抹殺された神の愛し子 作:貴神
いや、待ってていただける方はいるのか不安ですが。
仕事と転職活動でバタバタしていて、中々進まず。
落ち着くまでこんな感じで進めて行きますが、創作して行きたいと思いますので、見守っていただければありがたいです。
部活連本部
達也は生徒会長の真由美と風紀委員長の摩利、部活連会頭の十文字に剣道部の演舞中に剣術部の乱入の顛末を報告していた
達也『――以上になります。』
摩利『ご苦労。』
真由美『それにしても、剣術部全員を相手にして無傷とはね。流石、服部君と深雪さんを倒しただけあるわね。』
嬉しそうな真由美
摩利『本当にな。もう一度訊くが、魔法使用は桐原だけで間違いないか?』
達也『はい。他は使われる前に鎮めましたので。』
『しずめた』達也が言うこの言葉の意味は中々に物騒である
摩利『…沈めたの間違いではないのか?』
あえて、訂正する摩利
達也『そうとも言いますね。』
真由美『もう、摩利ったらそんなことは後でいいから。今後についてよ。守夢君、貴方の意見を聞きたいわ。この件をどうするか。』
不正に魔法を使用したのだ
厳重な罰が必要である案件にあたるため当事者の達也の意見も参考にしたい
達也『そうですね。桐原先輩も反省してますし、厳重注意で良いのではないでしょうか?喧嘩両成敗で剣道部、剣術部共に。まあ、次にこのようなことがあったならば次は病院送りにしますので。』
逆に罰が必要なのは達也なのでは?と考えなくもない発言である
摩利『そこは君に任せる、手加減はしてやってくれ。という訳だ、十文字。今回の件は風紀委員から懲罰委員会に持ち込むつもりはない。後の対処は任せる。』
風紀委員はこの件に関しては何も言わないと摩利
十文字『寛大な措置に感謝する。殺傷性ランクBの魔法を使って全員無事。守夢のおかげだ。礼を言う。桐原も十分反省もしているから、こちらから厳重に注意をしておく。』
正直、死人が出ていたかもしれないのだ
達也が剣術部全員を戦闘不能にした位些末なことだ
あとはこちらで処理をするためこれでこの話は終わりだと十文字
十文字と摩利、真由美が顔を見合わせ、真由美が代表して達也に尋ねる
真由美『それでなんだけど、守夢君。』
達也『何か?』
真由美『模擬戦の事を詳しく知りたいのだけれど。』
あれだけ派手にやったのだ、追求は来るのは想像に難くない
さて、どうやって逃れるべきか
達也『体術が得意なのとハイスペックのCADに助けられたでは納得出来ませんか?』
摩利『粗方は理解出来た。が、どうやってあの司波の暴走した魔法を消し、気絶させたのか。これはどうやっても解らないんだ。』
お前の口から説明しろと
達也『はぁ、わかりました。口が固いと仮定して、ある程度は説明します。しかし、司波さんの魔法を止めたあのは私ではありませんよ?』
自分の出自は伏せて、九重八雲の弟子であること、深雪を倒した魔法等ほのかや雫達に話した内容を更に削って説明した
自分の魔法は出すと後々厄介のため否定する
達也『以上です。質問は内容によっては拒否しますので。』
真由美『なるほどね。波の合成で強い三角波を作り出して酔った状態になったと。これは、鈴ちゃんに話していいかしら?あの子も気になってて。』
どうやら、えらく上級生の好奇心を駆り立てていたらしい
もう少し、これからの行動を自重すべきかと思案をする
達也『構いませんよ。話して良い内容で説明してますので。』
摩利『あの、忍術使いの九重八雲の弟子だったか。それならば、納得のいく身体的技術だ。しかし、剣術部を沈めたのは忍術ではないだろう?』
達也『回答を拒否します。』
二科生のことを知って何になるのだと思うが、これ以上自分に関心を持たれるのはよろしくない。
摩利『これはダメなのか?剣術部員に後遺症が残るか確認したいのだが?』
どうしても知的好奇心に勝てないらしい
これ以上踏み込んでくるなら、牽制をすべきか
達也『…、仕方ありませんね。この件では、忍の身体的技術と今回は空手です。』
摩利『カラテ?なんだそれは?しかも、今回は?』
真由美は勿論のこと、十文字までわからないといった表情をする。
達也『皆さん、魔法以外の知識には興味は無いんですね。』
呆れたと達也
真由美『ごめんなさいね。それで守夢君、カラテっていうのは?』
達也『魔法を使わない正真正銘身体的技術の一つです。剣を相手にする無手の武術です。最も武術ではなく、武道。つまり、道(みち)ですので、基本は心、精神を鍛えるものですが、私の場合は戦闘向きですが。他には中国拳法や柔道、剣道、剣術、ムエタイ、シラット等で海外の格闘技も学んでいます。これらの他にもありますが、大体これらを多用していると思います。』
摩利『なら、竹刀を真っ二つにしたのは。』
達也『あれは、居合道です。剣を使う武道です。竹刀なら竹刀で斬れますので。』
簡単に言ってのける達也に何も言えない三人
達也『皆さん、如何されましたか?』
真由美『…凄すぎて何も言えないだけよ。』
達也『?魔法が使えない分を体術で補ったに過ぎません。驚かれる理由が見当たらないのですが。』
自分の欠点や足りない部分を他で補う、当然の思考ではあるがどうやら違うようだ
十文字『普通ならな。しかし、大抵は才能が無いと諦めて自分の道を閉ざす。そこは俺もお前が尊敬に値すると思うところだ。』
十文字まで達也を褒めるため達也も戸惑う
達也『…ありがとうございます。一応、全ての説明はしました。ご質問はありませんか?』
真由美『そうね。大丈夫よ。ありがとう守夢君、明日もよろしくお願いね。』
達也『承りました。それでは、失礼します。』
十文字『魔法力が無いのか惜しまれる逸材だな。』
退出したのを見計らって十文字がこぼす
真由美『でも十文字君、守夢君に魔法力が有ったら負けるんじゃあ。』
空気を読まない真由美
摩利『勝つ負けるの話ではないと思うぞ?』
それを突っ込む摩利
十文字『それで、守夢の家の事は何か解ったのか?』
そんなことに目くじらを立てる十文字ではないため直ぐ様話の内容を変える
真由美『……』
摩利『真由美?』
応えない真由美に訝しげな摩利
真由美『解ったのは一般の家庭ということよ。父親がCADメーカーの一つエリシオン社で勤務というより、社長をしているということだけ。他は一般家庭で妹さんが二人と弟さんが一人の六人家族。親戚は多いみたいだけど、それ以外に突出したものはないわ。』
それ以上は調べれなかったと
摩利『エリシオン社というとあの、トーラスシルバーが居るな。そういえば、守夢はシルバーホーンを持っていたということはそういうことか。』
守夢がシルバーホーンを持っている理由がわかる摩利
真由美『そうなのね。あーちゃんが喜びそうな情報だけど。だから、おかしくないと言えばそうなんだけど、普通すぎるのが怖いわね。』
それ以上が解らないことが不気味で真由美は表情を曇らせる
十文字『だが、七草の家で調べたのなら殆どそれが正しい情報なのだろう。それを上回るなら、秘匿的な四葉だろう。あいつが四葉とも思えん。』
摩利『そうだな。だが、可能性は無くはないぞ?』
真由美『そうね。でもおそらくは違うわ。…勘だけど。』
十文字『これ以上の詮索は無用だろう。解ったのは一つだ。守夢は第一高校の生徒だ。それ以上でもそれ以下でもない。』
真由美『…そうね。』
調べれなかったのか、これ以上の情報は無かったのかそれは判らない
しかし、これ以上議論しても無駄であるため一旦中止させるしかなかった
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校門で何故か達也を待っていたほのか達
達也『遅くなってしまったな。』
雫『お疲れ様、達也さん。』
ほのか『お疲れ様です。さあ、帰りましょう!』
達也が来た途端にすり寄るほのかと雫
達也『待っててくれなくても良かったのに。エリカ達もありがとうな。』
ほのかと雫は予想はついたがエリカ達までが待っていたのは予想外だったため素直に感謝を述べる
エリカ『別になんてことはないわよ。訊きたいこともあったしね。』
達也『…回答を拒否すると言ったら?』
またかと、思わなくもないが半分諦めていた
エリカ『家まで着いていく。』
達也『何もないぞ?手っ取り早く話すから、そこにあるカフェで良いか?』
アイネブリーゼと書かれたカフェを指差す
アイネブリーゼ
達也『で?何を訊きたい?』
雫『その前に、達也さん。七草会長達に何を聴かれたの?』
睨みが通常より三割増しの雫
何故睨まれるのかわからないが口に出すと炎上するような予感がするため控える
達也『俺の身体能力と模擬戦でのこと、後は今回の騒動の顛末だな。』
ほのか『わ、私もそれを聞いてもいいですか?』
達也『聞きたいなら、話すよ。』
諦めた声の達也
達也『前にも話した通り俺は九重八雲の弟子だ。それはわかるな?』
全員が頷く
達也『師匠の弟子になったのは六歳のとき。武術に関しては空手道、柔道、剣道、剣術、中国拳法、ムエタイ、シラット等で海外の格闘技も学んでいる。それ以外にも杖道や居合道、あまり馴染みがないからわからないと思うが茶道もだな。最も武術ではなく、武道。つまり、道(みち)だから基本は心、精神を鍛えるもので、俺の場合は戦闘に重きを置いている。というよりはエリカと幹比古以外は解らないだろうな。』
エリカと幹比古も曖昧な笑みを浮かべており、流石に全部は理解は出来ないらしい
念のため、剣術部員の竹刀を斬ったのは居合抜きだと説明する
エリカ『まーね。それでも、達也君みたいに何を目的として学んでるかなんて気にせず剣を振ってたわ。』
達也が高い目的意識を持って武道をしているとは思わなかったため感心のエリカ
幹比古『達也の家のは武道の家なのかい?』
守夢という家も似たような名前でも知らないため確認をとる
達也『普通の家なんだが。特殊は会社と俺位だ。』
神夢家を知るのは絶対に不可能だが、情報を流すのは愚の骨頂とも言えるため漏らしたりはしない
雫『じゃあ、あの剣術部の魔法を止めたのは?すごく気分が悪くなった。』
魔法師の卵の自分があそこまで気分が悪くて動けないのは初めてで知りたいらしい雫
達也『………それに関してはオフレコで頼みたい。あれは特定の魔法を一時的に使用不可にする。ジャミングなんだ。知っているような名前ならキャストジャミングかな?』
全員『『『き、キャストジャミング!?』』』
驚愕の色に染まる全員
達也『正確にはキャストジャミングの理論を応用した特定魔法のジャミングだよ。アンティナイトは不要だよ。』
美月『それって、新しい魔法を開発したってことなんじゃあ。』
驚くのも無理はない
それほどまでに達也の行ったことは凄いことなのだ
達也『偶然見つけた、だよ。』
幹比古『達也、それでその理論は?』
達也『焦るな幹比古。皆、パラレルキャストをしたことはあるか?』
パラレルキャスト?とレオ以外が首をかしげる
レオはやったことがあるのか頷いたあと、苦い表情を浮かべる。
パラレルキャスト:複数のCADを同時に使用すること
達也『それと同じ理論で混信による干渉波をキャスト・ジャミングの理論を応用し、【特定魔法のジャミング】にするんだ。詳しく言うとだな二つのCADを同時に使用する際に発生する想子ーサイオンーの干渉波をキャスト・ジャミングと同じように魔法師を取り巻く事象の情報体ーエイドスーを含む情報次元ーイデアーへ発信する。やり方は一方のCADで妨害する魔法の起動式を展開。この場合は、相手が振動系魔法式だから今回は振動系の魔法式だな。もう一方のCADでそれとは逆方向の起動式を展開、その二つの起動式を魔法式に変換せず、起動式のまま複写増幅し、そのサイオン信号波を無系統魔法として放つ。これはで各々のCADで展開した起動式が本来構築すべき二種類の魔法式と同種類魔法式による魔法の発動をある程度なら妨害可能なんだ。後はタイミングの問題だな。』
レオ『なるほどな、大体は理解は出来たぜ。けどよ、何で公表しねぇんだ?特許モノだぜ?』
頭で理解は出来たが、実践では相当の難易度である
達也『一つはこの理論が未完成であることと相手はある程度魔法が使えないだけで、此方は完全に魔法が使えない。一つはこれが公表されれば、社会の根底が揺るぎかねる事態になるからだ。』
エリカ『そうよね。魔法をアンティナイトを使わないで無効化するなんて知れたら、社会全体が恐ろしいことになるわね。』
達也『そういうことだ。対抗策が出来上がるまで公表する気にはならない。最も、公表しようとは思っていないけどね。』
社会がどう思おうとどうでもいいと達也
雫『勿体無いよ、達也さん。』
達也『名声に拘るなんてもっての他だ。守りたい者が守れないならそんなものに価値なんてない。それこそ海の底に沈めるさ。』
益々訳が解らないという表情をするほのかや雫、エリカ達だが、気にもしていない達也
理解が出来ないから自身の意思を明確に伝える
達也『価値観の違いだよ。』
まだ、理解が出来なかったのか唸っていたが、それ以上に言うことはないため冷えたエスプレッソで喉を潤した
神夢家
玄関で靴を脱いでいると奥から結那が出迎えてくれた
結那『達也さん、最近、帰りが遅いのですね。』
少し不満げな表情をする結那
達也『ただいま、結那。そうだね、厄介な事に風紀委員に入ってしまってね。その影響さ。』
なんだか、自分が浮気して帰りが遅くなって問い詰められている気分である
加蓮『本当に遅いよ!結那が達也に女が出来たんじゃあ?ってオロオロしてるし。』
加蓮の考えがあながち間違いではないため、苦笑いを浮かべるしかない
絡まれているというほうが正しいが
結那『なっ。か、加蓮だって、達也さんの帰りが遅いから迎えに行こうって言ってたじゃない!』
加蓮『そ、それは…うぅ。』
双子のやり取りを聴いていると相当重症のようである
心配をさせたのだなと反省する
達也『結那、加蓮。心配は無用だよ。俺はまだ彼女をつくるつもりはないよ。お前達が嫁に行くまでは独身だ。恭也も一人前になるまで心配でもある。だから、安心しろ。』
双子を撫でつつ、兄離れはいつになることやらと半ば呆れつつも達也自身もこの家族といつまでも一緒にいたいと思うあたり、自分も人のことを言えないなと独白する
加蓮『なら、私がお嫁に行けなかったら達也が貰ってくれる?』
結那『ずるいわよ、加蓮。私だって、達也さんのお嫁さんになりたいのに!』
閃いたと謂わんばかりに加蓮が達也にお願いし、続いて結那も達也にお願いをする
達也『おいおい、今から諦めてるのか?生憎だが、この国では重婚は禁止されてるし、近親婚もないぞ?』
また出たと思う反面、それも悪く無いのかもと考える自身に毒されてきたかなと思わなくもない
凛『あら?それは、達也さんが二人を嫁に迎えてくださると解釈してよろしいのかしら?』
やはり、双子の結婚相手と来れば必ず現れる双子の母親の凛
どうやって、察知しているのか知りたい処ではあるが、そこは知らぬが仏だろう
達也『義母さん、いつの間に。それは言葉の綾で、まだ、結婚や婚約は遠慮したいですし。』
凛『何度も言ってますが、私達としてはいや、神夢として、達也さんが、二人を嫁に迎えてくれることが何よりも嬉しいことは心に留め置いて下さいね?』
どうやら、とても歓迎されているようである
知らず知らずのうちに外堀が埋められているような気がするのは気のせいだと信じたい
達也『あはは。』
どうあがいても凛に勝つことは難しいと悟る達也は渇いた笑みしか出来なかった
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風紀委員で活動中の達也はあらぬ嫌がらせならぬ妨害を受けていた
達也『(何度か奇襲を受けるな。二科生が風紀委員だからだろうな。)暇人だな。』
この新歓で魔法の不適正使用や争いに駆り出されるのは風紀委員として当然だが、行く所々で魔法を向けられていた
達也『(見られているな。…来た、数は一人。嫌がらせだな。)…っ、あれは。』
別の現場に向かう途中、何者かが自分に狙いを定める
キャストジャミング擬きで迎え撃つと相手は一撃離脱で高速の移動魔法で逃げて行った
追い掛けようとするも、ある特徴的なリストバンドに追撃を止めた
達也『厄介な者が入り込んでいるな。ああいうのは大本を叩くしかないな。』
達也なら容易く捕縛出来るが、蜥蜴の尻尾切りになる可能性もあるため餌を蒔いて駆逐する方向に切り替えることにするのだった
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レオ『守夢、今日も委員会か?』
達也『いや、今日は非番です。漸く私のしたいことが出来ます。』
今日は図書室に籠るか思案する
レオ『いやーすげぇよな。一科生の部員を悉く倒した謎の一年。噂になってるぜ?』
達也『噂?』
怪談ではあるまいしと思うも少し気になる達也
レオ『反魔法団体からの刺客じゃないかって。』
刺客、と来たらこの返答しかないだろう
達也『もし、私がその刺客なら、暗殺していきますがね。』
少々真剣の声音で脅すように言うと、口調の影響もあってかレオ達は青ざめた表情をしたため、失言だったかと反省する
エリカ『怖いわよ。守夢君。』
図書室に向かう途中、二科生の上級生が達也を見つけ、駆け寄ってきた
達也『貴女は、あのときの剣道部の。』
確か、名前は壬生と言ったか
壬生『2-Eの壬生 紗耶香です。今、時間いいかな?』
笑みを浮かべ首をかしげる仕草をして達也を籠絡しようとする壬生だが、達也には生憎通じない
達也『十五分程度ならかまいませんが、私にもプライベートというものがあるので。』
壬生『あ、ありがとう。じゃあ、校内のカフェに行かない?』
達也『場所はどちらでも構いません。』
そう言うと二人はカフェに向かう
壬生『率直に言います。守夢君、剣道部に入りませんか?』
お互いに飲み物に口を付け壬生が話し掛ける
達也『何故でしょうか?』
壬生『私達は二科生です。魔法力の劣る私達は学校側から差別されています。主には予算面とか、――。』
この高校における一科生と二科生との差別という名の不満を並べていく壬生
達也『…』
壬生『魔法力の劣る私達が一科生に勝つためには、彼等を上回る力が必要だわ。』
結局のところ、欲張りなだけなのだろう
力が有って何がしたいのか
達也『それを、何故私に?何か理由があるのでしょうか?』
壬生『貴方の乱闘を治めた手腕よ。しかも、竹刀を竹刀で斬るなんて私には真似出来ない、いえ、そんな人はいないわ。その腕があるから、誘ったの。彼等を見返すために協力してほしいの。』
魔法を使わずに魔法力のある一科生を鎮めたことが凄いと、結局争うための力という訳だ
達也『なるほど、そんな下らない理由ですか。私が時間を割いたメリットはありませんね。お断りしますとだけ申しておきます。』
これ以上話す理由は無く、下らないと一蹴する
壬生『ま、待って!守夢君の剣の腕を認めてのことよ?下らないなんて、あんまりよ。』
自分と同じ境遇(二科生)のため賛同してくれると高をくくっていたため、断られるショックは大きい
達也『剣の腕なんて、所詮努力した結果に過ぎません。誰かに認められるために努力した訳でもありません。力を求めて、何をしたいのですか?』
剣道部に入るメリットが無いため切り捨てる達也
風紀委員が現在最大の障壁なのだ、これ以上枷になるものは不要だ
それに、達也の力で何をしたいのか?
壬生『そ、それは。』
答えられないが答えだ
ただの欲張りなだけなのだ
達也『そもそも、部活の予算は実績に比例して割り振られています。それはご存知のはず。実績ではなく、力でなんてそれはただの暴力です。』
壬生『っ!』
【暴力】その言葉が壬生を大きく狼狽えさせる
達也『もう一度考えていただきたい。本当に貴女がすべきことを。』
何があそこまで壬生を駆り立てるのか
しかも、あの情緒の不安定さはおかしい
何か必ず原因があるはず
独自で調べてみる必要があるかもしれないと考えるのだった
生徒会室
摩利『聞いたぞ、守夢。二年の壬生を言葉攻めにしたらしいな。しかも、そのあとは放置。中々やるなぁ。』
放課後の生徒会室で何を言うかと思えば、誤解を招きそうな発言が摩利の口から出る
達也『委員長も淑女として言葉遣いは気を付けた方がよろしいかと?彼氏さんが泣きますよ?』
炎上しそうな予感がするため摩利を窘める達也
摩利『シュ、シュウは関係ないだろ!』
この人は隠し事が下手なのだろうか?
誘導尋問さえ不要な簡単な人物かもしれない
達也『簡単に彼氏を暴露しますね。千葉 修次 千葉の麒麟児ですか。』
剣術の大家で近接戦闘魔法においては世界で五指の一人
どんな戦闘をするのか見てみたいと興味が湧く達也
摩利はあたふたしているが、隠すこともない気はする
真由美『まぁまぁ、摩利。落ち着いて。それで守夢君、何を話していたの?』
一向に摩利が落ち着きを取り戻さないので、真由美が達也に問い掛ける
達也『特筆すべきことは何も。一科生と二科生の溝が相当深いとだけ申しましょうか。魔法というものが相当に差別思考を作り出していることですね。』
摩利『…そうか。仕方ないと言えばそうなるが、解決は難しそうだな。』
いつの間にか復活した摩利
現場に出ることも多い彼女だからこそ、一科生と二科生の溝の深さを理解していた
真由美『そうよね。責めて、発信源が判れば差別思想を撤回させればいいのだけど、如何せん、いたちごっこなのよね。』
達也『大本は判りきっているのではないですか?』
真由美『どの生徒がしているとは分からないわよ?』
達也『そうではありません。日本の社会から魔法科高校に浸透させている人間、あるいは組織です。…例えば、
反魔法国際政治団体 ブランシュ そして、その下部組織のエガリテ』
全員『『!?』』
真由美『守夢君!どうしてその名前を。情報規制は完璧なはず。』
達也『完璧なことなんてこの世界はありません。唯一あるとすれば、この世で生を受ければ死にゆく宿命、死んだら生き返らないことだけです。』
尋問するような視線を真由美に向ける達也
後々に、知ることになるのだ。それが早いか遅いかの違いだけだ
観念したのか真由美が重い口を開く
真由美『…現在、ブランシュの下部組織であるエガリテの侵食を受けているのは事実です。』
達也『学校側は何の対策も講じてないのでしょうか?』
真由美『そうですね。当校の生徒がそうならば、マスコミが騒ぎますし、なるべく隠したいようなので。本来ならば、対策を講じるべきなのでしょうけど。生徒会長と言えど、一介の高校生が出来る事なんてあまり無いのが現状です。』
達也『十師族と言えど、そこは難しいことは私でも理解出来ます。政府が乗り出さなければなおのこと。七草会長が気に病むことはありません。』
十師族とて、出来ることと出来ないことはある
真由美『…慰めてくれてるの?ありがとう!』
達也の慰めに気分が浮上する
摩利『お?真由美も堕ちた感じか?守夢、お前は天然ジゴロの才能があるんじゃないか?』
深雪『あら?光井さんや北山さん以外にも二年の先輩、さらには七草会長までたぶらかすなんて。指導が必要かしら?』
自分は嫌われているのか、何か尻尾を掴もうと粗探しをする深雪
何の目的があって達也を貶めようとするのか不明である
裏がありそうな気がしそうでもないが
達也『その言われかたは心外ですね。…もしかして、嫉妬ですか?』
意趣返しと言わんばかりに反撃する
深雪『なっ!ち、違います。誰が貴方など。』
ほのか『え?守夢さんは司波さんや七草会長の方が好みなんですか?』
雫『守夢さん、どういうこと?』
何故だろう
物凄く自分が思うニュアンスとかけ離れている
自分が理解が出来ない状況に陥りそうな予感がするため訂正をする
達也『?好み?七草会長には十文字会頭が候補にあるのでは?あとこの場にはいらっしゃいませんが、会長に片思いされている服部副会長も。司波さんは友達が少ないから羨ましいのでは?あと、好みはないですね強いて言うならば、好きになった人が好みですね。』
言い終えると周囲がなんとも言えない雰囲気になる
摩利『…真由美よ、鈍感や難攻不落の要塞という言葉は守夢のためにあるのかもしれないぞ?』
真由美『うぅ/// そんなんじゃあないってば!』
否定の言葉をするも赤面して、肯定と受け取られても仕方がないけど
ほのか『雫、どうしよう?』
雫『…頑張ろう。』
こちらは好意を隠そうともしていない
達也は解っていないが、達也による発言でこの場にいる片思い三人+二人?は頭痛に悩まされていた
深雪『……』←一人目?
鈴音『(私も守夢君が気になることは黙ってた方が得策ですね。)それで、守夢君は壬生さんと何か約束でもされているのですか?』←二人目?
おかしな雰囲気に包まれる生徒会室を変えるために話を先に進める鈴音
かくいう鈴音も達也が気になるようではあるらしい
達也『そうですね。本当に何をしたいのかが解ったからそれを聞いてもう一度協力の有無を確かめて欲しいと言われました。』
鈴音の機転に感謝し話を進める
鈴音『なるほど。それではこの件は守夢君に任せた方がよろしいと思います、会長。』
真由美『え?う、うん。守夢君、お願い出来るかしら?』
恥ずかしさから脱却出来ない真由美は鈴音の言を半分聞き流しで曖昧に応える
達也『仕方ありません。私で出来る限りお手伝い致します。』
嘆息しつつ、諦観の表情の達也
少しでも関わってしまったのだ、その分の責任は果すつもりだ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
達也『それで、私に協力が必要なことは何でしょうか?』
再び壬生と会うことにした達也
今回は壬生の意思を確認するためにこの席を設けた達也
今回の回答で達也が壬生に協力するか決まる
壬生『私は最初は一科生と二科生が高校生活で差別されるのかと思っていたわ。でも、それは違った。魔法力の有無で自然と差別は起こるのだと。だから、私は学校側に待遇改善を求める。』
随分と踏み込んできたなと思うも具体性が無ければ、何もならないため内容を尋ねる
達也『待遇改善とは?』
壬生『魔法力あるなしに関わらず平等に対応するべきだと学校側に主張していきます。』
達也『具体的には何を行動するのですか?例えば?』
壬生『…そうね、授業よ講師も然別だけど。クラブ活動とかよ。』
達也『授業ですか。確かに二科生には講師は就きません、いえ、就くことが出来ないと表現したほうが正しいですね。しかし、部屋の割り当ては同じだと思いますが。クラブ活動については、予算は実績に応じて。場所も均等に割り振られているのではないですか?』
中身がない、と判断する達也
壬生だけで率いているわけではないはず、複数人で考えたにしてはこの内容の薄さは異常である
壬生が達也を引き入れる目的は他にあるように感じる
壬生『それは…。』
言い淀む壬生に彼女自身が感じているであろう不満を言い当てる
達也『私の思うところでは、壬生先輩は実技の能力が低いだけで不当な発言を受け、魔法力が劣る故に正当な評価を受けないことに不満があると見受けられました。違いますか?』
壬生『っっ!』
達也『だとすれば、それは勘違いです。ここは魔法科高校です。魔法力があることが評価の対象になるのですから。それに貴女にはあるはずだ誰にも負けないものが。それに誰も貴女を認めていないはずはありません。』
壬生『な、なら。守夢君は何のためにこの魔法科高校に入ったの?私と同じ境遇なら認められないことが多いはず。どうして、そこまで強い信念を持つことが出来るの?何が貴方をそうするの?』
達也『……それを私が貴女に言うとでも?親しくもない、上級生と下級生の間柄でしかない壬生先輩に簡単に心を開くはずがありません。』
壬生『っ!』
達也『壬生先輩とは主義主張も違うようですね。私があなた方に協力出来ることは無いようですのでこれで失礼します。』
反論が出来ずに早々に席を立たれた壬生はカフェから出ていく達也の後ろ姿を呆然と見ることしか出来なかった。
翌日
その日の講義も終了し、今日もまた図書館で資料を漁るかと考えていた達也
??『皆さん、私達は差別撤廃を求める有志同盟です。私達は学校側に待遇改善を求めるものです。この放送を―』
大音量で室内のスピーカーから流れる声
大半の生徒は何の事だ?と首を傾げるも達也はある程度予想がついていた
レオ『なんだ?ゆうし?』
レオだけでなく、エリカ達も頭上に疑問符を浮かべる
達也『(意外と早いな。もう行動を起こしてきたか。壬生先輩は…放送室か。…やはり伝わらなかったか。)』
昨日、壬生に自分が何をしたいのかを考えろと説得したつもりだったが、徒労に終わる
この同盟に参加しているのは明白であるため、壬生の現在地を調べると興味深いことに原因の放送室にいることがわかった
対処は追々考えるとして、風紀委員の呼び出しもあるため席を立つ達也
エリカ『どこに行くの?守夢君。』
達也『風紀委員の呼び出しで放送室まで。』
その表情はめんどくさいと出ている
幹比古『気をつけて。』
達也の風紀委員の苦労が理解出来ているのか苦笑いの幹比古
達也『遅れました。』
達也が到着した時にはほぼ風紀委員、生徒会、部活連の主要メンバーが集まっていた
摩利『来たか。状況は放送室のマスターキーを盗んで立て籠っている。人数は不明だが、放送はシャットアウト出来ている。』
現状を端的に説明する摩利
流石というべきか
沢木『明らかな犯罪行為。なりふり構って居られず行動を起こしたのですかね?』
沢木が推測を立て、周りも納得の表情を示す
達也『(おそらく、違う。これも計画の内だろう。本当の目的はまだだ。)それで、立て籠り犯をどう炙り出しますか?交渉は必要になるでしょう。此方から開けるか、開けてもらうかの二択ですが。』
お前が意見するなという視線を受けるも無視し、場を取り仕切っている十文字と摩利に問い掛ける
方向性だけでも決めておかなければ、前に進めない
十文字『解決はすべきだと思うが、そこまでの犯罪性はないから早急とは思っていない。』
失礼な言い方だが、顔に似合わず微妙な回答である
摩利『だが、このまま放置していても何も進まん。状況が好転するわけでもあるまい。』
こちらは好戦的な性格もあって、強硬な姿勢のようだ
鈴音『それでは、交渉に入るためにも開けてもらうで行きましょう。』
二人の意見を聞いて埒が明かないと生徒会の代表として来ていた鈴音が妥協案を提案する
摩利『開けてもらうって言ったってな市原、奴らが鍵を持っていてこちらには鍵が無いのに、どうやって?』
鈴音『そこは謎の多い守夢君にお願いします。』
達也『…はぁ。犯罪紛いか、合法的か、合理的かどれでいきましょうか?』
何故、自分が出来ると期待をされているか不明だが、それは脇に置いておく
とりあえず、自分が出来そうな案を三種類に分けて提案する
摩利『おい、犯罪紛いって…。』
達也『勿論、クラッキング…イマイチ理解が出来てなさそうですね。この高校のセキュリティを乗取るという言葉が意味は近いですね。』
摩利がその言葉に青褪める
そして、何故か鈴音も目を見開く
達也に振った本人が驚くのはどうなのだろうか、少し悲しくなる
摩利『守夢、一応言っておくが、この魔法科高校のセキュリティの高さは魔法協会と同じ日本一だぞ?』
冗談を言わず真面目に答えろと摩利が言う
達也『それにしてはザルでしたよ?入学前にどんなセキュリティがあるのか知りたかったので……分かりました。中に居る壬生先輩と交渉でよろしいですね?』
真面目に答えると次は嘘をつくなと詰問される
真実と受け取られていないのは心外だが、話が一向に進まないのは達也としてもいただけないので、合理的な解決案を出すことにした
鈴音『いつの間に連絡先を交換されたのですか?』
対応を依頼したのは此方だが、そこまで発展しているのは意外だったらしい
達也『一回目お会いしたあと、もう一度話したいからとその次の日に。』
尤もこんな形で使うとは思っていなかった達也
摩利『ダークホースはやはり壬生か。』
納得している摩利
周りの男子生徒は何の事か解っていないため話の流れに置いていかれる
解っているのは、達也と鈴音だけである
達也『委員長、あまり茶化すと桐原先輩に斬られますよ?彼は彼女が好きですし。………守夢です。壬生先輩、貴女の行動力には感服しました。……いえ、からかってはいません。…それで、あなた方の要件を聴くためにも開けていただけませんか?無論、先輩の安全は保証します…。…では、お願いしますね。』
とりあえず、摩利に釘を差し、ついでにとんでもない暴露をする
それに驚く周りを無視し、壬生に連絡をとる
第一段階の交渉に進めるための解錠をのませ、打ち合わせをするための準備が整ったが、摩利は達也がすんなり手を引いたことに戸惑う
摩利『お、おい。そんなあっさり条件をのまなくても。』
私達の時と違うと言うが達也にとってはこんな交渉に意味はない
達也『別に風紀委員として保証するとは言ってません。ですから、壬生先輩以外は捕縛する準備をしましょう。』
摩利『策士だな。』
あのときの交渉の顔の達也だと分かり、安心する摩利
それにしても容赦ない交渉術であるが、次に進める手助けをしてくれた達也を褒める
達也『目には目を歯には歯をですよ。それにまだ、優しいほうですよ。勿論、あのときの面談も。』
面談?と十文字と摩利以外の者が疑問符を浮かべる
面談というのは、ある種の隠語で達也の風紀委員入りの話のことである
十文字と摩利に至ってはあれが優しいというのなら、本気の場合は勝てないと冷や汗を流していた
解錠され、風紀委員が放送室を占拠していた壬生以外の生徒達を捕縛する
その状況に壬生は戸惑う
壬生『ち、ちょっと守夢君!約束と違うわ!』
他のメンバーが捕縛されるのが解らない壬生は達也に抗議する
達也『言ったではありませんか。貴女の安全は保証すると、他は知りません。』
鮸膠も無い達也
ショックを受ける壬生を十文字が追い討ちを掛ける
十文字『そういうことだ。それに、お前達の行った事と要望を聴く事とは別だ。』
強面もあって、威圧感が半端ない十文字の正論に壬生は気圧され言葉を発することが出来ない
真由美『それはそうなんだけど。彼らを離してくれないかしら?』
捕縛された生徒達にとって、救いの手が差し伸べられる
摩利『真由美?どういうことだ?』
真由美『学校側より生徒会にこの件を委ねるとのことです。というわけで、壬生さん。このあと、打ち合わせをしたいのだけど一緒に着いてきてもらえないかしら?』
要するに、学校側は犯罪者として世に公表したくないということ
犯罪者が魔法科高校から出たと世間に公表されれば、魔法科高校としての知名度も下がる
さらには、魔法が廃れるのが主な理由であろう
そうはさせまいと生徒会で一科生と二科生の溝の緩和を図る
二科生の捌け口ができ、あわよくば解決出来れば万々歳ということだろう
壬生『わかりました。』
要望を伝える機会が出来、安堵する壬生
真由美と共に生徒会室に赴く
摩利『やれやれ、美味しいところを全て真由美に持っていかれたな。』
摩利は解決の糸口が見つかったと思っているようだ
十文字も目を閉じるも同様のようである
達也『…』
しかし、達也だけはこの事件がこれで終わるわけではないと確信していた
…如何でしたでしょうか?
①達也君は武道全般出来ます。何をやらせても最強!!
(②オリキャラの嫉妬→これいらないですね。)
③達也君、壬生さんを突き放します。
④深雪さん嫉妬?鈴音さん、達也君が気になる。
⑤達也君、セキュリティをクラッキング!?
今回は特異点は以上ですかね。
次回は一応、ブランシュを潰します。
それでは、次話も見ていただければと思います!