Fate /World Record~樹海聖杯探索~   作:片倉 陸翔

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 二次創作は初めてです。頑張ります。
 では、どうぞ('ω')ノ


報告と来襲

 要求は案外簡単に承認された。

 どうやら、一部の人間はこのことを知っていて、ちょうど、誰を送るか考えていたらしい。

 ただ、長期休暇ということと、先のルーマニアでの悲惨なこともあり、誰も行こうと名乗り出ず、上も困っていたらしい。

 なぜ教授全員にこのことを伝えないのか聞きたくなったが、どうせ極秘内容だと口裏を合わせていろいろ言いそうだったので、追及はやめておいた。

 夏の間のことで学生たちに聞かれたり、サマーキャンプに誘われたりしたが、そこは仕事で遠出しなければならないと言っておいた。残念だと項垂れていた(主に女子)がまあそこは無視しておこう。

 次にやらなければいけないのは、彼女にこのことを言っておかないといけないのだ。

 正直気が重い。彼女も性格さえ良ければ、もっと評価も高いだろうに。しかし、其れを払拭するくらいの才能があるので、何とかなっているのだろうが...一通り時計塔内の教授や自分の教室の学生に予定を伝え終わると、肩が重くなるのを感じながら、エルメロイ邸に向かったのである。

 

 屋敷到着すると、大勢の使用人が迎えてくれた。十年前から続いていてさすがに慣れたが、いままで経験が無いため、どうも、居心地が悪い。

 使用人にカバンを預け、自室に向かう。彼女に帰ってすぐに言おうとしたが、そこまで急ぐ必要は無いと考え、夕食の時にでも話そうと思った。

 だが、その考えはすぐに打ち破られる。

 その時彼は、カバンに必要なものを詰めていた。

 そんなときに、突然ものすごい勢いで自室の扉が開け放たれた。

「我が兄よ!!帰ってきたなら、帰ってきたと言えばいいではないか」

 声の主である彼女―ライネス・エルメロイ・アーチゾルテはエルメロイの家の次期当主である。

 今はロードが代理としてエルメロイの家を取り仕切っているが、彼女が仕切るの日はそう遠くない。

 彼が元々の名前であるウェイバー・ベルベットから、今のロード・エルメロイ二世になるきっかけ(というよりは強制的にさせられたが正しい)になった少女でもある。

 彼女がロードを兄と呼ぶが、当然血はつながっていない。そのことでかつていろいろ言われたが、それは忘れよう。

「一人で考えことか?貴方はそれが本当に好きだな。それでよく学生たちに嫌われないものだ」

 ライネスのこの言い方は何度聞いてもイラっとする。この口の悪さがなく、淑女のように慎みがあれば完璧なのだが...

「また、また無断で入ってきたのか。頼むからノックぐらいはしろ」

「断る。前にも言ったではないか。私は兄以外の部屋に無断では入らないと」 

「その兄である私に気遣いは?」

「ゼロだ」

「・・・・・・・」

 正直二の句が継げない。どうしようもない娘に育ったものだ。

「まあいい、ところでお前に話しておきたいことがある」

「ほお、なんだ?結婚の話か?」

「なんでそんな方向になる。寝言は寝て言え」

「私は寝言でも、貴方に言うことは変わらないぞ」

 彼女と話すといつも彼女のペースに巻き込まれてしまう。だが、今回は大切なことなのでここで折れるわけにはいかない。

「そうではなくてだな。来週から長く見積もって三週間程、日本に行ってくる」

 「えっ」と小さく彼女が呟いたのが聞こえたが、すぐに、

「ほ、ほお。あのゲーム以外日本が大嫌いな我が兄が日本に行くと。それで、何をしに?」

「どうやら、富士の樹海付近で大聖杯に匹敵する魔力が測定されたらしい。それを報告し

 てきた知人に会いに行くのと、可能ならば、そのものの断定をしたい」

「おかしいな。そのようなこと、魔術協会の他の部署が担当するだろ」

「普通はな。だがトゥリファスでの一件以来、その部署の人がかなり参ってしまってな。

 またあのようなことが無いように、マスター適正もある人物を向かわせたいらしい。私

 がたまたま、日本に行く要望を提出したから都合がよかったのだろう」

 「しかし、お前もこのことを知らなかったのか」と聞くとライネスは首を横に振った。

「ああ、知らなかった。気付いているとは思うが、それは上層部の一部しか知りえていな

 いだろう」

「そうなると、ますます怪しいな」

「まだ確証が付いていないから、というのもその一つだろう」

「とにかく、私は出かけるから、そのことを知っておいてくれ」

「大丈夫だよな?ちゃんと帰ってくるよな?」

 彼女にしては珍しいことを言う。普段なら、「ふん、樹海に誤って迷い込んで死なないようにな」とでも言ってきそうだが、彼女が本当にライネスなのか疑いたくなった。

「お前にしては珍しい。心配してくれるのか。以前は散々命令して送り出したくせに」

「わ、私だって相応の心配はする。今回はケースがケースだ。大聖杯の可能性も考慮する

 と、最悪聖杯戦争に巻き込まれる、または貴方が参加することになるかもしれない」

「それぐらいは考慮している。だからサーヴァントの触媒も持っていく」

「ふざけるなよ。それではまるでそれに参加すると言っているも同然ではないか」

「まあ、そうかもな」

「いい加減にしろ!!会いに行くのと、死にに行くことは違う。貴方はこれからやっても

 らうことがたくさんあるんだ」

「それが、もう少し感動的な内容だったら一瞬躊躇しそうになるが、やはりお前だとその

 気が失せる」

「これでも、私はかなり心配しているぞ」

 それはわかる。あんなに声を張り上げるのは、初めてだ。ふっとロードは口元を緩める。

「な、なんだ。気持ち悪い。貴方が笑うなんて珍しいな」

「今日は大分珍しいことが続くな」

 ロードは一呼吸置くと真剣な表情で、ライネスに告げる。

「お前に嘘が通じないのは知っている。だがこれは本当だ。実際私は運がいい。それも飛

 び切りな。だから大丈夫だ。ちゃんと帰ってくる。お前が言った通り、やりたいことは

 まだ山ほど残っているからな」

「本当だな?」

「ああ、本当だ。ただ」

 彼女をしっかりと見据えると、ロードは以前から決めていたことを言う。

「今回の場合、私は一端ロード・エルメロイ二世から、元のウェイバー・ベルベットに名

 を戻すつもりだ」

「突然だな。理由を聞こう」

「このエルメロイの家に迷惑をかけることはしたくない。以前の家名ならそれは私だけに

 かかることだ」

「・・・・・・」

 ライネスが黙り込む。彼女のことだ、どのように言ってもロードが曲げないことはわかっているだろう。

「ふん。以前の件で私が言ったこともあるしな。今回は特別に許可をあげようではないか。ただ...」

 しっかりと彼を見つめなおすと、

「必ず生きて帰ってこい。そうでなければ意味がない。例え名を戻したとしても、貴方は

 現在のエルメロイの当主だ」

「・・・・・・約束しよう」

 この言葉を最後に、ライネスは部屋を出て行った。

(いつもと大分様子が違っていたな。全く、女の考えていることは難しい)

 そう思い支度に戻るとすると、入り口に何かが落ちていることに気が付いた。

 拾い上げると、どうやら飛行機のチケットだった。

(ハワイ行か...)

 なるほど、恐らくはこれのことを言いに来たのだろう。

 ただ、幸いにもこのチケットの日時は、彼が日本から帰ってきた次の日になっている。

 ふっと、少し笑うとチケットを机の引き出しにしまった。

(これは、さらに死ねなくなったな)

 若き次期当主のお怒りに触れないように、早く仕事を済ませようと心に誓ったのだ。 

 




 原作の人物が出ました。申し訳ありません。
 原作の設定と少し違うかな?そこは、まあ、僕のオリジナルということで...
 次は日本に舞台を移します。ようやく、オリジナルキャラを一気に出せそうです。
 フラグが立ってない?個人的に思いました。ご想像にお任せします。
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