story.01-03 闇動く シャルサボる
見渡す限りの闇。そのなかに、漆黒の衣を纏った男が、写真を片手に話している。その写真には、共鳴接続した黄金の騎士が写っている。
また、よくみると円卓のようなもの越しに話している。
緑色の髪をした女性と、長い青髪に眼鏡をかけた美丈夫も席についていた。
女の方から話を切り出す。
グローザ
「エピタフ、あの男と言い、やはり魔物たちの動きが、あの青年に見切られているように思えるのだけれど」
そんなときであった。
キティ
「ネェネェキイタ?」
チックス
「ウン!ダイブオヨビゴシダネ~♪ネッ♪」
ドンキー
「❲カイリョクノマショウ❳モコノテイドミタイネ...ソウデショ?」
パピー
「ソーダネ...」
四体の人形が、三人の回りを飛び回る。キティと呼ばれたネコ、チックスと呼ばれたニワトリ、ドンキーと呼ばれたロバ、そしてパピーと呼ばれた犬の人形だった。
グローザが追っ払いながら文句をつける。
グローザ
「何よこのカトンボは!」
ジェクト
「部下の無礼をお許しください。グローザ興」
そこにいたのは、背が高く真っ黒な燕尾服姿の青年で、いかにも絵に書いたような執事のようだった。
さらにその傍らの人物は、青年の背よりもだいぶ低く、キャスケットを被り、マフラーを巻いていてその素顔は分かりにくく、ボロボロのマントが体も隠していた。そして不意にマントの中から出したその手には、マリオネットを操る、十字に組まれた木の棒。それを軽く動かし、人形を自身のところへ戻した。
道化は待っていたかのように、写真を手に取り、青年を紹介する。
エピタフ
「
ジェクト
「お二人とも、ご無沙汰しております」
ジェクトと呼ばれたその青年は深々と例をした。続けて、傍らの人物を紹介する。
ジェクト
「会合などには連れておりませんでしたね。ドールにございます。失語症で、この手の操り木でその人形を自由自在に操れますほか、彼女の考えも代弁して話しておりますが、思ったことをすぐ話す点は、治す必要があるでしょう。」
グローザ
「『
キティ
「ネェネェアノ顔引ッ掻イテイーイ?」
ジェクト
「ダメですよ、キティ。ちなみにグローザ卿、コードネームですので悪しからず」
グローザ
「...まあいいわ。子どもの戯言なんて気にするまでもないもの」
グローザは屈辱そうな表情をしていたが、すぐに切り替え、
グローザ
「ところで、我らが王は?どうしていらっしゃるのかしら」
ジェクト
「私が申し上げます。闇の王様は、まだ新しい肉体に抗われ、暫くは出られないとおっしゃっております」
またもジェクトだ。するとグローザは不服そうに彼を問い詰める。
グローザ
「なぜあなたがそんなことを!?」
彼はゆっくりと深呼吸して、
ジェクト
「僭越ながら私、闇の王専属の使用人なのでございます」
グローザは驚愕する。
(つまり、立場的には私たちと同格ということ!? とすると、そこの生意気な子供も、相当な実力があるというの?...いや?そもそもヴァルアスの他に王に近いやつっていたかしら?)
そしてジェクトがそれを置いておいて、本題に入る。
ジェクト
「それより、エピタフ興、少なからずあと五名、あの仮面の男と同類の力を得るかと」
ヴァルアス
「『陽照らす暦』後半を予定していた計画を早めた方がいい、ということか」
ジェクト
「お察しの通りでございます、ヴァルアス興。早急に準備を始めるべきかと」
話がまとまったのを見かね、エピタフがこの集まりを締める。
エピタフ
「デは解散といタシまショう」
三刃衆も席を立ち、先の見えない闇のなかに歩いて消えていった。そんななか、道家はヴァルアスを呼び止め、彼はそれに不服そうに応じた。
エピタフ
「あ、そうソウヴァルアス卿」
ヴァルアス
「なんだ?」
エピタフ
「ステージャが開発中のアレ、もう完成は近いとのことですヨ?」
ヴァルアス
「...わかった...こっちも進めておく...」
エピタフ
「それと...先ほどのグローザ卿のあの態度...これまで集めていた大いなるルーン...あの影響が出ているといっていいかと...」
ヴァルアス
「俺に話してどうする。王の命があらば俺は動くし、貴様にだって傀儡はいくらでもいるだろう?」
エピタフ
「味方うちデの情報ノ共有は重要デショウ?彼も言ッテまシタし」
ヴァルアス
「彼?...フン!まあいい」
その奔放さに痺れを切らしたか、ヴァルアスは闇のなかに消えていった...そして入れ替わるように現れたのは...
ジェクト
「ずいぶんと嫌われていらっしゃいますね」
エピタフ
「ソウですねェ...アイツノ処遇ハお任せしまス。始末スルモ...搾取すルも...」
ジェクト
「グローザ卿にはまだ利用価値があります。特にあの雷...」
エピタフ
「ナルホド...まだマだ楽シメそうですネェ...期待しテイますヨ?八剣閃...かツテ王の座を巡ッて争っタ、八人の猛将!ギャハハハハハハハ!」
* * *
変身を解除した
相良 勝磨
「ところで、何で戦闘中、姿もないのに会話できたんだ?」
巽 静流
「共鳴中の体には、あなたの精神のほかに、シャルロットさんの精神がデータ化されて入っているかんじなの」
相良 勝磨
「要するに、一つの体に二人の精神を同居させてて、そのうちのシャルロットの精神と直接会話してるって感じか」
巽 静流
「それで問題ないと思う」
巽さんによる補足が終わった後、座りっぱなしなシャルロットさんは俺の顔をじっくりみたあと、周囲を見渡したあと、同じく腰を下ろし、
シャルロット
「さてと…疲れた、肩揉んで」
.....え?
シャルロット
「んで場所教えるから、基地まで連れてって…」
相良 勝磨
「待った待った!肩は揉むとしても、それくらいは自分でやれ!」
巽 静流
「しかもしれっと重要情報教えようとしないでくださいよ!」
そのものぐさ過ぎる注文にしびれを切らした俺は言い返した。
その言葉を受けた彼女はというと、
シャルロット
「まあいいじゃんいいじゃん!なんかぶっつけ本番で共鳴接続できたし?どのみち組織入ることになるわけだし」
相良 勝磨
「待て待て待て!いろいろ話が早過ぎるっての!ってか組織ってのも何なの!?さっきといいシャルさん、あんたゲーム同様クソニートだったってか!でもって、冒頭で出した素敵でかっこいい俺のイメージは…」
シャルロット
「仕事ってのは、本音と建前を使い分けるもんでしょ?ふつー。てか『やっぱり』ってなんだよ!まあいいけど」
相良 勝磨
「いいのかよ…」
シャルロット
「ま、そーゆーわけだし、昔のよしみってことで、お互いよろしくね~。あ、あたしのことはシャルでいいから」
思い出したはいいけど、彼女の境遇に疑問を感じたので聞いてみた。
相良 勝磨
「一応聞くけど、お前、元・御子様…なんだよな?」
シャルロット
「そうだけど、昔から好き勝手したいから利用してるだけの立場だし」
はい来たー!ゲーム同様のニート精神丸出しー!ある程度耐性があったとはいえなかなかつき合いにくい...そして矢継ぎ早に次の注文が来た。
シャルロット
「それじゃ、夕飯の支度ね。料理は、ビーフのワインソテーとシチューと、旬の果物を使ったフルーツパフェ。基本、肉とスイーツはセットで!あたし部屋でごろごろすっからおばちゃんにたのんどいて~」
相良 勝磨
「えー加減にせえ!」
巽 静流
「はあ、この性格と食費モンスターっぷりさえ無ければ...」
色々と情報を持っている巽さんもこれには呆れているらしい...
ー ー ー
その校舎の影から、二人をみているシャナオウ。その背後には、倒れている生徒と傍らにいた、仮面の青年、ゲドー。
ゲドー
「魔物の反応なし。
シャナオウ
「捻りなく喧嘩にビジーなり…」
仮面の青年はこの状況を見かねたのだろうか、
ゲドー
「わかった。シャナオウ、戻って報告を。俺はこのまま監視を続ける」
シャナオウ
「了解アセント!」
さっきまで彼らを監視していたシャナオウは影のごとく飛び去った。
ゲドー
「予言の通りになるとしたら...あと5人...戦わせるわけにはいかない...」
結局、シャルのものぐさモード、ゲドーたちにもバレちゃってます。(笑)
ってか、いきなり闇サイドにも新キャラですよ!
ってか闇の王と同格だってよジェクトさん
そして、ドールのあの人形たちを演じ分けてる東山さんが眼と耳に浮かびます...(笑)