めぐねえが好きです!   作:アテナ(紀野感無)

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小ネタコーナー

レイ「は?小ネタコーナーってどゆこと?」
作者「丈槍零の秘密を暴露しようのコーナー」
レイ「ふっざけんな!あんたの秘密を……」

Q.なんで丈槍零という名前にしたの?
基本的にその場の勢いとノリです。作者は基本的に名前を作ってそこからどういった意味を持たせるか、みたいな感じで作ります。例えるなら、名前から考えてこういったイベントを派生させる、みたいな感じです。幼馴染の南雲有とのあだ名「ユウレイ」も後から考え出したものです
丈槍にしたのは、単純にどんなキャラと絡ませていきたいか、というのでめぐねえはほぼ必須で他に場を盛り上げれる…由紀ちゃんしかいねえな、と思いこうなりました。

Q.更新遅いぞ
誠に申し訳ありません(土下座)

Q.ラブコメで書いてく?
ラブコメ…ではありませんが日常、というわけでもありません
イチャイチャしてる様子を描きたいのも山々ですが、作者本人の性癖上、どうしてもドロドロしてしまいます。私、こういうの大好き(
一応、丈槍零がどうなるか、バッドエンドになるかハッピーエンドになるかの2パターン考えてますが今のところどっちでいくか考えてなかったりもします
結局どシリアスになってしまうのは作品上仕方ありませんよね?(白目



12話 たまには息抜き

「…」

 

最近、夢を見るのが多くなったと思う。

寝る時間がいつもより多くなったせいか。

自分のそんな状態を冷静に分析している間も

 

夢を見る原因は……なんだっけ?

 

まあいいか。

 

 

高校…入った理由?決まってる。慈さんと共に在りたかった。

 

 

確か、母さんが…どうなったっけ。いなくなったのは覚えてるけど、原因…事故?だっけ?

よく覚えてないや。

 

 

最近は記憶を維持するのもできなくなってきた気がする。つい1週間前の出来事を鮮明に思い出せなくなった。

 

前は十年前とかのも普通に鮮明に思い出せていたはずなのに。

 

…僕ももう年かな?はは、まさか……

 

 

 

まさか、ね。

 

 

 

 

 

 

「……イ」

 

「……」

 

「レイ。丈槍レイ」

 

「……なんだよ、直樹美紀」

 

「私のことは美紀でいいって言ったと思うけど」

 

「癖だ。……んで、何。朝っぱらから。こちとらずっと本読んでたから眠いんですが」

 

「もう電気がついてたから気になったの。それでこれって、昨日取ってきた本?」

 

「ああ。バクテリアに細菌に、免疫構造、あとはこの近辺のニュースが纏められた本。なんでこんな物を作ったのか知らんが、原因解明の一歩になる可能性はあるだろ」

 

「原因?」

 

寝起きのあまり回ってない頭でなんとか直樹美紀との会話を成立させる。

 

「ああ。主にこの現状が起きた原因、そして俺がまだ発症していないこと、あとはお前達だよ直樹美紀。りーさんやくるみさん、由紀姉、めぐねえ達だ」

 

「?」

 

そう伝えるもあまりわかっていなかった。

 

「物事にはな、原因と結果が必ずあるもんだ。偶発的に起きたようなことでも、必ずそれが起きた原因が何処かにある」

 

「それは当たり前じゃないの?」

 

「そうか?じゃあ今の現状を確認した上でその原因をお前なりに考察してみろ」

 

「今は…謎の感染症が起きて、ゾンビみたいになって、ゾンビが人を噛んで、広がってる」

 

「それだけじゃねぇ。各交通機関及び各県、日本政府の機能、果ては世界。そのほとんどが機能停止してると言っていい。おそらく主要な人物は生きてるだろうけどな。それこそゾンビ映画みたいにな」

 

「え?」

 

「実際に電話とかかけまくったからな。自衛隊も死んでれば海外の有名どころも息をしてない。じゃあそれを踏まえてだ、原因はなんだと思う?」

 

「原因…それこそ感染が広がったからじゃないの?」

 

「違う、いや違わないけど俺が聞きたいのはなんで感染が広がった?しかも突然。なんの前触れもなく」

 

そこまで言うとよくやく深く考え始めた。

ちなみにこの話はまだ部員の誰にも伝えてない。俺自身もあまり確証を持ってる持論じゃないし。

唯一話してるのはめぐねぇくらいだ。

 

「…元々あった病気の原因、極端に言えば風邪、他だとインフルエンザなんかのウイルスが突然変異して、広がって。…接触感染をどんどん引き起こして。でも、こんなパンデミックになる前に、すでに感染してる人がいたけど耐性がある人がいて、その人がまだ発症してない間に他の県に行って、そこでも広がって。同じようにして海外にも…って、感じ?」

 

「おー、流石は優等生。一発でそこまで持っていくか。もしかして生物専門?」

 

「茶化さないで」

 

「茶化してはないんだがな。本当にいい線いってると思うよ。俺も似たようなこと思ったしな。

でもな、欠点がその仮説にあるんだよ。接触感染のみ…まあこいつらの場合は咬み傷か。そこから広がっていったにしても()()()()()()()()()。詳しい話は省くが、仮に耐性を持つ人間がウイルスを持って、発症までに半日かかったとする。

かかってから半日足らずで行けるところなんざ、新幹線でも使わない限りせいぜい数個となりの都道府県程度…いや場合によってはもっといけるか。でもそれくらいだ。でもだ

 

このパンデミックが起こって数日で日本はほぼ壊滅だ。流石に速すぎる。だから俺はこう考えた訳だ。

このウイルス、もしくは細菌は()()()()()()()()()()

 

「な…」

 

直樹美紀は絶句をした。

めぐねえも同じような反応だったな。俺もその可能性に辿り着いた時は思わず机を蹴り飛ばした。

 

もしそうなら今は違っても絶望しかない。

耐性のある人間でも、これだけ感染源の中央でさらされてるならいつかは負ける。それにいつこの病原体が突然変異を起こすかもわからない。

そうなればもう打つ手もない。

 

「じゃあそうなってくると次の疑問が浮かぶ。空気感染で広がると言うならば、なんで俺たち…俺は例外だな。なんでお前や、りーさん、くるみさん、由紀姉、めぐねえは感染してないんだ?」

 

「それは…」

 

「俺はそこだけが今だに分からん。だが、今感染は発症してないから本当にただただ接触感染で広がりまくっただけかも知れんけどな。けど、接触感染の線で考えても、空気感染の線で考えても、どうしても辻褄が合わない。空気感染の方が流れはスッキリするけどその後がどう仮説を立てようにも、突拍子が無さすぎて現実味が一切ない。…ふぁぁ。眠…。でももう朝…起きてないと…また…しんぱい……」

 

 

 

 

「…寝ちゃった?」

 

部室と言う名の生徒会室で専門書のように分厚い本を5冊ほど傍にレイはそのまま寝てしまった。もしかして徹夜で読んでいたのだろうか。私が来た時は目を閉じていたからてっきり寝落ちしていたと思っていたけど。

 

「それにしても…空気感染。考えてすらなかった。だとするなら、どうすれば…」

 

 

ガラッ

 

 

これからのことを考えていると扉が開いて2人入ってきた。

 

「あら、おはよう」

「おはよー」

 

「おはようございます。先輩」

 

「…レイくん、またこんな所で寝てる」

「本を持ち帰った日の恒例行事になってきたな」

 

「そうなんですか?」

 

それは初耳で、思わず聞き返してしまった。

レイの事は色々と聞いたけど、数日と経たずにまた新しいことが出てくる。

 

「そうなんだよなぁ。こいつ確か…なんてったっけ?」

「知識は何にも勝る武器になる」

「そうそう。そんなことを言っててな、ここに来た時とか図書館とここ何回も往復してバッカみたいに厚い…ちょうどこんな本だな。これと辞書を使ってずーっと読んでは何かを描いてたんだよ。で、大半が寝ながら書いたのか読めない」

「自分でも何を書いたかわからないからもう一回読む、そしてまた書いてそれが読めなくて、みたいなことをやってたのよね。懐かしいわ。今回のは…まだ読めるわね」

 

そう言われてレイの胸元を見ると確かにルーズリーフが10枚くらい、シワになっていたが挟まっていた。

悠里先輩、よくすぐに気がついたな、と思ってしまった。

 

「…うえ、専門用語の羅列…頭痛くなりそうだ」

「うーん、細菌、ウイルス…感染?免疫…あとはよくわからないわね」

 

……。話しても、いいのだろうか。勝手に。

レイから口止めされているわけじゃないけど、それでも話していないという事は…どうするべきなんだろう。

 

「?どうかしたか?」

 

 

「……いえ、何でもありません。

レイはさっきまで起きてたんですがとうとう限界が来たみたいで。もう少し寝かせておいてあげた方がいいと思います」

 

「ほーん…美樹、ほんっとレイとすんなりと接するようになったな」

 

「いつまでも毛嫌いするのはダメかと思いまして。私はレイのことを何も知らないので。少しずつでも知っていこうと思ってます」

 

 

 

 

 

「…あっつい」

「お寝坊さんにはお似合いじゃね?」

「こちとら勉強詰の寝坊ですよ…」

 

起きたら屋上の貯水槽の前だった。

何で?って思うかもしれんが俺も聞きたい

 

 

なんで?

 

 

事の詳細を聞くと太郎丸が貯水槽にドボンした事で貯水槽が汚いことが発覚。

だから掃除しよう。

 

うん、そこまではわかる。

ただ…

 

 

「…プールではない気がするんですが」

「細かい事は気にしちゃ負けだ。それにショッピングモールで水着買ったろ?みんな着たいんだよ」

「…俺買ってないですけども」

「由紀が買ってたぞ?」

「へ?」

 

待って初耳。

てか魚邪魔。

なんで貯水槽に魚入ってんの。ビオトープじゃあるまいし。

 

「ま、プール開きしたいんだから付き合えってこった」

「話の流れで察してはいましたよ。…まあ別に構いませんけども。俺は泳ぎませんよ?」

「は?なんで?」

「皆さんの水着姿に囲まれて俺の理性が保つとは思えませんので」

「ほーん?嬉しいこと言ってくれるねぇ。このこの」

 

くるみさんに頬を突かれる。当たり前だ。タダでさえ普段のだらーんとした姿に時々ドキッとしかけてるんだから。

水着なんてそんなものを見た日には理性が壊れる。

 

あと俺が理性壊れたら割とシャレにならない気がするし。

 

「後は…個人的に調べたいことがまだまだあるんですよ。昨日やっと手がかり掴めそうなところまで…」

「なんて?」

「…いえ、なんでもありません。早く終わらせましょう。由紀姉、遊び出しちゃってますし」

「あらま」

 

ブラシをかけてる最中、由紀姉を見るというか綺麗に滑って後頭部を打って悶えていた。

うん、自業自得。

太郎丸は…相変わらず俺が見ると警戒するな。なんでだよコンチクショウ。

 

 

結局、俺はその場に拘束された。なんで?

後水ぬるすぎません?俺だけ?

 

 

 

 

 

いやそれにしてもめぐねぇの水着の色気ヤバすぎない?やばいんだけど理性崩壊しそうなんだけど。一生忘れない。あの恥じらいの顔も含めて。

 

写真を撮れなかったことをこれほど後悔した日はなかった(真顔)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あ。確か保健室の先生…緊急時のマニュアル持ってるとか言ってたっけ…。今度探索行った時に見てみようか」

 

「なんだ?それ」

 

「さあ?俺もそんなのをもらったのよー程度にしか聞いてないので。次保健室行った時に探索します?肝試しの一環とか言って」

 

「そうだなー。でも職員室に似たようなのあるんじゃね?保健室行くよりそっちの方が安全だと思うんだけど」

 

「…確かにそうですね」

 

地下のこととか買いてあったりするのかな?詳しいことがわかれば優先順位とか決めれるんだけど。

後はこの近辺の避難場所だとか、もしかしたら生存者がいるかもしれない。

まあこの前遠足行った時にそんなものはなさそうだったけど。

 

「それで…くるみさん、なぜに俺は貴女と勉強してるので?」

「いやぁ、りーさんに捕まりそうだったから。つい」

「意味がわからないです」

「ほら、由紀との勉強をやってるところに遭遇しちまってな、それで巻き込まれかけて、つい『レイと勉強する予定がある』って言っちゃって」

「…なるほど。というか、それでいいんですか。俺、曲がりなりにも貴女の後輩ですよ?」

「あたしはレイには運動能力で勝ってるからな!」

「それでいいんですか…」

 

つまり、逃げの一手として使ったと。いやまあ、構わないですけど。

頼られるのは悪い気はしないし、でも俺は俺で他に勉強することがあるから片手間にはなってしまうけど。

 

「ああ、でも由紀とりーさんに苦い顔されたのはビビったなぁ」

「それこそ何でですか」

「いやまあ…そこは、な?」

「?」

 

理由聞いたらはぐらかされた。多分聞かなくてもいいことなんだろうけど、こうなってくると気になってくる。

 

「あ、これはどうなるんだ?」

「…これは…確か、……」

 

えーと?これ積分でしょ?三角関数と…三次関数…?いや、空間?

 

 

 

むっず。

 

 

 

「ちょっと待ってください。俺も個人的に解きます」

「おう」

「終わったらまたやるので、それまでは別のことをお願いします」

「はいよ。なら現国でもやるか」

 

 

こうしてルーズリーフおよび参考書と格闘することとなる。

 

 

「レイ君。こっちに…あら」

「しー。今レイのやつものすごい集中してるんで」

「そう。…数学?しかもこれ、大学入試の過去問?」

「はい、何となく…やろうと思ったので」

 

えーと、こっちの関数で、変数を?いやもっと簡単な解き方…いやいや、ひとまずゴリ押しで一回解いてみよう。

 

「良いことよ。頭の運動にもなるし。でもこれは…ちょっとレベル高いんじゃないかしら?」

「レイならいけるかな?と思いまして」

「ほどほどにね。それじゃあ…終わったら2人で来てちょうだい。もうすぐご飯が出来るらしいから」

「はーい」

 

あ、ここから起点にしてこっちの定理使って。…おっ、行けそう。

こっからどうやって簡略化しようか。絶対やってやらぁ。

 

 

 

 

 

 

「おーい、レイ」

「待ってください、もう少し、もう少し…」

「…はいはい」

「ここをこうしてこっから……ブツブツ…

 

相変わらずのレイのこの集中力はすごいと思う。

これは見習わないと思う。あたしの手持ちにあった過去問の中で特に難しい問題を集めた問題集の中でも一番難しい問題を臆することなく、なんなら『面白そう』の一言でガンガン解き始めた。けどかなりの難問のようで既に計算用紙で10枚目に突入しそうだ。

 

「…りーさん達が惚れるのも分かるんだよなぁ」

 

でもだ、それでもあたしはレイに惚れることは多分ない。理由は…まあ内緒にしとこう。あたしらしくないし。

 

「……いよっし!おわった!」

「おー、お疲れー」

「でも、解いておいてアレですが、本当に解説聞きます?正直こんな問題やるくらいなら他のことやったほうがいい気がしますが」

「いーんだよ。んじゃ飯食ったら教えてくれ」

「りょーかいしました」

 

 




保健室にある緊急時のマニュアル(一部抜粋)

○○が起きた場合はただちに○○を保護し、地下、もしくは第一校舎の三階または屋上へ避難すること。ただし、全滅しては意味がないため難しい場合は見捨てることも可能。
もし保護した上で避難ができたならラジオ等を使い知らせること。知らせ方は○ページに記載。

○○は特異体質の為、○○が起きても鎮火できる可能性を、いわば人類の救世主となりうる人物。たとえ食糧難においても○○は優先的に生かすように。

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