紅蓮激唱シンフォギア   作:zelga

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幕間の物語、最終話でございます。




第13話 『Courage girlの覚悟!』

 

私は、呪われているのかもしれない。

 

そう思い始めるようになったのは、いつからだろう?

 

お父さんがいなくなった時だろうか? みんなから拒絶されるようになった時だろうか? 胸に破片が刺さって大ケガをした時だろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――それとも、あの日ライブに行った時だろうか?

 

 

「……ううん、そんな訳ない」

 

 

頭に浮かんだ考えを振り払い、両手で頬をパチンと叩く。しかし足取りが軽くなることはなく、顔は俯いていた。

 

 

「……はぁ」

 

 

もうこれで何度目のため息なんだろう。まだ1日が始まったばっかりで、これから学校がある。親友である未来にも会える、だと言うのに今の私の心の中は、その嬉しい気持ちよりも暗い気持ちの方が大きくなっているように感じた。

 

 

「へいき、へっちゃら。へいき、へっちゃら……」

 

 

お父さんから教わった、魔法の言葉。それを繰り返し呟いていく。そうすることで少しずつ心が落ち着いていき、いつもの調子に戻っていくの感じる。

 

これなら、学校に着くまでには元に戻るかな。そう思いながら、再び歩を進め始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、あの娘……」

「ほんと、なんで生きているのかしら……」

「…………っ!」

 

 

ヒソヒソと話す声、その内容が聞こえてしまう。

 

それが何のことを言っているのかわかった時、私は自分でもわからないうちに走り出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ、どうしよう」

 

 

先ほどの場所からしばらく離れた山。その子にある神社の階段を上りながら、私は呟く。

 

この時間、とっくに学校は始まっていた。つまり、私は学校をさぼったことになるのだろう。

 

 

「あ……」

 

 

ポケットの中の振動に気づき、そこに入っている携帯を取り出す。着信名には『未来』と記されていた。多分、授業の時間になっても来ない私を心配して、こっそり連絡してくれているのだろう。

 

 

「未来…………ごめん」

 

 

けれど、今の私に電話に出る勇気はなかった。携帯の電源を切ってポケットに入れ、階段を上り続ける。

 

数分後、神社の境内が見えてくる。結構大きな神社なのだが、町から大分離れた場所にあるのも相まって普段から人が少ない。そこに平日の朝と言うのもあって私以外の人はいなかった。

 

鳥居を抜け、境内を歩いていく。そして賽銭箱へ続く階段にカバンを置いて、腰かけた。そして体育座りの状態で頭を膝の間に埋め込み、視界をふさぐ。

 

何も考えないようにして、ただその暗闇の中にいる。こうでもしなきゃ、私の心は保ちそうになかった。

 

 

「……私って、やっぱり呪われてるのかな」

 

 

知らぬうちに呟いてしまう。それと同時に、私はどうすればよかったのかと考え始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――あの日、大好きなツヴァイウィングのライブがあった日。私は未来と一緒に見に行く予定だったが、未来に急用ができて一人で見に行った。それでも最高潮となったライブに観客と言う形で参加して、私は大満足だった。

 

しかし、それは何事もなければの話だ。事実はライブの途中で突然アラームが鳴って、その直後、ノイズがたくさん現れたのだ。

 

会場は大混乱となり、私も急いで逃げようとしたが誰かに強く押され、頭を打って気絶してしまった。そして意識が戻った時、すぐ近くにノイズがいた。

 

あまりの恐怖に押しつぶされそうになった時、私はあの人に助けられた。なぜあの人がノイズと戦っているのかはわからなかったが、それを考える前に彼女から放たれた【駆け出せ】の言葉に応じ、その場から走って離れる。

 

少し意識がふらふらしていたが、そんなこと気にしている場合ではない。走っている間も後ろから何かがぶつかり合う音が響き、ある程度離れたので振り向いてその様子を見ようとした。

 

 

 

 

 

その直後、何かが壊れる音が聞こえたかと思ったら、私の身体を吹き飛ばされていた。

 

そこからの記憶はあまりない。どんどん薄れていく意識の中、私を助けてくれた人に抱きかかえられ、なにか呼びかけられていたと思う。けれど、1つだけはっきりと覚えている言葉があった。

 

 

『生きるのを、諦めるな!!』

 

 

何とか声を出そうと思ったが、あの時私は返事をできていただろうか。その言葉を聞いたのを最後に私は気絶したので、それを確認する方法はもうない。

 

そして次に目を覚ました時、視界に写ったのは涙で目と顔をクシャクシャにした親友の姿だった。私が意識を取り戻したのを確認した直後、彼女が私に抱き着いてわんわん泣いていたのを覚えている。

 

なんと半年間もの間眠っていたらしく、起きた直後は自分の身体が全く動かなかった。なのでそこから退院するまでの間、私はリハビリを必死にこなした。かなり辛かったけど、未来の手助けもあったのでなんとかなり、退院する前にリハビリが完了できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けれど、学校に復帰した私に待っていたのは、地獄だった。

 

 

『なんで○○は死んたのに、あんたは生き残ってるのよ!』

『どうせお前も、他の誰かを見捨てたんだろ!?』

『立花さん、今のお気持ちをお聞かせ願えますか!?』

『ここから消えろ!』

 

『どうせなら、お前が死ねばよかったんだ!!』

 

 

どうやらあのライブの事件は大々的に報道されていたらしく、その中で生き残った人たちは死者を見捨てた卑怯者と言われてるらしい。そのことを知らなかった私は、周囲から放たれる数多の悪意に襲われた。必死に未来がかばってくれたが、今度はその悪意が彼女に向きそうになったので、私は庇うのを止めさせた。

 

私だけがこれを受ければいい、未来が巻き込まれるのは嫌だ。そんな感じの事を言ったんだっけ。そしたら未来がまた大泣きしちゃって、なだめるのに時間がかかっちゃったのも覚えている。

 

あと1年半、その間さえ耐えれば高校へ進学する際に離れられる。ならこの位はへいき、へっちゃらだと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――けれどわずか半年で、私の心は悲鳴を上げていた。その結果がこれだ。

 

 

「……生きるのを、諦めない」

 

 

これがあの日から私がたてた誓い。あの人が最期に私に遺してくれた言葉、もしこの言葉を覚えてなかったら、私はとっくに潰れていただろう。

 

 

 

……でももう、それだけじゃ駄目なのかもしれない。

 

 

「辛いよぉ…………」

 

 

誰もいないせいか、溜まっていた本音が漏れてしまう。その一言がきっかけになったのだろう、身体の内側からナニカが溢れてきそうになる。それを抑え込むため、再び魔法の言葉を繰り返し言い聞かせる。

 

 

「へいき、へっちゃら…………へい、き」

「空の言葉で自分をも偽るか、滑稽だな」

「……え?」

 

 

絶対にありえないと思っていた、私以外の言葉。それが私の左側から聞こえてくる。

 

頭を上げ、声が聞こえた方向を見る。すると賽銭箱を挟んだ反対側に、1人の男性が座っていた。彼は厳しい視線をこちらに向けていたが、ふと右手に持っていた物を私に投げ渡す。突然のことで驚いたが、私はそれをキャッチした。

 

 

「えっと、これは……?」

「とりあえず食え。頭だろうが身体だろうが、動かすのなら補給する必要があるだろう」

 

 

そう言いながら彼は同じものを取り出して食べていく。あまりにも突然なこの状況に困惑していたが、彼がそれ以上何も話さなかったので、私もとりあえずそれを食べることにする。

 

そう言えばこれを食べるのはずいぶんと久しぶりだ、そんなことを考えながら一口食べる。

 

 

 

 

 

「…………美味しい」

 

 

久々に食べたそれ――シュークリームは甘く、私の中に染み込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、ごちそうさまでした」

「…………」

 

 

時間をかけてシュークリームを食べ終えた私は、男性にお礼を言う。しかし彼はそれに反応せず、ただこちらをジッと見ていた。

 

それは好意的な視線ではないが、今まで感じてきた悪意の混じったものでもない。私の何かを測ろうとしている、そんな目だ。

 

 

「えっと……?」

「なぜ、お前は激怒しない?」

「え?」

 

 

激怒? 突然口を開いた男性が言った一言に、私は困惑する。そんな私の様子は無視するかのように、彼は言葉を続ける。

 

 

「お前はただ生き残っただけだ。だがお前の周りの愚か者たちは虚言に惑わされ、お前を偽善で糾弾した」

「…………」

「自らに降りかかった理不尽を、お前を犯人に仕立て上げることで紛らわせようとした。愚かな選択だ、そうしたところで何も戻らないというのに」

「あはは……」

 

 

次々と吐かれる毒に、私は乾いた笑いを浮かべる。あまりにもド直球なその言葉は、それだけで男性が人間嫌いであることがわかるほどだった。

 

 

「そしてお前だ、もう一度問うぞ。なぜお前は激怒しない?」

「…………」

「なぜお前は愚か者共に反逆せずに耐え続ける? 行動を起こさねば状況は変わらない、それもわからんのか」

「それは……けど、どうしてそんな事を」

「良いから答えろ」

「えー…………わかりました」

 

 

色々な感情がごっちゃになる。言葉をまとめようとするが、全くまとまりそうにない。どうにか話そうと四苦八苦している私を、男性は何も言わずに待っていた。

 

結局まとまらなかったが、とりあえず思ったことを素直に言葉にしてみよう。そう思った私は口を開く。

 

 

「……怒ったことはあります。それに、何回も泣きました」

 

「なんで私がこんな目に遭わなくちゃいけないんだ。私だって死にかけたんだ。そんなことを言いたくて、たまらなかった」

 

「けどそれを表に出したって、悪い言葉が回り続けるだけなんです。だから、私のところで止めようと……」

「…………」

 

 

いや、違う。そんな素敵な理由で私は怒らなかったんじゃない。途中で言葉を止め、私は考える。

 

私が耐えるようになったのは、もっと簡単だったはずだ。それを思い出すため、当時の光景を思い出そうとする。

 

 

ライブに行った記憶、ツヴァイウィングのライブを見ている記憶、ノイズに襲われた記憶、あの人に助けられた記憶、そして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『響! 生きてる、生きてるよぉ……!』

 

 

――あぁ、思い出した。

 

 

「ごめんなさい」

「……なにがだ」

「さっきの理由、あれ違いました。私が怒らなかったのは…………」

 

 

 

 

 

「大切な親友の、未来の笑顔が見たかったからです」

「…………」

「私が理不尽な目にあった時、未来は私を庇ってくれた。けれど、今度はそれが未来に向けられそうになっていたんです。そのせいで、未来から笑顔が消えそうになっていた」

 

「その時、私は胸が張り裂けそうでした。そこで思ったんです。未来の笑顔を守れるのなら、この位耐えられるって」

「…………そうか」

 

 

まあ、半年でこんな状態になっちゃったんですけどね……。と、言葉を続ける。けれど今の私は、ここに来たときとは打って変わって晴れやかな表情をしているだろう。

 

ようやく言葉にできた答え。これさえあれば、残り1年程度なら大丈夫な気がした。

 

 

「人間は脆弱だ」

「?」

「1人では何もできず、そのくせに全てを背負おうとしてその重さに潰れる。自らの限界を見極めようともせずに進む、愚かな生き物だ」

「そう、ですね……?」

 

 

私の答えを聞き終え、男性が再び口を開く。そして再び吐かれる毒に、私はとりあえず聞くことにする。多分だけど、今度は彼が自身の考えを言うのだろう。

 

 

「……だが、だからこそ人間は仲間を作る。背負うものを分担し、自らの限界を見極めてもらい、可能な行動を増やしていった」

「えっと、それってつまり……?」

「……わからんのか?」

「はい、わかりません!」

 

 

わからないものはわからない、ということで素直に聞こうと思ってそう言うと、男性はため息をはく。そして目をさまよわせながら考えて、口を開いた。

 

 

「お前の行動、それは人間共の観点では正しくない。遅かれ早かれ、お前は自らが背負うものに潰されるだろう」

「うぐっ」

「故に、一人になるのはお門違いだ。共にそれを背負ってくれる仲間がいれば、その想いはどこまでも貫ける」

「…………え? あ、はい!」

 

 

つまり友達を大切にしなさい、ということなんだろう。そう判断し、私は返事をする。

 

もう迷いはしない。この想いを忘れない限り、私はいつまでも戦えそうだった。

 

 

「……これ以上は不要だな」

 

 

そう言って男性は立ち上がり、前へ歩き出す。おそらくここから出ていくつもりなのだろう。そう思った私は急いで立ち上がり、彼の背中に向かって呼びかける。

 

 

「あの、ありがとうございました! あと、そう言えばなんで私に!?」

 

 

まずはお礼を言う。男性の問いに答えた結果、私はこの想いを思い出すことができたのだから。

 

そして、それと同時に疑問もぶつける。男性は突然現れ、私の事情を知っているような口ぶりだった。それが不思議に思ったんだ。

 

 

「気にする必要はない。これは、俺自身の意思で行ったことではない」

「へ? じゃあ誰が……?」

 

 

私のその問いには答えず、男性は境内から出ていく。そしてさっさと階段を下り、私の視界から姿を消した。その様子を私はじっと見ていたが、途中であることに気づく。

 

 

 

 

 

「……あ、そういえば名前聞いてなかった!?」

 

 

なんてことだ。男性は大切なことを私に思い出させてくれた恩人なのに、その名前を聞きそびれてしまったのだ。

 

急いで彼を追って境内を出る。そして鳥居を抜けて階段を見下ろすが、男性の姿はどこにもなかった。

 

しょうがない、次会った時にしっかりと名前を聞いておこう。そう心に決め、なおかつ初対面の相手にはちゃんと自己紹介をしようと誓う。

 

そこまで考えた時、私のおなかが鳴った。そこで時間を確認するため、携帯の電源を付ける。

 

 

「えっとー……うそ、もうお昼の1時!?」

 

 

どうやら随分とあそこにいたようだ。急いで学校に戻ろうと賽銭箱に置いてある鞄をとりに行っていると、携帯が震えた。確認するとそこには『未来』と言う文字が。

 

 

「……あ」

 

 

そこで私は気づく、未来からの着信はもう何件もあることを。そのうちのいくつかは休み時間に行われていたが、昼休みに入ってからは引っ切り無しだ。ちなみに後で気づいたのだが、お母さんからも何回か電話がかかっていた。着信欄が未来で埋まっていたため気づかなかったのだが。

 

この様子を見るに、かなり心配させちゃったみたいだ。とりあえず安心させるため、電話に出る。

 

 

「もしもし」

『響!? 良かった、つながった!』

「アハハ……ごめん」

『どこにいるの!? 休んだのかなって思っておばさんに聞いたら、今朝は普通に家を出たって聞いて……』

「えっとね……今は○○神社にいます」

『○○神社って……かなり遠いよ。なにがあったの?』

「んーと、愚痴を聞いてもらったんだ」

『響……』

「大丈夫だよ、未来。私はもう、大丈夫だから」

『響……うん、わかった。でも直接会ったら、話はちゃんと聞かせてもらいますからね』

「うへぇー……わかったよ。私は今から学校に向かうね」

『……ううん、――――で集まろう?……今日はちょっと悪い子になっちゃおうか』

「!……うん、すぐ行くね!」

『じゃあ、また』

「またねー」

 

 

通話を切り、再び境内から出るために歩き始める。今の話を聞いた感じ、やっぱり未来は昼休みに学校を抜け出して、私を探していたようだ。こんなにも大切な友達がいる、それだけで私の心は満たされていく。

 

そして鳥居を抜け、顔を上げる。そこに広がっていたのは真夏にふさわしい、大きな入道雲と青空だった。

 

 

「うん、いい天気だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――響、ひーびーき!」

「…………んぇ?」

「やっと起きた。朝ごはん、もうすぐできるよ。顔を洗って目を覚ましてきてね」

「ふぁーい……」

 

 

まだ半分しか覚醒していない意識でベッドから起き上がり、洗面台へ向かう。そして冷たい水で顔を洗い、そこでようやく私の意識ははっきりと目覚めた。

 

 

「……そっか、夢だったんだ」

 

 

随分と懐かしい夢だったな。そう思いながら身支度を整え、未来の元へ向かう。そこには美味しそうな料理が並んでいた。

 

 

「おー、美味しそー!」

「フフ、ありがとう。じゃ、食べよっか」

「うん! 頂きます!」

「いただきます」

 

 

手を合わせ、朝ご飯を食べていく。

 

うん、今日も未来の料理は最高だ! そう思いながら朝ご飯を食べていると、ふと未来が口を開いた。

 

 

「ねぇ響、何かあったの?」

「ん? どうして?」

「今日は朝から絶好調だなー、と思って」

「そう見えるかな……うん、あったよ。と言っても昨日じゃなくて、さっきまで見てた夢なんだけど」

「夢?」

「うん、未来覚えてる? 1年前のあの日のこと」

「1年前……うん、覚えてるよ。響がいなくなっちゃって、私本当に不安だったんだから」

 

 

当時のことを思い出したのか、未来は頬を膨らませて私を見る。それを私はアハハ……と笑うことでごまかす。

 

 

「でもね、私はあそこで大切なことを思い出したの。その時見た青空がすごく綺麗でね、それを夢で見れたんだー」

「大切なこと……そう言えば、そのきっかけだった男の人とは会えなかったね」

「うん、シュークリームの人の名前を聞けなかった。そこだけが残念だよ……」

 

 

そう。あの日から1年の間、私たちは何度もあの男性を探して回った。けれど、どこに行っても見つけることができなかったのだ。

 

 

「でも、顔はしっかりと覚えているよ! だからもしもう一度会えたら、ちゃんと名前を聞かなきゃね!」

「……うん、それでこそ響だね」

 

 

嬉しそうに未来が笑う。それにつられて私も笑い、少しの間、お互いに笑い合った。

 

 

「ごちそうさまでした!」

「お粗末様でした。お皿水につけたら行こっか?」

「うん!」

 

 

そして未来の準備が終わるのを待って、一緒に玄関から出る。外を見ると桜の花が咲いており、まさしく春と言えるような風景だった。

 

 

「未来、入学式まであとどのくらい?」

「あと30分。今からなら十分間に合うよ」

「よーし、それじゃ私立リディアン音楽院にレッツゴー!」

「ちょっと響、走らないで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――かくして役者は、舞台にそろう。

 

 

「私立リディアン音楽院、楽しみだなー!」

 

 

全てをつなぐ少女は、希望を胸に。

 

 

「私は、決して止まらない。止まるわけにはいかないんだ……!」

 

 

人である事を選んだ防人は、燃え盛る炎を胸に。

 

そして――――

 

 

 

 

 

「1年ぶりか。さぁ、俺を楽しませてもらうぞ……!」

 

 

誇り高き龍戦士、グラファイトはその胸に何を抱く。

 

 

 

 

 

≪See you Next game……≫

 

 




※町はずれの大きな神社……舞台としてほしかったので多分原作には存在しません。
※ビッキーの覚悟……ぶっちゃけ作者の願望入ってます。グラファイトが介入したことにより、彼女にも少し変化が現れました。これにより、『誰かの役に立つ』ことと『未来の笑顔を守る』ことの優先度がほぼ同じになっています。


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