そんなのび太よりもさらにダメな子の家には、名前も無い野球おばけが来た。
――ドラえもんとドラベースという最上級の舞台に、謎のおねショタをぶっこむが如き物語。
「ああなんてすばらしいことだろう! この世に僕よりダメな子がいたなんて!」
ある日、学校から帰宅してきた野比のび太が上機嫌にそう言った。
この日もいつものように彼の部屋で好物のどら焼きを頬張っていたドラえもんが、そんな彼の様子に何事かと訊ねると、のび太がうふふんと気味の悪い笑みを溢しながら語る。
どうやら今日、彼のクラスに転校生が来たらしい。
名前を「
野比のび太と言えば言わずと知れた駄目人間である。その駄目さ加減を語れば単に彼という人間の能力が常人より低いということに留まらず、迷惑なことに将来莫大な借金を抱え、二十二世紀にまで負債を残したという歴史が証明している。野比一族最大の汚点……というのが割と言い過ぎでないほどに、彼の未来は明るいものではなかった。
ドラえもんはそんな彼の未来を変える為、彼をまともな人間にする為にこの時代に送り込まれた二十二世紀の猫型ロボットである。
そんなドラえもんがまごうことなき駄目人間だと評するのび太であるが、この時の彼はどの口で言うかとばかりに転校生の多目くんの無能さをあげつらっていた。
いわく、テストでは僕よりも多く0点を取る。
いわく、僕よりもかけっこが遅く、逆上がりも懸垂もできない。
他人から見れば目糞鼻糞を笑うような発言であったが、今まで散々クラスメイト達から見下されてきた彼にとって、自分よりも劣っている子がいたことがよほど嬉しいのだろう。
そんな優越感に浸る彼は、多目くんに対して酷く歪んだ友情を抱いているように見えた。
ドラえもんが抱いていた懸念は的中したようで、翌日のび太は噂の多目くんをこの家に招き、一緒に宿題を行うことになった。
まあ自分から宿題をやろうとするのはいいことだと、その時はのび太の行動に対して口を挟まなかったドラえもんであったが、やはりと言うかのび太の目的は宿題を終わらせることよりも自分より出来の悪い多目くんを見て優越感に浸るという不純なものだった。
「ええ? まだできないのぉ!? 困るなぁ、こんな問題をまちがえちゃ」
「違うよ君の答え。困るな~こんな簡単な問題を間違えちゃ。なぁドラえもん」
……これはひどい。ドラえもんはのび太のことを本質的には優しい人間だと思っているが、底辺である自分が珍しくマウントを取れる相手を見つけたことで完全に調子に乗っている今の様子にその面影はなかった。
一方、のび太よりも駄目な奴だと酷評されている多目くんであるが……こちらはドラえもんの目には、あながちそれほど駄目な子だとは思えなかった。
――というのも、彼からはのび太とは違い、素直で頑張り屋な面が窺えたからである。
のび太から噂を聞いた時にはどんな子なのだろうかと思ったが、会ってみれば意外にもまともな少年だ。
家に入ればのび太の母や得体の知れない物体であろうこの猫型ロボットにまできちんと挨拶をしてくれたし、調子に乗っている今ののび太を見ても失望どころか不快感一つ表していない。というよりも、彼はクラスの友達が一緒に宿題をしてくれるのだと純粋に喜んでいる様子だった。そんな彼の無垢さを見ていると、なんだかこっちが申し訳ない気分になる。
ちらりと彼の答案を覗いてみても、答えが合っていないのは確かだが、出来ないなりにしっかりと自分の考えで解こうとしている様子が窺える。その姿勢に関して言えば、問題を作った先生に喧嘩を売っているとしか思えない頓珍漢な答えを書いているのび太よりも好印象だった。
確かに成績的には駄目な子なのかもしれないが、見ていて応援したくなるというのがドラえもんが多目くんに抱いた印象である。
それ故に、のび太の彼に対する見下しきった態度がつらいところだ。
彼にはどうか、めげずに頑張ってほしいと思う。
彼のひたむきに頑張ろうとする姿には、彼と同じように落ちこぼれ扱いされながらも懸命な努力を怠らず大成した、猫型ロボットの黒い友達のことを思い出す。今度未来に帰ったら、久しぶりにチームに顔を出そうかな?
そんなことを考えていたドラえもんの心情を知る由もなく、翌日の下校時にお約束のごとく級友のジャイアンとスネ夫から野球に誘われたのび太は、自分の代わりに多目くんを誘うように彼らに推薦した。
それは転校生である多目くんの為に友達を作る機会を与えてやろうなどという善意の計らいではなく、野球の試合でミスをする多目くんがこれまでの自分と同じ目に遭うことを想像し楽しむ為という悪意の計らいであった。
「どんなゲームになるやら。想像するだけで笑っちゃうよ。アハハハ」
「はぁ……のび太くん、君ってやつは」
そんなのび太の姿を流石に見かねたドラえもんは、四次元ポケットから秘密道具「配役いれかえビデオ」を使うことで、彼に今までの自分の行動を客観的に思い知らせることにした。
これまでののび太と多目くんの様子を、そっくりそのままスネ夫とのび太に置き換えて見せたのである。
これで何も感じないようであればいよいよ更生は難しいのではないかと思ったドラえもんだが、やはり根は善良な子なのだろう。そこはのび太もまだ捨てたものではなかった。
スネ夫に置き換えた自分が、自分に置き換えた多目くんをいじめている……ビデオを見たのび太は、これまで自分が多目くんにしていたことが普段いじめっ子達にされていたことと同じことに気づいたのである。
「僕はなんてことを……多目くんを助けなきゃ!」
多目くんを生贄に差し出した自らの行いを悔やんだのび太は、大慌てで家を飛び出した。
多目くんは自分よりも運動神経が悪いのだ。野球なんてやれば、自分よりも悲惨なミスをするに違いない。……そうなることを期待していたのが、他でもないのび太自身なのだ。
そしてジャイアンは、チームメイトの失敗を許さない。ミスをした多目くんは間違いなく、彼から暴力を受けるだろう。
――やめろ! 殴るなら僕を殴れ! 多目くんを推薦した僕の責任だ!
試合が行われているであろういつもの空き地に向かって、のび太は息を切らして走っていく。普段なら途中でへばって動けなくなっていたところであろう全力疾走だった。
だが、それが何だと言うのだ。多目くんは……もっとつらい目に遭ったんだ!
彼を嘲笑っていた自分への怒りと情けなさで心を奮い立たせながら、のび太は空き地までたどり着く。
多目くんを助ける……その一心で駆けつけたのび太が目にしたのは――ジャイアン達に胴上げされている多目くんの姿だった。
「へ?」
あれ? なんで胴上げ?
ジャイアンなんで喜んでるの? みんなすっごいはしゃいでるし。
まったく予想外な光景に、のび太は思わず間抜けな声を漏らす。
のび太は多目くんが戦犯として吊し上げられ、ジャイアンから理不尽な暴力を受けているのではないかと思っていた。
それを止める為に駆けつけた……筈が、多目くんはジャイアンから暴力を受けるどころか、大歓迎を受けていたのである。
「すげぇぜ多目! おまえやればできるじゃんかよ!」
「のび太なんか最初からいらなかったんだ!」
なにがあったの? どういう状況?
ぽかんと口を開けたまま彼らの様子を眺めていると、そんなのび太の姿に気づいた多目くんがチームの輪から飛び出し、嬉しそうな顔で駆け寄ってきた。
「のび太くん!」
泥だらけの服で駆け寄って来た彼の姿は最初見た時からピーマンみたいな顔でパッとしない奴だと思っていたが、この時の彼は妙に輝いて見えた。
彼は未だ状況を飲み込めないのび太の手を両手で握ると、涙すら滲んだ目を向けて言い放った。
「ありがとうっ! 君のおかげで……僕は初めてみんなと一緒に野球ができたんだ!」
ブンブンとのび太の腕を引っ張り回しながら、彼は喜びを露わにする。
しかし寧ろ土下座も辞さない覚悟で謝りに来たのび太からしてみれば、彼にそのような感謝をされる謂れなどなく、ただただ困惑するばかりだった。
「どゆこと?」
メガネが吹っ飛びかねない勢いで振り回されたのび太は、彼がようやく落ち着いたところで状況を訊ねる。
多目くんは澄んだ瞳に隠し切れない喜びを浮かべながら、この空き地で起こったことを語った。
「今日、初めてホームランを打ったんだ!」
多目くんの豆だらけの手に触れたこの時――のび太は知った。
運動も勉強も自分以下だと思っていた彼の、たった一つの取り柄を。
彼が転校前からもずっと、ひたむきに取り組み続けてきた努力の結晶を。
「すごいじゃないか! 多目くん、野球うまいんだね!」
――多目くんという少年が自分なんかよりも立派に、ずっと頑張っていたということを。
「ジャイアンに殴られたらよく殴られた……って言おうと思ったんだけど……」
自らの多目くんに対する接し方を恥じ、ミスをした彼の責任を自分が取る形でジャイアンに殴られようとしたのび太。その行動は決して誰にでも出来ることではなく、それについてはのび太を褒めようとしていたドラえもんであったが、遅れて空き地に着いた彼が目にしたのは想像とは違う光景だった。
『多目くんはわしが育てた。ん、あれは……ドラえもん!? ドラえもんやないか!』
のび太は多目くんが絶対にミスをすると思っていたようだが、そもそも彼はミスなどしておらず、近くに居たスネ夫から聞いてみたところ、守ってはジャイアンを救うファインプレー、打ってはチームを勝利に導く逆転サヨナラホームランの大活躍だったらしい。
もしかしたらのび太に射的やあやとりと言った取り柄があるように、彼にも野球という取り柄があったのかもしれない。
『うおおお、すっごーい! ドラえもんや! 本物のドラえもんや! アッタマテッカテカやー!』
新入りの選手がそうも覇気を見せたのだから、草野球チーム「ジャイアンズ」のキャプテン兼監督であるジャイアンも大喜びである。久しぶりの大勝利ということもあってかこの時の彼はすこぶる機嫌が良く、ヒーローとなった多目くんを推薦したのび太のことも同様に褒め称えていた。
これには流石ののび太も居心地が悪そうだ。しかし多目くんの活躍を聞いて自分事のように喜んでいるところを見るに、のび太もまた一歩成長することが出来たようでドラえもんは胸を撫で下ろした。
しかし、この時ドラえもんは周囲に何か妙な気配を感じていた。
『本当にドラえもんの世界やったんやなー……いやあ、こうして見るとめっちゃかわええなコレ』
「な、なんだぁこの声?」
「どうしたのドラえもん?」
「さっきから、なんか変な声しない?」
「変な声? そんなのしないけど」
「声……あっ、ドラえもんくんの後ろ」
気のせいだろうか、なんだか妙に肌寒い。ロボットのくせに何をと思う者も居るであろうが、ドラえもんはこの空き地に来てから妙な肌寒さを感じていた。
そして何か、どこからか声が聴こえてくるのだ。
それはのび太やジャイアン達、多目くんの声でもない。のび太のガールフレンドの静香ちゃんとも違う、女の子の声だ。
のび太達には聴こえていないらしくそんなドラえもんの様子を怪訝そうに見ていたが、多目くんだけは何かに気づいたように口を開け、彼の背後を指差した。
「僕の後ろに誰かいるの?」
誰か知らない人が、後ろに居るらしい。
気になったドラえもんは振り向いてその存在を確認し、クワッと目を見開いた。
『やあ!』
「!? ぎやああああああ!!」
ドラえもんの背後……そこにはうっすらと靄のように、足の無い女性の幽霊が浮かんでいたのである。
私は幽霊である。名前は忘れた。
いつの間にか死んでいて、いつの間にか別の世界に居た。最初はここが死後の世界なのかなと思ったけど、どうにもそれは違うらしい。
この世界に来てから何年か経ったけど、私は私が何者なのかもよくわかっていない。生前の知識や記憶は残っていたり消えていたりと忙しく、自分の名前や家族のことなんかはさっぱり忘れているくせに、サブカル知識や生前の自分が野球好きだったということだけははっきりと覚えている。そんな、ご都合主義みたいな記憶加減だ。
自分が幽霊だということに気づいた私は、他にも私と同じ存在は居ないのかなぁと思い、町に出て色々と探し回ってみた。結果何人か見つけることは出来たけど、私のように別の世界から来た幽霊は私だけみたいで、どうにも私はこの世をたむろする幽霊の中でも特殊な立場らしかった。
――言うならば、「近未来の世界から来た野球おばけ」と言ったところか。
そんな風に自分の立場を語ってみるが、この世界は私が生前過ごしていた世界より昔の時代だということがわかったのだ。
最初にそのことを知ったのは、とある民家のブラウン管テレビに映っていたプロ野球の試合を見た時だった。そこでは野球ファンでなくても多くの人に知られている背番号「1」の凄い奴が、私が知っているよりも若い姿で大活躍をしていたのだ。過去の記録映像ではなく、リアルタイムの中継である。
時は大正義球団は連覇の真っ只中。1970年の昭和真っ盛りだった。
この辺りはおそらく、野球人気が最も盛んな時代の一つだろう。
生前平成っ子だった私は若かりしレジェンド達の姿を見れた喜びに舞い上がりながら、自分が幽霊になったことも忘れて夢中になって見ていたものだ。しかしその時の私が時間を逆行したのではなく「違う世界に行った」のだと気づいたのも、そんなレジェンド達の微妙な違いにあった。
例えば背番号1の凄い奴は玉貞治という名前になっており、ミスターや衣さん、1001さんら昭和レジェンド達の名前も微妙なところがパチモンのように違っていた。しかし同じ活躍をしているところを見るに、彼らはこの世界では本家に相当するスーパースターなのだろうとわかる。
しかしこの時代の野球情報は語るだけで昇天してしまいそうになるので、これらの話は後に回そう。
はてさてそんな世界に幽霊としてやって来てしまった私であるが、どうにも私には憑りついている人間が居た。
憑いていると気づいたのは、私が人の目に見えないこの姿で昭和の町を探索しようとした時、特定の人物から一定の距離を離れたところでぐえーっと見えない力で引っ張られてしまったからだ。それはこの私がその人物に依代として憑いているという、動かぬ証拠だった。
その人物――少年の名前は多目くん。あの時は六歳ぐらいだったかな? 今現在は十歳の男の子である。
一体何の因果でこうなってしまったのか、悪霊なのか守護霊なのかもわからないが、今の私が彼に取り憑いている名も無い幽霊だということがわかった。
そのことを知ってからの私は……亡霊らしく彼の生活を見守ることにした。
私はショタコンではない。他意があったわけではなく、私は自分の憑いている多目くんという子がどんな子なのかを知りたかったのだ。幽霊ゆえに、暇すぎて仕方がなかったというのも理由の一つである。
――そこで、私は多目くんのことを知った。
その結果、泣いた。
orzのポーズで泣いた。
だってこの子、ありえないくらい不憫なんだもん。
性格は温厚で真面目。努力家で頑張り屋なのに……全くと言うほどに「出来なさ杉くん」だったのだ。
いくら子供でも失礼ではないかと思うかもしれない。
だけどこの多目くん、かけっこをすればいつもぶっちぎりの最下位だし、テストを受ければ小学一年生の頃から0点を連発する落ちこぼれだった。それも、関わった先生が揃いも揃って匙を投げるレベルだ。
多目くん自身がそんな自分を良しとしない頑張り屋だから尚のこと、彼の能力の無さには悲壮感があった。……それほどまでに、多目くんは人より劣っている子だったのだ。
当然そんな子をクラスメイト達は放っておかず、やはりと言うべきかスクールカーストの最下位として彼は蔑まれ、良いように扱われていた。
まともな友達など出来る筈もなく、女の子達からも陰でクスクスと笑われる始末である。
そんな境遇であっても一切卑屈になることなく、健気にも前向きに頑張ろうとする姿には、全私が泣いたものだ。
『おかしいやろ! 多目くん他の子達より頑張ってるのに!』
彼は物覚えが悪く、普通の子が三十分で終わらせる宿題も五時間以上掛かってしまう。他の子達が遊んでいる時間を全て勉強に当てても尚、彼は普通の子の半分も問題を解けなかった。
両親も両親も転勤族で忙しいのか、そんな彼に中々構ってあげることが出来ない。
何一つ不自由のない子供時代を送っていた記憶のある私には、そんな彼の過ごす毎日があまりにも痛ましくて、見ていられなかった。
『なんでや! なんで誰も多目くんを助けてあげんのや!』
いや、おかしいやろ! 並より向上心があって真面目に頑張っている子が、なんでこんな0点連発するんや。教え方がおかしいか問題がおかしいわ!
ああっ、また算数の教科書忘れてる! いや、廊下に立っとれって先生……それじゃ授業受けられんでさらに差が広がるやんアホか!
ああ、あのクソガキ足引っ掛けよったな! そんな横やり入れんでも最下位になるんやから、かけっこの邪魔すんなや!
あんのクソ教師! 厄介払いできるって多目くんの転校に喜びやがったな! あんにゃろう後で呪ってやる! 出来んけど!
……と、彼の送る不憫な劣等生ライフに、私は来る日も来る日も一人やきもきしながらユラユラバタバタと飛び回っていた。物体に干渉することは出来ないのでポルターガイスト現象を引き起こさなかったのは幸いだろう。
そんな私の存在に気づく由のない多目くんは、来る日も来る日も成果のない努力を続けていた。
私なら、とっくに自分の能力の無さに絶望してグレているところだろう。その点、ここまで悲惨な日々を送っていても損なわれない性格の丸さは、多目くんの最大の美点なのだと思う。
――そんな子が、駄目なわけないんや……
この頃から私は、次第に多目くんのことを尊敬し始めていた。
皮肉でも何でもなく、こうも人より劣っているのにひたむきに頑張る彼の姿を尊いと思えたのだ。
何とかならないものなのか。
あんなに頑張っているのに、報われないものなのか。
私に何か、出来ることは無いだろうか……
年月が経つに連れて、彼のことを助けてあげたいな、と……余計なお節介かもしれないが、私は心からそう思い始めた。
多分、きっかけはそんな私の心境の変化だったのだろう。
そして、いつの日か私は……
「えっ!? だれ!?」
『こんにちは、多目くん。私は駄目駄目な君を助ける為に近未来の世界からやってきた、美少女型やきうおばけや!』
「やきう……おばけ?」
彼が九歳になった辺りから、この姿が多目くんに見えるようになっていた。
ようやく対面することが出来るようになったことで、私は大好きだった漫画のワンシーンをオマージュしながらこうほざいた。
『そんなことより野球やろうぜ!!』
――それが、後にこの世界が「ドラえもん」や「ドラベース」の世界であることに気づくことになる私の、多目くんとの出会いだった。
この後色々滅茶苦茶やったり迷惑掛けたりして幽霊女である私があどけないショタっ子を振り回すことになるわけだけど、それがどんな影響を与えることになるのかはちょっと先の話。
ただ、私が多目くんに対してまず最初に行ったのは、彼を外に出して野球の素晴らしさを教えることだった。
身体を動かせば勉強する頭も働くよ、と――そんな詭弁を並べたことを、覚えている。
一応解説
多目くん
ドラえもんの「ぼくよりダメなやつがきた」回に登場したキャラクター。この回はのび太の気持ちがわかってしまうのがつらい。
のび太よりも基本スペックの低い可哀想な子だが、人格は作中屈指のぐう聖。100点を取ろうと必死に頑張っているので是非とも報われてほしい。
やきうおばけ
前世のことは野球とドラえもん、ドラベースのこと以外あまり覚えていない系オリ主。
多目くんからはやきうのお姉ちゃんと呼ばれる。
クロえもんとシロえもん
一緒に0点を取り続けようと言うのび太くんとそれを拒否する多目くんのやり取りが、なんか養成学校時代の二人と似ている気がしました。