オバロ転生憑依もの   作:しうか
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バルブロ第一王子:主人公。12歳。ちょっとおバカ。ニュータイプ
騎士アントン:王国騎士爵。常識人枠


2 ランスチャージ

 

 

 ここ半年ほどどの程度使えるかわからない権力を使いまくってどの程度の事なら可能か探ってみた。うん、一応まだ第一王子だからね! 無能すぎて首が危ういってほどじゃなければきっとラナーがなんとかしてくれる! 父の王様も「コイツはダメだ」くらいに思っていた方がラナーもやりやすくなるだろうし問題などないのだ!

 

 俺個人にはほとんど権力などないということがわかっただけだがな! わがまま言えるだけマシか。

 

 日課として午前中はラナーのお部屋にお邪魔してラナーとスキンシップを交えたたわいないお話とお茶をしつつ、ねだられるままにいろんな書類にサインして、一緒にお昼ご飯食べて、午後からはランスチャージごっこに勤しむ。

 

 ノリのいい騎士数名とその従者たちが付き合ってくれて隊列組んでのランスチャージごっこも出来るようになった。

 

 まだ身体が小さいので鎧も防具もないけど、ソレっぽい感じを出したかったので騎士に言ってみたら、騎士の従者がちゃんとした盾と槍を用意してくれた。ランスはさすがに重すぎてまだ使えそうにないので木製の槍だ。

 

 そんな事してたらたまに一緒に遊ぶ兵が槍騎兵だけで100人くらい増えた。従者は騎士一人につき二人以上いるのでざっくり200人以上いるだろう。

 

 みんな予定あるから一度に集まるのは10人程度だけど各人のお付の従者がいい仕事してくれるので大変ありがたい。まぁ、正規の訓練サボって税金使って全力で遊びに没頭するすばらしい騎士団になってしまったが知ったことではない。どうせ何をしても隣接する他国には勝てない。楽しければいいのだ。

 

 参加人数が増えたので色々な事ができるようになった。飽きないように色々コース作ってみたり、障害物山盛りにしてみたり、どこからか生け捕りにしてきたゴブリンを配置したりとどんどん進化し続けた。最初はゴブリンといえど生物を殺す事に抵抗があったけど慣れた。むしろ楽しすぎる!

 

 それにゴブリン倒しまくってたらレベルが上がったのか鉄製のランスを使えるようになった!

 

 ビバ権力! 騎士と従者マジ有能! 

 

 つまるところ、勉強やなんやの王族としての義務をまるっと拒否し、ラナーに言われた通りマジで好きな事だけをやっていた。

 

 

 side 騎士アントン

 

 半年ほど前、いきなりお供も連れずにバルブロ王子殿下が練兵場にいらっしゃった。そこにいた者が気付き、殿下の前に整列し跪き、臣下の礼を取ったのだが、ここにいた者は全員王族など遠目に見たことしかない。

 

 失礼のないよう心がけたが、自信のあるものなど一人もいない。所詮この場所にいるのは時々街道警備という名の書状を届ける任務に出るだけの下っ端騎士爵が10名程度。たとえ貴族に血縁があったとしても爵位など持たない人間の方が多い。

 

 そもそも王国にちゃんとした軍など存在しないし、要領のいいヤツは貴族の私兵にでもなってるし、さらに血縁のいいやつは近衛兵になっている。

 

 戦争でもあれば平民が徴兵され、この練兵場で訓練が行われるのだろうが、今は平時。つまるところ、ここは練兵場とは名ばかりのどこにも行き場のない人間が集まる場所なのだ。このような所へ何をしに? と皆が思っただろう。

 

 そこでバルブロ殿下は馬に乗ってみたいとおっしゃった。当然断る事などできない。従者に馬を11頭取りに行かせ、準備をし、殿下を馬上へとお乗せする。そして、私が轡を取り、他の3名の騎士が殿下が万が一落ちても大丈夫なよう、周りを固めた。

 

 しかし、殿下は乗馬系の生まれながらの異能(タレント)でも持っていらっしゃるかのようにあっという間にその小さな身体で軍馬を乗りこなした。しかもその日の終わりごろには廃棄するため集められていた訓練用の木剣などの中から槍と盾を目ざとく見つけ、それらを構えながら槍騎兵のように駆け回っていた。

 

 それからというもの王子殿下はこの練兵場に毎日お通いになり、我々騎士や従者などは気の休まる事がなかったが、王子殿下は我々に気安くお声をかけられ、ただただ騎兵としての訓練を楽しんでいらしたので、我々との距離も縮まっていった。

 

 途中からこの事を聞きつけたのであろう、殿下に近づくためと思われる貴族の私兵と思しき騎士も合流し、我々はお役御免かと思われた。しかし、殿下は少々とはいえ付き合いの長い我々に気安く接しており、新参の騎士たちはあの手この手で王子の気を引こうと努力していた。

 

 しかし、それで覚えがよくなったのは実際によく動く彼らの従者たちであり、新参の騎士たちにお褒めの言葉が送られたのは(まと)としてゴブリンを捕まえてきたことくらいだった。

 

 しかも直接お褒めの言葉を賜った従者達がはりきりすぎて練兵場の風景がどんどんと変化していったため、あの殿下の手綱捌きと槍捌きについていけない騎士が多くなっていった。しかも、殿下の覚えのよかった的となるゴブリン捕獲に常にある程度の騎士が動いていたため、常に参加していた元々いた我々と貴族の私兵との差は開く一方だった。

 

 ただひとつ、言ってはいけないのだろうが出来るならば苦言を呈したい。

 

 楽しいのでしたら大変結構なのですが、たとえ戦争になったとしても王子殿下が騎兵突撃するような事になるときには王国が滅びる時ではないでしょうか。と……。

 

 

 




主人公のタレント
ニュータイプ:神様特典。なんか色々わかる。なんか操縦とか戦闘がすごい。成長速度↑ 運↓↓

みたいな感じで……。







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