めぐねえが好きです!   作:アテナ(紀野感無)

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さて、シリアスは前回にて閉幕。
ここからはコメディとして突き進んでいきたい
しかしがっこうぐらしなだけあってちょこちょこシリアスが含まれるのは仕方がない

とりあえずオリ主とめぐねえとのイチャイチャ描きたいんや…
それだけなんや……





6話 由紀姉は遠足をご所望です

「以上、丈槍レイの地下生活でした。これにて閉幕」

 

あの忌々しい記憶を遡りながらりーさんに説明する作業は終わった。

所々フィクションを織り交ぜているのは、まあご愛嬌だ。

 

言わない方がいいことはちゃんと理解して話す部分を選んでいる。

 

さてさて、この状況どうしたものか。

 

「さて、りーさんどうします?」

 

「どうって?」

 

「決まってるじゃないですか。俺を()()()()()()()()()()()()()()()、ですよ」

 

フェンスを乗り越え、フェンスの外側に立つ。

少し足を外へ運べば屋上から地面へ真っ逆さまだ。

確実に死ぬ。

 

 

りーさんが選べば、僕はこの先に身を投げることになる。

 

 

「そんなの…」

 

ああ、困らせてしまってる。

でも遅かれ早かれ、いつか直面してもらうべきことだ。

 

「俺は発症を薬で抑え込めれましたが、完全に治ったとは言えません。いつまた発症するかわからない。そんな俺を…学園生活部に、皆さんの側に置くのは、とてもとてもリスクが高いです。安全を取るなら、俺を追い出すべきです。流石にめぐねえの為だけに、みなさんを、めぐねえを危険に晒したくないですから」

 

例えどんな返事をされたとしても、覚悟はできている。

そもそも、その覚悟でここに来たはずだ。…多分。

 

 

いやだって、記憶が曖昧なんだもん。

 

 

「そんなの…決まってるじゃない」

 

辛そうな顔をしながらりーさんが言葉を紡ぐ。

 

「…もちろん、レイ君には居てもらうわ」

 

「へ?」

 

だいぶ予想外な答えが返ってきて、素っ頓狂な声をあげて呆けた顔をしてしまった。

 

「な、なんて?え?りーさん?俺を学園生活部に居ていいと?」

 

「ええ、そう言ったのよ?聞こえなかったかしら?」

 

「いやいや、りーさん。自分が何言ってるかわかってます?」

 

「ええ、めぐねえが大好きなレイ君にはずっと学園生活部に居て、由紀ちゃんのお世話をしてもらって、私たちの生きるお手伝いをしてもらいます」

 

「は、はぁ…」

 

要は、いつも通り雑用をこなしてくれ、ってこと?

 

「…いいんですね?若狭悠里さん。後悔…しませんね?」

 

「当たり前じゃない。…知らないだろうけど、私達はみんなレイ君に感謝してるのよ?」

 

「感謝?なぜですか?」

 

「それは…ふふ、秘密よ」

 

「えー…」

 

りーさんは悪戯っぽい笑みを浮かべた。

それを見てこれ以上聞いても無駄だと悟って、大人しくフェンスを再度乗り越えて内側へ入る。

 

「レイ君、ごめんね…辛いことを…」

 

「いえ、構いません。寧ろ話す時期が早まっただけです。それよりも、俺を置いてくれると言っとくれて、正直嬉しいです。またずっとめぐねえの側にいられるんですから。みんなの生きるお手伝いもできる」

 

「そう…。それにしても、本当にとても冷たいわね」

 

「まあ今まではできる限り隠してましたから」

 

りーさんに手首を触られて、ヒンヤリとした感触に驚かれる。

 

「さて…それじゃあ…お説教ね」

 

「え?」

 

生徒会室まで来たところでりーさんが突如そう言った。

 

「え?じゃありません。学園生活部にの規則を忘れたかしら?頭のいいレイ君はすぐに覚えていたはずだけれど?」

 

「え?え、いやーそのー…」

 

冷や汗を垂れ流しながらゆっくりと後ずさりをして逃げ…

 

「逃げちゃダ・メ・よ?」

 

「は、はぃ…」

 

有無を言わさず腕をガシッと掴まれた。

 

ああ…わが人生ここで潰えたり…

 

 

 

その後、トイレの為部屋を出た由紀と胡桃は生徒会室で正座させされているレイを見たとかなんとか。

 

 

 

 

 

次の日

 

「おはよーございます…」

 

「おはよう、レイ君」

「おはよー」

「おはよう」

「おはよーレー君!」

 

寝ぼけた状態で生徒会室に来ると、みんな揃っていた。

 

「…とうとう由紀姉より後に起きてしまった…」

 

「どういうこと⁉︎」

 

「そのままの意味だよ。それにしても…由紀姉、やたら上機嫌ですけど、何かあったの?」

 

そういうと、不敵に笑みを浮かべながら由紀姉は立ち上がった。

 

「みんな!遠足!行こ!」

 

「「「「遠足?」」」」

 

「そ!もう遠足の時期じゃん?だから!え・ん・そ・く!」

 

はぁ…そんなこと言われてもなぁ。

 

 

「ふっふっふー。私気づいたんだ。

学校を出ないで生活するのが学園生活部!でも!学校行事なら学校を出たことにならない!」

 

由紀姉はドヤ顔でそう言った。

 

 

「「「「・・・」」」」

 

しかし。俺たち全員が黙ってしまった。

 

「よね?」

「…」

 

「よね?」

「…(メソラシ)」

 

「よね?」

「さあ…」

 

りーさんは黙って考え、くるみさんは目をそらし、俺は疑問形で返した。

 

「め、めぐねえ!」

「そうねえ…いいとは思うけれど…」

「いやいや、おかしいだろ。遠足って部でやるもんじゃないだろ」

「くるみちゃんはあたまかたいね!わたしたちの後に道はできるんだよ!」

「ぬぅっ…」

 

相変わらずの破天荒さ。

由紀姉らしいや。

 

「それなら提出用の文章を作りましょう。めぐねえに見てもらわないと」

 

「むっふっふー…」

 

りーさんがそう言うと、またもや由紀姉は不敵に笑った。

 

「じゃーーん!」

 

机の下から、なにかをとりだした。

よく見ると『学園生活部による遠足』と言う題名の文章だった。

 

…相変わらず遊ぶことになった時の準備の速さよ。

 

「そうね、これを見せてもらえたらいいわね。由紀ちゃん、それもらってもいいかしら?」

 

「うん!はい、めぐねえ!」

 

めぐねえが由紀姉から紙を受け取ってそれをしばらく眺める。

 

「うん、オッケーよ」

 

「やったー!」

 

どうやらいいらしい。

てことは、色々と考えないとね。

 

由紀姉は喜びながら授業へ向かっていった。

 

「そうだなぁ…それじゃあ色々と考えないといけないですね」

「だな」

「そうねぇ」

「行くのはいいのだけれど…足はどうする?」

「車…が一番いいですね。歩きや自転車は流石に危なすぎます。運転…は、どうしましょう。流石にめぐねえは無理だと思います」

「え、そんなことないわよ。大丈夫よ」

 

「いやいや。めぐねえ。()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

俺がいった一言で、全員が一瞬固まった。

 

「めぐねえは、優しいから、きっと躊躇してしまうと思います。それに、めぐねえには手を汚して欲しくないです。後は…純粋にめぐねえ運転が時々怖いので」

 

「ゔっ…」

 

最後の一言がめぐねえの心に突き刺さったような音が聞こえた気がしたが、まあ許してほしい。

めぐねえに手を汚して欲しくないのは本当だし。

 

「ゲームならなぁ…なんとかなるとは思うけど」

「俺、一応運転のやり方はめぐねえの見よう見まねですけど大体分かりますよ」

「そうねえ…そもそも5人乗れますか?」

「つ、詰めればなんとか…」

 

まあ、最悪俺がトランクの中なり車の上になり乗ればなんとかなるか。

 

 

 

 

 

〜2日後〜

 

「ふふん、レイとは初めてだな」

「そうですね」

 

「それじゃあ行くよー。よーい」

 

由紀姉の掛け声で、くるみさんと共に構える。

 

「どん!」

 

同時に走り出す。

 

廊下を、一心不乱に走る。

少しずつ由紀姉のいるところまで近づいていく。

 

そして横を走り抜けたと同時にカチッと言う音が聞こえた。

 

「はあっはあっ…。……まじですか。まけたぁ…」

「ふふーん。鍛え方が違うさ」

 

肩で息をしながら見上げると、そこにはすでにくるみさんがいた。

さすがは元陸上部…。

いやでもさ、()()()()()()()()()に負けるとは思わなかった。

 

「さてさてタイムは…」「俺のタイムも…」

「ん」

「あちゃぁ…タイムだだ落ち…」「うわっ…タイムくそ落ちてる…」

 

これはヤバい。鍛え直さないと…。

 

「ねえ、2人とも。シャベルとか色んなもの持ったままだけど…」

 

「「あっ」」

 

そして由紀姉に指摘され、俺たち2人とも素っ頓狂な声をあげた。

 

てかくるみさん忘れてたんかい。

 

「もう、くるみちゃんのシャベル愛には妬けちゃうよ。もうシャベルと結婚しちゃいなよ」

「なっ。いやほら、道具は体の一部になるまで使いこなすって言うだろ。奥義開眼ってやつ?」

「どうする?シャベルなしの計る?」

「いや、いい。これならいける」

 

突如真面目なことを言われてくるみさんは赤面していた。

ああいう由紀姉の天然はセコイと思うんだ。

 

 

 

〜教室〜

 

現在はりーさんとくるみさんと共に作戦会議中。

 

「玄関からは無理だな」

「3階から降りれば駐車場まで150メートルだけれど…シャベルを持って全速力よ?いける?」

「余裕余裕。さっきタイム計ったし」

「どうしましょうか。1人より2人で行った方が安全ではありますが…」

「そーだな。んじゃあたしがレイの周りを蹴散らすから、レイが探し出して運転するでどうだ?」

「そうですね。めぐねえの車知ってるの俺だけですもんね。それじゃあそれで行きますか」

「おーけー」

「それじゃあ…くれぐれも気をつけてね?」

「はい、りーさんも由紀姉とめぐねえをお願いします」

 

りーさんからめぐねえの車の鍵を受け取って、改めて体を解す。

 

「んっ…よし。それじゃあ玄関に着いたら連絡ください。そしたら俺たちもいくんで」

「わかったわ」

 

そうしてりーさんと別れた。

 

「さて…スイッチ切り替えて行こう…」

 

軽く頰をパチンと叩いて気合いを入れ直す。

 

「それじゃあ再確認しときましょうか」

 

「おう」

 

「くるみさんから先に降りて、俺は降りると同時に走って行って車まで全速力で行きます。くるみさんは追い抜いてくれて構わないんで進行方向にいるアイツラを駆除する」

「ああ。でも流石に全部はキツイぞ。明らかに邪魔だとわかる奴だけ。それ以外はあたしが引きつけるだけ。お前はその間にできる限り早く車を出して運転する」

「ええ。まあ見よう見まねで覚えてるだけなんで少し時間がかかるかもですけど」

「構わねえさ。あたしを轢かなかったら」

「大丈夫ですよ。そんなヘマは多分しません」

「多分じゃダメだぞ?」

 

そんなくだらないことで笑いあっていると、持っていた携帯が二回振動して止まった。

りーさんからの合図だ。

 

「よし…それじゃあ」

「いくか」

 

窓枠にかけてある緊急避難ハシゴをくるみさんから先に降りていく。

くるみさんが先な理由は、まあ色々察してください。

 

下から着地する音が聞こえて、俺も飛び降りて着地する。

ちょっと足が痺れたけど、まあこの際はいい。

 

「よーい」

「ドン!」

 

事前に決めていた掛け声を言って、同時に全力疾走をする。ゾンビの間を潜り抜けていく。

 

車まで、ひたすらに走る。視界の端の方でくるみさんが引きつけてくれているのが分かった。

くるみさんを信用してゾンビのことは考えず車まで走り抜く。

 

「はあっはあっ…着きました!」

「おう!」

 

鍵を開けて運転席に乗る。記憶をたどりながらエンジンをかける

ブロロロ…とエンジンがかかってくれる。

 

「よし!」

「わり!少し時間食った!」

「いえジャストです!」

 

くるみさんが助手席に入ってきた。

それを確認してすぐに車を出す。道中にいるアイツラは遠慮なくぶつける。玄関に辿り着いてくるみさんが降りて玄関のところにいるはずのみんなに向かって叫んでくれる。

 

そして続々と車に入ってくる。

 

「よし!出しますよ!」

「ま、まってシートベルト」

「揺れますからねぇ!」

 

由紀姉が何かを言っていたが関係なく車を発進させた。

 

出した瞬間に目の前にいたアイツラを轢いたが、まあいい。

これから遠足なんだから悪いことは考えないほうがいい。

 

 

「それじゃ、遠足に」

 

「「「「「しゅっぱーつ!」」」」」

 

こうして由紀姉の掛け声と共に学園生活部第一回目の遠足が執り行われた




見ただけで車の運転覚えるって大分凄いですよね。
レイってやっぱりハイスペック…

さて、がっこうぐらし新刊出ますし買いに行かないと……



読んでくださりありがとうございます

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