Fate /World Record~樹海聖杯探索~ 作:片倉 陸翔
突然変わっていて、あれ?と思うかもしれませんが、すみません。
今回はこの作品の登場人物たちの様子を描きます。
まだ、誰がどのクラスを使用するかは秘密です(大丈夫。ちゃんと決まっています)
では、どうぞ('ω')ノ
時間軸を少し前に戻す。
ウェイバー達が日本に到着する少し前、京都では四つの家がそれぞれあわただしくなっていた。
神宮寺家では...
「それで、我らのみ知る情報を、英国の野蛮人に知られたと...」
まだ若い、しかし威厳と絶対的自信に満ちた少女の声が、部屋一帯を流れていく。
「申し訳、ございません」
彼女が座っているのは、最奥の席、つまりは当主のみが座ることを許された席である。
そんな彼女の正面で、いかにもいい年した男が土下座をしていた。
その男を鋭い眼光で少女は睨めつけている。
「なぜ感づかれた?」
「その、情報を盗んだ魔術師がこれまた、技術が我らよりうえでして...」
「・・・・・・・・・」
彼女が持っている扇をひらひらとふると、その男は両腕をつかまれどこかに連れてかれた。
「あ、ああご当主、どうか、もう一度、もう一度チャンスを」
「たわけ!貴様のような失敗人。誰がいるか。早くその者を下げよ」
男の懇願むなしく、ずるずると引きずられて行ってしまった。
「さて、次にその場所を誰に任せればよい?」
彼女は並んで座っている自分の家臣たちを見る。
だが、誰もが下を向き、応じようとはしない。
「そうか、誰も居んか。しょうがない。おい、そこの若いやつ」
「は、はは」
指名されたのは一番端にいた、まだ若い男だった。
「お前を次の情報管理の責任者に添える。異存はないな?」
「は、はい。ございません」
男は冷や汗を浮かばせながら、彼女の命令に頭を下げた。
「うむ、任せた。それで、以下がするか、このまま彼奴らに
な」
「恐れながら、ご当主。提案がございます」
「ほう、筑摩か、言うてみよ」
筑摩と呼ばれた老年の男は、息を一つ吐くと、「では」といい話し出した。
「此度の件、無論無視できることではございません。しかし、英国は西洋の魔術師どもの中でも
一、二を争う力を持つ者たちであります。しかも、彼らが使う英霊どもは、世界中から集めた
生粋の
そこで、ご当主自ら英霊を操り、蛮族を討ち払うのです」
「ほお、妾自らとな?」
「はい、そうすれば、日本ばかりでなく世界にご当主の力が伝わります。そればかりでなく、恐ら
くですが、このことを他の三家も知っているでしょう。しからば、そこで彼らを討てば、彼らも
それ以降我らにたてつくことはないでしょう。そうすれば実質ご当主があれを手に入れたことに
なります」
「ふむ。一理あるな。他の者はどうだ?」
周囲を見渡すが、誰も反対の声を上げない。
「なるほど、皆もそう思うのだな。ならば筑摩の意見を採用しよう。妾直々に奴らを屠ってくれる」
「使う英霊はいかがなさいますか?」
「そうさな、この日の下で最も強いものにしよう。わかったな?」
「「「「「「「「「「「「ははあ」」」」」」」」」」」
彼女の声に家臣が一斉に賛同する。
「では、妾はこれより支度に入る。連れになるものを、筑摩。見繕っておけ」
「かしこまりました」
そういうと彼女は部屋の向こうに消えていった。
彼女が消えるまで頭を下げていた老年の顔には、笑みが浮かんでいた。
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安部家では...
「玉清。玉清はおらぬか?」
屋敷全体を揺るがすくらいの大声が響く。
その声に反応し、一人の男が現れた。
「お呼びでしょうか。父上」
彼—安部 玉清は、父である晴通に呼び出された。
「よいか、数日前、我らのみ知る富士の宝の情報が盗まれた」
「!?それは、誠にございますか?」
「ああ、本当だ。それを知った神宮寺や高ノ宮、一条が彼の地へと向かう支度をしているらしい」
「なるほど、それで」
「いい機会だ。お前もそこに向かい。ブリテンの魔術師を屠るついでに他の三家を始末しろ」
「え、そんな、急に...」
「なんだ?言うことが聞けんのか?」
「い、いえそんな。わかりました」
「ふん。わかればいいのだ。英霊の触媒は追って渡す。お前は富士に向かう支度をしろ」
「はい、その英霊は、もしかして...」
そう言いかけた瞬間、周囲が押しつぶされそうな殺気に一瞬で支配された
「愚か者!!」
晴通の激昂が飛ぶ。
「あの方を、使うだと?無礼にもほどがあろう。我らが祖を何だと思っている!?」
「も、申し訳ありません」
玉清はすぐに華麗な土下座を決める。頭を畳にこれでもかと押し付けて、
「わかったならば、さっさと行け!!!」
彼の怒鳴り声とともに、玉清は自室に全力で走ったのだった。
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高ノ宮家では...
バイオリンの音が部屋の中を軽やかに流れている。
ここは京都の西、高ノ宮家の屋敷だ。
この家は、他に家とは少し違い、海外の魔術も学ぶ。だから他の家からすれば裏切者、異端者と呼ばれてしまっている。もともと、冬木と東京の対立時に真っ先に監視に賛同したのが高ノ宮家だった。
そのため、他の三家と違い冬木と東京も魔術師とも仲がいい。
明治の鹿鳴館を思わせる屋敷の二階、そこにいる当主—高ノ宮 和葉はドアの前にいる使用人に気が付くと弾いていたバイオリンを止めた。
「どうしはりました?」
「は、お取込み中申し訳ございません」
「構いません。どうぞ」
「では、イギリスの魔術師が昨日空港を飛び立ったと」
「さよですかぁ。計画通りですね」
「ええ、Ms.ガーネットによると、かなりの腕だと...」
「それはそれは、では我らも行きましょか?」
「はい、しかし和葉様。此度の戦い、そんなにうまくいきますでしょうか?いえ、出すぎた口でし
た。申し訳ありません」
「気にすることあらへんよ、真理。あの聖杯はあてら高ノ宮がもらいます。邪魔は三家のみ、他なん
てどうでもええこと」
「かしこまりました」
「富士のふもとに付いたら、まずその魔術師に会いましょか」
「わかりました」
「ああ、後、触媒は?」
「こちらに」
それは布切れだ。
「・・・・・ほんまにそれは
「はい、お家の鑑定士ども確認させましたが、間違いないそうです」
「おおきに。ほな、行きましょか?」
そういうと和葉は旅行鞄を持って部屋を後にした。
(さて、安部と神宮寺は間違いなく参加するし、あても狙われましょうが、一条はんはどうしま
す?)
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一条家では...
「なるほど、三家が富士の麓に、そして外国からも」
彼—一条 恒永は、紅茶の入ったティーカップを静かに机に戻した。
優雅に椅子に腰かける姿は、まさしく彼の気品の高さを示している。
「いかがなさいますか?」
「三家は勝手に争わせておけ、それより...」
彼の手にこもる力が増す。
「その外国の人間が、僕には許せない。ここは日本だ、日本の
においおい取られてなるものか」
口では普通にいているが、明らかに嫌悪の様子がうかがえる。
一条家は日本の魔術を支えてきた最古の家だ。故に外国の勢力を酷く嫌う。江戸時代末期にも攘夷を真っ先に朝廷内で訴えていたほどだ。
そのため、外国の魔術も学んでいる高ノ宮家は大嫌いである。
「おい、あの触媒はあったか?」
「あ、あれでございますか?しかし、それは先代様からもきつく使うなと言われておりまし
て...」
「知ったことか!!。僕が使うなら使うんだ。すぐに準備しろ」
「...かしこまりました」
何かをあきらめたように、使用人は一礼すると下がっていった。
「ふん、外国人も高ノ宮も一度に滅してくれる」
そういうと、冷めてしまった紅茶を一気に飲み干した。
(負けるものか、我らは日本最古の呪術師の一族。その誇りにかけて)
魔術師の四家がそれぞれ、富士の樹海に向かい始める。しかしこれから起きることを彼らは知らない。
???...
冬木市、アインツベルンの居城にて。
一人の男が書物を漁っていた。
「違う、これじゃない.........これだ!!」
何かを見つけたらしく、その資料を持ってきたカバンに入れる。すると...
「何者だ?貴様そこで何をしている?」
見回りをしていたホムンクルスが彼にライトを当てた。
映し出されたのは金髪、そして蒼の目。明らかに日本人ではない。
「ち、見つかったか」
男は横にあった書物も抱えると部屋の窓を開けた。
「待て、!?もしかして」
「へ、あばよ」
そう言い残すと、男は窓から飛び降りた。
城内が騒ぎになり、必死に男を探す。
だが、夜だったことも相まって、男を見つけることはできなかった。
この日、冬木の地で強盗事件が起きた。盗まれたものは二つ、一つはホムンクルスに関するデータ。もう一つは、アインツベルンが突貫工事で造った聖杯の二号機に関するデータだった。
このことがのちに大きくかかわってくるのだが、それはまた別の話。男の行方は、何処へ...
ちょっとわかりやすかったでしょうか?
いや、何かとは言いませんよ?
読んでくださりありがとうございました。
次か、またその次、サーバントの召喚です。たぶん。