まゆ「あのぉ、プロデューサーさんに大事な話がありますので、ご自宅に伺ってもよろしいですかぁ?」 作:offered
原作:アイドルマスター シンデレラガールズ
タグ:R-15 残酷な描写 アンチ・ヘイト デレマス ヤンデレ 佐久間まゆ
諦めようと思ったプロデューサーとの恋。
しかしまゆは知ってしまったのだ、彼によって担当アイドル達を守るために自らを犠牲にしていたという事実を。
まゆは自分自身と彼が守ろうとしたアイドル達を呪った。
プロデューサーにそこまでさせていたのに何も知らず過ごしていた事が許せなかった。
まゆは会社と、自分自身……そしてプロデューサーさえも陥れる計画を練った。
全ては彼を守るために。
巨悪と戦うヤンデレサスペンス!
まゆは悪の346プロダクションからプロデューサーを守れるのか!?
実在の団体、声優さんなどは無関係です。
ご指摘やご感想などあればどしどし募集しております。
モバP「自宅は避けてていただきたいのですが、事務所では駄目なのでしょうか」
まゆ「はい、デリケートなお話ですので……」
まゆは緊張した私の表情を見て目を細めて柔らかく笑った。
彼女、佐久間まゆをスカウトしてからしばらく経ち、仕事の都合上彼女をプロデュースする時間が減っていた。。
自宅への訪問を許したのはプロデューサー、マネージャーとして彼女の力になれない罪悪感もあったからだ。
本来ならばどうしても避けるべきなのは十分に分かっていた。
モバP「では、本日18時でよろしければすぐにでもお話を伺えます」
佐久間さんはバッグから手帳を取り出し、しばらく眺める。
人差し指を立て、少し考えた様子で頬に指を当てた。
まゆ「はぁい、では後でご自宅に伺いまぁす、うふっ」
モバP「お手数ですが、よろしくお願い致します」
手を振りながら事務所を出て行く佐久間さんにお辞儀をする。
そう時間がないので、急いで仕事を終わらせなければなりませんね。
――モバPの家――――
私が部屋についてすぐ、呼び鈴が鳴った。
――17時50分。
ギリギリ間にあった、と言うところでしょうか。
インターホンを取り、佐久間さんの姿を確認してオートロック解除ボタンを押した。
佐久間さんはサングラスを取って監視カメラに手を振りマンションの中に入ってきた。
部屋に迎え入れ、リビングへと佐久間さんを案内した。
モバP「佐久間さん、そちらのソファへおかけ下さい。 私は飲み物を用意してきます」
まゆ「はぁい」
台所で紅茶を煎れ、棚に置いておいたお菓子を皿に並べた。
急な打ち合わせなどがあっても対応できるように用意しておいて良かったです。
モバP「お待たせしました、お口に合うか分かりませんが」
まゆ「ありがとうございまぁす、プロデューサーさんの用意してくれたものなら何でも好きになりますよぉ、うふっ」
佐久間さんはニコリと笑い、ティーカップを見つめている。
紅茶の香りを楽しんだり、なんだか幸せそうに見える。
バッグの中からお菓子を出してお皿に広げている。
佐久間さんはチョコレートがお好きなようですね、今度事務所までお土産に持っていくことにしましょう。
まゆ「近頃プロデューサーさんは忙しいみたいですが、お体は大丈夫ですか?」
モバP「ご心配ありがとうございます。 私は特に問題有りません」
まゆ「ふぅん……問題……無いのですかぁ」
一瞬、佐久間さんの瞳に炎のような熱が籠もったように感じてしまいましたが、気のせいでしょう。
モバP「あの……言い出しにくいことかもしれませんが、私に相談とはなんでしょうか」
まゆ「あのぉ、プロデューサーさんにこれを見ていただきたいのですが、こちらまで来ていただいてよろしいですかぁ?」
佐久間さんはスマートフォンを取り出すと、持ってきたチョコレートを口に含んだ。
私は彼女の方へ回り込み、スマートフォンの画面を見ようとかがみ込む。
モバP「っっ!」
佐久間さんを押し倒すように倒れ込んでしまった。
幸いにも腕を突っ張ることができたのでぶつかることはなかった。
落ち着いてみると、佐久間さんが私のネクタイを引っ張っていた……ようだった。
次の瞬間、首の付け根を引っ張られる。
――甘いチョコレートとウィスキーの味が口中に広がる。
口の中に甘い香りと柔らかいものがかき回された。
佐久間さんは数瞬、右の方へ目をやり、私の目を見つめてきた。
まゆ「ごめんなさぁい」
佐久間さんが私の口と鼻を手で押さえる。
苦しくてつい、口の中の物を飲み込む。
熱い物が喉を降りていった。
モバP「佐久間さん、何を……」
まゆ「プロデューサーさぁん、まゆと一杯お話ししましょう? うふっ」
混乱と熱が毒のように体を巡っていく。
なんだか自分が自分でなくなって――――。
まゆ「きっと今日は運命の夜になると思うの――」
――――――
――――
―――
―
チャイムが鳴らされる度に頭がガンガンして、首筋や背中がひりつき痛む。
いつの間にかソファで寝てしまっていたようだ。
インターホンのスイッチを押すと、3人のスーツを着た男達が立っていた。
男「こんにちは、モバPさんですね? こういう者ですが、少々お話を伺いたいのですが」
男は手帳を広げて見せる。
見たことの有る……警察手帳のようだ。
モバP「はい、では……」
オートロックを開け、ふと目を落として自分の姿を見た。
依れたワイシャツだけ――――。
体には無数のひっかき痕。
部屋にはすえたような、甘いような匂いが充満している。
散乱したティーカップとクッキー、ソファには……。
ハッとして服を探す。
私は、何を?
チャイムが鳴る。
ズキズキと痛む頭を押さえて、服を集める。
まさか――――――そんな。
頭痛と目眩がグルグルと、襲い続けてくる。
――――――
――――
―――
―
私は本社の一室に呼び出されていた。
数日間シャワーも浴びられず、無精髭も伸びたままだ。
この数日間、自分が何をやったのかを散々聞かされた。
うっすらとした記憶では、佐久間さんに頬を押さえられ、何度も、何度も――。
……なんてことをしてしまったのだろうか。
尽きることのない後悔が頭の中を回っている。
ガチャリとドアが開き、美城常務と女性秘書が入ってきた。
美城常務は私を見て深いため息を吐く。
美城「大変なことをしてくれたわね。 まぁ、手は打たせて貰ったわ」
モバP「申し訳……ありま…せん」
美城「ちょっと外してくれる?」
美城常務がそういうと、女性秘書は部屋から出て行った。
美城「聞いて……まず彼女、佐久間まゆとは和解が成立したわ」
美城常務は私の隣に腰掛けた。
美城「あなたは書類送検されて……あなたの活動は休止。 プロデューサーも降りてもらう事になった」
モバP「はい、もう彼女達のプロデューサーなどと……名乗れません」
美城「相手が相手だし、名前も記事も出ることは無いわ。 それで――」
秘書「ちょっとあなた―――どうし――」
ガチャリ、と音がした方を振り返る。
ドアがゆっくりと開き……隙間から佐久間さんの笑顔が覗いていた。
まゆ「プロデューサーさぁん、会いたかったのぉ。 うふっ」
私ははじけ飛ぶようにソファを立ち、佐久間さんに土下座をした。
頭を擦りつけ、震える声で許しを請う。
まゆ「プロデューサーさぁん、顔を上げて下さぁい。 うふっ、かわいい……」
佐久間さんは私の顔を両手で優しく覆い、私の顔を上げて見つめている。
罪悪感で、あごが震えて歯がカチカチと鳴ってしまう。
美城「あなた何をしに来たの。 彼には罰を与えて、伝えさせて貰うわ」
まゆ「まゆね、ずっとプロデューサーさんに会うの我慢してたの。 いいでしょ」
ニタァ、と佐久間さんは微笑んだ。
まゆ「これを見て欲しいわぁ」
佐久間さんは立ち上がってスマートフォンを取り出し、動画を再生した――。
―――
――
美城『シンデレラガールズプロジェクトを続けたいの』
モバP『お願いします、彼女達は必ず輝くことが出来ます』
美城『そ、じゃあ条件をのんでもらう必要があるわ』
美城常務はハイヒールを脱いで机の上に脚を投げ出す。
何をするのか理解出来なかったモバPは、そのまま固まっている。
美城『舐めなさい―――そう、良い子だわ』
美城『あと、あなたにもアイドルとしてデビューして貰うわ』
――
―――
ギリ……ギリ……
佐久間さんが目を見開き、激しく爪を噛み、歯を鳴らしている。
綺麗に作られたピンクのネイルが歪み、割れてかけらが少し落ちた。
まゆ「はぁ……はぁ……」
まゆ「殺す……ころす……」
まゆ「はぁ……はぁ……」
少し経ってから、佐久間さんは美城常務をにらみつけ、スーツの襟を握った。
まゆ「泥棒猫……まゆの……」
まゆ「あのぉ、常務さぁん……プロデューサーさん、まゆの……二度と……手を……」
美城常務と女性秘書は真っ青な顔になって怯えているように見えた。
その様子を見て、佐久間さんは歯をむき出しにして笑う。
まゆ「プロデューサーさんを別の名前に……アイドルにして……盗んで……」
まゆ「まゆの……プロデューサーさんなのに……」
まゆ「今度……したら……この動画が週刊誌に……テレビ局に流れますよぉ……」
佐久間さんは美城常務から手を離し、私の方を向いた。
まゆ「プロデューサーさぁん、まゆね、ずっとプロデューサーさんが好きなのぉ……」
まゆ「プロデューサーさんをしつけ直してあげますねぇ……」
まゆ「まゆね、プロデューサーさんにこんなことをさせたシンデレラガールズプロジェクトが……皆が憎いの」
まゆ「まゆも……まゆも憎いの」
まゆ「今度ね、プロデューサーさんにこんなことさせたらぁ……皆、ころ…ちゃうからぁ……うふっ」
まゆ「だから、ずーーっと、まゆと一緒にいてね……」
まゆ「それが……プロデューサーさんへの……罰だよ……」
おわり
Side Mayu があれば分かり辛い細かい部分が分かります、