか分かりませんが、どうぞ!




45話 〜戦いの狼煙が上がります!〜

 

 

 

 

 

とうとう戦車道全国大会が始まった。

現在俺は戦車の最終メンテをしている。まぁメンテと言っても、大掛かりなものは昨晩の内にやり終わっている為、最終確認の様なものだ。

 

「よし、取り敢えず終わったな」

「島田先輩、お疲れ様です」

「おう、みほ。各戦車ごとに俺は確認終えているから、自分達でも確認してみてくれ。砲塔の旋回からスコープの使い勝手、無線の調子とか大丈夫とは思うけど違和感があったら言ってくれ。

あと、砲弾も積んでるけど個数もな」

「はい! わかりました!」

 

みほは元気の良い返事をした後、各戦車の乗員達に今の事を伝えている。一人一人緊張しているけど、笑えてるからこの分だと大丈夫そうだな。

 

ちなみに昨日の整備中はこっちが緊張しちゃってナカジマ達に笑われた。フォローまでして貰って申し訳なかったけど、課題の事も含めてこの大会に全てが掛かってる事を考えると緊張してしまう事は大目に見て欲しい。誰も課題の事なんて知る訳ないんだが。

 

「西住隊長、こっちは大丈夫でーす!」

「隊長、準備完了した」

「私たちもです!」

「こっちもおっけーだよ」

「了解です! 試合開始までまだまだ時間はあります。皆さん待機お願いします!」

 

はーい! という返事の後、チーム同士会話を始めた。取り敢えず、整備面では出来る限りの事はした。

……これくらいしか俺に手伝える事はないけれど、後は任せたぞ、みほ、そして皆。

 

そう思い、チーム全体を見渡している時にここへ来る人影が見えた。あれは……

 

「あら、もう準備は終わっているようね」

「私達に負ける覚悟はできているのかしら?」

「お? これはこれはサンダースの」

 

そう、ナオミとアリサだった。しかしアリサ、生で聞くとその挑発めっちゃ腹立つなぁ。今に見とけよ!

しかし流石は角谷、対応をしてくれているみたいだが、さらっと受け流している。手慣れてるように見えるが、一体どういう時にこんなやり取り経験する機会があるんだろうか……

 

「そうそう、試合前の交流を兼ねて食事でもどうかと思ってね。貴女達をサンダースへ招待しようかと」

「こんな寂れたとこじゃなんもないでしょー、こっちに来ればご飯まであるわよ」

「お? いいねぇ〜。みんな〜行ってみようか」

「会長!?」

 

話の流れは分かっていたが、相当軽いな角谷。まぁしかし、何があるかわからんから俺はこっちに残っていようかな。

 

「じゃあ行ってこいよ、角谷。こっちは何もないとは思うけど、一応俺待機しておくから」

「任せたよ〜島田。んじゃ、行こうか皆」

「ちょっと待ちなさいよ! そっちの男」

「ん?何だ?」

「貴方も来なさい。隊長が直々に呼んでるわ」

「は?ケイが?」

 

その瞬間に全員の目が鋭くなる。特にあんこうチームが。まぁ負けたらサンダースに短期的だか行く事になってるしな。その事を隠し通せてる訳も無く、全員が知っている。恐らくそれもあるのだろう。

……にしても、雰囲気えらい変わったな。みほなんて目が座ってるぞ、大丈夫か?

 

「ちょ、ちょっと何よいきなり」

「すまない、アリサさっきから荒い言動が目立つわよ。君、ケイが少し話したがってるし、いいかな?」

「俺は別に構わないが……」

「島田先輩軽すぎるよ!?」

「試合前だし、険悪になりすぎるのも良くないぞ。ほら気分転換にもなるし、行ってみようぜ」

 

そう言ってナオミとアリサの後について行く。すると足早にみほや冷泉、バレー部や一年生チームが近寄ってきてサンダースの二人を見つめている。

自意識過剰だったら嫌だが、これは慕われてるって認識でいいのかな?変に警戒しすぎだとは思うし、そもそも、捕虜の件はこっちから吹っ掛けた物だし……

まぁ嬉しい事には変わりないな。しかし、嬉しい事には嬉しいんだけど、皆近すぎて歩きづらいし、なんか……うん、色々困る。磯部とか大野見てて面白いけどね、どんだけ威嚇してんだよ。

 

 

 

しばらく歩いていると、サンダースの待機場所が見えてくる。って遠目から見ても分かるくらい凄いな。人の数もだが、明らかに施設の格が違う。違うんだが……

 

「わぁー! すっごい! ハンバーガー作ってる!」

「こっちには救護車なんてあるよ!」

「シャワー車に、ヘアサロン車まで!?」

「本当にリッチな学校なんですね〜」

 

サンダースの待機場所に着くと周りにいた奴らはすぐさま離れる。うん、これらの施設>俺ってのははっきり分かった。慕われてるのか微妙すぎる。

てかヘアサロンはまぁいいとしてシャワー浴びる奴いるのか?いや、ヘアサロンも試合になれば髪乱れるし、外からは見えないだろうに……そんな事言えば女の子の気持ち分かってない! みたいな空気になるかもしれないから言わないが。

 

皆が周囲に釘付けになっていると、こちらへナオミとアリサ、そしてケイが向かってくるのが分かった。

 

「へい! アンジー!」

「角谷杏……だからアンジー?」

「ふん! 馴れ馴れしい」

 

河嶋ー、すぐに喧嘩腰になるのは良くないとこだぞ〜。

 

「やぁやぁ、ケイ。今回はお招きどうも」

「アンジーに、他の皆も何でも好きなもの食べていって? OK?」

「おーけーおーけー、おケイ……だけに」

「あっはっはっは! Nice,Joke!

……あ、Hey! オッドボール三等軍曹、そしてミナトー!」

「わわわ! そう呼ぶのはやめてくださいとあれ程!」

「しれっとこっちに飛び掛かってくるなケイ」

 

秋山に声を掛けつつこっちに駆け寄ってくるケイを避けつつ話し掛ける。本当人目を憚らないな……流石にこんなとこでやめてくれ。

……いや、人が居なくてもや、やめて欲しいけどね!?

 

「むー! ミナトのいけず〜」

「お前がいけずなんて言うと凄い違和感なんだが……」

 

それに見ろ、周囲の施設を見てた奴らが一気にこっち見てるぞ。

 

「まぁまぁ、スキンシップはこれくらいにして、ゆっくりしていってね!

……あ! 良かったら歌ってく?」

「バカ、試合前の相手チーム流石にするか」

「歌ってくれたら今以上にやる気出るんだけどなぁ〜」

「お前のやる気を出させてどうする」

「まぁ、そうだよね〜。歌ってくれたら試合前にとても楽しくなりそうだったんだけどね。じゃあここらへんで挨拶は終わりにして、私はもう行くね。

……大洗の皆、それにミホ。試合、楽しみにしてるよー!」

 

そう言ってケイはナオミとアリサを連れて離れて行く……あ、アリサがゲンコツ食らってる。ナオミが呆れた様な表情してるから、またなんか言ったんだろう。

 

俺を呼んだ理由って、試合前の挨拶だけか? それだけなら大洗の皆だけでいいと思うんだが……

なんて考えていると後ろで皆が何やら話し合っている。そして、意を決した様にみほがこちらへ近寄ってきた。

 

「あの! 島田先輩! もし良かったら、試合前に応援として士気が上がるような歌お願いしてもいいですか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後ご飯をしっかり頂き、自分達の待機場所へ戻った後、時間的にも二曲が限界だったが歌を歌った。そして皆に応援してると最後に一声掛けて、威勢のいいやる気十分な声で返事を受けた後、みほと少しだけ会話と贈り物をして観客席へ移動する。

 

「大洗の方は……結構空いてるな〜。サンダースの方はほぼ満員じゃねぇか」

 

俺が来たのは勿論大洗の応援席。サンダースへ目を向けると多くの人々で埋まって居た。てかチアガールまで居んのか。……チアガール、なるほど、あれってありなのかなぁ。

ちょっとした事を思い付きながらも、後で調べようとした時にそれは視界の端に映った。

 

「……こんなとこで何してんの? 丁寧にティーセットにテーブル、椅子まで準備して」

「あらあらケトル、御機嫌よう」

「……ケトル様、御機嫌よう」

「ケトル言うのやめろ! アッちゃんは居ないの?」

「ぷぷっ、アッちゃん……えぇ、アッサムは他の試合の偵察に行ってもらってますわ」

「なるほど」

 

そこには凛ちゃんことダージリンとオレンジぺコが居た。アニメ同様この一角だけ明らかにおかしい、そら視界に入るわけだ。

すると、凛ちゃんが何やらこちらの様子を伺っている。

 

「なぁ、ペコちゃん。君の隊長なんだがどうしたの? こっちチラチラ見てくるんだけど」

「ペコちゃんと呼ばないで下さい。

……ダージリン様?」

「い、いえ、いつもなら湊さんはいきなり此方へ変な事を始めますので、警戒していただけよ」

「……忘れてた」

「別にしろっと言ってるわけではありませんわ」

「くそー、凛ちゃんも期待しててくれた所申し訳ないが、そろそろ試合始まるな」

「期待なんてしてないわよ!」

 

凛ちゃんが声を荒げるが、取り敢えず流してモニターを見つめる。……お互いに既に開始場所に着き、開始のアナウンスを待っている。

 

「凛ちゃんペコちゃん、どっちが勝つと思う?」

「あら? 正直に申し上げてもよくて?」

「だからペコちゃんと……貴方の前でなんですが、順当に行けばやはりサンダースではないかと。戦車性能、数と覆せない事実はありますし、それらをカバーする練度と言っても難しいのではないでしょうか?」

「そうねぇペコ、私もそう思うわよ?

……けれど簡単に行かないのが戦車道。事実私達も練習試合ではあそこまで追い込まれたわ。

だから……大体4:6でサンダースに分があると予想していますわ」

「お、大洗を高く評価してくれてるんだな。予想以上に高かった」

「当たり前よ、油断などしない。正当な評価をした上でその評価を上回る事を想定しておくのよ」

「流石は聖グロリアーナ隊長」

 

凛ちゃんが見定めるような目でモニターを見つめている。映っていたのは大洗の皆だった。……彼女たちを知っている人がこんなに注目してくれている、頼んだぞ皆。

 

俺もモニターを見つめると、試合開始のアナウンスが流れ、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「では皆さん、試合前に再度確認をします。

試合はフラッグ車を先に戦闘不能にした方が勝ちです。サンダース附属の戦車は攻守共に私達より上ですが、落ち着いて戦いましょう。

機動性を活かして常に動き回り、戦力を分断させて三突の前に引き摺り込んで下さい」

「「「はい!!」」」

「それじゃあ、いっちょやっちゃおうかねぇ〜」

 

各戦車の皆から返事が聞こえてくる。……うん、悪くない。乗り込む前もリラックス出来てたし、これなら……

 

そう考えながら私は車内の壁に掛けた物を見つめる。

 

『みほ、これ』

『何ですか?……ってこれ!』

『ほら、結局みほってさ、車内に自分の物持ち込んでないんだろ? 武部とか五十鈴は一杯持ち込んでたけどさ』

 

そう、島田先輩から渡されたボコの人形だ。

 

『片方はサンダースに偵察行った時、ハウステンボスの人形欲しいって言ってただろ?

妹にも渡してて、同じものはなぁとは思ったけどね。

それともう一つは大洗に寄港した時の奴だ。あんこうを誇らしげに持ってるボコ、可愛いだろ?』

『あ、ありがとうございます!』

『前は分からないって言ってたけどさ、こういう奴でいいんだよ。そんでさ、やばい時とか焦ってる時、自分の好きな物を見て落ち着くといい』

『はい! 大事に……大切にしますね!』

『ははっ! 喜んでくれて良かったよ!』

 

私は先程の会話を思い出しながら、ボコを抱きしめる。戦車内でボコを持ってるなんて、想像もつかなかったなぁ……

それと加えて、もう一つ思い出していた。

 

『それとみほ……ケイはそんな事しないと思って言ってなかったが……やはり一応伝えておく』

『どうかしました?』

『……実は偵察しにいった時に、通信傍受機と思われるのを見つけてたんだ。打ち上げ式のな』

『えぇ!?』

『ケイは真正面から正々堂々に、公平さを重んじるタイプだ。だから無いと思いたいが、サンダースの陣地に行った時、今回は経験を兼ねて参謀の位置にアリサ……別の子が居た。

だから念には念を、おかしいと思ったら外を見ろ。高く打ち上げられ居るはずだ』

『そんな……』

『ルールブックを確認しても、通信傍受に関しては触れられていない。そこを突くつもりなんだろう。

……そんな不安がるなって! もし、本当に使ってきたら逆に利用してやればいい』

『……なるほど』

『みほなら簡単に思い付く筈だ。それこそ俺なんか思いつかない方法が。

じゃあ……行ってこい!』

『はい!』

 

聞いた時はとても不安になったが、よくよく考えればやりようはいくらでもある。それに使ってこない可能性もあるのだ。変に皆に知らせて気を遣わせるのもまずい。

島田先輩も言うのが遅すぎる……と思ったが、先程サンダースへ行った時に考えついたんだろう、しょうがない。

 

そろそろ時間だ、時間を確認して再度気を入れ直す。

大洗に来て、大切な人達と出会えた。勝ちたいと思える戦車道が出来る。……少しでも長くこの人達と戦車道をしていたい。

 

 

その為にまずはこの一回戦勝ってみせます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みぽりんがさっき貰った人形抱きしめてニヤニヤしてる〜!」

「みほさん可愛い!」

「みほ殿も恋する乙女、ですね〜」

「私も今度何か買って貰おう」

 

皆に見られてるのに気付きとても恥ずかしくなって、人形に顔を隠すが、火に油を注ぐ形となってしまった。

 

そんなこんなしてるうちに、試合開始のアナウンスが流れる。

 

「それでは試合開始です!」

 

なんとも格好つかない始まり方となってしまった。

 

 






と言うわけでこんな感じです。
みほなら戦車内にボコ入れておいてもおかしくないよなぁと思い、入れました。

歌った曲とは……?次ですね!
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