story3-3 戦略構築
相良 勝磨
「んで...なんでお前も正所属になってるんだよ!」
あの一件のあと、彼の意思表示と俺や巽さんの弁護で組織の情報は伏せることを条件に組織の参加を認められた。まあゲドーのやつがなんとなくノイローゼ気味だけど...
真木 逸己
「いやー、いつ見てもカッコいいな~。俺もしたいな~、
相良 勝磨
「...それなんだけど、あれ以来剣に炎が出なくなったんだよなぁ」
真木 逸己
「炎?」
相良 勝磨
「えーっと、お前が来るちょっと前の戦闘でな」
俺は考えていた。以前、俺の発現させたコネクトスキルは、圧倒的威力を発揮し、大多数を相手に一方的な立ち回りを見せた。
あれが自由に使えたら…何度も思っていたのだが、一度使ったあの戦闘から何度か
真木 逸己
「あの厨二野郎とシャナオウなら、なんか知ってるんじゃね?」
相良 勝磨
「厨二野郎?」
真木 逸己
「ゲドー。あんな仮面と『外道』なんて偽名なんて、厨二じゃなきゃ名乗れんでしょ」
相良 勝磨
「ゲドーも、マギーってあだ名と包帯に関しては同じ事思ってると思うぞ...」
典型的おまいう。
ー ー ー
相良 勝磨
「ゲドー、あのときの戦闘で出したあの炎。お前はなにか知っていないか?」
いつものように壁に寄りかかり、物思いに耽っていたゲドーは口を開いた。
ただ、返ってきたその言葉はというと...
ゲドー
「...コネクトスキル。発動条件は...いや、やはりこれくらいにしておくか」
シャルロット
「いや、それだけということも無いでしょう?」
ゲドー
「...」
シャルの追求をガン無視して司令室の出口に歩いて行こうとするゲドーをシャルロットが止める。
シャルロット
「結果的に、組織の総合戦力の向上になるとは考えないのですか?」
シャルにしては的を射た発言である。さて、ゲドーは...
ゲドー
「仮に戦力向上を念頭においても、事実か分からない情報を伝えるわけにはいかない。間違った情報は、無知であるより恐ろしい。それに相良、おまえがコネクトスキルを使いこなす日は一生来ない」
真木 逸己
「てめえこのやろう、それは俺も聞き捨てならないんだが!?」
あんまり人に喧嘩を売るようなやつじゃないはずのマギーがつっかかった...
それに対してゲドーはシャルに視線を向けて、
ゲドー
「外野は黙っていろ。それ以前に、貴様等にはもっと戦う以外にやることがあるはずだろう。それに俺の仮説があっていれば、コンビがシャルロットである時点で安定利用は難しいと思え」
シャルロット
「私になにか落ち度があると?」
ゲドー
「逆にそうじゃないとなぜ思う?相良も、真木も、
真木 逸己
「あ...」
シャルロット
「真木さん?」
ゲドー
「坂上に呼ばれている。もういいいだろう?」
そう言い残し、彼はどこかへ行ってしまった。
相良 勝磨
「そういや、マギーってシャナオウを知ってたってことは...」
真木 逸己
「ああ、言ってなかったっけ?俺も白猫ユーザー。もちろんシャルロットのことも知ってる」
シャルロット
「ってことは御子サマモードやらなくてもいいかんじ?」
真木 逸己
「それ見たことか...」
もうマギーがみんな言ってくれたからノーコメント。
んで、司令にも話を聞いたが、自分でつかむものであるということしか聞き出せなかった。成果ゼロ...かぁ...
story3-4 戦略構築
ゲドー
「坂上、試作品が完成したと聞いたが」
坂上 蒼
「待ってました!」
用意されたのは弾丸10発。
坂上 蒼
「現在開発中の弾丸。理論上は共鳴接続なしでも対抗戦力になり得るはずだけど、なにが起こるかわからないからね。性能テストをお願いしたい」
ゲドー
「誤射の危険を考慮し、神気共鳴は使用するし、できるだけ距離はあけておいてくれ」
坂上 蒼
「やっぱり、迷いはないんだね...」
ゲドー
「何がだ?」
坂上 蒼
「狩りをするにしろ、身を守るにしろ、殺すにしろ、銃を使うときは大概害意を伴う。そこについてまわる『悪』を、君は正義のために、仮面についたその牙で、無理やりかみつぶしているように見える。悪意だけじゃない。後悔や悲しみ、痛み、仮面の下に背負っているものが、僕らなんかよりよっぽど大きく見える」
ゲドー
「頭使って社会の中を生きていれば、誰だってそんなもの抱えるだろう。抱えすぎは当然良くないが、それを比べて薄っぺらいだの分厚いだのと比べるのも無粋だ。そういうお前こそ、こんなもの、作るにしたって精神衛生上よくないだろう」
「僕の心配かい?まあ、あの一件でつらかったのは君だけじゃないからね。どっちもつらいなら、せめて軽い方を選びたいかな。君って、歳に似合わず達観してるよね、仮面をつける前から」
ゲドー
「生意気なもんだろう?」
坂上 蒼
「いいや?それどころか、報われてほしいとは思うかな」
ゲドー
「...話が済んだら離れてくれ。跳弾なんかあったら、これが最後の会話になりかねん」
射撃訓練場。
壁越しにいくつかのスペースと台があり、そこには保護用のゴーグルとがおかれ、的を設定する端末がコードに繋がっている。
訓練用の広場は80×30mの空間で、仮想の的も、オーソドックスなものや、魔物をかたどったもの、軍隊が訓練で使うような人形のものまで数十種類あるらしい。
射撃用スペースに立ち、端末を操作すると、約50m先の正面にウッホをかたどった的が出てきた。あの的はルーンを媒介にソウルで実体を構成していて、プログラミング次第で戦闘シミュレータとしても使える。
グリップが少し歪んで、握られ慣れた拳銃に、弾丸をこめる。
呼吸と殺意を整えつつ、的に狙いを絞る。
引き金を引く。銃声…着弾...反応はなし。
坂上 蒼
「やっぱりまだダメか...」
如月 緑
「あ!ゲドーさんここにいた!」
坂上 蒼
「緑ちゃん!ここに来たってことは、あれができたかんじね!」
如月 緑
「これ、試してみてくれる?」
また弾丸だ。彼女から受け取るのはかなり新鮮な気がする。
改めて装填する。鉛弾にしては妙な軽さが気になった。込めた拳銃も軽い。再び引き金を引く。ベシャ...『ベシャ』?
* * *
翌日の登校途中。
玉木 翔
「ショーマじゃーん!」
相良 勝磨
「いいねー!」
玉木や高尾、そしての大輪田さんの三人から、いつになくノリノリだなと話し掛けられ、無理やり話に混ぜられた。
引き続き、コネクトスキルについて悩んではいた。が、まあここでは一旦おいといて、ボーイズ...大輪田さんがいるからそうじゃないけど...まあ話に花咲かせるとしよう。
高尾 真楠
「あの物理の小笠原先生いるだろ、あの人の授業全然わかんないと思わね?」
玉木、高尾は同意するが、大輪田は首をかしげる。
初めて出てきた大輪田さん、巽さんよろしく彼女もリケジョ。理系教科は、一,二を争う才媛!さらに今どきの高校生には珍しく男女ともに交遊も広かったりとコミュ力もすごい。
ショートの黒髪をかき上げて
大輪田 時雨
「そう?」
相良 勝磨
「いいね!」
玉木 翔
「いやいいね要素どこにもないってば」
大輪田 時雨
「まずどこができないか分析してくのが一番だけど...今ノート持ってる?」
高尾 真楠
「持ってっけど...って聞くより先にカバンをガサ入れすんなってば!」
大輪田 時雨
「あった!あ、大問5答え合わせしてない」
玉木 翔
「全部バラされちゃってんな...」
相良 勝磨
「どこができないか分析...か...」
シャルロット
『いや、何ふつうに重要なことおいといて学生生活エンジョイしてんだ!』
スマホからのシャルの声が。ここでシャルの存在が露見するのは極めてまずいぞ、俺!
玉木 翔
「ん?なんかそっちから声しなかった?」
大輪田 時雨
「なになに?結構かわいい声だったけど...」
相良 勝磨
「ど、どっからかな~…?あは、あはははは...」
我ながらすっとぼけがやっすいもんで...
ー ー ー
グローザ
「...不服だわ!断然不服!」
以前の人形操りの侮辱と、あんな青二才ジェクトが闇の王の側近にいるという点が気に食わず、イライラしてたまらない。
ジェクト
「グローザ卿、失礼いたします」
グローザ
「何の用!?」
出た、張本人。それもあって必要以上に声をはってやったつもりが全く
ジェクト
「今回、グローザ卿に、
グローザ
「...どういうことかしら?」
ジェクト
「普段魔物をあそこに送り込むのは私の領分。ですが今回はその一環今回は三刃衆の一角たるグローザ卿の雷撃の力を介在させられば、強力な魔物を産み出せるのでは、という可能性を考えております」
グローザ
「まあ、いいわ。それで?どうすればいいの?」
ジェクト
「壺に向けて電撃を浴びせてみていただければ」
グローザ
「こう!?」
指先から稲妻を走らせると、るーたー...だったかがおかしな闇の気を立てはじめた。吸い込んだら肺を丸々抜き出したくなるような、生ぬるく、気分の悪い、そんな気だった。
グローザ
「何よこのソウル...気持ちの悪い...」
ジェクト
「この力は…グローザ卿、これらの写真から位置をお選びください」
近くの卓上にバサバサと写真が置かれる。一瞬を静止画に切り取るのが写真。でも、写真というには、被写体が動いている…?
ジェクト
「この写真は、撮影した地点のリアルタイムの状態です。激写でしたね。
グローザ
「そうね…実験台はいた方がいいわ。ここにして頂戴」
ジェクト
「では、投下します」
ー ー ー
あのあとも一緒に帰っていた俺たち四人(シャルを含めると五人だが)の前に…壺が落ちてきた。ここまでピンポイントに落ちるとは。
シャルロット
『おいおいマジかよ…これって!』
相良 勝磨
「なんの!俺たちの真ん前にあるんなら!」
スマートフォンを構える!