Fate /World Record~樹海聖杯探索~ 作:片倉 陸翔
では、どうぞ('ω')ノ
ホテルを出た二人は、まず目の前の湖を周った。
「大きいですね」
「ああ」
二人で湖畔を歩いていると、ロザリアが
「あの、気になったことが...」
「ん?なんだ」
「そのTシャツ何ですか?」
先程までの教授らしい服装とは打って変わって、真っ白な服のちょうど真ん中にでかでかと文字が書かれていた。
「へんか?」
「いや、その先ほどまでとのギャップが」
「これは友との思い出の品でな...」
「友ですか?」
「ああ、まだ未熟な時に出会った大切な友だ」
彼が思いにふけるかのように空を眺めていた。
「すみません」
「構わんよ。気になるのもしょうがない」
そんな話をしていると、小さな公園が見えてきた。
「ここはいいですね」
ロザリアの声にウェイバーは返さない。
「先生?どうしました?」
「一つ気になってな」
「はい?」
「お前、今どんな感じだ?」
「?どういうことですか?」
「体調などのことを聞いている」
「いえ、そんなには...ああ、ただ、少し息がしにくいかな、高所だからでしょうか?」
「普通はこれぐらいではそれほど変わらない。答えは...」
彼がポケットからガラス管を取り出した。
「温度計ですか?」
「似ているが違う」
それを彼女の目の前に持ってくる、
「あ、光ってます。さっきの道具と似てますね」
「これは魔素を測定する器具だ。光が強いほど濃い濃度ということだ」
「それなりに強く発光してませんか?」
「ああ、この時代には珍しい程な」
「そうなんですか?」
「魔素が空気中にあったのはメソポタミア文明が栄えたころだ。それ以降は徐々に薄くなり今はほ
とんどない」
「なぜですか?」
「まだ具体的にはわかっていない。魔術協会も調べていてな考古学の部署がこの研究をしている」
「じゃあ、彼らが知ったら...」
「無論飛びつくだろうな」
「じゃあ、どうして一般の人も大丈夫なのでしょう?」
「ふむ」
ウェイバーもこのことは気になった。顎に手を当てて考えてみたがすぐには結論が出なさそうだ。
「すまない。私もわからない」
「そうですか...」
「そう落ち込むな。今は目的を見失うな」
「あ、そうですね」
二人が暫く歩くと、小高い山が見えた。
「あそこは神社のようだな。人からも見られにくいから。召喚には適するか」
「そうですね。あ、この公園はどうですか?」
「ここでは人目に付く、やめておけ」
「うう。じゃ、じゃあ今更ですけど、ホテルの自室はダメなんですか?」
「隣の部屋の奴に知られたくはないだろう?」
「は、はい。そうですね」
「まあ、意見を言うのはいいことだ。今は間違って構わない」
彼女を彼なりに励ますと、元気が出たのか、笑顔が戻った。
「さて、そろそろ暗くなるが、もう一つ調査をするぞ」
「どこですか?」
ロザリアの質問にウェイバーはその方向を指さした。
「この湖だ」
「なんでですか?」
「少し気になってな」
「は、はあ」
二人は近くのボート乗り場に向かうと一台仮、湖の真ん中に向かった。
真ん中まで来ると、ウェイバーはオールを置いて、胸ポケットから空の試験官を取り出して水を汲んだ。
「・・・・・・・」
「ど、どうしましたか?」
「やはりか」
「なにが?」
「ここの湖の水も魔素を含んでいる」
「え?そうなんですか?見た目は普通の水っぽいですが」
「近くで見てみろ」
彼が試験管を近くに持っていく
「あ、本当だ。なんかぴりぴりします」
「人体が魔素と触れることで起こる現象だ。これは弱いからいいが、濃いと肌が焼けるぞ」
「えええ。そうなんですか?」
「魔術師はそうなりにくいが、完全ではない気をつけろ」
「わ、わかりました」
「さて、一通り終わった。夜まで寝ておけ。召喚を今夜実行する」
その言葉にロザリアの顔が引き締まる。
「は、はい」
「では、戻るとするか」
再びオールを持つと、船を岸に向けて漕ぎ出した。
この後、係の人から家族と勘違いされたのは言うまでもない。
ありがとうございました。