そこには私個人の政治や軍事に対する評論ですとか、社会への見解や思想に対する批評などは一切ございません。はっきり言ってしまえばそんなことに人並み以上の興味もなく、ただ「仮面ライダー1971-1973」という作品の特色を尊重するための表現にすぎないということをご理解くださいませ。
……と、堅苦しい前置きはここまでにして、ボクが書く小説は結構ノリでやってるものなのでなんかおかしいなこれー!ってなるのは自分でもよくわかってます(おい)。推敲すればいいのに……。
まぁ、そもそもボクはむつかしいことをあれこれ考えるのが苦手でめんどくさいだけなんですけどネ!ワハハ!
「……さて」〈仮面ライダー〉は振り向き、〈蜘蛛女〉の死体から離れる。「フェイト・T・ハラオウン。君から話を聞きたいんだが、いいかな」
「……私からも聞きたいことがあります」
「だろうな。もちろん、君の疑問にも答えられるだけ答える。情報交換と行こうか」
〈仮面ライダー〉はてくてく歩いて乗ってきたバイクの下まで近づいた。
フェイトは警戒しながら彼を見据える。
この男、戦闘態勢を解いて弛緩しているが、ゆったりとした身のこなしでさえ隙はない。
相当な手練。只者ではない。
「まずこちら側の話をしようか。俺たちは、君の身元を勝手に調べてしまったし」
「な……」
「すまないな。君の、君たちの存在には謎が多かったものだから。いや、個人情報をどうこうしようということはないさ」
「……」
フェイトは言葉を失ってしまう。いったいなんなのだ。彼は。
「おやじさん!」
そのとき、ぞろぞろと銃器で武装した男たちが倉庫に立ち入ってきた。
「ああ、今来たのか」
「こうなるだろうとは思っていましたが、もう片付いたんですね」
「まあ、あの程度となると組織にスカウトされて間もなかったんだろうな」
「なるほど、新人だったわけですか。……それで、彼女を保護できたんですね」
「保護?」フェイトは思わず聞き返した。
「いや、どうかな。どうやら彼女は〈芽〉ではなさそうだ」
〈ライダー〉はフェイトの格好を指してそう告げる。
「……では、いったい?」
「それを今から聞くつもりだ。こちらの事情と何者であるかを伝えた上でな」
「話して大丈夫なんですか?」〈参番〉が〈仮面ライダー〉にジャケットを手渡す。彼はそれを羽織り、身に纏うスーツを覆い隠した。
「信頼を得ないと情報は引き出せないよ」
「なるほど、それもそうですね」
「そういうわけだから」〈ライダー〉はぽんと〈参番〉の肩を叩いた。「後始末は任せた」
「……」〈参番〉はしぶしぶ敬礼した。「了解。第一小隊は死体の回収と証拠隠滅に務めます」
第一小隊の隊員たちがそれぞれ倉庫での一連の出来事の隠滅にとりかかる。
フェイトはそんな彼らの様子を眺めていると、少々だらしない風体の〈四番〉と目が合った。彼はにかっと笑った。
「ま、そんな警戒すんなよな、俺様たちは悪人ではないからよ」
「悪人ではないけど、ろくでなしの連中だよ」
「そそ。ヘタレに嫌味人間にひょうきんものに天然ボケに自己中心的な隊長で構成された第一小隊をよろしくね。……ちゅーかこれ逆に悪い印象与えない?」
「〈七番〉、〈四番〉無駄口を叩くな!」
はい。〈参番〉の怒鳴り声に返事をして、そそくさと作業に戻るふたり。
……なるほど。
確かに、悪いひとたちではなさそうだ。
警戒を解くことはできないが、フェイトは少し不安が晴れ、気が軽くなった。
「フェイトさん。場所を変えるから、後ろに乗ってくれるかい?」
「あ……はい」
フェイトは大型のバイク〈サイクロン13〉の後ろに跨った。「あ、その前に……」
〈仮面ライダー〉はガソリンタンクから(実際はダミータンクで、収納スペースになっているのだ)タオルと水筒を取り出した。
水筒の水をタオルにかけ、絞ってから手渡す。「服と顔に血がついてるから、拭いた方いい」
言われ、自分の顔とバリアジャケットに〈蜘蛛女〉の血がついていたことにきづく。すっかり忘れていた。
服の方はバリアジャケットなので元の制服に戻ればついた返り血はなくなるが、顔についた血は拭かなければならない。
フェイトはタオルを受け取り、ある程度目立たないぐらいに拭き取る。「ありがとうございます」そしておずおずとタオルを返した。
「移動先は……街に出ればすぐ公園があったからそこでいいかい?」
「はい。大丈夫です」
「わかった。……ああ、出発の前に、これは取らないとな」
そう言って、彼は仮面に手をかけ、ゆっくりと外す。
その下から現れた顔は、フェイトの知らない顔ではなかった。
「あなたは……今朝道を訪ねてきた……!」
彼は、ふっと笑いを浮かべた。どこか、儚い笑みだった。
「〈仮面ライダー〉。――本郷猛、とも“呼ばれて”いる。よろしく頼む」
◆◆◆◆
現在時刻18時30分。
日は落ちて、外はすっかり暗くなってしまっていた。
本郷とフェイト、ふたりは並んでベンチに腰掛ける。
「コーヒー、飲むか?」
「……いただきます」
「ん。夜はまだ冷えるからな」
本郷猛と名乗る男は、近くの自販機で買っておいた缶コーヒーを手渡した。
冷えた両手に熱が伝わる。
「……」
「それ、ホットで間違いないか?」
「え?」
「いや、反応が薄かったから心配になってしまったんだ。あんまりわからないんだよ、温度って」
「ええと。これ、ちゃんとホットですよ」
「そうか。なら、よかった。気にせず飲んでくれ」
微妙な空気になんとも居心地の悪さを感じる。
フェイトは彼から特に敵意は感じない。だが、まだ疑いの念を抱いている。
彼もそれを感じ取っているからか、うまく接することができていない様子だった。
「……悪いな。元々不器用な性格なんだ。まぁ、とりあえず……こちらのことを教えるよ」
「……お願いします」
「よし。といっても、なにから話すか……まず、君が遭遇したあの怪物について教えるよ。あれは改造人間。人間と動植物を複合した……言わばキメラ、だな。
早い話が生体兵器。体を機械に置き換えてもいるから、サイボーグでもある。そんな改造人間を生み出し、世に放つ組織。それが〈ショッカー〉だ」
「……〈ショッカー〉?」
「そうだ。名前はいろいろあるらしいが、いちばん有名な呼び名はそれだ。組織の概要について簡単に言えば、世界を裏からコントロールする存在だ。組織の誕生は人類史が始まったと同時とも言われてる。
この世界は……人類は〈ショッカー〉が管理し運営していて成り立っているようなものだ」
「……そんな」
「そうだな、なにか例を挙げるか。比較的最近のことがいいか。去年の1月、イスラエル軍のパレスチナでのハマスとの紛争。ガザ地区への攻撃。これに対して国連が停戦決議を採択したが、イスラエル軍は拒否してしまった。ハマスも抵抗を続けた……が、イスラエル軍は急に停戦を宣言した。これは〈ショッカー〉が介入したからだ。軍部を脅して、これ以上の民間人の死者を増やすことを止めたんだ。……イスラエル軍の人間を殺戮して、な。力づくで止めたわけだ」
フェイトはあまりのスケールの大きさに驚愕せざるを得なかった。
にわかには信じ難いことだ。
異世界からこちらの世界に来た〈魔導師〉である彼女だが、今ではこの世界に親しんでいる。
だからこそ……そうでなくても、そんな荒唐無稽な話はデタラメだ、と言いそうになってしまう。
だが、本郷猛の顔は真剣そのものだった。
「〈ショッカー〉は人類を守るためならどんな手段だって辞さない。だが〈ショッカー〉のやっていることは君の見た通りだ。人類守護の思想から矛盾している行いだが、ヤツらは平気でああいった快楽殺人者を世に放つ。無論、全員があの改造人間のような行いをしているわけではないが……基本的に無辜の人間を殺すことに躊躇いはない。組織にとって、それが人類のためだと考えているからだ」
「すべて、人類の……ために?」
「ああ。人類という種の守護。人類史を正しく導くための犠牲。そうヤツらは謳っている」
「……」
「他にも最近の〈ショッカー〉の人類のコントロールについて触れておこうか? スリランカの内戦終結の話についてとか……」
「いえ……十分、です」
「……そうか」
フェイトは話を理解し、その存在の不気味さに恐怖し、声を絞り出すのがやっとだった。
「深呼吸、した方がいい」
「……」
「君は真面目だな。こんな話、マトモに聞いてくれて」
「……それは」フェイトは促された通り深い深呼吸をしてから、言った。「あなたが、真っ直ぐ話してくれるから……です。だから……信じてみようと思います」
彼はずっと、フェイトからいちども目を離さず話を続けた。その真摯な態度があったからこそ、フェイトにとって彼が、彼の話が信用するに値するものだと感じられた。
「そうか。……ありがとう」本郷は照れくさそうに頬をかく。「さて……こんどは俺たちが何者かについて話すよ」
「〈ショッカー〉と戦う組織、ですか?」
「まぁ、察しはつくか。その通り、俺たちは……緑川グループに所属する〈ショッカー〉と戦うために編成された人間だ。〈アンチショッカー同盟〉。それが部隊の総称だ。……正確に言うと、俺は構成員ではないが、ややこしいから、構成員のひとりだと思ってくれていい」
「緑川グループ……それって貿易とかで有名な企業ですよね。緑川物産とか……」
「ああ。表向きはそういうことになってる。いや、貿易自体はしているが、本来の仕事は〈ショッカー〉を相手に戦うことだ。グループの統括者は、本気で〈ショッカー〉を潰そうと考えてる」
「……可能なんですか? そんな組織を相手にして」
「不可能かもな」本郷はあっさりと言ってのけた。「だが、それでも戦う。不可能か可能かは二の次だ。それに、それは俺の役割じゃない。〈ショッカー〉を排除するのは緑川グループがやることだ。俺はただ、ひとを守るだけだ。それしか能がないからな」
「……ひとを、守るだけ、ですか?」
「昔約束した。約束したらしいからな。本郷猛という男は」
「……?」フェイトは思わず怪訝な顔つきになった。本郷は額を指で抑えて首を振る。
「いや……今のは忘れてくれ。変な話をした。とにかく、俺はひとをひとりでも多く守る。今回は君を守ることができた。だから…… よかった」
心から嬉しそうに彼は小さく笑った。
その顔を見て、フェイトは彼は優しい人間なのだとよく理解できた。
時折見せる、謎めいた表現や複雑そうな顔の理由はまだよくわからないが、少しずつ知って行ければいいと思った。
(――あっ)
そこで彼女は気づいた。
自分がすでに彼と関わろうと考え始めていたことに。
きっと、純粋にひとを守りたいという強い気持ちに共感を覚えたからだ。
そう納得して、こんどはフェイトから彼に話を切り出した。
「あの……」
「ん?」
「こんどは私の話をしても、いいですか? 私を守るという以前に、あなたは……そのために私に接触したんですよね」
「ああ。……話してくれるだけの信用は得たかな?」
フェイトはこくりとうなずいた。
そして、彼女は話し始めた。
――自分が〈魔導師〉という魔法を使える存在であること。
高町なのは、八神はやても同じ〈魔導師〉であること。
自分は、フェイトはこことは違う異世界から来たこと。
〈時空管理局〉という組織で、執務官として勤務していること。
その仕事で、港へ向かい〈ショッカー〉の改造人間と遭遇してしまったこと。
「魔法に異世界か……まったく想像もつかないベクトルの話だったとは。どうりで……自由自在に飛行してみせたり、結界を使って急に姿をくらませるなんて芸当が出来たわけだ」
その話を聞いて本郷猛はううんと唸った。
「こっちの話の方が信じられなかったりしますか?」
「いや……信じるさ。ただ、驚いたな、やっぱり」
「それはそうですよね」
「超能力に続いて魔法、か……みんなに報告したら大騒ぎになるかな」
「あはは……。それより、その、超能力者……あなたたちの言うところの〈芽〉に私たちは間違えられたんですよね」
「そうだな。断定はしてなかったが」
「それで、その……〈ショッカー〉は超能力者狩りをしているのなら、私たちはなんで狙われなかったんでしょうか」
「……」
問われ、本郷猛は沈黙した。
それは、〈同盟〉の中でも話題になったことだ。
超能力者ではないことは判明したが、それでも彼女たちのような存在を〈ショッカー〉が見過ごすということがあるのだろうか。
「それについては、俺たちもよくはわかっていない。君たちの存在を俺たちが知ったのはほんの最近のことだが、〈ショッカー〉はもっと前から知っていてもおかしくはない。だから……なんらかの事情があるのか……とにかく、推測も立てられないんだ。すまない」
「そうなんですね……」
そこで話は途切れた。
話すべきことはお互い伝えあった。
本郷猛が腕時計に視線を落とすと、針はちょうどひと回りしていた。現在の時間は19時30分。
「もうこんな時間か。明日は土曜日、なら学校……今はないんだったか……とにかく、このまま送っていこう」
「いいんですか? その……帰して貰っちゃって」
「それは、まあ、まだ心配な点はいくらかあるけれど……君の家族を不安にさせるわけにもいかないからな。それに、君の親が〈時空管理局〉っていう組織の偉い人なら、いちど会って事情を説明しないと」
「あ、そうですよね。今日起きたこととか、報告しないといけませんし……結局、怪人と魔法はそれぞれ別の案件だったこと。ううん、複雑だなぁ、今回の事件……」
「だから、申し訳ないんだが……俺がお邪魔して大丈夫か? 君の家、急に知らない男が押しかけて……」
「あー……」
言われてみれば、大丈夫ではないことかもしれない。
執務官として任務に出ていたとはいえ、夜遅くに帰って、男性を連れてきたとなったら。
「えーと。ちゃんと説明すればわかって貰えると思います。……たぶん」
「……不安だな」
◆◆◆◆
「なにが哀しくて私たちはこんな掃除をちまちまとしなくてはならないのか!」
「隊長、無駄口叩かないで仕事しましょうよ」
「……」
〈仮面ライダー〉と〈蜘蛛女〉による戦闘があった現場に残され後始末を任された第一小隊は日が落ちても、せっせっと作業を続けていた。
「最初と立場が逆になってますね」
「隊長、結構気が短いところありますから」
「……っ! 無駄口を叩くな! いいから作業に集中しなさーい!」
第一小隊の面々は隊長の怒鳴り声を背中に受けながら、手を忙しく動かす。
「…… ん?」〈八番〉が〈蜘蛛女〉の持ち物と思しきものを回収していたとき、あるものが目に入った。
「これは……」
「なにしてるんですか? ぼーっとしてると隊長にドヤされますよ」
「わかっていますよ。ただ私は、言われたことを単純にこなすあなたたちと違って、緑川グループのためにすべきことがあるんです」
「は、はぁ」
「〈八番〉お得意のいつもの点数稼ぎだろーよ、ほっとけ〈七番〉」
〈四番〉と〈七番〉が嫌味を飛ばす〈八番〉のもとから離れる。
〈八番〉は回収した“それ”をハンカチに包みポケットに捩じ込んだ。
(今回の一件は……そういうことなのか?)
彼は何事もなかったかのように作業に戻る。
「隊長! おやじさんから連絡です! 『フェイト・T・ハラオウンの所属する組織の上官に会う。第一小隊は作業終了後直帰されたし……』だそうです……」
「……人使いが荒い人だ……まったく。すぐに終わらせて帰るぞ! 第二小隊はなにをやってるんだ、連絡も一向に寄越さないとは……」
「先に帰ったんじゃないのぉ?」
「有り得ますよね……」
「……帰りたい」
「第一小隊! 帰還したら第二小隊を殴る、蹴る、叩く、そして殴るためにも、私とともに綺麗さっぱり痕跡を消しなさい!」
おー! と和気あいあいに一致団結する第一小隊。
その賑やかな声を背に、ひとり静かに黙々と〈八番〉は作業する。
(これは……おやじさんにのみ報告するべきか。この、メモのことは)
◆◆◆◆
さらに暗くなって時刻は20時。
「ふぅ」
海鳴市藤見町、ハラオウン家が生活する高級マンションの一室。
リンディ・ハラオウンはひとり、緑茶(砂糖たっぷり)を飲んでいた。
アルフはもう寝てしまっており、部屋は静かだった。
クロノとエイミィはちょうど海鳴市を離れているため、フェイトの帰りを待つだけだ。
だが、彼女は少しそわそわしていた。
理由はフェイトが先ほど入れてきた一本の電話にある。
『あ、母さん? その、これから帰るんだけど……一緒に男の人も来るの。……ええと。大事な話があるから。待っててくれるかな。そ、それじゃあ』
――男の人を連れてくる。
あのフェイトが。
確かに最近大人びて来たが、まさかこんなことになるとは。
しかも、こんな夜遅くに。いや任務があったからだが……。いやいや、男の存在があったから遅くなったのか。
とにかく、母リンディは気が気でならなかかった。
「ただいま」
「!」
がちゃり、ドアが開きフェイトの声がする。
そこからは電光石火である。
びゅんと一直線に玄関へ。どんな殿方を連れてきたか。この目で一刻も早く確かめる――!
「夜分遅くに失礼します。本郷猛と言います。リンディさん、よろしくお願いします」
そこにいたのは、同年代の少年ではない。
それどころか、かなり年が離れた精悍な男性。外見から判断して二十代後半か。
鍛えられ、引き締まった体は羽織った黒いジャケットの上からでもよくわかった。
逞しさと凛々しさを併せ持つ男がそこにいた。
「……」
「母さん?」
「……フェイト」
「な、なに?」
「そういうシュミ、悪くないと思うわ。むしろ、フェイトにはちょうどいい、いえうってつけね」
「ち、違うよ!? 母さん、やっぱり誤解して……!」ひとりでうんうんうなずく母親に対して両手をぶんぶん振って否定する。
「いえ、いいの。フェイトはひとりでなんでも背負いやすい子だから、あんな包容力のありそうな年上の人がきっと……」
「違うから! 本郷さんとはさっきあったばかりで……! とにかく違うからー!」
顔を真っ赤にして叫ぶフェイトを眺め、本郷は思わず苦笑した。
「……説明するのに時間かかりそうだなぁ」
――中略。
「ごめんなさいね、早とちりしてしまって」
「いえ、おかしなことではありませんよ。自分の子どもを大切にしているのですから」
本郷はリンディが淹れた特製緑茶を飲みながら、話をした。
〈ショッカー〉という組織がこの世界に存在すること。
自分たちはそれと戦っていること。
その際にフェイトやほかの〈魔導師〉に接触を図ったこと。
そして、いまフェイトが〈ショッカー〉の改造人間と交戦し、それを救出したこと。
リンディは聞かされた内容にしばし熟考した。
「……フェイトが、いえ、なのはさんやはやてさんも、〈ショッカー〉に狙われる可能性は未だに高いのですね?」
「ええ。彼女たちは超能力者とはまったくの別者であっても、まだ狙われないと断定できる要素もありませんので」
「そうですか……」
「ですので、提案……いえ、お願いしたいのですが」
「なんでしょう?」
「私たちに彼女を、彼女たちの護衛を務めさせて頂けないでしょうか」
「護衛……ですか」
「フェイトさんたちが優秀な〈魔導師〉というのはわかりましたが、相手は〈ショッカー〉です。なにをしてくるかはわからない。〈ショッカー〉との戦いを生業とする我々が許可を得た上で守りについた方がやりやすい。無論、この件に〈ショッカー〉が関与しないということが判明したなら、すぐに手を引き、あなたたちのことは忘れます」
「……」
「どうでしょうか」
リンディは本郷の顔を正面から見据えてから、フェイトの顔を見た。
そしてうなずいた。
「わかりました。私の方はそれで構いません。けれど、いまフェイトの所属は執務官なので……保護者ではありますけど、私は直属の上司ではないんですよ。だから、私が〈管理局〉に事態を説明しておきます」
「……それでは」
「よろしくお願いしますね、本郷猛さん」
リンディが手を差し出す。本郷はそれを握り、握手を交わした。
「リンディさん。私があなたの娘を守ります」
「ええ、頼りにさせていただきますね。……でも、本当にお見合いみたいなセリフですよ、今のは」
「ん……失礼」
「でも、実際どうでしょう? フェイトはしっかりした優しい子ですし、世話好きですから、きっと……」
「か、母さん!」
「冗談よ、冗談」リンディはくすくす無邪気な笑みを浮かべる。
「もう……ごめんなさい、本郷さん。き、気にしないでくださいね?」
「……ん? ああ。えー……君は未成年なんだから、そんなの有り得ないさ」
「でもね、フェイト。もう少し大きくなったら……あら、通信?」
話が纏まり、軽い冗談を交えた談笑をしていると、リンディに〈管理局〉からの通信が届いた。彼女の部下からだ。
「はい。……えっ、不審者? シャマルさんが拘束……え? それって……ち、ちょっと待ってて。――あの、本郷さん」
「どうかしましたか?」
「その……シャマルさん……〈管理局〉の〈魔導師〉が自分たちを尾行してた連中を捕まえたそうなんです。そのひとたちは、なのはさんやはやてさん、それにフェイトのことも調べていたみたいで……」
「……まさか」本郷は思わず頭を抱える。
「本郷さん、それってもしかして……第一小隊のみなさんじゃ……?」
「いや……おそらく」
「そのひとたちは、我々は緑川グループ所属第二小隊だとか……」
本郷は、「はぁ……」と大きく長いため息をついた。
……頭痛がする。
彼はしばらくうなってから、声を絞り出した。
「……その拘束された間抜けたちの責任者として、〈管理局〉に伺っていいですか?」
後書きに書くことが思いつかないのでとりあえず、ちょっとだけ自分語りでもします(え?)。
映像作品に絞った場合(そうでないと全部小説版が好きですとしか言えないもん)、好きな仮面ライダー作品はアギトです。
G3めっちゃ好きなんですねーボク。
リリカルなのはで好きなキャラクターはアミティエ・フローリアンです。これは譲れない。
で、創作するときに影響受けてるものがあるとしたら押井守監督作品ですね。パトレイバーとかケルベロス・サーガ、大好きなんです。
ま、そんな感じです。次回もよろしくお願いします。