ラナー:ヒロイン。病み増し中。指輪より首輪が大好き
クライムくん:基本名前しか出てこないかわいそうな子
騎士:貧乏だけど真面目な人が多い。最近は主人公とあそb……訓練に精を出している。交流の多い王子様に忠誠心が高い人が多い。アントン以外にも増える予定。
クライム君救出作戦も終わり、ラナーとスキンシップを兼ねたお食事も終わり、久しぶりにランスチャージごっこに励もうと、訓練場に来た。もう街中を探索するような事は二度とごめんである。こんな時は日常を取り戻すためにもランスチャージごっこで脳汁を出すしかあるまい!
そんなわけで訓練場に来たのだが、来たのだが……。色々と見慣れないものが……。ついでに俺の馬がいない。いや、自分の従者雇っておけよって話なのだが、俺の従者は敵なのだよ。基本振り切られるためだけに存在するような
気分的にはいつも一緒に訓練するこの騎士たちやその従者の方が気安く接してくれるし無茶にも付き合ってくれる。むしろコイツらを従者にしたい。というか今までなんで気付かなかった。そうするべきだろう。うむ、今度ラナー様に相談してみよう。
「珍しいな。俺の馬はまだか?」
「い、いえ、殿下の騎乗なさっていた馬はコチラなのですが……」
「足が8本あるように見えるのだが……。存外俺も疲れが溜まっていたようだな……」
「いえ、間違いなく8本ありますね……。私もどうしていいか分からなかったので取り合えず連れてきました」
「え?」
「
「お、おぅ……」
マジか……。恐るべし生物の進化……。いや、まぁ、ゴブリンひき殺してたしな……。ふむ。ユグドラシル自体はほとんど知らないが、馬も経験値を貯めて前提条件を満たせばきっと進化するのだろう。うん、そういう事にしておこう。
「よかろう。少々試してみるか」
「了解しました。総員騎乗!」
どこかの銀髪ロンゲ少佐に習い、王族として動揺を隠しつつスレイプニールにまたがった。元々王国のお馬さんは行儀がいいのでお子様でもカンタンに乗りこなせる……ハズだ……。
でかい馬体と八本の足にびびったが、意外といい。比べ物にならない安定性と速度、旋回能力。無理な体勢を取っても無理なく進むし速度をほとんど落とすことなく旋回していく。コイツは最高だ!
「ひゃっほぅ! コイツは最高だぜ! コイツとなら俺は風になれる!」
「殿下ぁぁああ! お待ちください、殿下ぁぁあああ!」
後ろで騎士が何か叫んでるが知ったことではない。これは脳汁出まくりだ! 断言しよう! スレイプニールさいこぉぉぉおおおお!
「さぁもっとだ! お前ならもっといけるはずだ! 二人で風になろうぞ!」
「ああああ! 殿下がご乱心めされたぁぁぁぁああああ!」
「追いつけません! あれは異常です!」
「全騎散開! 殿下をお止めしろぉぉおおお!」
「うおおおぉぉぉ! 回りこめ! 散開して包囲だぁぁぁあああ!」
「ゴブリンとオーガも放せ! 少しは速度が落ちるはずだ!」
「了解しました!」
「うっはははは! 俺にも
「なっ!? ゴブリン共が吹き飛んだだとっ? まさか武技かっ! あんな武技聞いた事ないぞ!?」
「オーガも一突きで殺されています!」
「速い! 速すぎる! 回りこめません!」
「なんとしても囲い込め! 殿下が落馬されたら大事だぞ!」
「ああ! ジャン・ルイが落馬した!」
「殿下ぁぁぁぁあああ!」
夕方が過ぎ、薄暗くなってようやく落ち着いた。何か色々とはっちゃけた気がするが、気にしてはいけない。鬱憤を晴らすというのはそういうことだ。みんな遊びすぎてぐったりしていたが、たまにはいいだろう。
しかし、やたらでかい的があったが、馬上から頭を狙うにはちょうどいい高さだった。もっと増やして欲しいものだ。ふむ、もしかしたらレア物なのだろうか……。とりあえず用意したやつにお褒めの言葉ってやつをかけておこう。きっと張り切ってまた見つけてきてくれる事だろう。
翌日、今日もスレイプニールで脳汁出そうと訓練場へ向うと、緊張した面持ちのいつもの騎士にスレイプニールに乗らないで欲しいと言われた。はっちゃけすぎて追いつけなかったのが気に入らなかったようだ。
わからなくもない。皆がザクに乗ってる中で一人ガンダムに乗ってるようなものだ。うーむ、だが俺もスレイプニールに乗りたい。皆もスレイプニールに乗りたい。しかしスレイプニールは一頭しかいない……。
つまるところ、スレイプニールを増やすしかあるまい! 進化条件は不明だが、俺が乗っていたお馬さんが進化したという事は俺が乗れば進化条件が満たされる可能性は高いという事。つまり、俺が王国のお馬さんに乗って脳汁出す作業を続ければスレイプニールが増えるということだ。
いつも通り遊んでいるだけでみんなはスレイプニールに乗れるしお馬さんも進化できる。俺も楽しい、みんな楽しい! 最高じゃないか! 維持費? 多分きっと大丈夫だ。リ・エスティーゼ王国の予算編成がちょっと変わるだけだ! 王国にはラナー様がいる。ラナー様がいればなんでもできるのだ!
「ふむ。では貴様の馬と交換しようではないか」
「え? いえ、その……」
「うむ。貴様もスレイプニールに乗ればアレのよさもわかるというものだ」
「え、はっ! では、ありがたく……」
そんなこんなで半年ほどするとスレイプニールが50頭以上に増えた。いつも遊んでる人数分にはなった計算だ。皆もスレイプニールのよさに目覚めたのか毎日ノリノリで遊んでいた。ぶっちゃけスレイプニールの量産だけで王国は食っていけるのではなかろうか。あ、ついでに13歳になった。
しかし、ノリノリで遊ぶとどんどん欲しい物が増え、どんどん備品は壊れてなくなっていく。今までは国家予算でどこからか沸いてきたり、だれそれ爵の騎士が持ってきたり何だかんだで不足はなかったのだが、スレイプニールが増えてくると何だか色々欲しくなってきた。
速すぎるため声はなかなか通らないし、ランスの長さも足りない気がする。もっと長くてもいけるはずだ。そう思い、使用感を確かめたくて試しに、木製槍で長い物を用意してもらった。ただ、しなるわ折れるわで使用感もなにもなかった。金属製は既存の物ですらたまに折れるのだからしょうがないが、しなりすぎるのは問題だ。
うむ、こんな時はラナー様に相談だ!
「というわけなのだよ、ラナー。なでなで」
「あら、お兄様は新しい槍が欲しいのですね? うーん。でしたらまだちょっと早いのですが……―――」
中身も読まず何枚か書類にサインしたら予算が増大してどんどん装備が揃った。さすがラナー様である。新しいランスは一本ですごいお金がかかってるらしい。なんせ金ぴかだ。アダマンタイトやオリハルコン、ミスリルといった希少鉱物をふんだんに使い、魔化までされている。そのおかげで10本しかないがな! まぁいつも遊ぶのは10人くらいだから大丈夫だ。
予備の物を使ってみたが10m以上ある馬鹿みたいに長いランスなのにあまりしならず傷つきすらしない。先端形状を変えられるようアタッチメントがついており、先端を斧やハンマーに変更もできる。当然ながら旗の装着も常時可能だ。しかも内部にミスリルが仕込まれているので魔法の増幅も可能とか……。
妹よ……。ロマンがわかるのは兄としても嬉しいがこれは少々詰め込みすぎではなかろうか。兄は魔法使えないのだよ……。突撃中にノリノリでマジックアロー撃ってる騎士とか羨ましくてしょうがない! というかなぜお前は魔法を使える! なにっ!? 幼少の頃に覚えた? 今度ラナー様に相談しよう。
ついでに俺のランスにはラナー様からの署名入りメッセージ付きだ。内容は気にしてはいけない。一言付け加えるならば、クライム君もっとがんばれ! としか言えない。
とりあえずしばらくはスレイプニールを増やしつつランスチャージごっこに専念しよう!
side ラナー
ふふっ、お兄様は相変わらずですわね。でもそこがいいのですわ。本当はクライムのようにわたしだけを見て欲しいのですけど、好きな物を取り上げたら輝きがくすんでしまいますものね。今はクライムで我慢しましょう。
それにしてもボウロロープ候も案外お人よしですのね。お兄様の遊びにたくさんお金を出していただけるなんて……。ご自分の娘をお兄様に宛がおうとした時には必ず殺そうと思いましたが、お兄様の役に立っているうちは見送る事に致しました。
一度わたくしの顔を見に来た時には驚いていらっしゃいましたが、そのおかげで今回のお話に繋げられたんですもの。おかげでお兄様も大喜びですし、お兄様はどんどんわたくしから離れられなくなっているご様子。
わたくしがお小遣いを貯めてお贈りしたランスも一生の宝物になさるとか……。ふふっ、なんてかわいいのでしょう。今度はわたくしがかわいい妹を演じておねだりでもしてみましょうか。やはり最初は首輪……あら、鼻血が。いけませんわね。ふふふふふ……―――
バルブロは武技〈
〈チャージ/突撃〉
オリジナル武技。主人公のために作った武技。ニュータイプ能力で取得した。カミーユのようにウェブライダーでジ・Oに特攻するようなもの。がんばりすぎると彗星が見えるようになる。
武器を持って何かに乗って走ってる時しか発動できない。加速度増加、最高速度増加、攻撃力増加、衝撃力増加、物理防御増加、魔法防御増加、旋回率ダウン、重ねがけ可能
原作ではアインズ様の顔面に蹴りを入れたり馬車を引っ張ったりしてた。軍馬5頭分のお値段がするらしい。たぶんきっとすごい馬。
ジャン・ルイ
エースコンバット4の最後のミッションで落ちる敵役。個人的に落ちる印象が強い。