ハイスクールB×B 蒼の物語   作:だいろくてん

50 / 86
ギャスパーの日常《Cut off the Devil》

 

 ギャスパーの生活はここ数日で劇的に変化していた。薄暗い旧校舎の一室で引きこもる毎日がアリステアの出現によって変貌したといってもいい。

 彼女はギャスパーの生活範囲に容赦なく侵入した挙げ句、外へ連れ出して様々な指導を始めたのだ。

 忌まわしき邪眼を使いこなすための抗議から、戦闘技術を向上させる実戦を模した特訓。

 抗議では邪眼を操るために必要な知識を叩き込まれ、特訓では実弾を撃ち込まれる。(はた)から見れば(いじ)めを通り越して命を狙われているんじゃないかと勘違いしてしまう程に厳しい指導だ。

 少し前まではパソコン越しに契約へ(じゅん)じていたというのに、そんな日々が遠くに感じる。

 今日もまたアリステアに連れられて"神器(セイクリッド・ギア)"を扱う練習をしていた。

 神器を操るための抗議は難しいが解るまで付き合ってくれるし、苛烈な特訓も恐怖こそあるが怪我などはしていない。

 アリステアとの交流は、なんだかんだでギャスパーの(かて)になっている。更に言えば、ここ数日間は充実していると言っても良かった。

 そして今日の指導も終わりに差し掛かった時、アリステアが急に質問を投げ掛けてくる。

 

「何故、邪眼は扱いが難しいのか知っていますか?」

「えとえと、目というのは肉体の部位の中でも重要な感覚の一つだからですぅ」

「そうです。普通、異能を扱う者はココに意識を向けます」

 

 アリステアが自らの胸、心臓がある部位を指す。

 

「ここは人間が持つ魂の門であり、異能の殆どは魂から発生するのです。……ですが眼に関しては違う、分かりますか?」

「め、目は脳に直結しているからでしたよね? 前に聞きましたぁ」

「よく覚えていますね、感心です。魔眼や邪眼の扱いが難しいと言われるのは脳を媒介にして異能が発現しているからです。脳は心臓と同様に重要な部位ですが決定的に違うのは思考を(つかさど)る点です。つまり恐怖や怒りという強い感情に支配された場合、直結された"眼"に否応なく作用してしまう事でもあります」

「む、難しいですぅ」

「簡単に言えば貴方が強い恐怖を感じれば脳は貴方を守るために異能を無理矢理にでも発動させるのです。それが何を引き起こすかは分かりますね?」

「ぼ、暴走ですか?」

「正解。貴方の場合は感情の発露と神器の発動がリンクし過ぎている、それを改善します」

「どうやってですか?」

「死ぬ思いをしても揺るがない精神に鍛えあげます。手っ取り早く上級魔物の巣にでも放り投げますか……」

「うぇ──!! それって確実に死ぬやつですよぅ!!」

 

 本気の涙を目元に溜めるギャスパー。

 冗談でもそんな事をされたら脳が異能を発動させる前に心臓が止まる自信がある。

 恐怖に怯えるギャスパーに対してアリステアは大きくため息をこぼす。

 

「……ならば時間をかけるとしましょう」

 

 流石は"ししょー"なだけあってギャスパーの性格も把握している。厳しいが不器用な優しさで接してくれるのはアリステアの魅力だとギャスパーは思っている。

 

「貴方は臆病すぎる。……才能はあるのに、どうしてこう残念なのですか」

「ご、ごめんなさい」

「謝罪は結構です。しかし驚くたびに神器を発動されたら周囲に迷惑極まりないのでコレでも身に付けておいて下さい」

 

 アリステアが懐から小さなケースを取り出して差し出す。

 

「コレはなんですか?」

「魔眼殺しの術式を付与した眼鏡です。コレを着けていれば"神 器(セイクリッド・ギア)"は発動しません」

「す、すごい! そんなのあるんですか? それに貰っていいんですか?」

 

 ギャスパーが嬉々としてアリステアの手にある眼鏡ケースを取ろうとするがサッと躱された。

 

「あれ?」

「条件がひとつあります」

「はい! なんでしょう!!」

「……妙に威勢がいいですね?」

「し、ししょーからのプレゼントなんて僕感激なんですぅ!」

「はぁそうですか。では条件を言います。眷属たちの集まりにちゃんと顔を出すことです」

「分かり……えぇええええええええ!! 無理ですよぉ、僕、引きこもりですよ? コミュ症ですよぉ!!」

「では、これは持って帰ります」

「ダメですぅ! ほ、欲しいですぅ!」

「……泣くほど欲しいのですか? よほど神器に苦しめられたのですね」

「そうですけど、違いますぅ! ししょーからの贈り物が嬉しいんですぅ!! 僕、頑張りますから、ください!」

 

 敬愛するアリステアからの贈り物だ。喉から手が出るほど欲しいに決まっている。すがりつく勢いでねだるギャスパーに若干引くアリステア。

 

「滅多なことでは壊れない強度ですが大事に使って下さい」

「一生の宝物にしますぅ!!」

 

 こうしてギャスパーはアリステアから魔眼殺しもとい邪眼殺しを入手する。

 このときの彼はまるで懇意の相手からプレゼントの貰った少女のようにはしゃいでいた。その舞い上がり過ぎた様子を見ていたアリステアが密かに心配していたのは秘密である。

 

 

 

 

 ●○

 

 

 

 

 夜、ギャスパーは久々にオカルト研究部の部室やってきた……とは言っても駒王学園に入学して数えるほどしか来ていないで懐かしいとは思わなかった。

 アリステアに言われて参加した部活だったが、皆が驚いた様子でギャスパーを見る。

 急に引きこもりだった自分がやってきのだから当然だ。こんなに注目される事に慣れていないので萎縮しながら一緒に来てくれたアリステアの背中に隠れる。

 だがアリステアは呆れた視線で背後のギャスパーに問う。

 

「何をしているのです」

「うぅ~」

(うな)ってもダメです、さっさと前に出なさい。初対面の人もいるのでしょう? 先輩にあたる人への自己紹介を(おろそ)かにするなど減点ですよ」

「……はいぃ」

 

 アリステアに言われてギャスパーが恐る恐るといった仕草で前に出ると一誠とアーシアに体を向けた。

 

「…………ギャスパー・ヴラディ……です。小猫ちゃんと同い年です。"僧侶(ビショップ)"です。吸血鬼と人間のハーフで今は転生悪魔です。よろしくです」

 

 "です"が異様に多い下手くそな言葉の羅列。

 言っておいて嫌になるが緊張で皆に顔を合わせられない。下斜めに視線をおとしながら立ち尽くすギャスパー。きっと変な奴だと思われたと羞恥にかられる。

 

「び、美少女眼鏡っ娘だ……」

 

 ギャスパーを見るなりそんな事を言ってきたのは一誠だ。

 余談だが、イオフィエルが初めて駒王学園に来訪した天使襲来の際は人が来る前に時間操作を使って上手く逃げおおせたので一誠とはこれが初対面である。

 ともせず興奮している様子の彼はズカズカと目の前にやってくる。迷いない足取りに逃げ出したくなるが後ろから両肩を掴まれた。

 

「し、ししょー!」

「大丈夫ですよ。彼は駒王学園でも生粋の変態です」

「全然、大丈夫じゃないですよぉ~!?」

「き、生粋の変態……」

「違うのですか? 女性の胸ばかりを注視するのは当たり前。裸を見るために更衣室に侵入した前科があり、果ては衣服のみを剥ぐ異能をも開発した色欲の悪魔。……もはや屑龍帝ですね」

「さ、最近はやってないですよ!? あぁドライグが嘆いているぅ!」

 

 一誠がたじろぐがアリステアは軽蔑する視線をやめてはくれない。

 

「さ、この屑もとい変態に挨拶をしなさい」

「どれも罵声だ!」

「は、はは、はいぃ! はじめまして、さっきも言いましたが、ギャスパーといいますぅ。よろしくお願いしますぅ!」

「うわ、なにこれ超可愛いぞ」

 

 ブンブンと素早く首を縦に振るも世界が縦に震えて頭がクラクラする。

 

「こんな場所でヘッドバッドしないで下さい」

「あ、挨拶ですぅ!」

「ほら次が来ましたよ」

「無視しないでくださいよぉ、ししょー!」

「お二人とも仲がよろしいんですね」

 

 笑みを浮かべながらやってきたのはアーシアだ。

 優しそうな先輩に安堵するギャスパーだったが、アリステアは訝しげにアーシアを見ている。

 まさか仲が悪いのだろうか。邪推するギャスパーの視線に合わせるためかアーシアは屈むと手を差し出してきた。

 

「アーシア・アルジェントと言います。よろしくお願いします、ギャスパーさん」

「は、はははははじめまして!」

「……焦りすぎ」

 

 小猫が遠くでツッコミを入れるが本人は一生懸命なのか聞こえていない様子だった。

 

「こうして皆が揃うなんて今日はいい日ですわね、部長」

「そうね、朱乃。やっとフルメンバーが集ったわ。ありがとう、アリステア」

「礼など不要です」

 

 リアスの感謝にクールに対応するアリステア。

 その姿に見惚れるギャスパー。どうやったらあんなにカッコ良くなれるのかを是非問いたい。

 

「や、ギャスパーくん。久しぶりだね」

「ギャーくん、眼鏡になったの? ゲームのしすぎ?」

「お、おおお、お久しぶりです祐斗先輩! 小猫ちゃん、これは僕とししょーの絆の証だよぉ」

 

 小猫が珍妙な物を見る目を向ける。何か変な事でも言ったのだろうか? 

 祐斗は王子さまを彷彿(ほうふつ)させる(さわ)やかな表情をしている。最後に会ったのは随分と前だが彼の周囲にあった"怖いオーラ"がなくなっていた。

 

「あれ、怖くない?」

「ん? どうしたんだい、ギャスパーくん?」

「ひゃう! ごめんなさいぃ! 前に会ったときにあった"怖い雰囲気"が祐斗先輩からなくなっていたのでぇ!」

「驚いたな、君は僕の復讐心を察していたんだね。上手く隠していたのにすごいよ」

 

 祐斗は怒るどころか感心した表情を浮かべている。そして誇らしげに言う。

 

「ギャスパーくんがアリステアさんに救われたように僕を救ってくれた人がいるんだ。彼にはとても助けられた。恩を返したいと思ってるんだけど情けないことに今の僕では何もできないんだ……」

「祐斗先輩」

「ごめん、ちょっと愚痴を言ってしまったね。ギャスパーくんとは僕も仲良くしていきたいからよろしくね」

「はい、こちらこそぉ!」

「……ギャーくん、相変わらず人見知りなんだね」

「うぅ治そうと思ってるんだけど難しいよ、小猫ちゃん」

「……そんなことはない。今日も部活に参加してる」

「小猫ちゃん!」

 

 友人に褒められて感激するギャスパー。

 そういえば、きちんと部活に参加するのは初めてなので何をするかを分かっていない事に気づく。

 ギャスパーは控えめに手を挙げた。

 

「あの、今日は何をするんですか?」

「今夜の予定? 朱乃、ギャスパーに説明を」

「はい、部長」

 

 リアスもそうだが、やはり朱乃もお姉さまという感じである。

 弟を慈しむ大和撫子のような笑みで前に出るや、「今日の予定は……」と前フリをした。

 

「冥界に赴いてランクSの"はぐれ悪魔"の討伐ですわ」

「ぴぃいい!」

 

 変な悲鳴が出てしまう。

 今、朱乃は"ランクS"と言った。それは上級から最上級の悪魔に該当する強さを持つ。

 グレモリーの中で上級悪魔はリアスのみであり、他は下級だったはずだ。そのリアスも貴族だから上級悪魔の称号を貰ったのであって実力でなったわけではない。そんなメンバーでS級の"はぐれ悪魔"に挑むなど無謀に思える。

 だがグレモリー眷属の中で悲観しているのはギャスパーだけであった。むしろ、やる気に満ち溢れているくらいだ。

 果たして怖くないのだろうか。

 

「ギャスパー、安心しなさい。貴方の知る頃の私たちじゃないのよ、これでも前よりも少し強くなっているのよ?」

 

 リアスがギャスパーの不安を拭うように笑いかける。

 それでも怖いものは怖い。いつからグレモリー眷属はそんな強敵を相手するようになってしまったのだろう。

 やはり来るべきでは無かったかもしれない。

 冷や汗を流して後悔するギャスパー。逃げたいという衝動に駆られてしまう。

 

「逃げることは私が許しません。貴方は行くべきです」

 

 退路を塞いだのはアリステアだ。

 "はぐれ悪魔"よりも恐ろしい冷たい目には逆らえない。

 ギャスパーは怯えながらも覚悟を決めた。

 

 

 

 

 ●○

 

 

 

 

 頬を撫でる独特の生ぬるい風。

 大気に濃い魔力が混じっているため生じる違和感をアリアステアは感じていた。

 空を仰げば紫色の空。

 ここは冥界。地球とは異なる位相に存在する別世界の一つだった。

 今回の標的は駒王ではなく冥界に潜む"はぐれ悪魔"なのでわざわざ(おもむ)いている。

 本来、駒王学園にあるような転移陣では直接冥界に行くことは不可能だが、今回は魔王からの直接依頼なので特別な陣を使わせてもらっている。

 

「アリステア、今回の戦いなのだけど……」

「極力手は出しませんよ。魔王の出した条件にはグレモリーだけで倒せと示されたのでしょう」

「悪いわね。けれど……」

「死者が出そうな場合は横槍をいれます……それでいいですか?」

「お願い。貴方や渚ならランクSの"はぐれ悪魔"でも問題ないだろうけど、今の私たちにはギリギリのラインなの。それでも死者は出したくないわ」

「"ギャスパー・ヴラディを扱えるだけの力を見せろ"でしたか。貴女が彼を私に鍛えるように言ったのも、このためですか」

 

 今回の目的は"はぐれ悪魔"の討伐ではなく魔王にリアスの力を示す事だった。ギャスパーの潜在能力は才気溢れるグレモリー眷属の中でもトップクラスだ。それは指導したアリステアも感づいている。高い魔力値に吸血鬼としての能力、そして時間を支配する"神器(セイクリッド・ギア)"。その実力が発揮されれば主であるリアスすらも優に凌駕する。

 だからリアスはランクSの"はぐれ悪魔"を倒して自らの成長を条件にギャスパーを解放する事にした。ギャスパーを含む眷属を使いこなし、"(キング)"としての力量を見せ付けて魔王に認めさせる。それがわざわざ冥界に来た理由だ。恐らくここいら周辺にも魔王の監視が付いているのだろう。

 

「これでも譲歩されていると思うわ。本来ならギャスパーはもっと後に解放されるはずだったの。それをワガママ言ってお兄様から半ば無理矢理に許しを得た。……少し勝手すぎたかと反省しているのよ、私だって」

「ですが彼を助けたかったのでしょう?」

「辛い思いをしてきたから手を差しのべたいと考えるのは同情からくる欺瞞になるのかしらね」

「それが欺瞞であっても手を取った者が感謝すれば善行です」

「ふふ、ありがとう。気が楽になったわ」

 

 未熟者たちの監督役は本来なら渚がやるべき立ち位置なのだが彼が動けない以上は自分がやるしかない。

 唐変木かつ自己評価が著しく低い本人は気づいていないが、渚はグレモリー眷属たちの戦力的かつ精神的な柱になっている。日常を求めていながら非日常のトラブルに首を突っ込むからこうなるのだ。

 人に面倒を押し付けて気楽に寝続けている渚には代行を引き受けている自分を労ってほしいとつくづく思う。

 

「ここね」

 

 岩盤に囲まれた道無き道を進んでいくとやがて巨大な洞窟が見えてきた。

 奥から周囲とは比べ物にならない魔力が洩れていることからも目標の住みかで間違いない。

 そして殺意を隠さない視線がこの場にいる全員を射抜く。

 

「どうやら感づかれたようですね」

「問題ないわ。ここはアイツのテリトリーよ、最初からバレているわ」

 

 殺意に対抗するように各々が魔力を高めた。ヤル気満々のようで結構である。リアスは弱音こそ吐いていたが並みのランクSなら問題なく片付くだろうとアリステアは踏んでいる。

 一誠と祐斗は禁手状態を限定するなら上級悪魔を倒せる戦闘力を持っているし、小猫だってスペック的にはその二人を劣らない。残りのメンバーも支援砲撃や回復など十分すぎる能力を持つ。上手く連携すれば最上級にも届くだろう。

 そんな事を考えつつもアリアステは一歩引いて戦いを見守ることにする。

 

「やるわよ、皆。祐斗と小猫が前衛。朱乃は二人の援護を。一誠は"神器(セイクリッド・ギア)"を装備していつでも"倍加"出来るようにしておいて頂戴。アーシアとギャスパーは後方から全体のサポートに入るわ」

「分かりました」

「……叩き潰します」

「はい、部長」

「よし、行くぜ。"赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)"!」

「みなさん、ご武運を」

「が、ががが頑張りましゅ!!」

 

 全員が臨戦体勢に入ると同時に洞窟の入り口が爆散した。

 リアスが容赦なく魔力弾を放ったのだ。牽制にしては派手である。豪快に崩れる洞窟。崩落は中まで続き、普通ならこれで生き埋めだ。

 ギャスパーが安堵するが、アリステアを含めたグレモリー関係者は臨戦態勢を解かずにいる。ランクSの"はぐれ悪魔"が崩落に巻き込まれて死んだなどあり得いないと分かっているからだ。

 予想通り、崩れた岩に巻き上げれた砂塵から人影が現れる。

 

「ひどいのぅ、ワシの住みかが瓦礫(がれき)になってしもうた」

 

 出てきたのは白髪の老人だった。

 

「部長、あれが"はぐれ悪魔"ですか?」

「……恐らくね」

 

 枯れ木のように細い体は、とても戦えるとは思えない。あれが標的なのは間違いないが今までの相手と違って非力に見えるためグレモリー一行は肩透かしを喰らっている様子だった。

 しかしアリアステだけは老人が持つ異様さに気づいた。そして嫌悪するような目で老人を見据えた。

 

 「……まさか、こんな場所で対面しようとは」

 

 アリステアはこの不快な気配の正体を知っている。

 ──かつて"昏きモノ"と呼ばれた災厄があった。

 その残滓たる黄昏が魔力の底に隠れている。

 ソレは彼女の知る最悪だった。懐かしいというには忌々しい記憶。それと連なる力が、あの老人から零れ出ていた。

 生かす理由もなかったが殺す理由は出来た。

 今すぐにでも塵一つ残さず消滅させたい衝動に駆られるが、リアスに手を出さないと約束したばかりなので表面上は冷静を装う。

 

「ひぃ、ふぃ、みぃ。ひひひ、中々の大所帯、結構結構。腹が空いていた所だわい」

「……部長、あの人、危険です」

「どういう事、小猫?」

「……前のレーティング・ゲームで姿が変わったライザーさんに似てます」

「じゃあアイツも例の薬をやっているというの?」

「……多分。ですけどあんな気の流れはあり得ません。魔力循環が早すぎます、あれじゃあ体が持たないはずなのに……」

「ほぅほぅ。"始源の霊薬"を知っているのかえ? ありゃあ良いもんだった。副作用で姿は見繕えなくなったが代わりに得られた物が大きくてのぅ。ほれ、感じんか、若いの?」

 

 枯れ木のような声で不気味に嗤う"はぐれ悪魔"。静かだが怖ましい魔力が風に混じる。どうやら魔王はランクを一桁間違えていたみたいだ。

 

「部長、僕が斬り込みます」

「分かったわ。行きなさい、祐斗」

 

 魔剣を装備した祐斗が老人に斬りかかる。

 受けようとした枝のような老人の腕は簡単に切断される。出血と共に腕が宙を舞う。

 

「良い。実に良いのぅ。──枯らし甲斐がある粋の良さ」

 

 老人が残った片方の手で祐斗の手首を取る。

 

「力が抜ける!? くそ!」

 

 祐斗が驚きの表情を浮かべると力付くで後退した。

 

「おい、木場。お前、その手!!」

「どうやら不覚を取ったようだね」

 

 掴まれた祐斗の手は老人のように(しな)びれていた。これでは目の前の老人と同じである。全員が祐斗の状態に釘付けとなった。

 

()ます。手を貸してください」

 

 アリステアが自身の"眼"で祐斗の腕を見る。

 外傷はない。ただ骨、筋力、細胞、魔力に至るまで劣化していた。これでは衰弱死の寸前である。

 

「搭城 小猫、貴女の力が必要です」 

「わ、私ですか?」

「木場 祐斗の腕は生命力の減衰による変化です。傷を癒す"聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)"では戻りません。……枯渇した生命力を戻す方法を貴女は知っているはずです」

「で、でも、アレは……」

「このままでは木場 祐斗の腕を切り落とす事になりますよ」

「……分かりました、やってみます」

 

 小猫が祐人の腕に触れると生気が戻り、腕が元に戻っていく。

 

「どうかな? ワシの"衰退"は?」

「それが貴方の能力ってわけね」

「その通りよ、紅いお嬢さん。──万物には終わりがある、悪魔だろうと天使だろうと、ましや神だろうといつかは消え去るが宿命。ワシは触れた存在を弱らせ、衰えさせ、静かな老いと共に死へと落とす……とか言っておったの」

「まるで誰かから聞いたような口ぶりですね」

「実際、聞いたんじゃからな」

 

 ゆらりと体を動かしながら近づく老人。

 その姿は死神すら見える。予想以上の手合いにリアスは歯噛みする。

 

「部長、戦い方を変えるべきですわ」

「ええ、触れて不味いならそうしなければいい。距離を保つわ」

「こんのかい?」

「能力がバレた事を後悔なさい!」

 

 リアスと朱乃が遠距離から老人を乱れ射つ。

 爆音に続く爆音。過剰な連続放射だが相手を確実に倒すために手は抜かない。

 砲撃を一旦やめるリアスと朱乃。弾着の煙で前方を確認できないため朱乃が前に出た。

 

「まだじゃぞぅ!」

 

 濃い煙を目眩ましに老人が躍り出てくる。

 その細腕が朱乃の首を狙う。

 

「あまり甘く見ないで! ──雷よ!」

 

 バチバチ雷が(ほとばし)ると朱乃の体を守った。触れれば電撃を食らうと察した老人は慌てて腕を引っ込める。

 

「こりゃ不味い。誘いとはやるのぉお嬢さん」

「ありがとうございます、お爺さま」

「ほほ、おっかいのぅ」

 

 朱乃が電撃を放つが蜘蛛のような動きで逃げる老人。

 意外に素早いが朱乃の電撃も鋭い。確実にダメージを与えていた。

 

「ふむふむ。今の若いのはこうもやり手なのかのぉ。痺れてたまらんわ」

「降参するなら今の内だぜ、爺さん」

「ホッ!」

 

 一誠が"赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)"の力を解放して老人に殴りかかる。

 

「当たらんぞい! よく狙らえぃ」

「そりゃ本命じゃねぇからな。──小猫ちゃん!」

「……隙あり」

「ごっ!」

 

 小猫の拳が老人を捉えると周囲の岩を粉砕しながら地面を滑っていく。

 

「ほほほ! 痛いのぅ。お嬢ちゃん、ただの悪魔じゃないねぇ」

 

 血まみれになった老人が舌なめずりをして小猫に興味を示す。

 あれだけボロボロな姿でなんとも元気な事だとアリステアは呆れ返る。

 だが何処か余裕があるのも事実だろう。

 この程度で終わるはずがない。あの枯れ木のような老人からは見間違えるはずのない"黄昏"の霊威が()える。

 ここであんな代物を直視する羽目になるとは夢にも思わなかった。

 

「そこの枯れ木のような老いぼれ、一つ質問があります」

「なんじゃい、美しい白のお嬢さん」

「その"衰退"の力は何処(どこ)で? 見たところ後天的な異能に思えます」

「おぉこれか? これはのぅ、ちょっと前にの"きゃんでーのお嬢ちゃん"に貰ったのよ。実に良い出会いじゃった。始神なんたらの欠片を使った霊薬とか言っとったの」

「──"始神源性(アルケ・アルマ)"」

「おう、それじゃそれじゃ」

「その"きゃんでーのお嬢ちゃん"の名は?」

「知らん」

「居場所は?」

「知らん」

「ではもう結構」

 

 老人との会話を終えたアリステアはリアスへと顔を向ける。

 

「リアス・グレモリー、早急な決着を望みます。アレは私の抹殺対象になりました、ここで殺します」

「わ、分かったわ」

 

 アリステアの顔を見るなり、青ざめるリアス。

 どうやら少し殺気が洩れていたようだ。アリステアはギャスパーに近付くと小声で耳打ちする。

 

「貴方の力が役に立ちますよ」

「ふぇ?」

「あの悪魔の"衰退"という能力。恐らくまだ上があります」

「ど、どいういうことですか!」

「私の知っている"黄昏"の力を使っているならこんな程度ではない。次は空間全体を"衰退"させる筈です。ですので少し早いですが貴方にも上にあがってもらいます。──時流を操作してください」

 

 ──"時流干渉"。

 自らの肉体を超加速させる固有時制御とは一線を画す超々高異能術。人ひとりの(とき)ではなく、世界の(とき)を操作するのでは難易度が違う。

 それは世界の摂理に挑む業であり、大禁呪にも数えられる。

 

「えぇええええ! 僕、固有時制御も完璧じゃないのに無理ですよぉ!」

「別に全世界を停止させろなんていいません。範囲も半径150メートル以内で結構です」

「無理ですよぉ!」

「可能です。私が出来ると言っているのです。いつもは内に向けている力を外へ向ける……それだけです」

「で、ででも、それじゃ、ししょー以外が停まっちゃう」

「他の人は私が保護します」

「うぅう」

「ギャスパー、もう一度言います。貴方なら出来る、私が言うのです。──間違いはありません」

「うぅぅぅ」

「出来なければ、ここにいる全員が木場 祐斗のような姿に変わり果てるでしょうね」

 

 ミイラのように枯れ果てた祐斗の腕を見たギャスパーの瞳が恐怖に染まる。

 

「や、やってみます」

 

 ギャスパーは強く頷いて集中を始める。

 全く世話の焼ける教え子だ。再びアリステアは戦いを見守るスタンスに戻った。

 予想通り老人が力を貯めて"衰退"を使うと場にあるモノ全てが廃れて行く。

 

「ほほほ、では全員の命を刈り取るとしようか。──"死への逆行(デカデシア)"」

 

 木々は枯れ、岩は砂に、大気は薄く、生命は絶命へ。

 グレモリーの眷属が苦しそうに膝を突いた。

 生命力が減衰し、内蔵の動きが急速に衰え、魔力も枯渇に向かう。膨大な悪魔の寿命に対して彼方にある死が逆走して向こうからやって来る。

 

「命すらも簡単に衰退させるというの!」

「魔力もよ、リアス! 上手く術式が編めない!!」

「嘘だろ! 体に力が入らねぇ」

「これは不味いかな」

「……みんなの命が小さくなっていく」

「これは治癒のしようがありませんね」

 

 動く余裕すらないグレモリーに老人は満足そうに大笑いする。

 

「ほほ! あと数分の命じゃ。ほれ、せめて最後に生を懸けてかかってこんか」

「舐めんなよ、クソジジィ!」

『Boost!』

 

 一誠が立ち上がり、老人を威嚇する。

 "倍加"によって持ち直すが"減衰"の方が早い。現状を打破するには10秒ある"倍加"のタイムラグを消す必要がある。禁手を使おうとする一誠だったが、次の瞬間、老人が飛び掛かって来た。

 

「くっつくな! 離れろ!」

「御主、よもや赤龍帝か!? 素晴らしいなぁ、食べ甲斐がありそうだ」

 

 老人の頬が裂けると大きな口が現れた。

 一誠の頭を噛み砕くために牙を剥く老人。

 

「ちょっ! マジかよ!」

「や、やらせません!」

 

 瞬間、時の流れが遅くなる。老人の動きだけがスローモーションになるのを間近で見ていた一誠は慌てて離脱する。

 

「助かったぁ!」

「や、やった! やりましたぁ、ししょー! 兵藤先輩の頭を守りましたぁ。これって時流干渉が出来たってことですよね!」

「敵は健在です、集中しなさい」

「ご、ごめんなさい」

「次は邪眼による"衰退"への干渉を。距離はグレモリー眷属から半径150メートル、"衰退"の効果を時間停止で上書き。味方が戦えるフィールドを形成することだけを考えなさい」

「は、はい!」

 

 ギャスパーの瞳が光ると"衰退"が効果を失う。

 

「ギャスパー、貴方、異能を停める事ができるの?」

「や、やり方はししょーに教わりました。……い、一誠先輩、今です。トドメを刺してくださいぃ!」

「ナイスアシスト、ギャスパー!!」

「がぁ!」

 

 一誠が"倍加"したドラゴンショットで老人を撃つ。炸裂するドラゴンのオーラの直撃を受けた老人は苦しそうな悲鳴を響かせる。

 

「ぎぃぃい!! 馬鹿な、なぜワシの"衰退"を前に動ける!? 数万の寿命すら十数秒で奪える力じゃぞ!」

 

 激昂する老人にアリステアは嘲笑を浮かべた。

 

「十数秒で奪える? そこは笑うところですか?」 

「なにぃ?」

「貴方が相対したのは時間そのもの。この小さな悪魔の前では貴女は遅すぎるのです」

「時間操作か。面倒な……」

「詰めです。ここにギャスパー・ヴラディが存在する限り、貴方の勝ちはない」

「まだじゃ!」

 

 老人がスピードで走り出す。

 まるで昆虫のような動きでアーシアに狙いを定めたのだ。

 

「悪いが人質になって貰うぞぃ」

 

 枯れ木のような腕がアーシアを捉えると盾にしながら逃走を計る。

 

「アーシア!」

「おっとやめておけぃ。この可愛い娘に当たるぞぃ?」

「くっ」

 

 リアスが顔を歪めるのを見た老人は愉快そうに笑いながら去っていく。

 

「ほ、ほ、ほ! 次からはキチンと当てられるように腕を磨いておくのじゃな!」

 

 勝ち誇った声が遠ざかる。

 この場にいる全員が慌てた様子で追いかけようとするが絶対に間に合わない。このままではアーシアは連れ去られて何をされるか分かったものではない。

 そんな喧騒の中、ただひとりアリステアが静かな動作で懐に手を伸ばした。

 

「次などありませんよ」

 

 一発の銃声が響く。

 その弾丸は真っ直ぐ跳んで行くやアーシアを上手く避けて老人の肉体に(えぐ)る。

 

「ぬぅう!」

「──命中」

「小癪な。じゃがその程度では倒れんよ!」

 

 老人は血を流しながらもアリステアたちの前から姿を消す。

 

「大した逃げ足です」

「何をしているの! 追うわよ!!」

「そう(あせ)らなくても、すぐに会えますよ」

 

 くるくると拳銃を回しながら納めるとゆっくりと歩き始める。

 慌てる必要はない、既にあの老人の行く末は既に決まったのだ。

 

 

 

 

 ○●

 

 

 

 

 疾走とはよく行ったもので老人は風のような速さで駆け抜けていた。

 今回は失敗だった。

 相手が悪かったといってもよい。

 まさか多くの手練れを葬ってきた"衰退"がこうもあっさりと破れるなど思ってもみなかった。

 時間操作によって生じる空間停止を使った異能の封殺。最上級悪魔ですら難しい荒業をあんな矮小な下級悪魔がやって退けるなど予測出来るはずもない。

 しかし逃げる事は出来た。スピードには自信がある。簡単に追い付かれることもないはずだ。

 傷こそ負ったが連れ去った少女──アーシアを食らえばなんの問題もなく傷も癒えるだろう。

 しかし美味そうな少女だ。恐怖で口を開けないのか、ずっと黙っているが魔力も中々高く、匂いからして処女ときている。さらには容姿も優れているとくれば最高の素材だ。楽しませて貰ったあとにゆっくりと咀嚼(そしゃく)するとしよう。

 

「──罪花(ざいか)が咲いています。アナタ、相当な数を(あや)めていますね?」

 

 初めて口を開くや面白い事をいってくる。"ザイカ"とは初めて聞く単語だ。恐怖で頭がイカれたのだろうか。戯れに言葉を返してやるとした。

 

「そうじゃ。お主も奪い尽くしてやるからのぅ」

「それは叶わないでしょう」

「なぜじゃ」

「死ぬのですから」

「ほ! 面白い冗談じゃ!」

「信じませんか……。けれど始まりましたよ」

 

 淡々と話すアーシアが宣言するや、強烈な痛みが老人を襲う。

 

「ぎぃ!!」

 

 アリステアから受けた弾痕が焼けるように熱い。激痛によって堪らず地面に転がる。その間に少女を投げ捨ててしまったがそんな事はどうでもいい。

 血管や神経、魔力回路に至る全てのモノが灼熱を帯びて暴れまわり、苦悶の叫びをあげる。

 

「アナタが撃ち込まれた弾丸は"災霊浄滅呪法(シャウール・ルミュエール)"という浄化と滅却の術式を基礎として編まれた特別製よ。それはやがて全身を巡り、浄滅作用によってアナタという存在を焼き尽くす」

 

 投げ捨てた筈のアーシアが平然と苦しむ老人の前に立っていた。

 老人は苦し紛れに、その華奢な体を爪で刺し貫こうと攻撃するが()()()()()()()()()()()

 

「あまり血で汚したくはないのだけれど」

 

 感情を映さない冷めた碧い瞳。

 そんなアーシアのか細い手刀が老人の爪を砕き、肩まで斬り貫いたのだ。

 

「な、なにぃ!?」

 

 血液が舞う。見事なまでに割られた自らの腕に驚きを隠せない老人。

 

「その状態で襲ってくるなんて大したものね」

 

 ピッと手刀の血を払うアーシア。柔らかそうな彼女の指には傷一つない。

 

「き、貴様、何者じゃ」

「リアス・グレモリーの"僧侶(ビショップ)"ですよ」

 

 無感情だった少女が一転して刃のように鋭い殺意を老人の喉元へ向けてきた。

 

「ほざけ! 素手でこんな芸当が出来る"僧侶"がいるわけなかろう!」

「固定概念に囚われすぎではない? 魔力は砲弾に使うのが主流みたいだけど、こうやって五指の先に集中させて鋭いイメージを纏わせば手刀を作ることも容易い。あとは技術の問題ね」

「おのれぇっっ!!」

「そう怒らないで。弾丸から発せられた霊氣はアナタを溶かすようにゆっくりと焼き尽くす。もう助からないのだから心静かに逝くべきじゃないかな」

 

 老人の皮膚がひび割れ、体の崩壊が本格的に始まる。

 

「ぐおぉぉぉ! 馬鹿な、体が崩れるっ!? あ、あの一発にこんな力が」

「ステアちゃんは殺すと決めた相手には慈悲も容赦もない。罪花の芽からして、アナタは苦しんで死ぬべきだと思う……だけど"彼女"が憐れんでるから一太刀で送ってあげる。──アーシア・アルジェントの優しさに感謝しなさい」

 

 自身の胸に手を置いて淡々と語るアーシア。

 自分に感謝しろなど、顔に似合わず傲慢な娘だと老人は腹立たしくなる。

 

「お優しい娘っ子じゃわいッ!!」

 

 焼かれながらも老人が怒りに任せてアーシアに飛び掛かる。完全に不意を付いた奇襲。その細い肉体へ牙を剥くがヒラリと避けられる。

 

「たわけ者が!」

「口の悪いご老体ね」

 

 再びアーシアに食らいつこうとしたが、またも届くことはない。しかし問題はないと老人は内心で嗤う。既に"衰退"は発動済みだ。あと数秒でこの少女は力尽きる。爪によって裂かれるか、枯れ木のように(しお)れるか、どちらにしてもアーシアは終わりだ。

 

「一刀裁断。罪花(ざいか)(ごう)を刈り取るは、(きよ)め払えば()が魂が輪廻へ還すゆえ」

 

 瞬間、老人の世界が急に傾く。

 

「ひょ?」

 

 スパッとアーシアの手刀が老人の首を絶った。

 目にも止まらぬ刀捌きを前に老人は死んだことにも気づけないだろう。

 転がる首を一瞥するアーシア。

 未だに胴体は燃え続けている。首を落とさなければ、さらなる苦痛と生き地獄を味わっていただろう。

 

「主よ、この憐れな悪魔に安らかな救済を。……キミだったらそう言うのかな」

 

 魔に断刀、死者に黙祷を捧げたシスター服の少女。

 残心を済ませ、小さな深呼吸をしてから「さて……」と頭を切り替える。

 

「リアス部長はどの辺りでしょうか?」

 

 剣呑だった雰囲気を納めるとリアスたちへ合流するために、暗く不気味な道のりを物ともしない足取りで一人歩き出すアーシアなのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。