抹殺された神の愛し子 作:貴神
嬉しいです。
少し、質問が。
セリフの前に名前とかあったほうがいいですか?
あと、情景にその人物の名前は姓名のどちらがいいでしょうか?
応接室
達也は朝から風紀委員長の渡辺 摩利と部活連会頭の十文字 克人、さらには生徒会長の七草 真由美の第一高校のトップ3と相対していた
三人は兎も角、達也は授業がある
しかし、三人のそれも内二人は十師族
達也の単位の一つや二つの取得させるなど造作もないだろう
が、こんなところで使うのは如何なものか
それは横に置き、達也は三人からの呼び出しに予想があったのか動揺した様子はない
達也『……』
十文字『…。』
摩利『……。』
真由美『…』
暫し無言が続き、埒が明かないと達也が沈黙を破る口火を切る
おもむろに先輩の前で堂々と自分のCADの調整を始める
これには、真由美と摩利が虚を突かれる
十文字も同様だが、柳眉を僅かに動かすだけに留まる
真由美『ちょ、ちょっと守夢君?』
こういう雰囲気が苦手と思われる真由美が案の定声を上げる
達也『?はい、何でしょうか?』
真由美『何って、私達が何も話さないからってそれはやめて欲しいんだけど。』
摩利『そうだな。守夢、それは放課後にやってもらいたいんだが?』
摩利も真由美に賛同する形で圧力をかけてくる
達也『それは先輩方が私を授業から切り離して連れて来たんですよ?要件があるから同行したのに会話せず、蔑ろにしているのは先輩方なのでは?』
十文字『…すまないな。』
こちらが圧倒的に有利な状況のため、弱腰ではなく、強気を全面に押し出すと結果としても相手が折れる形となる
達也『いえ、此方も口が過ぎました。それで要件というのは?』
十文字『率直に言おう。守夢、部活連か風紀委員に入らないか?』
やはり、と達也は心の中で呟く
達也『それは何故でしょうか?私は生徒会の副会長と役員に反対を受けた身。いくら二人を倒したからと言って入らなければならない理由が私にはありません。』
真由美『それはそうなんだけど。』
摩利『別に良いじゃないか、それくらい。あいつらも徐々に認めるさ。』
援護射撃にしては根拠が薄い
達也『徐々にですか。笑わせますね。…条件があります。』
十文字『なんだ?』
条件と言われて、三人は身構える
達也『一つ本日、放課後に生徒会室に風紀委員入りの申し出に伺います。その際にあの二人から承諾をいただけなければ入りません。二つ、魔法科高校には魔法協会の文献閲覧のアクセス権がありますよね。その権利を優先的に使わせて下さい。』
決して無理な条件ではない
二つ目はともかく、一つ目が大きな課題だろう
何せ負けた奴の要求を受け入れることになるのだから
真由美『えぇ!一つ目なんて、あの二人が反対するのは目に見えてるし。二つ目もあの二人が聞いたら発狂するわ。』
達也『それでしたら、部活連、風紀委員入りも諦めて下さい。私がこの高校に入った主な目的は文献の閲覧が可能なので入りました。自治会組織に時間を拘束されるため、残り時間の有効活用が必要です。許可等に無駄な時間を割かれたくありません。』
十文字『…いいだろう。』
観念したのか十文字が承諾する
真由美『ちょっと十文字君?』
当てにしていた十文字が承諾の回答に真由美が裏切られたような表情になる
摩利『まぁ、待て真由美。面白そうじゃないか。』
摩利に関しては、楽観視が多い気がするのは気のせいではない
真由美『摩利まで、この二つの条件をクリアしないと守夢君入ってくれないのよ?』
摩利『それはそうだが、やるしかないだろう?司波を呼んでおけよ真由美。』
昨日、三人で話し合って、達也の自治会組織入りの方向性を固めたのだ
いまさら後には引けない
十文字『決まりだな。昼休み、服部と生徒会室に来る。』
達也の風紀委員入りのためにも服部と深雪な賛成が必要なのだ、時間は限られている
達也『それでは、交渉成立ですね。では、私は授業がありますので、退席させていただいても構いませんか?』
摩利『あぁ。放課後、待ってるぞ。』
勝ち誇った表情の摩利が妙に気になるが、授業と興味の天秤は当然の如く授業に傾く
達也『では。』
席を立ち、応接室の出入口に向かう達也
扉を開けるも出ていかない達也
それを不審に思い声をかけようとするまえに再度達也によって遮られた
達也『あ、そうだ。言い忘れてました。』
真由美『何?守夢君。』
何か他に条件があったのかと思うと身構えそうになる
が、達也の口から出た言葉は予想を上回るものだった
達也『先程、十文字会頭から勧誘がありましたが、別に私は今日、放課後に風紀委員入りの申し出をするつもりでしたよ?お三方、交渉術はまだまだですね。それでは失礼します。』
その言葉を何度も反芻し、何を言われたのか理解するのに、十数秒
真由美・摩利『『守夢(君)!!!』』
十文字『やられたな。』
応接室では、発狂した真由美と摩利、何枚も上手な達也に何も言えない十文字が残された
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生徒会室前
達也はこれから何度もここに足を運ぶことになるのかと思いつつも諦めの念を抱いていた
達也『1-Eの守夢 達也です。』
真由美『…入って。』
朝の事が引きずっているのか、若干入室許可が遅かった気がするのは気のせいではない
達也『失礼します。』
摩利『さて、早速本題に入ろう。』
達也が生徒会室に入り、真由美が何かを言いかける前に摩利が遮る
さっさと言えと言外に告げられる
達也もそのつもりのため本題を告げる
達也『七草生徒会長。私、守夢 達也は風紀委員入りの推薦をお受け致します。つきましては、生徒会役員の方々のご了承を賜りたいと存じます。』
生徒会役員の面々に視線を投げる
真由美『えぇ。こちらこそよろしくね。』
鈴音『守夢君、貴方の活躍期待しています。』
あずさ『ふぇ、えっとその、頑張って下さい。』
ほのか『頑張って下さい!』
雫『ファイト。』
会長の真由美に続き会計の鈴音、書記のあずさ、ほのかと雫に関しては励ましの言葉に聴こえるが心の内は好意があるため、あえて反応はしない
そして、問題のーー
服部『……風紀を乱すなよ。』
敵対という訳ではないがそれに近い
服部の言葉は寧ろ、監視に近いかもしれない
何時でも、お前を監視しているぞとでも言いたげな
深雪『…無様な姿を曝せば、後ろから射ちます。』
こちらはあからさまな敵意である
達也は内心、この二人をよく丸め込めたなと感服していた
摩利『では、決定だな。』
真由美『よかった~。』
真由美は安堵が口に出てわかりやすいが、摩利の場合は、表情が安堵を示しており、意外と摩利の方がわかりやすいのかもなと失礼なことを達也は考えていた
しかし、二つ目の条件をすぐにこの二人が認めるとは思えないため何気なしに訊く
達也『あえて伺いますが、別条件とはいえ、まさかと思いますが、二つ目は話してないと解釈してよろしいですか?』
摩利『うっ、鋭いな。』
隠せなかったかと摩利
視線をズラし真由美を見るも摩利と同じ表情をしている
服部『…?会長、二つ目というのは?』
真由美、摩利が顔色を変えたため質問する服部
真由美『えっ、それは。』
達也『それはですね。魔法協会に保管してある文献の等のアクセス権の優先閲覧資格です。』
真由美が口ごもるため、代わりに達也が暴露する
隠すことでもないし、この際ハッキリしておきたい
深雪『…なんですって?』
美人とも美少女とも評せられる深雪の眉間に皺がよる
怒るとその顔が台無しになるなと思いつつも口には出さない。原因の一つは自分にあるからだ
服部『…貴様、とことん性根が腐っているようだな?』
達也『?私は風紀委員入りの申し出をするつもりでしたが、勧誘をしてきたので、条件をつけて勝手に相手が承諾しただけですので。』
そこまで、怒る必要がわからない
一方的に要求を突き付けてきたから条件を出す、交渉事では当たり前だ
そもそも、この閲覧許可には時間短縮の効果しかないことを理解できていないらしい
どう説明したものかと考えていると益々炎上の一途を辿っていた
服部『会長!こんな性悪などやはり反対です!』
深雪『そうですわね。会長、私も取り消し致します。彼の風紀委員入りを反対します。』
真由美はあたふたして摩利に助けを求めるも摩利には二人を止める権限がないため、肩を竦めている
仕方がないため、達也が二人を理詰めで説明をする
達也『おや?生徒会役員というとても素晴らしい地位のお二方がそんな軽々しく言葉を変えてよろしいのですか?』
理詰めでもない、ただの挑発だ
服部『なんだと。』
達也『もう少し冷静に考えて下さい。あそこの文献を閲覧する人間がこの高校に延べ何人いますか?しかも、閲覧資格といっても他の生徒と変わりません。唯一違うのは、許可証がいつでも使えるという点だけです。』
服部・深雪『『っ!』』
ようやく、その問題に辿り着き、苦虫を噛み潰した顔をする
達也『ご理解していただけてなによりです。もっと、物事の状況を把握してから発言お願いします。』
やるときはとことん徹底的にするため容赦の無い達也に摩利が止める
摩利『そのくらいにしておいて、守夢よ。今から風紀委員本部に行くぞ。』
このままだといつまで経っても終わらないであろういがみ合いを終わらせる
摩利は達也を引き連れて生徒会室を後にした
摩利に引き連れて風紀委員本部を訪れた第一印象は一つ
倉庫なのかと
気にする風もない摩利に達也は進言を試みた
達也『委員長』
摩利『?なんだ、守夢。』
達也『この物置のような部屋が本部ですか?』
第一印象をそのまま言葉にするも摩利に動揺はない
摩利『そうだが、男所帯だからな。片付けが苦手な奴等ばかりでな。』
男所帯で仕方ないで片付けているらしい
尤も、片付けるの意味は違うが
達也『ちょっと片付けしますので。魔工技師志望としては少々耐え難いものがあります。』
摩利『魔工技師?あんなに対人戦闘スキルがあるのにか?』
レオと同じことを言われるも自分に魔法力が無いことは分かっているため落胆はない
その前提があれば、こちらの理由付けを出来る
達也『友人にも言われましたが、私は二科生です。魔法力はあまり無いので。精々Cランク止まりですよ。』
魔法師としての素養はないが、別の素養があるためランクなど正直言って、達也にはどうでも良いことであった。別の素養は話す気は無いが
摩利『それはすまなかった。つい、あの二人を倒してしまったから。』
達也『いえ、あれは模擬戦だからで、ハイスペックのCADと体術もありですからね。体術はそれなりに鍛えてます。実技は魔法のみの戦闘ですし、実技は二科生の下から数えたほうが早いと思います。』
摩利『さて、昨日も言ったが、君を入れた理由はあれが主な理由だ。』
粗方、清掃が終わったところで摩利が達也に風紀委員の勧誘理由を語る
達也『てっきり、イメージアップかと。』
摩利『まぁ、それもある。』
達也『イメージアップは逆効果かもしれませんよ。今年も過去と同様に一科生と二科生の溝は深いですよ。』
なにせ新入生総代が筆頭なのだ
変わる訳がない
摩利『だが、そこまで深みに嵌まりきっていないから、認識を変えることは容易い。これから、その風潮が拡がればと思っている。これは、真由美や十文字も同意見だ。』
意外にも真剣な表情に達也もそれ以上に追及はしない
達也『まぁ、何でもいいですけれどね。ところで、私以外には誰が入るのですか?あの森崎という生徒ですか?』
摩利『そうだ。教職員枠でな。先日の件は説教をしておいたからそこまでだとは思うぞ。』
あの騒ぎでてっきり、取消かと思われたが、新入生ということもあり厳重注意で終わったようだ
??『ただいま戻りました。』
??『委員長、本日の逮捕者は0名です。』
風紀委員本部に二人の風紀委員が入ってきた
一人は体格の良いいかにも体育会系の生徒
もう一人は柔らかな面差しをするも目の奥には芯のある意思のある生徒
??『?、姐さん。この部屋は姐さんが片付けを?』
驚きを隠せない声が摩利の怒りを買う
摩利『誰が姐さんだ!お前の頭は学習能力はないのか?しかも、私が掃除したらおかしいのか!』
冊子を筒状にして頭を叩く摩利に精神的に痛かったのか呻く声が聴こえる
??『ところで、そいつは新入りで?』
復活したのか、達也に目がいく
摩利『生徒会推薦枠でな。』
??『へぇ、あの模擬戦はお前か。』
グラウンドであれだけ派手にやったのだ
知られてもおかしくないが、言葉の中に含まれているのは好意的な感情が含まれているのを感じた
??『辰巳先輩、その発言はどうかと。素直によくやったと誉めては。』
どうやら二年生の先輩はあの模擬戦を高く評価してくれているらしい
が、試されている感じはする
摩利『お前らな、全く。』
素直でない部下を嗜める摩利
達也『気にしてませんよ。魔法力で劣っていることは否定しません。』
沢木『すまないな。2-Dの沢木 碧だ。くれぐれも名前では呼ばないでくれよ?』
握手のために手を差し伸べられる
達也『…よろしくお願いします。』
高校生とは思えない握力で達也の手を握る
試されている目はこの握手かと、目を細める
しかし、黙ってやられる程達也は優しくない
即座に手の骨が砕けない程度で握り返す
沢木『?!ぐぁ。』
握力に自信があったので試したが、それ以上で逆襲に遭うとは思わなかったようでもがく
しかし、逃げようにも握力が自分以上ではその術がない
握り返すなんて生優しいものでもないほどの握力
達也は相手の全身の力がある程度弱まったのを感じ、さらなる攻勢をかける
投球のフォームで弧を描き、沢木を地面に叩き付ける
一瞬で意識を刈り取ることと、なるべく痛みを最小限の投げを遂行する
達也にとっては日常のため作業に等しいが傍から見れば目を疑う光景である
沢木『ぐは! 』
計算通り意識を失う沢木
辰巳『沢木!?』
沢木が倒されることに唖然とする
達也『すみません、つい。攻撃の意思かと思いまして。』
反省の意思はないが、一応形だけでも謝る達也
摩利『おいおい。鋼太郎、これが守夢の実力の一端だ。風紀委員はある種の実力主義。問題ないだろう?』
最初の言葉は達也
後ろは部下を落ち着かせる
辰巳『全く問題ありませんが。沢木がこうもあっさりとは。すまないな。3-Cの辰巳 鋼太郎だ。この風紀委員でわからないことがあれば訊いてくれ。』
風紀委員に一年間在籍して、それなりに違反者を取り締まってきている沢木があっさりとやられる姿に驚きを隠せない
しかし、裏を返せば服部を沈めた実力と言える
これ以上の逸材はいないだろう
達也『ありがとうございます。』
十数分後
沢木『…うっ、俺は。……そうか、堕とされたんだな。』
辺りを見回し、自分がどういう状況か思い出す
達也『気が付きましたか?』
沢木『…すまなかった。君を試したつもりが逆にやられるとはね。』
まさか、自分以上に握力がある人間がこの高校にいるとは思わなかった
達也『こちらこそ、初見でこのような行為を申し訳ありません。風紀委員としては十分だと思いますよ。1-Eの守夢 達也です。これからご迷惑をおかけしますが、精一杯頑張りますのでよろしくお願い致します。』
沢木『こちらこそ、期待してるよ。』
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
入学式の後はクラブ勧誘の時期
これは魔法科高校でも同じらしい
摩利『さて、今年も馬鹿騒ぎという名のクラブ勧誘がやって来た。風紀委員としては幸い卒業生による欠員を確保出来た。紹介しよう。二人、立ってくれ。』
馬鹿騒ぎ 聞こえはいいが、この時はどのクラブはある意味戦力補強のために血眼になって勧誘を行う
摩利『1-Aの森崎と1-Eの守夢だ。森崎は兎も角、守夢の実力は既に承知済みだと思うが、異論があるやつは言え。』
実際問題、服部を倒したということは誰も敵わないということに他ならない
三年風紀委員『本当にあの服部をですか?』
摩利『そうだ。』
沢木『僕もやられましたよ。一回投げられただけでね。』
三年風紀委員『沢木もか?!』
摩利『何を驚く。守夢は魔法力では劣るが、実戦なら私や真由美、十文字と互角だろう。』
摩利は良くも悪くも正直であるためその言葉に嘘偽りはほとんどない
この場合は達也が圧倒的に強いという証明がされる
風紀委員『!!』
摩利『異論はないようだな。では、森崎と守夢は話があるから残れ。他の者は巡回へ、出動!』
半信半疑で達也を一瞥し巡回に行く風紀委員の面々(辰巳と沢木は別ではあるが。)
摩利『さて、巡回の前にこのレコーダーを渡しておく。何か物的証拠が必要なときに使え。あと、CADは個人の物を使用して良いからな。一応、風紀委員や他の自治会組織はCADの携帯は校内の取締りでは許可されているが、不正使用は一般生徒より厳罰が下される。』
注意しろよと摩利
達也『質問しても?』
摩利『なんだ?』
達也『ここのCADを使用しても構いませんか?』
先日、片付けていたCADを指差す達也
摩利『それは構わないが。あれは旧式だし、お前にはCADがあるのではないか?』
片付けの最中にもかかわらず、使えそうなものを選別もしていたのかと、感心する摩利
達也『シルバーホーンですか?あれは目立つので。それにあれは旧式と言っても、エキスパート使用の高級品ですよ。自分用にメンテもしましたし。』
摩利はシルバーという単語にそこまでの興味は示さなかったが、森崎はあり得ないと表情を変える
摩利『構わんよ。どうせ埃を被って誰も見向きもしなかったんだ。存分に使ってくれ。』
達也『では、この二機を拝借致します。』
摩利『二機?…期待してるぞ。』
何をしてくれるのか予想がつかないが、摩利の良い方向で裏切ってくれるからある意味面白い
本部は出て、巡回の向かおうとすると声が掛る
森崎『おい。』
達也『?何か?』
森崎『CADの同時操作なんて出来る訳がない。二科生如きが調子に乗るなよ。』
一応、二機のCADの同時操作の難しさを知っているようでそれだけを吐き捨てて達也とは逆の方向に歩いていく
達也は興味無さそうにその姿が消えるのを見届け、ほのか達と約束(させられた)の場所へ向かう
約束の場所に着くとほのかと雫がすでに待っていた
達也『すまないな、待たせたか?』
ほのか『いえ、雫とどう回ろうかと話し合ってたところです。』
今日だけは委員会の仕事を放棄してクラブを見回るらしい
雫『達也さんは、どこを回るの?』
達也『とりあえず、テントだな。どこで何のクラブがあるのか知りたい。情報収集だな。』
明日以降のこともあるため場所だけは把握しておきたい
地図が置いてあることもあり、テントの通りから巡回する達也
そこに見知った顔が複数の生徒達に囲まれているのを見かける
エリカ『ちょっと、離してよ。キャッ!どこ触ってんの!』
勧誘ともとれるが、強引さも見受けられ、エリカも対応に苦辛していた
ほのか『あ、エリカちゃん。』
慌ててほのかが止めに入る前に達也が先に対処する
力で捩じ伏せてもいいが、如何せん女子生徒が多い
暴力と言われては立つ瀬がないため、地面を揺らし、バランスを崩させる。
勧誘部員達『キャッ!』
体の芯を揺らされた生徒達は尻もちをつく
その隙にエリカの手を掴み脱出を促す
達也『走れ!』
校舎の裏に避難しほのか達を待つ
達也『ここまで来れば、大丈夫だろう。ほのか達も来るな。エリカ、制服を整えておけよ。』
エリカ『なっ!…見た?』
達也『勧誘部員に襲われかけているエリカを見たが、それ以上は。』
エリカ『…見てんじゃない。』
勧誘部員達に揉まれていたため、制服を整えるよう助言したのが仇となった
達也『いや、だから見てないと。』
誤解を解こうと振り替える
エリカ『今、見た!この変態!』
達也『不可抗力では?』
さらなる誤解を生む達也
どうにかこの状況を打開するためにもほのかと雫が早く来てくれることを願う
ほのか『達也さん、エリカちゃん!』
雫『二人とも何やってんの?』
達也にとってこの状況の介入に二人は幸運の青い鳥だが、必ずしも達也を助けるとは限らない
エリカが状況を二人に説明(少々拡大被害が含まれている)をする
ほのか『そうだったんですか。』
雫『それは、達也さんが悪いね。』
ほのかも雫に同意を示す
ほのか『見たければ、私のを!』
服を脱ごうするほのか
雫『ほのか、落ち着いて。』
ほのかを落ち着かせる雫だが、内心はほのかと同様のようだ
エリカ『…で、どこに行く?無いなら、ちょっとだけ付き合って三人共。』
自分で引っ掻き回したからお詫びのつもりなのかエリカが話題を挙げる
達也『剣道のクラブ勧誘か?』
エリカ『入るつもりはないけど、そんなとこ。』
剣術の大家の娘というべきか、興味があるようだ
第二小体育館
ここで、剣道のクラブ勧誘が行われていた
竹刀を持って向かい合った二人の鍔迫り合い
初心者には見応えはあるが、ある程度剣の道を修めた者にとってはお遊びに見える
ほのか『凄いですね。』
エリカ『そう?あんな見え見えの演舞じゃあね。』
達也『デモンストレーションにはあれくらいの見栄えがないと入らないと思うが。』
エリカ『それはそうなんだけどね。』
達也『殺し合いはおいそれと見れるものではないだろう?』
エリカ『達也君が言うと違うね。』
達也の秘密を探るような目をする
勘弁してくれと達也
そんなやり取りをしていると事件の匂いが漂ってきた
雫『?なんか下で揉めてるみたい。』
達也『行ってみるか。』
風紀委員の身のため、現場は確認しておいた方がいい
壬生『ちょっと、桐原君。剣術部はまだ時間じゃないわよ!何を勝手にうちの部員にちょっかいを掛けるわけ!』
桐原『心外だな、壬生。俺はお前の実力とこいつの実力じゃあ演舞は務まらないから俺が相手をしてやると言ってるんだが?』
どうやら、剣道部の時間に剣術部が横やりをいれているようだ
エリカ『あれ、知った顔だ。』
達也『どちらが?』
エリカ『両方。男子は桐原武明って言って、関東剣術大会中等部のチャンピオン、実質日本一。女子は壬生 紗耶香 中等部剣道大会の女子部で全国二位の猛者よ。』
それなりの力を持った二人らしい
そんな二人が言い争いをするとなると、半分の確率で何かが起こる
壬生『何を勝手な事を。…良いわ、そこまで言うなら相手してあげる。剣技に磨きを掛ける私に勝てると思わないで。』
男の子特有のちょっかいを女子生徒の方は受け流すかと思われたが、案外女子生徒も年相応な反応をする
ほのか『な、何か不味くないですか?』
ほのかの言う通り何かが起こる気配がした
達也『あぁ。』
そう言って、レコーダーにスイッチを入れる
桐原『望むところだ、壬生。』
相互とも竹刀の先を軽く触れ合わせ、互いに数m距離をとる。試合をするために
エリカ『達也君はどう見る?』
どちらが勝つか
達也『二人の実力には差はない。あとは、心の問題だな。』
達也の予言通り、真剣になれなかったのが勝敗を分けた
女子生徒の壬生の竹刀が男子生徒の桐原の右鎖骨に入る
一方の桐原の竹刀は壬生の左腕に入るもアザが出来る程度、明らかな勝敗があった
壬生『私の勝ちよ。仮に真剣でも同じよ。素直に負けを認めたら?』
桐原『…ハハッ。真剣勝負がお望みか壬生?だったら、それで相手してやるよ!』
何故、不要な言葉を発するのか
焚き付けて逆上させることが趣味なのかと達也は思った
お決まりのごとく桐原が乗り、魔法は発動させる
近接戦闘魔法 振動系高周波ブレード
ほのか『危ない!』
桐原が壬生に斬りかかる
壬生が危機を察知し紙一重で避けるも、防具には長さ30cm程の刃物傷が入る
桐原『どうだ、壬生?』
壬生『くっ!』
桐原『おらおら、どうした。お望みの真剣勝負だ!』
尚も、壬生に斬りかかろうとする桐原に達也が間に割って入る。
エリカ『あっ。』
両手首に着けたCADを前に交差する
CADから発せられた魔法が桐原の魔法を無効化し、周りに船酔いのような感覚を与える
ほのか・雫・エリカ『…何これ、気持ち悪い。』
頭を揺さぶられるような感覚と吐き気を助長する波動がその場を中心に広がる
生徒達『うっ。』
見学していた生徒達は意識を保つのが精一杯だった
桐原『…っ?何が』
魔法が突然使えなくなり、頭が揺さぶられる感覚に襲われ意識がはっきりしない
その隙を縫って達也は壬生が持っていた竹刀を奪い取り、桐原の竹刀を居合の構えから真っ二つに切る
壬生『あっ!』
壬生は達也の後方に居たが、その光景をただ黙って見ているしかなかった
桐原『っ!?』
桐原は竹刀が軽くなった感じがして、竹刀を見ると半分欠けて、まるで刃物で切ったような切り口をしていた。
そんな思考に耽る桐原に達也は優しくなく、追い討ちを掛けるように床に組伏せた。
無論、先に右の鎖骨を床にぶつけながらである。
達也『こちら、第二小体育館。現在、逮捕者一名。負傷していますので、救護班もお願いします。魔法不適正使用のため桐原先輩にはご同行を願います。』
この判断には納得がいかず、剣術部員は抗議をする。
剣術部『ふざけるな、なんで桐原だけなんだよ。剣道部の壬生も同罪じゃないか!』
達也『魔法不適正使用のためとお伝えしましたが?』
壬生に対して挑発するなと思うくせに自分はする。
なんとも矛盾の塊である。
剣術部『雑草-ウィード-のくせに生意気な!』
当たり前に剣術部員が怒り狂う、
達也『此方、第二小体育館。逮捕者を訂正させていただいてもよろしいでしょうか?風紀委員への妨害で剣術部全員で。』
逆上しているのに、まだ怒らせる。
正しく 火に油を注ぐとはこの事である。
剣術部『舐めるな!』
剣術部『ちょこまかと!』
部員の一人が達也に殴りかかるもあっさりと避ける。
二人、三人と達也を捕まえようとするも避けられる。
挙げ句の果てには、戦闘不能にされる始末。
一人には脳を揺らし立てなくする
一人には鳩尾で歪ながらも土下座の体勢
一人には手刀で意識を刈り取る
一人には一蹴りで壁に張り付けにしたり
そんな風に部員達を静めた(沈めたとも言う)あとに呟いた言葉は
達也『抑止のつもりが、挑発になってしまったな。』
棒読みで呟くも周囲は嘘を付け、と思ったとか思わなかったとか。
エリカ『いや、明らかに挑発でしょ。』
剣道部の演舞よりも達也の剣術部大捕物語りが好評だったのか。
二科生はともかく、一科生でさえ達也に拍手を送っていた。
??『面白い人間だな。』
達也『…』
拍手の中達也をひそかに視線を送る人間に達也は気づきながらもこちらに害はないので放って置くことにした。それよりも先にどう顛末は報告すべきか考えていた。
如何でしたでしょうか。
①本当は風紀委員本部で一悶着。
沢木を服部同様に堕とす予定でした。が、風紀委員のこの二人は摩利の言うましな部類らしいので、取り止めました。
②達也の能力追加その一、剣も使えます。
③剣術部全員を戦闘不能にしちゃいました。
④ほのかと雫が少々達也に対して暴走してます。
では、次回お会い出来ますように