抹殺された神の愛し子   作:貴神

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サブタイトルにも銘打ってありますが、こんな拙い文に100件以上のお気に入りをしていただきありがとうございます❗️
その記念に今回は番外編を作ってみました。
内容的には、皆さん読んでいただいてる中で、
あれ?ほのかと雫がなんで達也と接点があるの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
今回は一応、それに関しての番外編です!

それでは、どうぞ!


番外編(ほのか・雫編) お気に入り100件記念

アイネブリーゼ

 

今日は高校は授業は無く、達也は休日を研究に充てようと思案していた。が、そう上手くいかないのが世の常で。ほのかと雫から買い物に付き合って欲しいと誘いがあったため待ち合わせ場所にこのカフェを指定し、二人を待っている。

 

 

ほのか『達也さん、お待たせしました。』

 

雫『達也さん、今日はありがとう。』

 

達也『いや、俺も大した用事はなかったから。で?どこに行くんだ?』

 

雫『達也さん、急ぎすぎ。その前に、ここでお茶しよ?』

 

ほのか『そうですよ!ゆっくり計画を練ってからですよ!』

 

達也『そういうものか。』

 

そう言えば、双子の義妹達と買い物(本人達はデートらしい)に行ったときも似たようなことを言われた気がする。

 

 

雫『達也さん、今日は何を予定してたの?』

 

少し達也の私生活が気になる雫

 

達也『いや、いつも通りで師匠と研究だ。』

 

 

ほのか『そっか、達也さんはトーラスシルバーのお弟子さんでしたね。』

 

実際は、当の本人がその一人である訳だが、公然の秘密である。

 

達也『ほのか、その事はあまり大きくは言わないでくれ。』

 

若干、声に弾みも出ていたので、軽く窘める達也。

秘密というものは黙しているから意味がある。

 

ほのか『あ、すみません。』

 

達也の注意にほのかも反省する。

ほのかの縮こまった姿にしまったと思い、フォローを入れる。

 

達也『いや、怒っているわけではない。ただ、ややこしい事に発展する可能性が無いわけではないから、あまり広く知られたくないだけだ。これは、信用している友人だから話しているからね。他人には内緒だ。』

 

柄にもない、口許に人差し指を当てて、ウィンクの形をとる。

普段そんな仕草を見せないためほのかも顔を赤らめる。

 

ほのか『///はいっ!』

 

雫『ほのか、ズルい。』

 

横でイチャつかれて(達也にとってはただの念押し)嫉妬する雫

 

暫く、三人は談笑を楽しんだ。

 

 

 

 

 

達也『さて、今日はどこに行く予定なんだ?』

 

そろそろ、予定を決めて行く方が良いだろうと達也は考えていた。時間も無限にあるわけではない。

ここで考えなくても歩きながら、考えても良い。

 

ほのか『そうですね。時間的にはお昼ですから先にお昼ご飯の場所を繁華街で見つけませんか?』

 

時間は午前11時を過ぎたところ、繁華街に徒歩で向かうと時間としては、正午近くになる。

 

雫『そうだね、達也さんもそれでいい?』

 

達也『ああ、構わないよ。それじゃあ、繁華街まで行ってみるか。』

 

普段の達也なら、1秒でさえ惜しいが今日は違う。

のんびりと歩くのも良いだろうと考える。

何か新しい発見を見つけるのはこういう状況かもしれない。

 

 

 

 

 

達也『本当にここで良いのか?』

 

雫『くどいよ、達也さん。』

 

達也『…しかしだな。』

 

 

今、三人は洋食店にいる。

 

しかし、洋食店は洋食店でも店内に居るのは、男女のカップル達だ。

 

お分かりだろうか?

 

そう、この店は男女カップルの専門の洋食店なのだ。

 

カップルでも同性愛者はお断りのこの店だが、男女ならば、どんな形でもOK。

例え、男:女=1:2でも……。

 

 

ほのか『達也さんは、嫌でしたか?』

 

上目遣いで達也を見上げる。

達也が嫌なら無理はさせたくない。

雫はナイスほのか!と内心ガッツポーズをとる。

達也はこの仕草に弱いのだ。

 

達也『いや、そういうわけではなくてだな。』

 

あたふたして、上手く伝えられない。

 

 

雫『(!)…私達の勘違いだったみたいだね、ほのか。私達の好きって意味は達也さんにとっては、友人としてだったみたい。』

 

達也の動揺ぶりに雫が追い討ちをかける。

半分冗談だが、半分はーー。

 

 

ほのか『?…(!)そうだね、雫。私達の思いは叶わないね。』

 

雫の演技に数瞬遅れて気付くほのか

そして、雫同様に悲しい振りの演技をする。

 

達也『い、いや、あのだな。光井さん?北山さん?』

 

もはや、苗字呼びに戻っている。

そして、視線を感じると振り向くと周りのカップルからの視線が痛い。

男性陣は羨望の眼差しが多いため、まだマシだ。

しかし、女性陣からは違う。

睨みだけで人を殺せそうなほどである。

コイツは女の敵と謂わんばかりである。

 

針の筵とはこの事かと達也は今さらながら思った

 

 

数秒の沈黙後、達也は白旗を上げた。

 

その表情を見て、ほのかと雫はハイタッチを交わすのだった

 

 

 

ゆっくり、ランチを楽しんだ後はショッピングを楽しむほのかと雫

小物類や洋服などの販売店を回った

ある洋服店では、あまり露出をさせない現代なのに対して、露出の多い服を数着程取り扱っている珍しい店らしく、ほのかと雫がそれを着て達也に感想を述べるよう迫ったりもした

 

極めつけは、下着の専門店にまで達也を引き連れて、女性陣の視線を集めたことだろうか?

飛び抜けてカッコいい男とまではいかないものの、達也はそれなりにいい男である(自己評価は中の中、つまりは普通)最低でも中の上以上であるため、視線を集めるのは当然である

そこに、美少女二人と居るなら尚の事だ

 

そこでも下着の感想を要望され、達也は肉体的に疲れる以上に精神的に疲れてしまった

 

 

 

達也『…疲れた。』

 

ほのか『あ、ごめんなさい。無理させちゃいましたか?』

 

呟きが漏れていたらしい。ほのかに聴こえてしまった

 

達也『いや、久し振りだったから。気にしなくて良い。』

 

 

雫『そう言えば、達也さん。妹さん達は今日は?』

 

雫とほのかは結那と加蓮をライバル視しているらしい

双子達もこの二人には少々気にしているらしいが、教えてはもらえなかった

 

達也『二人なら、今日は習い事だ。』

 

八雲のもとで達也とまではいかないまでも体の使い方を学んでいる

これは、教える訳にはいかない

 

ほのか『そんなんですね。…(ヨカッタ)ボソッ』

 

ほのかと雫は安堵のため息をこぼす

 

 

達也『買い物はこれで全部か?』

 

他意はないもののほのか達には少しショックを与える言葉だった

 

雫『(ムッ)達也さん、その言葉は傷ついた。』

 

達也『…それは、すまない。』

 

二人の機嫌が少し下がったのを感じたので、失言だったと謝罪する

 

ほのか『許してあげる替わりにあそこに行きましょう。』

 

そう指差したのは、スイーツ専門店(おまけに女性多数)

 

地獄の御達しである

 

達也『(今日何度目の地獄だろうか?これは、結那と加蓮のより酷い。まあ、あの双子達のためなら苦ではないのだが。)…わかった。休憩も兼ねて入ろう。』

 

苦笑気味の達也

達也自身気付いてないが、加蓮と結那居ると終始雰囲気も柔らかいし、時折、笑顔である

が、他人になると、冷たくなる

真に達也を繋ぎ止めることが出来るのは、双子(と神夢の人間)だけだろう

 

 

雫『素直でよろしい。』

 

ちょうど、そのとき達也に連絡が入る

 

ディスプレイには、藤林 響子の文字が映っていた

 

達也『(響子さん?)すまない、二人とも店で待っててくれないか?すぐに行く。』

 

軍関係とも限らないが、軍なら盗聴等に完璧な防御をした方法で連絡をする。プライベートナンバーに掛けてくるのは珍しいがすぐに通話に出たほうが良いため返答もしないうちに、達也は二人の側から離れる

 

雫『誰からの連絡かな?』

 

 

ほのか『さぁ?…もしかして。』

 

雫『…それはないと思う。達也さん、こういうことで嘘をつくとは思えないし。』

 

ここは繁華街であることと二人が美少女であること

この二つが何を意味するのかーー

 

 

結論、招かれざる客が来る可能性は高い

 

 

男A『ねえ、彼女?一緒に俺らとお茶しない?』

 

男B『かわいいね、どう?面白いところに行かない?』

 

男C『女の子二人だと危ないしさぁ?』

 

二人の周りに不自然な影が出来たと思ったら、男三人組がほのかと雫に声を描けてきた

 

ダメージの入ったジーンズや色褪せのように見せるジャケットに耳にはピアスがを付けた

 

現代のファッションセンスとはかけ離れたそれに俗に言うはみ出し者と推測される

…一般人という表現がオブラートに包んで良いかもしれないが

 

雫『いえ、間に合ってます。』

 

ここで臆さずに言えるのは、流石というべきか

伊達に大富豪の娘として生きてはいない

 

男A『そんな固いことを言わないでさ?勿体無いよ、遊ぶことも大事だよ?』

 

男B『そうそう。可愛いんだから、ねえ、彼女もそう思わない?』

 

雫の拒絶になんとも思わない男Aに便乗した男Bがほのかにターゲットを変える。

大人しそうな雰囲気のため、強気でいけば落とせると判断したのか

 

ほのか『…いえ、結構です。相手はいるので。』

 

外見で判断したためほのかから思わぬ反撃をくらう男達

 

男B『……っ、この。お嬢さん、俺達が優しくしているうちが『ほう、優しくしているうちが、なんですか?』身の…!?』

 

男達は逆上しかけの手前で、ほのかと雫を囲う。

 

その直後に、

背後から声が聴こえたのは気のせいではないだろう。

 

達也『そこの変態共、私の友人に手を出すのは止めていただけないか?』

 

何故か既視感をおぼえる台詞だった。

 

ほのか『達也さん!』

 

注意が達也に逸れたおかげで男達からの包囲網から逃れ

達也の背後にほのかと雫は隠れる。

 

達也『二人ともケガは無いか?』

 

雫『うん、大丈夫。すぐに達也さんが来てくれたから。』

 

電話もそこそこにしておいてよかった。

達也が来る前の時間はそこまで経過はしていなかったようだ。

 

男B『おい、てめぇ。俺達の邪魔をすんじゃねえよ。』

 

軟派の典型的なパターンである。獲物をとられた逆恨みである。

 

達也『?何を言っているんでしょうか?…あぁ、変態という言葉は嫌でしたか?では、そうですね。変質者ということで。』

 

変態と変質者

 

どちらもあまり意味に大差はないが。

 

男C『なんだと?ふざけるんじゃねえぞ!』

 

達也『これも嫌ですか。ですが、すみません。変人という言葉は、生憎もっと相応しい、尊敬すべき方への賛辞なので。』

 

変人 達也にそう評される人間も大概であろう。

しかし、そういう人種は得てして凄腕の何かを会得している。あながち、この言葉は嘘ではない。

例えば、九重 八雲とか?

 

男C『だから、そういうことを言ってんじゃあねぇんだよ!後ろの女を寄越せって言ってんだよ。』

 

とうとう、隠すことをしなくなり、言葉遣いも荒くなった男達。

 

達也『何を訳の解らないことを言っているのですか。貴方達は彼女達から拒絶されているのです。諦めて大人しく帰らないなら、それ相応の対応をしてやる。』

 

後半の部分が丁寧口調から変わっているのは、気のせいではない。

 

男A『馬鹿じゃねぇのか、3対1で勝てると思うなよ!』

 

一気に達也に襲い掛かる変質者三名

普通は物量作戦という言葉もあるだろうが、この状況ではその常識には当てはまらない。

 

 

 

 

 

数秒後

 

達也『今となっては遅いが、そっくりそのまま返してやろう。』

 

重ねられた三人の骸?…死体ではありません。(←重要)

に今更の言葉が投げかけられた。

 

 

 

 

 

 

達也『すまんな、二人共。』

 

店内に入り、注文を終え、落ち着いたところで達也は謝罪する。

 

何をとは言わないものの、ある程度の予測はつく。

 

雫『大丈夫、ありがとう達也さん。』

 

ほのか『ところで、達也さん。さっきの電話は誰からだったんですか?』

 

二人を置いて電話に出たということは大切な用事であることは理解している。

 

達也『俺のCADの師匠だ。起動式の件でな。』

 

実際は、藤林 響子からで、今日の達也達を見掛けてデートなんてずるいと言ってきただけなのだが。

姉?のワガママを聞くのも弟?の役目

響子とデートの約束をしたのだが。

達也にとって、響子は義妹の双子達と並ばないまでも大切な存在ではある。また、軍関係者でもあるため秘匿する必要がある。

 

ほのか『なるほど。』

 

これ以上は踏み込んではいけないため打ち切る。

 

達也『お、注文していたのが来たみたいだ。』

 

先程頼んだ品が来たので、ほのか達は先にそれをいただくことにした。

 

 

 

 

 

達也『少々訊きたかった事があるんだが、いいか?』

 

甘味を半分程食べていたほのか達に唐突に質問を投げ掛ける達也

 

雫『何?』

 

ほのかも同様に疑問符が頭上にあるようだ。

 

達也『いや、簡単なことだよ。所謂、きっかけだ。どうして、俺の事を知ったのかということだ。』

 

簡単…

① 物事が単純で、理解や扱いが容易であるさま。

② 時間や手数のかからないさま。てがる。

 

という意味だが、

これをほのかと雫が達也を知った理由を説明するのは

簡潔に言えば、【難しい】だ。

 

ほのか『た、達也さん、それを説明するのはその~』

 

あたふたするほのか

 

雫『…達也さん、乙女の秘密を覗こうだなんて。いい趣味してるね。』

 

ジト目で睨む雫

 

達也『いや、そんなつもりはないんだが。俺は二科生で、二人は一科生。接点が全く無いからどうやって知ったのか純粋な疑問なんだが。』

 

二人の雰囲気に慌てて、取り繕う達也

 

ほのか『…雫、どうする?(コソッ)』

 

雫『…あまり言いたくない。(コソッ)』

 

達也に聴こえないように小声で話し合う。

 

 

達也『言いたくないなら別にいいんだ。』

 

二人の視線に堪えきれず、エスプレッソを啜る達也

地雷を何度も踏みたくないため話題を転換する。

 

 

それを後目にほのかと雫は達也自身は知らない出会いに思いを馳せる。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

第一高校 入学試験

 

筆記試験も及第点は採れたであろうため残すは実技試験のみ。

ほのかは緊張でミスをしないように心を落ち着かせていた。

 

ほのか『うぅ、大丈夫だよね。うん、試験はやれるだけのことはやった。後は、実技試験も持ち得る全てを出せばいいだけ。』

 

掌に人という字を書いて落ち着かせるも中々緊張感が和らがない。

 

雫『ほのか、無理に落ち着かせようとしてもダメ。何か別の事を考えてみて。』

 

親友の動揺具合に逆に落ち着いている雫

 

ほのか『でもでも、たった一回なんだよ?失敗は許されないんだよ?』

 

雫の肩を掴み、揺らすほのか

 

雫『だからこそ。ここぞという集中するときに疲れてたら、失敗する確率は高くなると思う。』

 

 

ほのか『だ、だけど。』

 

尚も言い募るほのかに

 

雫『大丈夫。ほのかなら絶対に受かるし、私も失敗しない。』

 

普段は表情の変化が薄い雫だが、このときは違った。

珍しさにほのかも気分が和らいだ。

 

ほのか『そうだね、頑張ろう!』

 

雫『うん、その意気だよ。』

 

やっと本調子に戻ってきた親友に雫も一安心する。

 

ほのか『そう言えば、受験生多いんだね。』

 

心の余裕が出来てきたため周りに意識を配る。

 

雫『今年は例年より、少し多いみたいだよ。』

 

ほのか『そうなんだ。』

 

次々と試験官に呼ばれて実技試験に挑む受験生達

端から見ていると、誰もが合格しそうな感じに見えるがそうではない。

厳正な審査の上で篩にかける

 

 

試験官『次、守夢 達也。』

 

達也『はい。』

 

 

 

ほのか『!あの人凄い。』

 

雫『どうして?確かに立ち振舞いが私以上には感じるけど。』

 

ほのか『そっか、雫には見えないんだったね。あの人、

魔法行使の副作用で生じる光波のノイズが全くといって無いの!』

 

光井 ほのか 彼女は光のエレメンツの末裔で光波振動系の魔法を得意とする。

 

雫『そうだったね。エレメンツの家系だから、こういうことに関しては敏感だもんね。』

 

ほのか『うん!あんな人初めて見た!それでね、あの人『そこ、静かに!』…すみません。』

 

いつの間にか声が大きくなっていたのか注意を受けてしまった。

 

雫『もりゆめ たつやさんか。私も気になったかも。』

 

ほのか『えっ、雫も?なんで?』

 

雫が気になると初めて聴いた気がして尋ねるほのか。

 

雫『あの人の立ち振舞いが一般人と一線を画してるというかなんていうか。』

 

言葉では言い表せないと

 

ほのか『じゃあ、ライバルだね。負けないよ?』

 

雫『そっちこそ。』

 

試験の緊張感はどこへやら。

すっかり、色恋沙汰に発展してしまうのは、良いのやら悪いのやら。

 

 

試験官『次、北山 雫。』

 

雫の名前が呼ばれる。

 

雫『はい。じゃあ、いってくる。』

 

ほのか『頑張って!』

 

親友の試験の応援をして自分の出番を待つ。

 

 

試験官『次、光井 ほのか。』

 

ほのか『はい!』

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

試験も無事合格を果たし、二人はショッピングを楽しんでいた。

 

ほのか『ねえ、雫。もりゆめ たつやさんは合格してると思う?』

 

雫『どうしたの?ほのかの見立てでは、大丈夫なんでしょ?』

 

カフェで甘味を楽しんでいたが、突然のほのかの話題変更に疑問で返す雫

 

ほのか『うん、そうなんだけど。少し不安で。』

 

雫『試験は時の運もあるし、絶対とは言えないけど、私は合格してると思う。』

 

と言いつつも、雫自身も彼が合格していると言いきれる自信がない。

当たり前だ。誰かが受かれば、誰かが落ちる。

 

雫『信じて、入学式まで待とう。逢えるように。』

 

ほのか『そうだね。』

 

氷が溶けて少し薄くなったアイスティーを口に含む。

 

 

甘味と飲み物も無くなり、そろそろ、会計を済ませようとした時だった。

 

 

男①『ねぇ、彼女。俺達と遊ばない?』

 

男②『そうそう、こんなところで誰か待ってるんなら、その間でもいいから遊ぼうぜ?』

 

向かいの店前で少女二人が男二人に言い寄られているのを目の当たりにする。

 

??『間に合ってますので、結構です。』

 

上品ながら、気の強い発言する黒髪の少女

 

??『そうそう、あの人とあんた達なんか比べ物にならないから。むしろ、比べるに値しないから。』

 

ズバズバと言いたい事を言う活発な茶髪の少女

 

男②『なんだと?黙って聴いてりゃ随分な言い草だな。舐めてんじゃあねぇぞ!』

 

男が少女の発言に切れ、殴り掛かる。

 

ほのかと雫がその様子を見て、声をあげるも届かない。

 

が、

 

『そこの変態。俺の可愛い義妹(いもうと)達に汚い手を触れないで貰おうか。』

 

男②の腕を右手で掴んでいた。

 

『『達也(さん)!!』』

 

女の子二人が男の背後に居る男性の姿をみとめ、声をあげる。

 

達也『ごめんな、結那、加蓮。嫌な目に合わせてしまったな。』

 

加蓮『大丈夫!信じてたし!』

 

結那『まぁ、傷ものになったら、達也さんに責任取って貰いますし?』

 

少女二人の口振りからして、待っていたのはこの男の人らしい。

 

男①『おい、何、人の獲物を獲っていってだよ!』

 

もう一人の男が殴り掛かる。

近距離での顔面への拳に周りは自分の事のように目を瞑る。

 

達也『獲物だと?』

 

パシッと音がして、次いで聴くに堪えない野太い悲鳴が響く

 

男①『ぎぃゃぁぁぁぁ、つ、つぶれる!やめろぉぉ』

 

男②『ああぁぁぁ、おれる、折れるからやめてくれぇぇ』

 

そこには一人の少年と言える年齢の人間が大人の男の拳と腕を握り潰す姿。

 

 

達也『もう一度言ってみるか?いや、言わせないがな。』

 

言い終えると男達の手を離し、それぞれの首に手をかける。そして、男二人を腕を伸ばして高く持ち上げる。

その姿はまるで首吊りを再現しているようだ。

しかし、男二人を持ち上げておきながら、彼の腕は小揺るぎもしない。

 

男①『く、くるしい。』

 

男②『も、もうし、しないから、た…のむ。』

 

先程の様子とは真逆の降参の二人

反省の色も見えてきたのか、少年(達也)は手を離し、地面に落とす。

グェッと聴こえたのは気のせいだろう。

 

達也『おい、お前達。また、彼女達に言い寄ってみろ、次はどうなるか判っているな?』

 

地を這うような声と先程までの圧倒的な力の差と少年(達也)から放たれているナニかに声も出ない男達

 

男達『『ヒィィッ!』』

 

情けない悲鳴を出しながら、逃げ出した男達

 

その姿に興味はないと背を向け、

 

二人の少女に体を向ける。

 

達也『何もされてはなさそうだな。』

 

二人の無事をみとめ、胸を撫で下ろす。

 

加蓮『心配しすぎ、達也。私達だって、それなりに出来るんだよ?』

 

二の腕を肩の位置まであげて、力瘤をつくるふりをする。

 

結那『まあまあ、加蓮?私達がはしたない振る舞いをしていたら、それこそ達也さんが悲しみますわよ?』

 

その行為を諌めるもう一人の少女

 

加蓮『そうだけど、…あ、そう言えば、結那?責任をとって貰うって言ってたけど。何を勝手な事を言ってるの?私が達也のお嫁さんになるんだからね。』

 

結那『あら?そちらこそ何を勝手な事を言っているのかしら?』

 

二人で睨み合いが始まり、それを治めようとする少年

 

達也『二人とも喧嘩をするなら、家に帰るぞ?』

 

その言葉に二人の少女の動きがピタリと停止する。

 

結那・加蓮『『絶対イヤ!』』

 

先程まで喧嘩をしていたと思えないシンクロぶりである。

 

達也『だろう?俺も可愛い義妹(いもうと)達と出掛けられないのは嫌だからな。』

 

可愛いという言葉に顔を真っ赤にする少女達。

どうやら、三人の関係は兄妹らしい。

それ以上に妹達の方は兄の方にただならない感情を懐いているようだが、そこは【触らぬ神に祟りなし】である。

 

達也『それじゃあ、行こうか。』

 

兄である少年は二人の妹の手を繋ぐ。

 

結那・加蓮『『うん!!』』

 

それに満面の笑みで応える妹達

 

 

手を繋ぎながら三人の楽しそうな声が繁華街の奥へと消えていった。

 

 

 

 

その様子を向かいのカフェのテラスで見ていたほのか達

 

ほのか『見つけれたね。予想外なこともあったけど。』

 

雫『そうだね。本当に予想外。』

 

二人の予想外は一緒なのか怪しいが…

 

ほのか『ねぇ、雫。なんだか、高校でたつやさんに会える気がする。』

 

雫『…そうだね、必ず会おう。先ずは、友達になってもらおうね。』

 

例え、高校で会えなくても絶対会いに行くと

笑顔で二人は約束を誓った。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

達也『二人とも、少し位は教えてくれても良くはないか?』

 

達也からの頼みを先程から断り続けているほのかと雫

 

雫『ダメ、乙女の秘密だから。』

 

ほのか『そうです!それに、こんな可愛い女の子とデートしてるんですからそんなことを気にする必要はありません!』

 

乙女の秘密を知って何が良いのか?

 

秘密とデートを天秤に掛けて秘密に軍配が上がるのはおかしいと

 

それぞれ達也に抗議する。

 

達也『…分かった。野暮なのは俺だったな。』

 

軽く嘆息する達也

何故、自分が謝る必要があったのか疑問だが、こちらも死んでも明かせない秘密がごまんとあるため止めることにした。

 

 

その姿に勝ったと、ほのかと雫は笑みを溢した。

 

まだ、達也との関係は高校の知り合いから友人にランクアップしただけ。

 

次は親友、恋人となる予定だが、最終目標は達也と結ばれることだ。

 

少し道のりは長いが、必ずたどり着いてみせる。

 

その時に、この秘密を打ち明けることが出来たらと思っている。

 

 




如何でしょうか?
アニメでは、ほのかが九校戦の時に達也の回想をしていましたが、そんな感じで作ってみました。

次回は九校戦編に入る予定です。

これからも達也君を大暴れさせていきます。

それでは。
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