Fate /World Record~樹海聖杯探索~   作:片倉 陸翔

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 が、頑張ります。
 できるだけ、毎日投稿したいですが時間の都合上決まった時間に投稿することができません。
 この物語もかなり長く続くと思うので、約一年ほどお付き合いください。
 では、どうぞ('ω')ノ


旅と謎の少女

 それから一週間後。

 ロード・エルメロイ二世改め、ウェイバー・ベルベットは日本へと旅立った。

 久しぶりにこの名前を名乗るので、受付で確認の時に名前を呼ばれたときに違和感を覚えた自分を呪いたくなった。

 強制的に与えられたとはいえ、あの名前(ロード・エルメロイ二世)に、すっかり慣れてしまっていた。

 そんなわけで、自分の名前に戸惑いつつも、彼を乗せた飛行機はイギリスを飛び、約半日かけて日本へ到着した。

(以前この国に来たのは十年以上前か、さほど変わらないか?)

 ただ彼の場合、以前降り立った空港は関西のほうで、今回は首都東京の空港だ。 

 結局彼は日本の東側には初めて来たことになる。

 飛行機を降りると、今度は電車に乗る。ただ、彼はこれが大の苦手である。

(イギリスもそうだが、日本は特に乗る人数が多い。これだけは慣れんな)

 イライラしながらも電車を乗り換え、特急で山梨県に入った。

(首都の隣だというのに、自然がかなり豊だな。)

 そんなことを考えながら窓の外を眺めていると、ふと自分の席の斜め向かいに座っている少女に気が付いた。後ろ姿しか確認できないが、白銀の髪からして日本人ではない。

 普通はただの観光客かで済ませてしまうが、彼女からそれ以外の何かを感じ取った。

(まさか、な)

 情報は魔術協会の上層部と彼の知人しか知りえていない。それが他に伝わるなどありえないと思った。

 そんなことを考えながら次の乗換駅に付く。木造の駅で、個人的には好感を持てた。

 その駅から、今度は違う線で目的地に行くらしい。

 今回の彼の予定では、まずはガーネットのところを訪ね話を聞いた後、目的地に向かう。

 だから、彼女が今いる大学のある駅に向かうのだが...

(これか)

 案外あっさり見つかった。聞くところによると、まだ新しいらしい。

 これに向かうべく切符を買うのだが、特急があるらしい。早く着きたい自分にとってこれは良いことだ。

 ホームに向かうと違和感があった。線路が一本しかないのだ。

(こんなところを特急が通るのか、しかも幅もかなり狭い。本当に特急か?)

 だが、それも杞憂に終わる。やってきた電車は間違いなく特急だった。

(ほう、しかもかなり凝っているな)

 周囲を見渡すと、数人程日本人ではない人を見つけた。おそらくこれは、観光の面が強いのだろう。

 一人で考えていると、特急のドアが開いた。内装もしっかりとしている。

 大学は左側に見えると駅員に聞いたので、左側の席に座る。

 そろそろ出発時刻を迎えるようとしたとき、背後から声をかけられた。

「もし、隣よろしいでしょうか?」

 声からして、まだ若い。自分の教室にいる学籍と同じくらいか、もしくはそれより少ししたくらいだ。

「反対側の席が空いている。富士山を見たいのならそちらのほうがいいぞ」

 嫌味ったらしく言うと、くすりと少女は笑った。

「いえ、別に観光目的で来たわけではありません。あ、失礼します」

 まだいいとも言っていないのに彼女はウェイバーの隣に座った。

「いいとは言っていないが」

「ええ。ですが、私はあなたとお話ししたくて」

 なんだろう、家の学生に似ている気がする。

「話とは?初対面だよな。我々」

「はい。しかし、貴方の名前と顔はこの世界にいる人間(・・・・・・・・・)なら誰でも知っていますよ」

「ほう」

 この一言で、彼は察した。彼女はこちら側の人間である。

「今回はどのような目的でこちらに?」

「知人に用があってな、今から彼女の大学まで足を運ぶことになっている。ついでに言う

 が私は今はその名ではない」

「といいますと?」

「今の私はウェイバー・ベルベットだ」

 この会話で彼女も察したのだろう。それ以上追及はしなかった。

「あ、自己紹介が遅れました。私、ロザリア・オーギュストといいます」

 ライトブルーの目をキラキラさせて、彼女———ロザリアは名のった。

「オーギュスト?あのオーギュストか」

「はい、あのオーギュストです」

 各国にはその国で力のある魔術師の一族がいる。ウェイバーが当主代理を務めるエルメロイ家はイギリスでは真ん中くらいの位置にいる。

 その魔術師といううのは、古くからその国に根差して、魔術回路を継承してきた一族のことを意味する。

 イギリスの場合、その家の数は六つあり、その一つがオーギュスト家である。

 主に植物を操る術に長けた一族とは聞いている。

 ただ、この一族は、魔術協会といったものがあまり好きではない。というのも、その残りの五家は魔術協会に所属しているのだ。彼女の一族は、これまでも他の五家とは余り関わらずにいた。五家が人の多い町などに、本拠を置くなら、オーギュスト家は反対に森の奥にひっそりと集落を造り魔術の研究を行ってきた。そのため、昔はしばしば争いになったという。今でも彼女の一族と五家の一つであるロングリアという一族は仲が悪い。考え方が根本的に違うのだ。

「あの、ろ、ウェイバーさん?」 

 どうやらまた一人で考え事をしていたらしい。ちらりと彼女を見ると怪訝な目で見ていた。

「ああ、すまない。考え事をしていた」

「そうだったんですか。...ところで、お願いしたいことがあるのですが」

「なんだ」

 嫌な予感しかしない。

「私もそこにご一緒してもいいですか?」

「だめだ」

「即答!?どうして」

「お前が何をしにここに来たのかは概ね予想がつく。なら余計についてこさせるわけには

 いかない」

「・・・・・・・」

 全くの正論である。おそらく、いや確実に聖杯戦争になった場合二人は殺しあう。

 そんな敵に情報を流すことなど聖杯戦争においてタブーである。

「それでも」

 下を向いていた顔を上げこちらを強く見つめてくる。

「それでもお願いします。私は...私は証明しないといけないんです」

「何を?」

「己の強さ、価値を、一族に自分を認めさせなければならないんです」

「それがお前の願いか」

「はい。だから少しでも情報が欲しいんです。お願いします」

 席を立ち、人目を憚ることなく深々と頭を下げた。

「・・・・・座れ」

 ウェイバーは彼女に着席を促す。

 すると、車内にアナウンスが流れる。どうやらそろそろ自分の目的の駅に到着するそうだ。

「荷物を持て」

「え?」

「付き添うのだろ。なら、それぐらいはしろ」

 一瞬ポカーンとしていたロザリアだが、理解した途端

「は、はい」

 笑顔を浮かべてウェイバーのカバンを持った。

 二人は連れ立って、列車のドアへと向かう。

「あの」

「なんだ」

「ありがとうございます。その失礼だと思いますが、どうして急に許可してくださったの

 ですか」

「・・・・・・・・さあな」 

 言えない。かつて自分も同じような思いで参加したなど。かつての自分と重なったなど。

 それはウェイバー・ベルベット(この名前)を名乗っているから余計に思いが強いのかもしれない。

 かつての自分と彼女。性別も違えば、力量も全く異なる両者が同じように見える。

 これからどうなるかわからない。ただ、このかつての自分の影(ロザリア・オーギュスト)がこのわずかな間にどう成長するのか少し見たくなったのだ。




 話の展開早いですかね?
 やっとオリジナルキャラがちゃんと登場しました。ガーネットは次回に出ます。
 ロザリアですが、彼女の成長をお楽しみください。
 本作のキャラクター設定は、それなりに話が進んだら出します。
 今はさすがに面白くないですよね?
 読んでくださりありがとうございました。
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