ヴィランのヒーローアカデミア 作:カオス
すまない
オールマイト「今回の戦闘、MVPは誰でしょうか!?」
変態女「はい!耳郎さんです。上鳴さんはそもそも活躍できてませんでしたし芦戸さんは先頭の最中、危うく人に思いっきり酸をかけてしまう所でした。影詩さんにいたっては、戦闘中に寝るという愚考を犯しています。耳郎さんは索敵や作戦を立てました。戦闘はいい結果ではありませんがそれを踏まえてもMVPは耳郎さんだと私は思います」
オールマイト「…正解(またしても全部言われた)」
オールマイト「影詩少年。一つ聞いてもいいかい?」
影詩「…なんでしょうか?」
オールマイト「なぜ戦闘中に寝たのかをね?」
影詩「…眠たかったから」
みんな「「「「はぁ?」」」」
影詩「眠たかったから寝た」
変態女「影詩さん!あなたは本当にヒーローを目指すという自覚はあるのですか!!」
みんなも同意見だったのか黙って二人のやり取りを見つめる。
影詩「オールマイト、あとはみんなの戦闘を見ていればいいだけか?」
オールマイト「えっ?あ、そ、そうだね。時間的にもそんなに余裕はないし一人一回の戦闘っていう事になっているが…」
影詩「ならもう早退する。これ以上いても時間の無駄だし、戦闘とか個性とかも余り興味ねぇからな」
オールマイト「え、わ、わかった!」
俺はポケットに手を突っ込み、扉に向かって歩き出した。
変態女「逃げるんですか!?」
影詩「……」
俺は無言で扉をくぐり寮へと歩を進めた。取り残されたクラスメイトは重い感じの空気になっていた。
影詩「ヒーローなんか真っ平ゴメンだ」
俺はベットに倒れこみすぐに寝た。そして懐かしい夢を見た。そう前世の夢だ。前世は自他共に認める極悪人だった。窃盗、殺人、性的暴行、放火…挙げたらきりがないほど罪を犯してきた。しかし俺も元から悪人だというわけではない。父がいて母がいて祖母がいて祖父は俺が生まれる前に寿命死したがそれでもどこにでもある一般家庭という奴だった。そうあの日までは…
ある日、父の会社が倒産した。俺が3歳の頃だった。父はその連帯保証人として多額の借金を背負わされた。勿論、家族はばらばらになった。父は借金を返すために夜遅くまで仕事をして、母はアルバイトの掛け持ちで夜遅くまで。祖母は今年でやめるといっていた仕事をやめず、ずっと続けていた。
家は売り払い、ご飯は1日一食多くても二食。そしてご飯の内容はいつも、もやしと醤油だけ。または母のアルバイトで貰ってくるパンの耳だけであった。家にいてもだれもいなくて夜10時くらいにみんなが帰ってくるほどであった。
家は売り払ったので一部屋のアパート暮らし。しかもおんぼろで俺ら一家以外では三件ぐらいしか住んでいない。不幸中の幸いかそれが意味を成して大声を出してもそのアパートの住人には聞こえなった。だから毎日来る借金取りの大声も響かなかった。俺はそのとき
そしてついに家族が本格的にバラバラになった。まず祖母が死んだ。過労死だ。64歳で死んだ。無茶な働き方をしなかったらまだまだ生きていけたはずだと医者は言った。そしてその半年後、母も死んだ。栄養失調だ。正確には栄養失調にストレス、そして過労で死んだ。30歳で死んだ。そして俺と父だけとなった。祖母が死んで一年、父も死んだ。自殺との事だった。正確には首吊り自殺。そして俺には遺書が渡されそれには『すまない』とかかれていた。このとき俺は6歳だった。
俺以外の家族全員が死んでどこに引き渡すか親の従兄弟で言い争っていた。当然誰も引き取らない。引き取ったらまだある多額の借金も背負う事になるからだ。そして俺は最終的に借金取りに売られた。人身売買というやつだ。まさか日本にあるとは思いもしなかった。そして俺が売られたときのオークションでの販売額は1059万円。まだ小さいからそんなに高い値はつかないだろと思っていたが
借金を返済したからといって自由があるわけではなく気色悪いババァの言う事を聞かなければらない。俺にはもう人権というものがないのだ。2年で礼儀作法を覚え、更に2年で大学の勉強も理解できるようになった。そして俺の
12歳になる日に俺はババァを殺した。勿論俺は逃げて逃げて…逃げまくった。テレビでは俺のことを放送し警察官が蔓延る様になった。けど俺はとても嬉しかった。自由になれたんだって喜んだ。皮肉にもそれは俺の誕生日と俺の新しい人生の始まりの誕生日だった。
まず食糧確保のためコンビニによった。カラーボールを投げられた。パンを1個盗み逃げた。次の日には警察官でいっぱいだった。また盗みを働くためにコンビニによった。捨てられていた包丁で店員と客を全員刺し殺し堂々と盗みを働いた。どうせ明日には警察官が蔓延るようになっているんだからそれならたくさん食べられる殺人のほうを選んだ。そして時には放火をして逃げ、娯楽のために人を犯しと色んな事をしてきた。
そしていつの間にかこの理論が俺の中にはあった。
そして俺はついに警察官の発砲によって死を遂げた。この時…18歳の頃だった。