抹殺された神の愛し子 作:貴神
頑張ります。
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誰かが言っていた
戦争にはそれぞれが正義を持っていると
誰かの利権のためだけに動くのだと
善も悪もない
死に行くのは老人ではない
戦い、死ぬのは若者だと
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怒号と轟音、阿鼻叫喚を絵に書いたとはこのことかと思えるほどの状況
魔法や弾丸が飛び交い、地面が抉れ、土煙も立ち、視界が悪くなる
そんな刹那を見逃すと死に直結する戦場
『将輝、まだ行けるか?』
『あぁ、まだ行けるぞ親父。』
『決して無理はするな、此方に余力は残っているとは言い難いが、戦場で動けなくなるなら足手まといだ。』
『誰に言っているんだ?俺は一条だぜ?』
会話から察するに親子のようで苗字は一条らしい
状況からどうやら、戦場に居るようだ
『よし、着いてこい。』
魔法や弾丸が飛び交う中に飛び込んで行く
ハァッ
ハァッ
息づかいも荒く満身創痍でありながら、なお戦う
それでも戦うことは止めない
それを止めてしまえば、負ける=死を意味する
子供とも呼べる少年が拳銃を構え、引き金を引くと次々と人間が破裂する
拳銃は何処にでもある普通のリボルバーのもの
しかし、彼が引き金を引くと人間が破裂する
となると、答えは一つ
少年が魔法師という人種でその拳銃はCADということだ
少年は自身の得意魔法を駆使し、次々と敵の人間を破裂させていく
その目には恐怖や戸惑いが見えるが、引き金を引き続ける
何故なら、ここは戦場
殺らなければ、自分がやられるからだ
敵兵士は声をあげる間もなく、絶命いや、跡形もなく弾け飛ぶ
それを目の当たりにし、周りの敵の兵士達の士気が下がる
それを気にする事もなく、ただただ少年は魔法を行使し続けた
しかし、この世には絶対は無い
そして、忘れる訳にはいかない
魔法師でもまだ、年端もいかぬ少年だということを
『…ハァ、ハァ…(一体何人いるんだ?何人倒したのかわからない。湧いて出てくるみたいだ。)』
倒しても倒しても数が減らないことに体が限界を迎える
意識も朦朧とする中で戦っていたため、自分の判断能力が鈍っていることにも気付かない
『(親父は…?)』
この戦場のどこかで戦っている父親を探すため、意識を目の前の敵から意識を逸らしたのが、イケナカッタ
『将輝!!避けろ!!』
その言葉に意識が覚醒する
目の前に迫る魔法の弾丸に咄嗟に体が動くも体勢を崩すのが精一杯だった
その場で尻もちをついてしまい、起き上がろうとするも体が動かない
『(そんな、なんで!力が入らない。)』
理由は
意識が朦朧とするまでの精神と体の酷使
そして、目の前に迫った死の恐怖
これらが、少年の体の自由を奪う
少年が動けないのが判ったのか、敵兵士が少年へと歩を進める
恐怖を与えるためにゆっくりと距離を縮める
『将輝、逃げろ!!』
父親も息子を助けたいが、敵がそれを阻む
『(こんなところで死にたくない。でも、体が動いてくれない。)…助けて、父さん。』
敵兵士が少年の半径1m以内で止まる
そして、それぞれが武器を少年に向ける
少年は知った。
人の命を奪うことの意味を
『将輝ー!』
父親の言葉とともに世界が暗転する
【十師族と言えど、所詮ーーー】
ーーピ
ーーー、ーピピ、ピピピ
ピピピ、ピピピ、ピピピ
『ハッ!…夢…?(久し振りに思い出したな。)』
ガバッと掛け布団を取り、起き上がる
アラームを止め、ベッドから降りる
周りに目を向けるとここは自分の部屋
『なんでまた、あの瞬間を思い出すんだ?……あぁ、そういうことか。』
佐渡侵攻事件 2092年8月12日
新ソビエト連邦が沖縄海戦に歩調を合わせて日本の佐渡島へ侵攻した事件
もうすぐ、8月12日
爆裂の魔法を行使して、数多くの敵を屠った
そして、あの画像。忘れたくても、脳裏に焼き付いて離れない
『(あのとき、助けられてから、他人の数倍もの血の滲むような努力を続けた。あの人を超えるために)…さて、家族に挨拶と学校に行こうか。』
この少年
一条 将輝 現在、第三高校の一年生
魔法の世界に身を置く者なら誰もが知る
十師族 一条家の跡取りである
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第一高校
達也『失礼しました。』
達也が出てきた場所は職員室
何故、そこから達也が出てきたかと言うとーー
ほのか『達…守夢さん。』
達也『?どうされましたか?皆さん、お揃いで。』
達也がお揃いでと言うのは無理もない
ここに、ほのか、雫、レオ、エリカ、美月、幹比古と高校の友人が全員集合していたからだ
おまけとして、司波 深雪もである
エリカ『どうこうもないと思うんだけど?た、守夢君?』
レオ『そんだぜ。守夢が校内放送で教員から呼び出しをくらったから来たんだぜ?』
達也『ありがとうございます。とりあえず、ここに居ては話も出来にくいので、カフェに行きましょう。』
皆が達也を心配して来てくれているのを感じ、感謝する
が、只でさえ、視線を集める面子のため説明は移動してからすることにした
雫『それで、守夢さん。何を話していたの?』
達也『結論を言うと、第四高校に転校を勧められました。』
幹比古『え?なんでだい?理由は?』
ほのか『どうしてですか?』
達也『みんな、落ち着いて。今から説明しますから。』
今日は、第一高校のテストの成績発表があった
しかし、それはただのテストではない
このテストは、ある大会への出場の推薦が貰えるのだ
それもあってか、生徒達の気合いの入り様は凄まじい
各々が自分の魔法に磨きを掛けようと奮起する
が、一朝一夕で身に付く訳もなく
結果的には、ずっと、ひたむきに努力してきたものが実を結ぶ
そして、それは魔法力だけではないが、それは今回は割愛する
達也『今回呼び出されたのは、実技試験と筆記試験の成績の差でして。実技試験を手を抜いたのでは?ということで、その誤解を解いていました。』
美月『なんですか、それ!酷すぎます。』
ほのか『そうですよ!何が楽しくて、手を抜くんですか!生徒の私だって、守夢さんがそんなことしないってわかるのに。』
雫『美月、ほのか、落ち着いて。それは、先生だからわからないんだよ。友達だからわかることも先生の場合は表面上のことしかわからない。』
熱くなるほのかと美月に雫は諭す
雫の言うように教育上は生徒と距離を縮めることも重要だが、教えるという立場上、全生徒に目を配ることはほぼ不可能といっていい
だから、妥協案として生徒の行動基準を測る指標としてテストという型で生徒達の将来の方向性を知る機会にしたのだろう
が、現代教育では、テストの点数が良い=優秀と決め付けている時点で破綻しているが
そもそもテストが必要なのか甚だ疑問ではあるが
ほのか『だけど。』
雫『それが解っていたから守夢さんは、誤解を解きに行ったんだと思うよ。』
そうだよね、と達也に問い掛ける雫
達也『そうですね。残念ながら、光井さん、北山さん、司波さんのように魔法力はありません。私はからっきしといってもいいでしょう。』
司波『あら?それは、私達が脳筋ならぬ、魔法力のみと仰るのかしら?』
達也『そういう訳ではありませんよ。もしかして、筆記試験のことを言ってますか?そうなると、私は頭でっかちの堅物ということになりますね。(まあ、実際は満点でも良かったが、それはそれで問題が起こりそうだったから凡ミスをしたように見せかけたが、どちらでも結果は変わらなかったかもしれないな。)』
今回のテストの成績では、
総合成績
1位 司波 深雪(1-A)
2位 光井 ほのか(1-A)
僅差であるが、3位 北山 雫(1-A)
4位では、B組の十三束 鋼という生徒
実技試験
1位 司波 深雪(1-A)
2位 北山 雫(1-A)
3位 光井ほのか(1-A)
とまあ、上位は一科生で占められているのは当然だが、A組に独占されているのが現状である
クラスの分け方として、AからHの組で一科生と二科生を均等にしている
それなのに、成績の偏りがあるのは少々問題ではある
しかし、筆記試験の成績をみれば、そんなことは些末な問題である
筆記試験
1位 守夢 達也(1-E)-498点
2位 司波 深雪(1-A)-418点
3位 吉田 幹比古(1-E)-410点
ダントツのトップが二科生というところが問題である
しかも、2位以下を平均で10点以上突き放している現状(※3位にも幹比古がいることをお忘れなきように)
魔法においての常識は実技が理解出来て、理論が理解出来るが通例だが、
達也と幹比古で、トップ3の内2つを占めるということは前代未聞なのである
深雪『そ、そういうことを言っている訳ではありません!』
ほのか『(ねぇ、雫。もしかして、司波さんって達也さんのこと…?)』
雫『(うん、かもしれない。思わぬ伏兵がしかも、強力なのがいたね。)』
達也の自虐的な返しで深雪はあたふたする
その様子を達也片思い二人は油断ならないと認識した
エリカ『それで?誤解は解けたはいいけど、それで第四高校に転校を勧められたって訳?』
達也『はい、向こうは魔法工学に力を入れているから、向いているのでは?とのことです。』
達也から聞かされた先生達の言葉に憤慨するレオ達
雫『四高は実技を軽視してない。戦闘魔法より、技術的な意義の高い複雑で工程の多い魔法を重視しているだけ。って通ってる従兄が言ってた。』
誤解の無いように雫が第四高校の特徴を述べる
美月『雫さんの従兄さんが通ってらっしゃるなら確かな情報ですね。』
今日の達也は風紀委員の職務も終わり、資料漁りもそこそこにして帰宅するつもりが委員長の摩利に捕まっていた
摩利『そういえば、守夢。今年の夏休みはどうするんだ?』
達也『どういうことでしょうか?夏休みだからと言ってやることはあまり変わりはありませんよ。いつも通り修行です。』
達也は摩利に依頼(押し付けられた)引き継ぎ資料の作成に勤しんでいる最中だった
摩利は手伝わず、こういうのは得意なものがやるものというのが彼女の言だが、その本人が暇潰しに話し掛けてくるのにはなんとも言えない
摩利『思ったのだが、その生き方は俗世から離れているように感じるのだが?』
休みなら休むか普段出来ないことをする
それが普通のような気がする
達也『感じ方は十人十色。委員長の言葉も当然です。それで、夏休みに何があるのですか?』
摩利『…なんか、釈然としないが。まぁいいか。毎年この時期に魔法科高校全校が集まり、親善試合が行われる。』
全国魔法科高校親善魔法競技大会(通称:九校戦)は、日本国内に9つある国立魔法大学付属高校の生徒がスポーツ系魔法競技で競い合う全国大会である。日本魔法協会主催で行われる。
例年「富士演習場南東エリア」の会場で10日間開催され、観客は10日間で述べ10万人ほどである。映像媒体による中継が行われている
摩利『ーーとまぁ、ざっとこんな概要だ。』
一連の説明から魔法力のある人間の大会だと認識をする達也
達也『なるほど、魔法力が無いこの身には興味はそそられませんね。それに、高校の行事よりも自分の修行ですから。』
摩利『おいおい、冷めすぎてるぞ。』
達観しているのかよくわからない達也に摩利はため息をこぼした
神夢家には、広大な敷地がある
そこに大きいと表現出来るか不明な屋敷が中央にある
屋敷の中は広く、迷路かと思うような造りになっており、様々な用途の部屋がいくつもある
その中には、地下室という奇天烈さもある
その一つに達也の部屋は存在する
その部屋で達也はモニターに羅列している文字を見ながら、数字や文字を打ち込んでいた
達也『(よし、完成だ。あとは、何人かにテストをしてもらって…)…どうぞ、入っておいで。』
あるモノを自身で試験し、動作に異常が無いことを確認し終える
その時、丁度良いタイミングで知った気配が部屋前に確認する
コンコンと扉をノックする人物に入室を促す
結那『お疲れ様です、達也さん。休憩を、と思いまして。』
手元にはお盆、ポットとティーカップ
香りから察するに紅茶だろうと推測する
達也『ありがとう、結那。嬉しいよ、ちょうど一息つきたかったところだよ。』
結那『まぁ、嬉しいです。じゃあ、加蓮も呼んできます。』
達也の言葉に嬉しそうな表情をする結那
達也『そうだね。あと、起きているなら恭也と義父さんと義母さんも頼むよ。』
普段なら、双子達を甘えさせる達也だが、今日は勝手が違った
達也が座ったままで結那と同じ目線に居るからだ
結那『…それって?…完成したんですか?』
何がとは尋ねない。達也がずっと研究していたことは知っていたから
その念願がついに果たされるのだから
達也『あぁ、そういうことだよ。とりあえずは加蓮を呼んでおいで?』
家族を呼んできて欲しいという達也に結那は半信半疑で問いかけると是と返ってきたので、思わず大きな声になる
結那『!はい!』
地下
高さ15m、30m四方の巨大な空間
そこに、浩也達どころか神夢家全員が集っていた
達也『二人とも準備は良いか?一応、
達也の説明を反芻しながら準備を始める双子姉妹
加蓮『りょーかい!』
結那『分かりました。』
達也『よし。じゃあ、電源をONに入れて。』
指示に従い特化型CADに
結那と加蓮は吸引が始まった瞬間から不思議な感覚に目を瞬かせた
床との接地感覚が無く、視点も高い
そして、当の達也を探すと足元に満足げな表情の達也いた
互いに顔を見合せ、足元を確認する
「浮いている」
その言葉だけが双子の意識を支配していた
達也『よし、次は横に水平移動してくれないか?』
達也からの指示に従い、自分達の脳内にイメージを焼き付けると体が自然と左右に動く
徐々に飛行するスピードを上げ、腕を広げながら自由自在に飛ぶ
加蓮『…浮いてるだけじゃない、飛んでるよね!』
結那『えぇ、飛行してるわね。…達也さん!』
お互いの感覚を確認しあい、達也に微笑みかける
達也『あぁ、成功だな。…(ようやく、第一歩か。)ボソッ』
達也の成功という言葉に歓喜が溢れる
傍系『やった!飛行魔法の完成だ!』
浩也『やったな、達也!』
常駐型重力制御魔法、通称飛行魔法
四系統八種の【加速・加重】系統
この常駐型重力制御魔法は現代魔法学確立の初期から提唱されてきたが、公式では実現されていなかった
この偉業を次々と神夢の人間が達也を讃える
当然のことだが、魔法というものが確立してから約一世紀の間、魔法で飛ぶということはあった
しかし、それは古式魔法や僅かな魔法師しか不可能だった。現代魔法では、それを実現することがまず出来なかった
それを、達也が成し遂げたのだ
誰でも自由に飛ぶことが出来るように
だが、達也の目的はこれではない。その先にあるのだが、この問題を解決しなければ、達也の目標は夢のまた夢になっていた
達也『恭也も飛んでみるか?』
恭也『え?良いんですか?』
二人の姉達を羨ましそうに見ていた末弟
13歳が我慢をするべきではないと達也は思っている
達也『あぁ、最後の一つデバイスは残っている。恭也のために用意したものだ。』
ほら、と恭也の手に飛行デバイスを握らせる
説明を一通りし、背中を押す
最近は、末弟をかまってやれなかったため久方ぶりの兄弟のコミュニケーションをとる
恭也『でも、兄上は?』
相変わらずの一歩引いた思考だが、こういう状況では年相応を見せて欲しいと思っている達也
達也『俺のことは考えるな。…そうだな、これは修行のご褒美だ。楽しんで来い。』
恭也『はい!ありがとう!』
中々に納得しないため、こじつけで恭也を納得させる
浩也と凛の子供達が空を飛ぶ姿を達也はまるで神々が優雅に舞っているようだなと思っていた
浩也『ところで、達也。このあと、少し話がある。』
達也『はい、義父さん。何かありましたか?』
喜びに満ちた空間で、早くも厳しい表情の浩也に達也も只事ではないと気持ちを切り換える
浩也『風間と話しておきたいことがあってな。私の書斎に来てくれないか。』
達也『…わかりました。』
風間と出てくれば、おおよその検討はついた
達也に三人と遊んでから来なさいと言い残し、自室に戻る浩也
浩也『しかし、(…あの達也がここまで成長をしてくれるとはな。三人が守った達也は世界をまた一つ変えましたよ。)』
我が子同然の達也の成長に涙を隠せない浩也
かっこ悪いところは見せれまいと早々に退出した訳だが、妻の凛と達也には見破られていたるのだった
如何でしたでしょうか。
今回は少々スランプです。
というか、飛行魔法の理解が進まない。なんとなく程度では無理だなと思い、魔法の説明は省いた次第です。
①とりあえず、達也君の成績は原作より上に
②佐渡侵攻事件は一条君頑張りました!
③飛行術式完成は、タイミング早めました。というか、深雪さんが妹でもないので、話の順序が食い違っても問題無いかなと((笑))
さて、次はどこまで、改変しようかな。
それでは、失礼します。