「……あんな作戦初めて見ました」
「ペコちゃん、何処かで見てたら俺はびっくりしたよ。てか絵の完成度すっげぇたけぇし」
「しかし……なぜ数を合わせなかったのでしょうか? ダージリン、分かる?」
「……」
「凛ちゃん考えても無駄だぞ。あの作戦を実行した子、俺の想像通りなら残念な子だから……」
「あはははっ! アンツィオってとってもInteresting! カルロ・ベローチェもキュートねぇ〜、しっかしあの八九式よく当ててたわよねぇ」
「あれがもっと火力のある戦車だったら相当手強そうですね、ダージリン様」
「そうね、ペコ……後はまぁ気になった事と言えば、セモヴェンテと三突の撃ち合いね。あれは冷静に距離を置いて……」
「いやいや! あの鍔迫り合い、戦車道だからこそ起きた事で、めちゃくちゃ熱い戦いだったろ! いやぁ、カエサル達やるなぁ、あのセモヴェンテも。だろ? アッちゃん」
「……私はダージリンに賛成ですが……」
「なんて事だ……」
「私はあの競り合い、いいHeart感じられて好きだったけどなぁ〜!」
「……ダージリン様、このお二方は聖グロとは相容れぬようです」
「まぁまぁ、ペコ。私達は淑女。いかなる時も優雅にそして大胆に。いいじゃないの」
「はいっ!」
「仲良いいこって……お、そろそろかな、ってあいつら……まーた宴会始めるつもりか。ちょっと顔出してくる」
「湊さん楽しんでらっしゃい。私達はもう帰るわ……三回戦も楽しみに待ってるわよ」
「私は勿論、ミナト達を応援してるからねー!」
結果は大洗学園の勝利と二回戦は幕を閉じた。滅多に見る事が出来ない精巧に作られた看板を使った作戦には、観客達へ驚きを与えたであろう……もっとも、合計数を超える看板を配置したこともまた、別の意味で驚きを与えていたのだが。
湊はゆっくりとみほ達の元へ向かう。アンチョビが試合後の挨拶を終え、盛大なる宴会を始める為に指示を出してるのが見えた。
「我が校は食事に為ならあらゆる労力を惜しまない! ……この、この子達のやる気が試合に活かせるといいんだけどなぁ……それはそれとしてー、っておっ? おーい、島田ー!」
「……え? あ、島田先輩!」
俺が近づいて来たのが見えたのか、アンチョビとみほから呼ばれる。
「まぁまぁアンチョビ、そこがまたお前達の良いところだろ?」
「まーそうなんだけどなー! って準備出来たんだし、そらそら、全員食え食えー!」
いただきまーす!!
試合を終えた会場に、多くの生徒達の声が響く。元気よく、気持ちい食べ方をしていく生徒達。俺も一口頂くが……うん! こりゃうめぇ!
「島田先輩」
「……おつかれ、みほ。今日もまた良い試合だった」
「ありがとうございます! ……アンツィオの皆さん、とても良い人ばかりですね」
みほが周囲の生徒達を見渡す。そこには笑顔しか見当たらない。先程まで試合を繰り広げ、勝者と敗者を決めたものには見えない。
少しのわだかまりがあってもいいのに……それを全く感じさせないのは、経験の浅い大洗と何事にもノリで答えるアンツィオだからこそなのか。みほにはこの光景がとても尊く……眩しいものに見えた。
「……良い奴らだろ?」
「……はい!」
「……改めて言おう。勝利おめでとう……そして、ありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございました! それでですね……」
「あぁ、分かってる。あの約束は……」
「なーにしんみりしてるんだ二人とも! ぱぁーと楽しめ!」
みほとの会話中に、アンチョビが混じってくる。みほに目を向けると、目があってしまい思わず笑いが溢れた。アンチョビは不思議そうに首を傾げていたが、俺とみほは今はこの人達と楽しむべきだなと思い、話は後にする。
さらにそこへ、
「先輩……来てたのか」
「お疲れ様でした! 先輩殿!」
「あー! ねぇ聞いてよ島田先輩! みぽりんてば、試合開始前に走ってきたと思えば、戦車の中で待機時間までずっとボコ抱きしめてたんだからね〜!」
「んっ! さ、沙織さん!?」
「何かありましたか? と聞いても答えてくれなかったですし……まぁ先輩が関わってるって一目瞭然でしたけど」
「華さんまで!? べ、別に違いますよ……」
「嘘つかなくていいじゃんみぽりーん」
武部等を交えて、さらに賑やかになる……やっぱりあの時にみほへ話しかけ、本音を言えた事は間違いではなかったのだと安心した。
「むむっ? もしかして島田と西住は付き合ってるのか」
「そそそそこまでは……」
「そそそそうだな! 仲良いとは思ってるけど!」
「何で二人ともそんなに焦ってるの……」
思わぬアンチョビの問いかけに動揺する。武部、うるさいぞ!
「怪しい……まぁ、後で問い詰めるとして、島田! 折角の宴会なんだ! 盛り上げを頼みたい!」
「問い詰めるのはやめてくれ……まぁいいとして、そう言われると思って持ってきて正解だったな」
いいとしてってどういうことですか!? と焦るみほを笑いながら誤魔化して、準備を始める。
やっぱ騒げる時は騒ぐべきだよな。飯を皿に盛り分けた生徒から徐々に集まってきて、完全に俺待ちとなった。
「大洗とアンツィオのみんな! 素敵な試合をありがとう! 更にアンツィオのみんなはこんな場まで用意してくれて、本当に感謝してる! アンツィオのみんなの分まで、三回戦は大洗全員でより一層頑張っていこうぜ!」
俺が一言告げて、おーっ!と周囲から声が上がる……ほんといろんな客が存在して、それぞれに楽しみを見出してきたけど、特にアンツィオのみんなはノリが良くていいな!
そう思って俺はアコギを構えた。
「美味しい飯が冷めないように、食いながらでいいからBGMとして楽しんでくれ! じゃあ行くぜ!」
『オトノバ中間試験』
海上のとある学園艦にて……
そこで淑女達は優雅に紅茶を嗜んでいた。かたや手堅く連勝を続けている者、かたやあの黒森峰を
連勝を続けている高校ープラウダ高校隊長は負けてしまった高校ー聖グロリアーナ女学院の隊長へ言葉を掛けていた、
「ふん! 何負けてんのよ! あんな啖呵切っておいて……私自身が貴女達を倒して優勝しようと思ってたのに!」
「ふふふ、申し訳ありませんわカチューシャ。しかしそれだと次の試合も既に勝った気でいるのかしら?」
「そんな訳ないじゃない。ミホーシャだけなら分からなかったけど、あの子を支えてるのがナトーシャなんだから……ま、それでも勝つけどね! 」
聖グロリアーナ隊長……ダージリンは笑みを崩さない。その態度に納得がいかないカチューシャは更に問いかける。
「……何で負けたのにそんな顔出来るのよ」
「何ででしょうね……勝負は時の運とも言いますし……何より、何処かの誰かさん達が発破をかけてくれていたお陰で、悔いを一つしか残さずに終われたからでしょうか。勿論、残っている悔いは優勝出来なかった事だけれど」
「それが気になるって言ってんのよ」
「あら? 貴方なら分かっているとばっかり」
お茶目に舌を出してウィンクをするダージリン。その態度に更に不機嫌になるカチューシャだった。
「確かに悔しいわ、けどそれ以上に得た物があったから今は満足感で胸がいっぱいなのよ」
前隊長アールグレイと協力し、新戦車であるコメット巡航戦車を3両も導入した事により、機動力を生かした戦術を導入出来るようになった。正面から得意とする浸透強襲戦を実施、その最中にコメットによる挟撃及びヒットアンドアウェイを繰り返し行う作戦により、黒森峰をあと一歩まで追い詰める事が出来たが、最後に詰め切ることが出来なかったのだ。
……まぁコメットを導入してもなおクルセイダーに乗り続けた戦車長が居たらしいがここでは割愛する。
あの黒森峰をあと一歩まで追い詰め、後輩達の為に新戦力を残すことが出来た。負けた時にはオレンジペコを含めた後輩達を泣かせてしまったが、一方で私達でも優勝しうる可能性を示すことが出来た。その事実だけでダージリンの隊長としての責務は最低限の全うすることが出来たと思っている。
あの子達なら、いずれ打倒黒森峰を成し遂げる事が出来るだろうと……確信して。
「……だからアンタは甘いのよ。自分が成し遂げなきゃ意味ないじゃない」
「まぁ、それはそうねぇ……でもそんな甘さを私は嫌いじゃないのよ。それで、カチューシャの方はどうかしら? こうしてティータイムに誘ってくれたことは嬉しいけれど……練習や打ち合わせは良いのかしら?」
先日の大洗の二回戦目で自らにされた質問と同じものをする……ダージリンは答えがある程度予測できているが。
「そんなもの、とっくの昔に終わらせてるわよ。全員であの試合を鑑賞しながら、意識の共有までしてね……しかしミホーシャは勿論だけれど、あのチームほんと急造チームなの? 練度の上がり幅が洒落になってないわ。これはミホーシャの実力? ……もしくは、ナトーシャのマネージャーとしての資質、なのかしら? 」
でも、とカチューシャは一呼吸置いて更に続ける。
「今のところは問題ないわ。どれだけ練度が上がってこようとも、どこからか新しい戦車を持ってこようとも……例え私の左腕が敵だろうとも、ね」
そう言ってカチューシャは凄惨に笑い、ジャム舐め紅茶を飲む……ジャムを口の周りに付けてるので台無しだが、ダージリンはそれも含めていつも通りだなと思い、共に笑う。
「ジャム、付いてますよ?」
「ノンナ、余計な事言わないで!……とにかく! 準決勝のレギュレーションではそもそも戦車数15両、その時点で大洗の不利よ。増やしてくるとしても、一週間じゃ無理……出来たとしても1、2両が関の山。これでも余分な考察と思ってるわ。ただ……
あのナトーシャが何の考えもなく、今大会の優勝は大洗が貰う……なんて言うはずがないわ。何かあるはずよ、最初にも言ったけど油断なんて全くないわ」
「あらそう。随分と湊さんの事買ってますのね」
「当たり前じゃない! なんたってカチューシャの左腕なんだから! ね、ノンナ」
「……その通りです、カチューシャ」
「あ! 良いこと考えたわ!」
途端に笑顔となるカチューシャ。この顔を見れば普通の少女なのだが、こう言う顔をする時の彼女は、とんでもない事を言い出すとダージリンは知っている。
まぁ、いつも通り軽く流せばいいかと考えていたが……
「サンダースはあろうことかナトーシャを転校させようとしてたみたいだけど、私達が勝ったらナトーシャ貰っちゃおうかしら! 良い案だと思わない? ノンナ」
「それはそれは……妙案ですね。電話も頻繁にする必要もなくなりますし……なんせすぐ側にいることになりますし、我々の発展に繋がります」
「だ、ダメよ! それはダメ!」
思わず立ち上がってしまい、かちゃり……と置いたコップで音を立ててしまうダージリンだが……
「あら〜黒森峰に負けたのに満足してる負け犬の声が聞こえるわね〜」
「どうしましょうか? 追い出します?」
「貴女達ねぇ!?」
淑女達のお茶会に笑い声が響く。それは傍から見ればとても楽しそうであるが、カチューシャの顔は本気であるとダージリンは察していた。これはどうやっても大洗に勝ってもらわなければ……そう思うダージリンであった。
淑女達が話の話題としていた当の本人はその頃……大洗学園の倉庫にて、疲れた様子で体を壁で支えるように立っていた。
「長砲身付けたついでに外観も変えてみました」
「ありがとうございました!」
そうだな、ついでに……な。君たちのついでという言葉の意味を知りたいよ。俺にとってはガチガチの改装だったんだけど。てか途中からめちゃくちゃ楽しんでたよな? あれもこれも変えようか〜とか、時間足りなくなるよ……
その後、ルノーへ搭乗する園達を紹介し、冷泉と園の仲良く会話していたりするのを見ていた。そんな時、みほが隣に移動してくる。
「……島田先輩もありがとうございますね、私たちの戦車のこと」
「あ〜気にするな。これが俺たちの仕事だし、唯一出来ることはなんだからな」
「それでも、ですよ? それにその唯一がとても頼りになるんですから……と、ところでですね? あの、試合前に話した……」
あぁ、その話をしようかと思ってたんだ。みほへ時間の話をしようとした時、河島の声が響いた。
「さて、次はとうとう準決勝。しかも相手は去年の優勝校、プラウダ高校だ! ……絶対に勝つぞ、負けたら終わりなんだからな!」
「ん〜どうしてですか?」
河島の発言に対し、一年生達が不思議そうに疑問を提示していく。
「負けても次があるじゃないですか?」
「相手は去年の優勝校だし〜」
「そうそう、胸を借りるつもりで……」
「それではダメなんだ!」
……一年生達から上がる声に対し、河島の張り上げた声が倉庫内に響く。恐らく一年生はちょっとした疑問だったんだろう。だが、それは知らないからだ……三年の付き合いもある俺すら伝えられていない事実を。
倉庫内が静かになる。それは、いつもと違う河島の反応に困惑していることで訪れたものだ。そこへ、やはりいつもとは違う様子で角谷が付け加えた。
「勝たなきゃ……ダメなんだよね」
そこにはいつものおちゃらけた様子はない。ただ、本当にそう思っている事だけは分かる……分かるのだが、やはり尚更みんなの困惑が加速する。
「……そうだよな。だって勝たなきゃ、少なくとも『俺達』の戦車道はここで終わっちまう」
「……島田」
「俺たちはもう三年。自動車部もツチヤを除けば三年だし、ルノーに搭乗する為に加わってくれた園だってそうだ。俺達がお前達と出来る戦車道はこの一年間が最初で最後。負ければそこで終わりだ。
……俺はもっとみんなと戦車道、やってたい。そりゃすっげー疲れるし、ナカジマ達は喜んで仕事増やすし、角谷達は人使い荒すぎだし。けど、まぁーなんだ? 楽しいからさ。次があるから負けても……なんて言わないでほしいかな。ちょっと悲しい」
「い、いや! 島田先輩も河島先輩も、そんなつもりで言ったんじゃなくてですね〜!?」
「……くくっ、分かってる分かってる。ほら、みんな! 桃ちゃんが言ってたように、次は準決勝だ! やれる事やってきたし、十分に自信持っていろよな! 体を休める事も大事な仕事だから、練習はがっつり! 休む時はとことんだらけろよ!」
桃ちゃん言うな! と、河島からは蹴られ、ナカジマ達は仕事楽しいからしょうがないよねぇなんて言ってる……角谷と小山からだけ、少し視線を感じたが……これは俺の本心でもあるから。
三年生達は互いに笑い合う。どうやれば年上らしい姿を後輩達へ見せる事が出来るか……そして、誇ってもらえるような立派な先輩になれるかを考えながら。
いつの間にかに、すれ違いと不安を生み出しそうな雰囲気は消え、いつも通りの調子の良い声が倉庫内には響いていた。
練習終わりにみほが生徒会室に呼ばれていた……何故か俺も一緒に。いや、何故……なんてとぼけるのはよそう。恐らく角谷達は例の件を話そうとしている……と思う。
「見てみて〜これなんかあの河島が笑ってる」
「なんでこんなものまで見せるんですか!?」
「あははっ! 似合わねぇ!」
「島田ぁ! 表でろ!」
「一人だけコタツの外に出てるんですけど? 毛布なんですけど? 」
「じゃあ入ればいいじゃん」
「……流石に入ったらまずいだろ」
「いや……あの、話って……」
……しかし、呼んだはいいものの、本題へ入る気配がない……分かってる。言いたくないし、話した事でみほへ変な負担を掛けたくないのだろう。
話はどんどん変わっていく。
体育祭や学園祭、合唱祭の時に寝泊まりしたこと。あーほんと楽しかったよなぁ、学園祭じゃあ体育館でライブさせて貰ったし、やっぱ新鮮だったよ。合唱祭はまさかうちのクラスだけ弾き語りだったし。
大カレー大会なんてあったな。うめかったなぁ、あのカレー。そりゃ味に統一性なんて無かったし、誰か具材の中に油揚げとかたけのことか入れてたけど、意外に合うんだよそれが。
生徒会はこのメンバーで一年の頃からやってる。ちなみにこいつらが就任する前から俺付き合わされてたんだからな? ほんと忙しかったよ。二足どころか三足のわらじだよ、いやマジで。
仮装大会の写真もあるのか。角谷の魔女は似合ってたな。小さいから魔法少女っていってぇ! もの投げんな! 小山の妖精はまぁ違和感なかったな。しかし、河島の……くくっ、カボチャってなんだよ。
夏の水かけ祭りに泥んこプロレス大会……まぁここらへんは黙秘します。男子は別だったからな……
そんな学園生活を振り返り、懐かしそうにする……そんな時俺の胸の中に、何か……引っかかるものがあった。そうだ……原作じゃ写真一枚だけ、たったそれだけのシーンだ。だけど、知ってる。俺は確かにこの写真の背景を知ってるんだ。
「……楽しそう、ですね」
「うん、楽しかった」
「本当に……楽しかったですね」
「あの頃は……」
「おいおい、何しんみりしてるんだよ。みほもこれら全部楽しそうなんだろ? これからお前達がやっていく事だ。まぁ……新しい生徒会の企画にもよるけど」
思い出に浸り、無言でも息苦しさなど感じられない雰囲気となるが……やはりみほだけは、呼ばれた理由が気になるようで……周囲を見渡しながら、最後に俺へ疑問を浮かべた表情をしていた。
「……さて、そろそろ帰るか〜みほ」
「……えっ? あっはい!」
「お前達も夜遅くならないようにな。俺はみほを送っていくから」
「うん、わかったよ……気をつけて帰ってねぇ〜西住ちゃん」
結局……伝える事が出来なかった角谷達を置いて、俺とみほは生徒会室から出て、帰路を歩む。現在この艦はプラウダ戦の為に北へ向かっており、それの影響か夏のはずなのに雪が降っている。そんな中、互いに無言でただただ足を進めていた
「……そう言えばみほ」
「はっはい! 何ですか島田先輩?」
「試合前の前日、休息も兼ねて休みにしているだろう? 戦車の整備については……自動車部のみんなに頼んだ。だからその日、その日に出掛けようか」
「試合前日ですか? ……分かりました!」
「そんで前に約束してた朝ご飯作りにいく話。あれも含めて、朝迎えいくよ。家で朝食作らせて貰って……その後出掛けようか」
「……えっ? えっ?」
みほは降りしきる白い雪の中、茹で上がったように赤い頰をしていた……言ってる俺も恥ずかしいんだからな?
「いや、でもあれはその場の勢いというか……なんというか……」
「……まぁまぁ、これも一つの思い出だ。嫌なら普通に集合でもいいが」
「……いえ、そうして……くれますか?」
悩んだそぶりを見せつつも、了承してくれた。一方で顔を下に向けてしまい、その表情は伺えない。
「よっし、そんじゃ決まりだな。じゃあそれまでは気を引き締めて練習……頑張ろうぜ」
白い雪とは別に、白い蒸気が出てそうなみほ。小さく頷いた姿を見て、無意識に笑ってしまった。もー、なんで笑うんですかー! と威嚇するように言い放つみほの姿は……とても輝いて見えた。
UNISON SQUARE GARDENより
オトノバ中間試験 です。
是非聴いてみて下さい。
アンツィオ戦は……正直変わる要素が思いつかなくて、このまま行きました。さぁ問題は第三回戦だ。
その前にちょっと挟むけど……