オバロ転生憑依もの   作:しうか
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バルブロ:主人公。脳汁出しすぎておバカになってきている
ラナー:ヒロイン。首輪の事を考えてたら興奮して鼻血が出た。6歳で体が幼いため、たまに思考に体がついて来れない
騎士:結構ノリがいい。彼らも脳汁出しすぎておバカになってきた
騎士アントン:常識人枠
騎士ドゥリアン:ランスにつけた旗を掲げるのが好き
騎士トロワ:マジックアローが使える
騎士ジャン・ルイ:落馬するためにいる。大抵無傷で復帰する。ある意味最強の盾
近衛兵:王国兵の中でも宮中を護る最後の砦。超エリート。のはず……
ランポッサⅢ世:国王陛下。主人公とラナーの父親。最近長男のせいで心労がひどい
レエブン侯:貴族派閥の大貴族。王位を狙ってる。ぶっちゃけバルブロはどうでもよくなってきた
ボウロロープ候:貴族派閥のトップの大貴族。超武闘派。バルブロがお気に入り


6 ラナー様鼻血事件

 

「なんだと!? ラナーが鼻血を出した!? それは大変だ、往くぞスレイプニール。ラナーの部屋まで突撃だ!」

「で、殿下! 宮中はおやめください! 殿下ぁぁぁああああ」

「うおおおおおおお! 団旗を揚げろぉぉぉおお!」

「おおおおおお! 殿下に続けぇぇぇええええ!」

「おおおお!」

 

 そういえばその旗どこから持って来た!? 前からチラチラと見えてはいたが、いいのかそれで。俺は知らんぞ? 王国旗じゃないと王様に文句言われないか? 

 

 まぁ旗なんて9割方見た目重視だ。お遊びで使う分には見た目がかっこよければどんな旗でも問題ない。ぶっちゃけ俺もランスに旗をつけたい。旗付けたまま突撃して突き刺したい。

 ふむ、汚れるから王国旗だと問題があるのか? よく考えられてる。

 

 まぁ今はラナー様の鼻血をなんとかする方が先決だ! 鮮血だけに先決だ! うおおおおおおお!

 

「待っていろ、ラナー! うおおおおお! 〈突撃(チャージ)〉〈突撃(チャージ)〉〈突撃(チャァァァアアージィ)〉!」

「殿下! せめて宮中では速度を落としてください! あああああ! チャージはお使いになら……、あああああ! 高そうな絨毯が! 高そうな壷が! ってなんでわざわざ壊していくんですか!?」

「ああ、ジャン・ルイが落馬して壁に突っ込んだ!」

「放っておけ! そいつなら大丈夫だ! それより突っ込め!」

「うおおおおおお! 曲がれ! 曲がれスレイプニール!」

 

 クソッ、ラナー様に甘えすぎて負担がかかっていたのか。気付かなかった兄を許してくれ。ラナー様がいないと俺の未来が危うい! 幸い訓練中でポーションは大量にある。あとは一刻も早く届けて飲ませれば何とかなるはずだ!

 

「お、お前達一体! 殿下!? おやめくださ―――」

「死にたくなくばどけええええええ! 〈突撃(チャージ)〉〈突撃(チャージ)〉〈突撃(チャァァァアアージィ)〉!」

「あああああああ! もう知った事かぁぁぁああ! 殿下に続けえええええええ!」

「「「おおおおおおおおおお!」」」

 

 近衛兵を鎧袖一触にして突き進む。というかいつも思うのだが、コイツら実は飾りなのか? 13歳児を止められない近衛兵(笑)とかもうね。いつもそれで助かっているがな! 早めに警告したから避けてくれたようだ。

 

 さぁあの角を曲がればあとは直線だけだ! 待っていろよ、妹よ!

 

 直線に入り、槍を後ろにいた騎士アントン(最近覚えた)に投げ渡し、盾と鎧を放り投げ、スレイプニールから飛び降りて勝手知ったるラナーの部屋へダイナミック入室するとメイドがラナーの鼻血を拭いていた。

 

「あら、お兄様。お騒がしいようですけどいかがなさいました?」

「ラナー! 鼻血は大丈夫か! ああ、こんなに出してしまって……。早く横になるのだ!」

 

 ラナーを横抱きに抱え、ラナーのベッドへと運んでポーションを取り出す。

 

「お、お兄様! ぶっ。お兄様! その、うれし、ラナーは大丈夫ですわ!」

「ああ、また鼻血が……。さぁポーションは飲めるか? なでなで」

「ええ、その、口うつ……ぶはっ。の、飲めますわ。ああ、お口で蓋を……、これって関節キス……ぶはっ」

「ラナー、さぁ落ち着いて飲むんだよ? なでなで」

「ええ……。ふぅ、ふぅ……」

 

 ふぅ、やはり急いでよかった。あんなに鼻血を出すとは思わなかった。きっとこの世界特有の病に違いない。メイドに神官を呼ぶよう言ったが反応が悪かったので騎士ドゥリアン(最近覚えた)に言付けさせたら団旗をかかげたまま突っ込んでいったそうだ。

 

 宮中で団旗は危ないぞ? いや、俺も人のことは言えないか。なんだかんだでここまで来れたのだ。きっと大丈夫だろう。

 

 ラナーの鼻血をハンカチで拭いて、神官が来るまでラナーの言う通り手を握って頭をなでなでしていると、歪んだ笑顔を浮かべながら寝てしまった。神官はビクビクしながらもラナーの様子を見て問題ないと言った。

 

 うん、きっと疲れが出たのだろう。何だかんだ言ってもラナー様はまだ6歳だしな……。とりあえず問題になる前に撤収だ!

 

「総員撤収!」

「「「おう!」」」

 

 慌てていたのでしょうがないとはいえ結構宮中壊してしまった。ゆっくり移動しているとよくわかる。大丈夫だろうか。うーむ、ラナー様にこんなことまで任せたら、またラナー様が鼻血を出してしまうかもしれん。やはりここは自分で父上に報告しておこう。父親なら笑って許してくれるはずだ。

 

 

 

 途中で騎士たちと別れてランス以外の装備とスレイプニールも連れて行ってもらった。ランスはラナーからの贈り物なので基本的に持ち歩く事になっている。ラナー様が言うのだからきっと必要なことなのだろう。

 

「というわけでラナーは心配ありません、父上。きっと急いで駆けつけたのが功を奏したのでしょう。では私はあそ……訓練に戻りますゆえ……」

 

 緊急事態だったからしょうがないよね! 父上もラナー好きでしょ? だからちょっと宮中壊したくらいどうという事はないのです! 

 

 オブラートに包んでそう報告してさっさと撤退しようとクルッと方向転換すると後ろから地獄の底から呼ぶような父上の低い声が聞こえた。

 

「待て、待つのだ、バルブロよ……。色々と言いたい事はあるが、まずお前は以前婚約の話が出た時、ラナーを忘れるためと申しておったが悪化しておらぬか?」

「気のせいです、父上もお体にお気をつけください。では!」

 

 父上の執務室から脱出すると駈足で遊び場所に戻った。

 

「待て、バルブロ―――ぬぅ、口で言ってもわからんか! ぬおおおおおお!」

 

 途中何か聞こえた気がするがきっと気のせいだろう。きっと父上もお疲れなのだ。

 

 

 

 side レェブン

 

 急に王から呼びだされた。貴族派閥の私を呼び出すとはいかなる用件か気にはなった。しかし、事の顛末を聞いたあと怖気が走った。

 

 王は宮中の被害と外聞を気にしていらしたが、そんなものはどうでもいいのだ。問題はバルブロ王子が最近創設された騎士団を率いてスレイプニールで宮中を走破したということだ。

 

 ボウロロープ候の肝入りで創設された王国騎士団。ラナー殿下に固執するバルブロ王子を貴族派閥の旗頭に据えるためとは言っていたが、恐ろしいものを作ってくれたものだ。確かに8割の騎士が貴族派閥の者だし、金もほとんどボウロロープ候派閥の出資だから問題ない。しかし、バルブロ王子の暴走を止められぬのであれば意味がないではないか。

 

 そもそも騎兵は障害物のない平原でこそ威力を発揮するものだ。障害物だらけの宮中を、あのバカみたいに長い金ぴかランスを構え、団旗を掲げて走破するとは……、恐ろしいほどの錬度と突破力だ。むしろ宮中の物を多少壊した程度で収めた事を驚くべきだろう。

 

 アレに対抗するには近衛兵を集合させるくらいしか思いつかない。しかも向こうの方が速く突破される未来しかみえない。これではいつでも宮中の人間の首を取れるという事ではないか……。

 

 バルブロ王子にこだわり続けるボウロロープ候と連携しつつもこっそりザナック殿下とも渡りをつけ、そろそろ貴族派閥の会議でザナック殿下を旗頭に据えようと提案するつもりだったが、宮中で何かバルブロ王子の気に入らない事があったらザナック殿下の身も危ういのではないだろうか。

 

 まだ動くつもりはなかった。準備が整っていないのだ。しかし、今は好機。バルブロ王子殿下にはご退場願うしかあるまいて……。

 

「陛下……。ご心痛お察しいたします。そこでひとつ……―――」

「ふむ。悪くはない……。しかし、予算がな……―――」

「でしたら私の方からも幾分か出しましょう。根回しの方も私にお任せください」

「うむ。苦労をかけるな……。レェブン候」

「いえ、お気になさらず……」

 

 少々金はかかるが、貴族派閥から出せばそれほどではない。むしろ暗殺を考えるのであれば安いくらいであろう。どれほど錬度が高かろうと所詮は少数。奴らは冒険者ではなく騎士なのだ。カッツェ平野にでも放り込めば訳も分からず突っ込んで、いずれはアンデッドの仲間入り間違いなしだ。ククク、さらばだ、バルブロ第一王子……。

 

 




王国騎士団:ラナーの発案、ボウロロープ候の出資で結成された騎士団。団長はボウロロープ候だが書類仕事に忙殺される。バルブロの遊び相手がそのまま騎士団になった。精鋭はバルブロを入れて金ぴかランス装備の11騎。総勢50騎以上。規模は小さいが予算は潤沢。ただ、装備が高級な上によく壊すので結構カツカツ。従者も入れると400名近くになる。







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