皆様、お待たせしました。
詳しい話は後書きにてしております。
『やって参りましたアンツィオ高校。僭越ながら秋山優花里、この度も潜入捜査をさせていただきます! しかし流石ですねぇ……進学したい高校 No.1に輝くだけの活気があります!』
校内を歩けば至る所に出店があります。そのどれもが生徒だけで運営されていて、自立を促しているのでしょうか? なによりも全員が楽しそうに笑顔で作業していて、見ているこっちも楽しくなってきますね!
しかもこれが平日、毎日しているらしいです。凄く賑やかな学校ですよぉ〜!
……っとここでとっても気になる情報を入手しました! アンツィオ高校は重戦車を入手しているようです。
イタリヤの重戦車と言えばP40。どうやら隊長と思われる人物が、新しく導入出来た嬉しさのあまり乗り回したり、公開しているようですね。凄く気持ちわかります〜。
『と、言うわけでこの先に進んでみましょう! この先にはコロッセオがありますね。そこでしょうか……っと到着です! 凄く広いです……ね……』
あの……何でそこにいるんですか……? 先輩殿。
P40の上に立つ隊長さん、その下で囲いながら鑑賞もしくは写真を撮っている生徒の中に混じっている先輩殿の姿が見受けられます……
『どうだ島田! これが我らの秘密兵器、P40だぁ! 凄いだろう!』
『おー……流石に初めて見るな……』
『だろう! これと我々の力が合わされば、大洗なぞ軽く一捻りだ!』
先輩殿、アンツィオ高校の隊長さんとも仲よろしいんですね……相変わらずの顔の広さで私、感服致しますが…… 普通に顔だしてよろしいのですか……?
『言うねぇーアンチョビ。ただ、俺に見せても大丈夫なのか?』
『はははっ! 島田には大きな借りがあるからな! 気にしないでくれ。それに潜入って名目で来てたのだろう? あんな拙い潜入があってたまるものか。 あれが通用するのはペパロニくらいなものだろう』
『……逆に何であの子は大洗の生徒で男子である俺がここに来てるのに対して、あそこまで普通に接する事が出来るんだろうな…… しかもちょっと空けなきゃ行けないから〜って、知り合いではあるものの何で俺に屋台の見張り頼むんだよ……』
『そこで、それに普通に付き合う島田も島田だけどな! こっちは助かったけど、ここにくる前に顔出したら調理人が島田だった時はびっくりしたぞ、ほんとに……』
『いや……客待たせるのまずいし、ペパロニが何故か作り方を教えるように作ってたからな……ハッ! まさかあの子、ここまで狙ってたのか……?』
一応潜入というスタンスで来ていたのですね……って! 大丈夫じゃないですよね!? サンダースでどんな目にあったか忘れてないですか!?
『まぁペパロニの話はいっか……それで今日は島田、どうしたんだ?』
『前々からの約束を守りに来たってのもあるけど……まぁなんだ、情報集め?』
『……え? 本当に偵察の為の潜入だったのか? ならあれはダメだろ……』
『……ダメだった?』
『うん……まぁ、私は何もしないけどなー。さっきも言ったが、流石に戦車道生だけじゃなく、アンツィオ高校を助けて貰ってるし、お前が来てからこいつらも楽しそうにしてるしな』
『サンキュー! ありがと!』
『……サンダースみたいにしてもいいんだぞー?』
『まじですまん、ありがとう。だからお願い』
先輩殿ぉ……カメラ映ってますぅ……うんうん、これは先輩殿に自分を振り返ってもらう為に映像に残しておきましょう。
『ふんふー、どうしてくれようか』
『えー、許してくれるんじゃないのか?』
『まぁまぁいいじゃないか! 島田どうせ持ってきてるんだろ?』
『……何が?』
『分かってるだろー? そうだな、あれから新しい後輩も増えたし、歌っていくか?』
え、どうしてそうなるんでしょう…… しかし、先輩殿が絡むと必ず歌関係になりますね……そろそろ仕方ない事と思ってもいいと思います……
先輩殿はその後少しやり取りしながら、どうやら歌っていくことになったようですね。
『ほらほら、こっち登ってこい!』
『P40の上でかよ……うーん、流石にバックサウンド使う訳にも……』
『あ、島田。もしよければ去年のと同じ曲で頼めるか? 』
『ん? それは構わないが……』
『一年生はライブ映像では聴いたことあるけど、生では聴けてないからな! それにもう一度聞きたいし! 』
『そう言うことなら……ってライブ映像!? あぁ、確かにアンツィオに来た時のだったか……角谷め……』
『かっこよかったし、いいだろう? ほら、早く早く!』
『了解だ。なら、アコギでちょっと違う雰囲気でやるか』
『おぉー! 』
あぁ……結局いつも通りの先輩殿になってしまいました……
で、でもP40の情報も入手出来たので、良かったのではないでしょうか!
これで秋山優花里の潜入調査終わりたいと思います! ありがとうございました!
『さて、みんなありがとう! そして、この場を提供してくれたアンチョビに感謝を! ドゥーチェ! ドゥーチェ!』
『ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!』
「んー、島田ー正座」
「いや、な? 角谷」
「島田先輩、正座お願いします」
「……はい」
みほさんの言う事は素直に聞くんですねとか、みぽりん最近構って貰えてないからまた怒っちゃう……とか後ろから聞こえてくる。
場所は俺の家から変わり、生徒会室。生徒会メンバーと合わせて、今後の方針を煮詰める為に改めて秋山のアンツィオ高校潜入動画を確認していた。
そうだよなぁ!? あそこ撮れられちゃってるよねぇ!? もうぐうの音も出ない。全面的に俺が悪いです、はい。
「サンダースの時から学んでくれてると思ってたんですけど……また前回のように転校の話であったり、捕虜とされたりしたらどうしたんですか?」
「いや……その、アンツィオの奴らならそんな事されないと思って……」
「そう言う事を言ってる訳じゃないです。それにそれをネタにされてるじゃないですか。島田先輩が私達の為に情報を集めてくれるのは助かりますし、とてもありがたいですけど……島田先輩に何かあったらダメです。なのでどうか危ない事しないでください」
「あ、危なくはないと思うんだけど……」
「島田先輩」
はい、申し訳ありませんでした!
土下座する俺……絵面が酷いな……また後ろの方から、これが尻に敷かれる男の人なんですね! とか、先輩……ほんと治らないな……とか色々聞こえてくる。くぅ〜。
「……チョビ子には連絡入れとくよ私から。それより」
「P40ですね……私、初めて見ました」
「あれは強そうだろう! 西住、どうする!」
「桃ちゃん、それを今から話し合っていくんでしょ?」
取り敢えず話は変わり、アンツィオ高校の保有する秘密兵器、P40に焦点が当てられていく。
「まず基本スペックが分からないと……ですかね」
「うーんそっかぁー、じゃあその資料からだねぇ」
「資料ならば図書館でしょうか?」
「戦車道専門店にあるかもしれません!」
「……あ、もしかしたら」
みほが思いついた様に考えてた顔を上げる。お、何かいい案が思い浮かんだのか?
「カエサルさん達、歴史かなり好きですし、過去の兵器とか乗ってる資料とか持ってるかもしれませんね」
「それだ! まずはあいつらのとこに行き、情報を得るんだ! 無かったら先ほど挙げた場所で調べるしかあるまい」
方向性としては、まずカエサルのところへ行き確認する。それ次第で他の方法で情報を探すか決まるが、分かり次第それに沿って対策を練ったり、それに応じた練習を行っていく事になった。残り一週間だが、やれる事はやっておくべきだろう。
話がまとまり、各自できる事をしようとみほが締めくくり、解散となるかと思いきや……
「島田ー、取り敢えず罰として仕事手伝ってね〜」
……俺はまだまだ帰れそうになかった。
日にちが変わり、みんなが二回戦に向けて練習をしている頃、俺たちは一つの戦車と向かいあっていた。
……それまでの期間にも色々あったんだよ。ルノーことルノーB1bis。それを見つけた事により、搭乗者を探すと言う事で、角谷に連れられ園達風紀委員の元へ赴き、説得(強制)をしたりとかな。フォローすげー大変だったんだ……最後はちょろかったけど。
そんな事よりもだ。
「島田先輩! これスゲェっす!」
「……こりゃえらい状態だねぇ、腕がなるわ」
「いいフォルムをしてるわね……気に入ったわ」
今いる場所は学園艦の船底に近い倉庫付近……そう、俺達自動車部はここで運命に出会った。
「これはまた癖の強い奴が来たなぁ……」
「ミナト、知ってるのこの戦車?」
「あぁ、これはポルシェティーガーだな」
「ポルシェティーガー? ってどんな子なの?」
子って……まぁこいつらの他の整備っぷり見てるとそう言いたくなる気持ちはわかるけども。
「そうだな……取り敢えずこいつは、これまで見つけた戦車達の中で最強、と言ってと過言じゃない機体だ」
「まじっすか!?」
「ただなぁ……癖の強いって言った理由なんだけどな。
まともに走行させる事すらおぼつかなくてな。まずモーターが非力な事。元々魚雷に使われるモーターで、大きい割にはパワーがな。ほかには使ってる素材からして車間通信性に難あり、装甲はいいとしてモーターや素材、使ってる部品の数々により車体重量が重い。
結果、地面にめり込んだりする事もしばしば、他にも問題があるがな……」
「それは……確かに癖強いっすね……」
「ただ、動かなければまじ強いとだけ言っておこう……そもそも前提からしておかしいが」
ポルシェティーガーの説明を行なっていくが、すればするほど自動車部の奴らの目が輝いていく……すると、最初から黙っていたナカジマが口を開いた。
「……決めた! これに私達乗って戦車道参加しちゃおう!」
「……ナカジマ、まじか?」
「いいっすね! 先輩、それで行きましょうよ!」
「となると……他の戦車も整備しながら、この子を本格的に仕上げなくちゃね」
「私達の色に染めちゃいましょうか」
本当、見る目あるよこいつら……乗ると知ってても、この反応を見ればこちらも嬉しくなる。
会長に言ってくるねー! そうナカジマは言い残し、角谷達へ報告しに行った。ポルシェティーガー、何だろうな……自動車部が乗るからかもしれないけれど、正直お前が動く時が他の戦車と比べても一番楽しみだよ。徹底的に直してやるからな、待っててな。
そして、折角の休日……みほへ話をしに行こうと思ったけど、言いたい事がまとまらず、自分自身に言い訳をしながら、後に引き伸ばしていた。そんな時に、冷泉がサンダースの時のみほのボコを見て、何か欲しいと思っていたらしい。何か持ち込むもの買いに行こうと誘われた。
確かにみほだけにだったな……と思った為、共に買い物しに行く事にした。
「先輩、何かいい案あるか?」
「いや、お前が持ち込みたい物でいいだろ?」
「うーん、考えてみたがすぐに思いつかなくてな。なんか見てたら欲しくなると思ったがそうでもなかった」
「お前さ……まぁいいけど、そうだなー枕とかどうだ? クッションの代わりにもなるし、抱き締めるだけでもリラックス効果ありそうだけど」
「……なんか先輩、いやらしいな」
「何で!?」
冷泉が若干距離を取る。何でや! お前結構使いそうだろ!?
しかし、うーん……みほはボコ大好きだったから迷わなかったが、冷泉かぁ。
ざっと品物を見て行くがピンとこない物ばっかりだ。何か冷泉が趣味とか、最近興味持ったこととか……あ。
「……? どうした? 先輩」
「いや、何でもない」
「相変わらず嘘が下手だな先輩は。何か気になるものがあったんじゃないのか?」
「……あぁ、一応思い付いたのはあるが……」
「じゃあそれでいい」
おいおい、そんなんで良いのか? それに戦車に持ち込むものでも無いし。流石になぁ……
「実際何でも良いんだ。先輩が良いかなと思ってくれる物で問題ない」
「……文句言うなよ?」
そう言って俺は冷泉を連れて目的の場所へ行く。日用品が多く並んでおり、その中に目当ての物が多くの種類と共に置いてあった。
「……先輩? ここにあるものか?」
冷泉に一言返事をしながら見回る……一通り見て回った後、その中にから冷泉に似合うとと思った物を取り出した。
「これなんかどうだ? お前に合うかなと思ったんだが」
「……何故これを?」
「お前がこの前やってみるとか言ってただろ? 家には武部と俺のしかねぇし、今後やって行くならあると全然気分が違うと思ってな……どうだ?」
「……なるほど、ならこれにしよう」
迷いなくそれに決めた冷泉……男らしすぎぃ!
そう……冷泉に渡したものは、個人的に白と黒のコントラストが良く、その白黒により猫のデザインが表現されているエプロンだった。
携帯の呼び出し音が猫の鳴き声だったし、野良猫とかによく構ってる様子見かけるから、猫が好きなんだろうと思ったし、地味なのかもしれないけど白黒が冷泉に似合うかなと思ったからこれにしたんだが……
「しかし先輩、後輩女子にエプロンなんて選ぶか?」
「うるせぇ! 文句言うなって言ったろうが! そもそもだなぁ」
「……ふ、けどありがとう。今後使っていく」
……たく、確かにちょっとプレゼントするにはダメなチョイスだとは思ったけど、まぁダメだった訳ではないようだ。
正直、めちゃくちゃ安心した所で会計を行い店を出る。心なしか冷泉の気分が良さそうに見えたのでどうやら成功のように思える。
しかし、いきなり先を歩いていた冷泉が立ち止まり、こちらへ振り返った。
「さて先輩。どうだ、練習にはなったか?」
「練習? 何の話だ?」
「はぁ……全く……誤解はしないでくれ。今日の件は先輩には感謝してるし、今度私の料理の腕を見せてやろう」
「お、おう」
「練習ってのは……西住さんの事だ。最近先輩の様子がおかしいのは誰が見てても分かる」
……そりゃ、バレるよなぁ。しかしそれと何の関係が?
「……察しが悪いな、だからその状態だと私達も困る。だから今度二人で出かけてくればいい。そのタイミングで、今の問題を解決してきてくれ」
「……はぁ!?」
「私じゃ力になれそうにないからな。だからこれくらいのお節介を焼かせて貰うさ」
「いや、でも」
「以前、先輩が悩んでいた時期があったらしいな。私はその時期を知らないが……なんとなくだが分かる。誰かに背中叩かれないと先輩は行動出来ないだろ?」
……はぁ……そうだな。世話をかけさせて申し訳ないな。
「だから、先輩から西住さんを誘ってやってくれ。じゃあ今日はここまででいい。あとは考えてくれ、何かあれば手伝うぞ」
そう言って冷泉は最後にこちらへ近寄ってきて、思いっきり背中を叩いてきた……正直、冷泉のような子から思いっきり叩かれても痛くはない……けれど、何故かとても痛いと思った。
そして先を歩いていった冷泉は、振り返り滅多に見せない笑顔を見せて、一言言ったように思えた。
「全く……しょうがないな、”兄さん”は」
あぁ……忙しかった。自業自得とはいえ、この一週間はとてつもなく仕事に溢れた毎日だったと言えよう……そして、後輩に背中を叩かれて勇気が湧いたこともな。
俺は今二回戦が始まろうとしている中、観客席でゆっくりと座り、試合開始を待っていた。
数少ないゆっくり出来る時間。しかし思い出すのは、試合会場へ向かうみほとの先程の会話だった。
『……みほ、すまなかった』
『……島田先輩?』
『アンツィオへ行く前から余所余所しい態度を取ってしまってた。変に悩みすぎてて、そのせいだ。みほと正面から話そうとは思っていたんだが、最近は時間が取れず……いや、言い訳だな。何を話せばいいかわからなかったんだ』
『……いえ、私が何か悪い事、気に触るようなことをしてしまったんだと思ってました』
『いや、みほは少しも悪くない。最近ちょっと悩み事があってな……情けない話だが、それせいでだな』
みほは正面から真っ直ぐ俺を見据えていた……いや、見てくれていた。
『……その悩みはもう大丈夫そうですか?』
『……ごめん、もう少し掛かりそうだ』
『そうですか……』
気を遣ってくれているのだろう。悩みの内容に触れようとはせず、俺の話をただ聞いてくれていた。
『ただな……伝えたい事があってだな』
『伝えたい事……ですか?』
『勝て』
『……え?』
『勝ってきてくれ……俺はまだお前達と、お前と戦車道を続けたい。笑顔になっていくお前を見ていたい。だから勝ってきてくれ』
『島田先輩……』
正直考えても考えても、みほの事をどう思っているのか……何を言いたいのか分からなかった。けど、今言ったことは紛れもなく本心であり、本音だった。
『……大丈夫です、島田先輩。見ていていて下さい。必ず勝って、みんなと……島田先輩と戦車道、続けてみせます』
みほは満面の笑みを浮かべてそう答えてくれた。思わず俺も笑みを浮かべてしまう。
『だから島田先輩、勝ったら……そうですね』
可愛らしく顎に手を当てて考えるみほ。少し考えた後にハッと何かを思い付いたように、こう言い放った。
『もし勝ったら一つお願いごとしてもいいですか?』
『あぁ、出来ることなら何でもしよう』
『なら、一緒にお出かけしてくれませんか?』
『お出かけ?』
『はい! まだまだ回ってないお店とかいっぱいありますから、一緒に回りましょう! 勝って、これからの試合の為に準備するものいっぱいありますから!』
みほはそう言ってみんなの元へ行こうとしていた。
『あぁ! 問題ない!』
『ふふ、それと! 島田先輩が大洗で最初の模擬戦をした時に教えてくれた事……先輩の周りにも沢山の人が、私もいますから! 悩みがあったら声に出して教えて下さい! ……私じゃ頼りないかもしれませんけど……それじゃ!』
えへへ……とはにかんだ笑顔を見せてくれた後、行ってきます! そう言って、みほは駆け出して行った。
「……よく考えなくてもこれ、フラグっぽくね?」
俺はそう呟いた。確かに俺はあの時に俺自身が述べた言葉は、本心だったと言える。どれだけみほとの距離感に悩んでいたとしても、神からの課題の条件だったとしても、そんな事は抜きにして心の底からの本心だと言い切れる。
だけどあのやり取り……めっちゃフラグっぽくて変に不安になってきた。別にみほを信頼してないとかじゃない。むしろめちゃくちゃ信頼してる。あの時の笑顔は最高に綺麗だったし、お願いをしてきた時の顔は恥ずかしそうにしてて物凄く可愛かったし……じゃなくて! 取り敢えずみほへの信頼度120%なのだ。
……誘われるとは思わなかったなぁ……冷泉には怒られるかもな。あまりにも贅沢な問題だなと笑みが溢れた。
さて、もうそろそろ試合が始まる。だと言うのに……だからこそ、か? 体が震えて止まらない。ずっとそわそわしていた。
そんな俺に話し掛けてきた人がいた。
「……そんなそわそわしてどうしたのかしら? 湊さん」
「凛ちゃん!? それにペコちゃんとアッちゃん……ケイまで!?」
「そんな驚かなくてもよろしいのに……」
そう、そこには聖グロリアーナの三人とケイがいた。ケイはまだ一回戦のこともあり、応援しに来てくれたのはわかる。だが、凛ちゃん達はまだ勝ち進んでおり、次はあの黒森峰。ここに居ていいのかという疑問を抱く。
「ぶー、私が最後に呼ばれるなんてミナトー、少し薄情じゃなーい?」
「私の事をペコちゃんと呼ばないでくださいとあれ程言っていますのに……」
「諦めなさい、ペコ。この手のタイプは指摘すればするほど調子に乗るタイプですよ」
「お、よくわかってんじゃんアッちゃん。それとケイ、そこに他意はないから気にしないでおくれよ」
「ふーん……ま、いいケドねー! それよりそれより! 今回はどんな作戦なの? ミナトー!」
「距離感! 近すぎ! 離れろ!」
遠慮なく距離を詰めてくるケイを避ける。不服そうにしているケイを相手しているうちに、聖グロの面々はいつの間にかに、一回戦と同じように明らかに目立つお茶会の場を整えていた。
そちらを見ると、凛ちゃんが鋭い目をして俺とケイを見据えていた。
「……サンダースとかなり仲がよろしいんですのね? 今から母校が試合をするというのに、違う学校の女子生徒を侍らせ鑑賞ですか? これをみほさんが知ったらどう思うでしょうね?」
「ヤメロォ!!」
「いい気味ですね、湊様」
マジで言わないでください、俺悪いことしてないです、ちゃんと避けてます。
それよりも、だ。
「試合を見に来てくれて嬉しいけど凛ちゃん、そっちは大丈夫なのか? 次はあの黒森峰だろ? 練習とかいいの?」
「……あそこは直前の付け焼き刃でどうにかなるチームではないわ。日々の積み重ねが一番物を言う相手。真正面から正攻法でくるのであれば、こちらもそのやり方に乗っ取って戦うつもりよ……まぁある程度策は用意してるけど」
「まぁ……確かに」
「それに、試合に見に来てくれて嬉しいとミナトさんは言うけれど……私は応援よりも偵察の方が意味合いが強いのよ? 黒森峰とは違い、大洗は何をしてくるか予想が非常にし辛いの。なるべく情報を集め、予測の精度を上げる方が有意義と思ったのよ」
「あー確かにそうかもねー。ミホはマホと違ってびっくりするplay style だから」
「なるほど……」
「一回戦を見て、警戒レベルを更に上げるべきと判断した。それだけの事よ」
言うべきことは言ったとばかりに、紅茶を飲む凛ちゃん……なんというか、先を見据えてるなぁ。
「まぁ確かにそれを加味しても、黒森峰は到底度外視出来るチームじゃ無いけど……気にし過ぎてもしょうがないわ。まずはこの試合を見ましょう?」
凛ちゃんの一言で四人は無言となり、試合開始を待つ。見据えるは大洗とアンツィオ。待つ時間の間、ずっと心臓が鼓動し脈を打つ音が大きく聞こえる。
そして……試合の幕を開けるブザーが鳴り響いた。
皆さんお久しぶりです。言い訳はしません。
確かに勤務が忙しくなった事、諸事情等ありますが、一番はやはりモチベが全くなくなってた事が作品投稿していなかった原因です。
しかしモチベが回復し、別でリハビリしながらこちらも進めていきたいと思っております……今更ですが。
また、少し空いて書き溜めを準備してから、一気に投稿しようかな?と思っています。
待ってくれていた方、申し訳ありませんでした。そして、ありがとうございました。
これから再び頑張っていきますので、よろしくお願いします。
追記:色設定初めて使用してみました。どこに使用したか……バレバレですかね笑
そして……
アンツィオでは弾き語りで
UNISON SQUARE GARDENより
kid,I like quintetto
リニアブルーを聴きながら
シグナルABC
Invisible Sensation
シュガーソングとビターステップ
ここから演奏したのでしょう。
また、
・単独でアンツィオ高校に赴き、屋台を手伝うこと
これを達成し、残りが
・カチューシャを肩車する
・西住しほとみほを和解させる
・西住みほ率いる大洗学園を優勝させる
・西住みほ率いる大洗学園を大学選抜チームに勝利させる
・ミカと一晩を過ごす
となっております。