抹殺された神の愛し子   作:貴神

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プロローグ作ってみたいとおもいました。


3話作ってからのプロローグって…

…伏線って難しいですね。いつか、やる。


プロローグ

魔法が、伝説や御伽噺の産物ではなく、認識されはじめたのは、1999年の記録が最古になる。それが、いつしか魔法を世に伝えている魔法師と呼ばれる人間たちが姿を現しだす。その者達が魔法を体系化し、魔法が技術や技能にまで発展した。

魔法を使える者は超能力者から魔法技能師という世界の認識に変わった。

世界各国では、魔法を使える者達の力を利用・兵器という価値を見出し、魔法師育成に力を入れ始めた。

それが、ある一種の成果として、十師族が現れた。

 

 

【十師族】 日本で最強の魔法師集団

一条、二木、三矢、四葉、五輪、六塚、七草、八代、九島、十文字 が現在の十師族で

他18家の計28家の中から4年に一度の 十師族選定会議で選ばれた十の家が十師族を名乗ることが出来る。

 

 

十師族とは、裏で政治を操り、表には出ないというのが現在の日本で基本スタンスになっている。

それは、あくまで現代の魔法の世の中のみである。

 

 

 

 

しかし、現在に残っているのは魔法だけではないのだ。

 

この日本、否。神武天皇になって、日本という国が出来て間も無い頃から異能を使う集団は居たのだ。それは、予知という未来を知るという時を越えるといっても良いともいえるその力で日本を最悪(厄)から守ってきた。その家は、細々ながらも絶えることなく現在の日本に存在する。

その家に名は 神が見るような夢をみることから神夢(かみゆめ)として呼ばれる。

神夢家は表舞台に出ないためにも姓を変え、夢を守る 守夢(かみゆめ)から 守夢(もりゆめ)として、現代に存在する。 

この守夢家は様々な道の者と繋がり、日本を守るということだけを目的として存続している。小さな家系ながら、日本に与える力は絶大で、唯一天皇に助言、謁見を許されている。

さらに、現代においても十師族などと比べるに値しない。予知には未来を改変しようとすればそれを行うことが出来るのだから。この力の前では魔法という概念でさえ、遠く及ばずさらには魔法師を潰すなど造作もないことだろう。日本の軍はおろか、天皇家と神夢家からの直接の協力要請ならば、世界の軍は二つ返事で返す。それほどに予知(情報)という存在は、重要視されているのだ。

しかし、重要視されているにも関わらずどの国もこの家系の情報を掴むことは出来ずにあった。それは、当たり前のことだが、日本という国が全力で秘匿しているに他ならない。また、他国が何故探し出そうとしないのかは、神夢家が他国に対しても有益な情報を発信する(もちろん日本政府を通して)ため大きな争いにならないのである。

だが、情報という貴重なものでも食料事情等には抗えないものもある。また、日本は世界有数の優秀な魔法師の国でもある。そんな事情もあり、表面上は握手を交わしていても裏では、どのようにして世界の覇権を握るかでうごめいている一面もあるため一概に協力関係かといえばそうでもないのは現状ではある。

 

 

 

そんな裏の世界では有名な隠された一族とーーアンタッチャブルーーと恐れられた四葉が一度だけ交わった物語

 

 

 

 

 

西暦2079年12月28日 

年の瀬もあり、表の顔であるエリシオン社の社長 森城 昌浩(もりしろ まさひろ)は代々受け継がれてきている名で社長はこの名を襲名する。

本当のところは名を素性を知られぬためという側面が強い。

 

 

そのため、森城と神夢という苗字が同一人物と気づけるのは一握りだけであった。

 

その日本創世記より支えてきた予知の家 神夢家の当時の当主 神夢 昌也と妻の未来は年末で忙しい日々を過ごしていた。

 

昌『未来s…』

 

未『口を動かす暇があるなら手を動かしてください。昌也さん。』

 

昌『…はい…』

 

決してサボろうとしていた訳ではないのだが、この年末という時期で社長業と親戚の家に出す葉書等で余計なしゃべりは作業を鈍らすものにしかならないため妻である未来は厳しく昌也を律していた。

 

 

未『昌也さんが仰る意味は理解しています。社員の方たちに労いの言葉を掛けに行きたいのでしょう?社員思いは良いですが、社長としてお世話になっている企業の方々へのご挨拶も重要です。そこはお忘れなき用に。』

 

長年連れ添った夫婦に成しうることのできるものなのか、以心伝心とも云える相手を慮る言葉である。

 

 

昌『そうだよな、相手さんも居てこそのうちの会社だもんな。ありがとう未来。』

 

 

微笑む昌也に

 

 

未『っ!(こういう時に不意打ち、ずるいわ昌也さん。朴念仁なんだから)…はいはい、そんなことしてると社員の皆さんが帰っちゃいますよ。』

 

 

アタックし続けて昌也の妻になった未来は鈍感な昌也の不意打ちには弱かった

 

そんなことをしている間にも時間は過ぎるため昌也に釘を指して仕事に集中を促した

 

 

昌『まずいな、忘年会の前に労いの挨拶だけはしないと』

 

時間は16時を少しすぎたところ、昌也は作業に意識を集中し始めた

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

2080年1月1日

この時代にも正月は存在するわけで、神夢家でも新年を祝っていた

 

 

昌・未『新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。』

 

浩・凛『こちらこそ、今年もよろしくお願い致します。』

 

他『あけましておめでとうございます。今年も病気やけが、事故等がありませんように。』

 

神夢家は当主の直系の嫡子は2-3人生まれる

 

当主としての座は1人だけだが、不慮の事故等で命を落とすこともあり、血が絶えないためにもこのような形になる。不思議なことに次代が1人だけしか生まれないということは無い

 

また、他の直系は補佐として勤める他、当主の力に劣るものの、他の分野で秀でていることがあるためその分野で成長するのがこの神夢家に生まれた者の特徴である

 

それは傍系もその例に漏れない

 

 

 

昌『ハイ、堅苦しい儀式はお終い。さあ、無礼講といきましょう。』

 

柏手を1回鳴らし、堅苦しい雰囲気を無くす昌也

 

それを待ってたかのように神夢の一族は騒ぎ始めた

 

 

 

傍系『昌也さん、子供はどうですか。』

 

妻の未来が離れたのを見計って尋ねる傍系の人間。決して責めているわけではなく、心配の表情を浮かべる。

 

 

 

昌『…、難しいと言われたよ。未来も気丈に振る舞っているが、内心は焦っていると思う。子が出来なくても家族に変わりはないし。神夢の人間も責めはしないのにな。』

 

未来の方に目を向けると弟の浩也の妻の凛と他の女性と話していた。

 

 

 

傍系『……。昌也さんって、やはり鈍感。いや、朴念仁?』

 

少し、ずれた回答をする昌也に容赦ない発言を浴びせる

 

 

 

昌『鈍感?朴念仁?俺が?それは違うぞ!未来のことなら、何でも知ってるぞ。…そうだな、未来が好きなミュージシャンはB'zで、何度一緒にライブに付き合ったか。好きなキャラクターはディ〇ニーのプーさ〇で好きな食べ物は蕎麦でしかも十割蕎麦だ。寝る体勢は一般的な仰向けだが、抱き枕がこれまた、プーさ〇だ。そして、h……』

 

 

ほくろに位置はと言いかけた時、何故かとてつもない悪寒を感じた

 

気が付けばいつ間にか、傍系の人間も浩也や他の神夢達と飲んでいる

 

しかも、こちらに一切視線を向けない

いや、向けられないような雰囲気だった。変態の発言で引くなら、ツッコミが入るがそれもない

 

昌也が恐くて逃げたのではないということは。…嫌な予感しかしない

 

ギギギと油を挿さずに放置して、酸化した歯車を動かすような緩慢な動きで後ろを向くと

 

 

 

 

未『私がなんですか?貴方?』

 

 

妻の未来の背後に般若が付いているような錯覚があった。いや、現に未来の表情がそれに近い。しかも、未来だけではない。浩也の妻の凛や他の女性陣も居た。

ヤバい、地雷を踏んだ?と思ったが、遅い。

 

 

未『私の暴露大会とはいい度胸ですね。なんでしたら、貴方の暴露大会でもしましょうか?』

 

 

昌『あ、いや。それは、その。』

 

シドロモドロになる昌也にトドメが入った。

 

 

未『年末の社員交流会で新j…』

 

 

昌『すみませんでした!!』

 

すぐさま、土下座をし、未来に服従をする。これで許されたかと思いきや。

 

 

 

未『あらっ。手が滑って、再生ボタンを押してしまいました。((笑))』

 

 

と言った瞬間に映像が流れだした。

 

 

年末の忘年会には、社長が社員全員の名を呼んでその人物の長所を挙げることが恒例行事になっている。しかも新人社員にとっては、社長に顔を憶えてもらい、ましてや褒めてもらうなど1年目で無いことだ。

しかし、このエリシオン社では、社員を家族、息子、娘と思っており、社長が名前を忘れるなど言語道断なのだ。

そして、この長年の恒例行事で神夢家が会社を立ち上げて以来、思い出として、写真や動画を年に最低1回は残すようにしている。

今回、昌也は社長としてあるまじき新人社員の名をど忘れするという珍事を犯したのである。当然のことながら、全社員からブーイングの嵐が巻き起こった。

その思い出が今回は証拠映像として、昌也に牙を剥いた。

 

 

映像を見ていた神夢家全員は笑いを堪えるしかなかった。

 

 

 

未『それで?昌也さん何か言いたいことは?』

 

 

 

昌也は映像を見た時点で何も言えないのだが、未来が何故ここまで怒っているのかがイマイチ理解できていなかった。

 

 

昌『未来さん、一体何にお怒りなのでしょうか。』

 

 

恐る恐る尋ねる昌也に

 

 

未『自覚がないのですか?私が暴露されて喜ぶ変態の性癖を持っていると?』

 

絶対零度を醸し出す未来

 

昌『いや、あれは未来の良さを知ってもらおうと…。』

 

 

 

未『あら、それは私がだらしないから昌也さんしかお相手が見つからなかったということかしら。』

 

未来の纏う空気が絶対零度に変わっていく。その空気にあてられて昌也はおろか周りの男性陣も息を潜めていた。

昌也は半分魂を飛ばしている状態だった。

なおも、未来による説教は続いた。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

漸く、未来の昌也への説教が終わり場の雰囲気も和やかになっていた。

 

 

昌『し、死ぬかと思った。』

 

 

傍系『大げさな、昌也さんがそう簡単にくたばる訳ないでしょうに。』

 

宥めるも周りの人間も顔が引きつっている。

 

 

昌『先ほどの話を戻すが、なんで、未来が子供が欲しいと解るんだ?』

 

 

傍系達『……。ここまで鈍いのはやはり直系の為せる業か。神夢の男児は皆総じて鈍い。だが、それに輪をかけて鈍いのは、流石直系か。いや、未来さんの苦労が少し理解できた気がする。』

 

昌也以外が納得の表情を見せる中、昌也は頭上に?を浮かべている状態だ。

 

 

 

傍系『(少しでも未来さんの手助けになればいいが。)いいですか、当主殿。なぜ、未来さんが子供が欲しいのか。それはですね、女性なら至極当然なのです。』

 

 

昌『いや、解ってるよ。この家に嫁ぐということは世継g…『違います。』しか考えられないのだが…。』

 

昌也の言を遮る傍系達

 

傍系『いいから、少し黙って聴いてください。』

 

気圧され口を噤む昌也

 

傍系『いいですか、耳をかっぽじってよく聴いてくださいね。女性というのはね、愛している人との子供が欲しいんです。』

 

 

昌『えっ。』

 

 

傍系『だから、昌也さんとの間に出来た子が欲しいんです。当然です。結婚という契を結んでこの人ならと思ってるんですから。昌也さんはどうですか?』

 

寝耳に水のような話だ。本当なら自分としても子供(世継ぎの面でも)は欲しいが、これに関しては授かりものだ。難しい面もあるため気長にいくしかない。未来も焦っているようだった。だが、世継ぎのためだけに自分の好きな妻の顔が歪むようなことはしたくない。だから宥めるように言い聞かせて、納得してくれたと思っていたのだ。

 

昌『……しかし』

 

傍系『伝わってないですね。もう一度言います。昌也さん、未来さんとの子供は欲しいですか?』

 

 

昌『…欲しい。』

 

一人の男性としても愛する女性との子供はほしいのだ。

 

 

傍系『よくできました。』

 

拍手を起こさんばかりの笑みを向けてくる。

 

 

傍系『なら、起こす行動は1つですね。期待してますよ、当主様。』

 

なんと無責任な発言だろうか。だが、彼らは沈んでいる昌也と未来のために発破をかけてくれたのだ。

この期待に応えないで何が当主か

 

昌『まかせろ。俺の子にお前たちをおじちゃんと呼ばせてやる((笑))』

 

おじちゃんと言われるのを想像したのか、顔を青ざめて昌也に食ってかかる。

 

 

傍系『言ったな。あんたなんか子供に「クソ親父」とか「嫌い」って言われちまえ。』

 

反論をする傍系達

 

昌『おい、それは言うなそんなこと言われたら、立ち直れなくなるだろうが!』

 

 

 

 

なおもギャーギャーと喧嘩をする男性陣に女性陣は呆れてため息を吐いていた。

 

 

凛『おバカ共は放っておきましょう。』

 

未『そうね、ところで凛。話って?』

 

 

凛『あまり、これを聴くと気分が良くないと思うんですけど。』

 

未『…子供ね。』

 

凛『っ、そうです。進展はありましたか。』

 

おずおずと伺いを立てるように話す

 

 

未『そんな顔しないで、皆もよ?これは、私が悪いのだから。』

 

凛『違います!授かりものだしそれに私だって。』

 

お腹をさする凛

 

未『いいの。昌也さんも私のそんな苦しむ顔をみるなら、子供はいらないと言ってくれたし。』

 

 

凛『それでも未来さんは愛する人との子供は欲しくないんですか?』

 

叱るように言う凛に

 

未『…、そうね。欲しいわ。昌也さんになんと言われようと。だって、愛した人との子供が欲しくない理由がないもの。』

 

凛『なら、諦めてはいけません。』

 

未『凛』

 

凛『昌也さんのときもそうだったでしょう?競争率の高かった昌也さんをアプローチしてプロポーズまでさせたあのときのように。』

 

昌也は他人、特に異性からの好意に鈍感だった。未来からの好意も例に洩れず。

そんな鈍感すぎる昌也に自覚させ、恋心を抱かせ、結婚まで来れたのは未来の努力に他ならない。

 

未『……ありがとう、凛。みんなも心配をかけてごめんなさいね。』

 

傍系『これくらいは当然です。家族なのですから。』

 

傍系『吉報をお待ちしてますね。』

 

未『ええ、まかせておいて。』

ようやく、本来の未来の笑顔を見せ、周りも安堵の表情を見せた。

 

 

 

 

 

その夜、神夢家の血筋を持つ人間全員が不思議な夢を見ることになる。

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

4月24日

 

日本某所

 

日本の魔法師の中でも指折りの力を持つ十師族

その一端をになう一族、四葉家次期当主の四葉 真夜が妊娠そして、出産を迎えていた。

赤子が産声をあげ、一族全員が無事に赤子が産まれたことに安堵する。だが、すぐにその表情は引き締められ、赤子が四葉足らしめる能力を持っているかに焦点が定まっていた。

 

 

貢『真夜様、この度はおめでとうございます。』

黒羽時期当主の貢が恭しく頭を下げる。

 

真夜『あら、貢さん。気が早いのではなくて?』

そう、まだ赤子がどのような能力(ちから)を秘めているかは他人の魔法演算領域を解析し、潜在的な魔法技能を見通す精神分析系の能力を備えている四葉 英作に見てもらわなければわからないのだ。現在は、英作が当主である。

 

貢『いえ、真夜様の御子ならば素晴らしい力が備わっているはず。真夜様の無念を晴らす力となりましょう。』

なおも、讃える貢

 

深夜『真夜、そろそろ時間よ。英作叔父様の元へ。ところで、この子の名前は決まったのかしら?』

会話に割って入る深夜

 

 

真夜『姉さんありがとう。仮だけど名前は達夜よ。ほぼ決定はしているのだけれどね。』

 

達夜と名付けられた赤子は真夜の冷凍保存された卵子と四葉で選定された男性の精子で受精させ、真夜のお腹の中で育った正真正銘真夜の子だ。

かつて、真夜は大漢に拐われ子を成すことは出来なくなった。それはあくまで男女の営みから子を成すことは出来ないという意味であり、体外受精して、胎盤内に戻し育てることは出来るようになったということだ。

しかし、重大な要素が2つある。1つ目が卵子は真夜が初めて初潮を迎えたときのものでこれしか真夜の卵子はなく、身体が成長しきったときの卵子ではないため子供がどのような影響が出るかわからないという点。2つ目が

大漢時に子を成すことが出来なくされたため今回しか出来ないという点である。

 

 

英作『真夜よ、体調はどうだ?』

 

出産から時間をおいて呼んでいるとはいえ、出産には相当の体力を消耗するため、気遣う英作

四葉 英作 高度な精神干渉系魔法の使い手で、他人の魔法演算領域を解析し、潜在的な魔法技能を見通す精神分析系の能力を備えている。

 

 

真夜『万全とは、言い難いですが日常生活には問題ありませんわ。叔父様』

 

英作『そうか。では、その赤子の能力を視ようと思う。こちらへ。』

 

 

真夜『はい、叔父様。』

 

と言って、赤子(達夜)を英作に見せる

 

英作『………。』

 

達夜の能力を確認すること5分程度だろうか。

普段ならば、およそ1分程度で終わるこの分析も今回は長い。

しかも、明らかに表情が曇っているのが、見てとれる。

 

深夜『叔父様?如何されましたか?』

 

さしもの深夜も不思議に思い、尋ねる。

真夜も同様の不思議そうな表情だ。

 

 

英作『真夜よ。この赤子はお前の子か?』

 

ようやく、口を開いたと思ったらあり得ない発言が出てきた。

 

真夜『…何を仰っているのかが解りかねますが、その子は正真正銘私、四葉真夜の子ですわ。』

 

当たり前だと応えるも英作の表情は固いままだ

 

英作『真夜よ。この赤子には何も視えない。魔法師としてあるはずの想子-サイオン-が無い。』

 

 

真夜『叔父様。出来損ないということなのでしょうか?達夜は。』

 

確かめるように伺う真夜に英作は

 

英作『そうだな。魔法力を持っていないのはこの四葉どころか魔法師にもなれぬ。真夜よ、お主の判断に任せる。一般の家庭に養子を出すも良し。処分するもな。しかし、前者の場合は四葉と知られぬようにしなければならぬ。後者の方がリスクは無いがな。』

 

部外者が聴けば顔を青褪める会話だが、兵器としてあり続ける四葉では当たり前なのだ。

 

真夜『(初潮を迎えてすぐの卵子では駄目だったようね。この世界に復讐を願うことすら許されないのね。母としては、唯一の子。四葉真夜としては、不要な赤子。どちらを天秤に掛けるなんて、馬鹿らしいわ。はじめから判っていること。結局、私は四葉の人間。)そうですね。やはり、四葉の情報を漏らすわけにはいきませんので。』

 

そういって目を伏せる真夜

 

英作『そうか。ならば、真夜よ。お主で処分するのか?』

 

残酷な選択を問う英作に

 

真夜『はい。これは私の不始末ですので。』

 

 

深夜『…真夜』

 

魔法力を持って生まれずに徒人を産んだ真夜を慮る深夜

人の心はあるもののやはり四葉なのか。赤子を処分することには躊躇いの無い。兵器としての四葉でなければ意味は無い。

 

 

英作『そうか。あとはお主に任せる。』

 

そう言うと、部屋から出ていく英作

 

深夜『真夜、いつに処分するの?』

 

真夜『姉さん。今晩中には、私の魔法と海で処分するわ。』

 

悲しむ表情ではなく、仕事が増えたという表情をする真夜

 

深夜『解ったわ。葉山さんに、車の手配をさせておくわね。』

 

深夜もそう言うと部屋を出る

 

真夜『ありがとう、姉さん。』

 

部屋の扉が閉じられると真夜と赤子の達夜だけが残された。

2人からの別れの挨拶をしろと言われているでもないこの雰囲気の中

 

真夜『達夜、次にもし生まれてくるなら魔法の無い世界に生まれなさいね。』

 

最期の逢瀬というのに呆れた表情で赤子を撫でる真夜

対して赤子はすやすやと眠りの中にいる

まだしわくちゃの顔で可愛らしいとも言えない赤子が不意に笑ったような表情を作る

 

真夜『っっ!』

 

真夜に苦悶の表情が浮かぶも一瞬の間に無表情に戻り、何を考えているか判らなくなった。

 

そうして赤子を撫でている間に別れの時間を迎えた。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

太平洋側 某海岸

 

一台の黒塗りの車から執事とおぼしき初老の男性と赤子を抱いた女性が出てきた。

 

葉山『奥様。ここならば、よろしいかと思われます。』

 

恭しく頭を下げる葉山

 

真夜『ありがとう、葉山さん。ここからは、私が一人で行きますので、ここで待っていてくださるかしら?』

 

 

葉山『かしこまりました。』

 

ゆっくりとした歩みで雑木林の中へ消えて行く真夜を葉山は頭を下げて見送った。

 

 

 

 

 

数分も経たず雑木林を抜け岸壁に立つ真夜

季節は春といえ、夜の海からの風は冷たく心と体を冷やしていく。

しかし、真夜にとっては、荒ぶる感情を冷静に戻そうとしてくれる有難いものだった。

 

 

真夜『さて、達夜。もうお別れの時間ね。もし、来世があるならば魔法の無い世界で会いましょうね。』

 

そう言うと、達夜を海へと投げる。

そして、極東の魔女たらしめる魔法

 

収束系魔法 流星群-ミーティア・ライン-

 

光が達夜を貫くなど生温い。光が達夜を飲み込んで消えた。

 

 

真夜『さようなら、達夜。』

 

風に掻き消されるような声で別れの言葉を言い、元来た道へと歩いて行く。

彼女が立っていた場所にはいくつかの水玉の跡があったが、それを知る者は誰もいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

同年5月1日 未明

太平洋側 同某海岸

 

ある男女…ではなく、神夢家の当主とその妻が佇んでいた。

 

昌『未来、体は冷えてないか?』

 

4月も今日で終わり、明日からは5月。暖かな日差しが日中は降り注ぐも、夜の帳は少々肌寒い。

 

未来『大丈夫よ、昌也さん。』

 

この二人がこの場に居るのかは神夢家で行われた新年の挨拶の次の日。つまり、1月2日の予知夢が発端となる。

 

 

 

 

----------

 

 

 

 

 

近年稀にみる神夢の血を引く者達全て(+未来)が昌也と未来の子供についての夢を視たということで神夢家が慌ただしく動いていた。

 

 

浩也『場所は大体どのあたりだ?海と言っても、この日本は島国だ。最低でも旧姓の都道府県での海岸とまで調べないと難しいぞ。』

 

この場を率先して纏めているのは次男の浩也

 

 

傍系『だが、浩也さん。あの四葉の子供が神夢家に来るんですか?それを契機に昌也さんと未来さんとの間に子供が授かるなんて。』

 

 

浩也『解らん。しかし、俺達の視る夢には意味が必ずある。それが希望でも絶望でもな。だから、とにかく詳細な情報を得るんだ。』

 

浩也としても半信半疑だが、来るべき日に備えをしておいて損はないと自分を言いきかせた。

 

 

そして、

4月24日より1週間後の5月1日の未明に海から流れて来ると調べが付き、4月30日の夜中に昌也と未来がこの浜辺に来ていた。

 

 

 

昌也『未来、そろそろ時間だ。』

 

そう言うと、時刻が23時58分を示した時計を未来に見せる。

 

未来『あと、2分で日が変わる。ねぇ、昌也さん。本当に私達の元に来てくれるのかしら?』

 

不安が未来に押し寄せる。

その表情に昌也は安心させるように

 

 

昌也『心配ない。神夢の血筋が全員視たんだ。そして、血筋でもない未来も視た。これは必ず何かが起こる。』

 

断言する昌也の言葉に未来の不安も薄れていく。

 

 

そうして、待っていること数十分。

リンと鈴の音が微かに聴こえ、突如として空気が変わったのを昌也は感じた。

 

昌也『…?』

 

気配を探るも変わった様子はない。静寂が漂うのみ。

しかし、何かがおかしいことに気付く昌也。

そう、ここは海だ。

海ならば波の音が聴こえてくるはずだが、それが今はない。頬を叩いていた冷たい風もなく、あるのは月からの光のみでその光は周りを照らすのではなく、海中のある一点にのみ降り注いでいた。

その光は徐々に無くなると、海中から光の玉が浮き上がってきた。

それは眩いばかりの光で、まるで太陽を想像させるものだった。

 

 

昌也・未来『……。』

 

息を呑む二人とは裏腹に光の玉は海上に静かに漂っていた。

まるで、二人を見定めるかのように

 

未来『ねぇ、昌也さん。何か感じないかしら?』

 

唐突に問いかける未来

 

昌也『…感じることは感じるが、俺は未来とは違うと思う。判断と責任、大きな力を持つ宿命に対して。と表した方がいいな。だが…。』

 

 

未来『そうね。私も似たようなものだけれど。私の場合は孤独と哀しみ、全てを破壊してしまうから誰も傷つかないように自分も傷つきたくないが適当かしら?…でも。』

 

二人は互いに顔を見合せ

 

 

昌也・未来『『愛を知らず、愛することが出来ない』』

 

夫婦息ぴったりの答えに笑い合う

 

昌也『さて、そんな捻くれ者には、お父さんとお母さんの愛ある説教をしてやらねば。』

 

と楽しそうな声な昌也

 

未来『そうね。望まれずに生まれた子なんていないのに。これは成人を迎えるまで、お母さんと一緒にお風呂かしら?』

 

こちらもまた、愉快な声の未来

その内容を昌也は羨ましそうな目を未来へ向ける

 

未来『あら、貴方?貴方の特権は同衾でしょ?我が子に嫉妬かしら?』

 

昌也をからかう未来

 

昌也『べ、別に、羨ましくなんかない!』

 

未来『そう?じゃあ、そろそろ迎えに行かない?あの子が寂しそうな目をしてるから。』

 

そう言って、未来は海上の光の玉の中にいるであろう子を迎えに行く準備をする未来を昌也が止める

 

昌也『このまま、入ろう。それが、良い気がする。』

 

何かを感じたのか、ザバザバと海の中へと入っていく昌也に連れて未来も入っていく。

濡れると思いきや、不思議な事に濡れず、水に包み込まれたままという表現が正しいのか。

陸上を歩いている感覚に近かった。

また、その光の玉迄は数十mあり体が海中に沈まずに辿り着くには、不可能な距離だ。しかし、海底に沈まず陸と水平に歩くことが何より不思議だった。

二人はその光の玉に近づくと改めて、太陽のようだと感じた。

そして、二人で下から掬うように両手で触れると光が弾け、中から生後間もないような赤子が姿を現した。

光は太陽のような熱さではなく、全てを包み込むような暖かさだった。それと同時に周りの景色が夜から日中に変化した。海の中ではなく、空の上に居るような何ものにも侵されない空間がそこには存在した。

そして、抱かれている赤子は笑っているように見えるも二人には泣きたいのを我慢しているように見えた。

 

昌也『未来。この子の名前を思い付いたんだか、聴いてくれるかい?』

 

唐突に問いかける

 

未来『奇遇ね。私も思い付いたわ。』

 

と未来

昌也『じゃあ、一緒に』

 

 

昌也・未来『『たつや』』

 

目と同じく耳はまだ聴こえないはずの赤子が自分に名前を付けてもらえて嬉しそうに笑った。

さらに、以心伝心とはこの夫婦を指すのだろうか。

見事な命名である。

 

未来『漢字は何?』

 

言葉は同じでも思いが違えば命名も変わる。

 

昌也『「や」は神夢家の男児に付ける「也」で、「たつ」は自分の信念を高みへと持って到達して欲しいから「達」からかな? で達也。』

 

 

未来『私も「や」は家の子だから「也」。「たつ」は自友達や愛する人達がいて自分がいるということを忘れないで欲しいから「達」で達也よ。』

 

意味は仕方ないとして、字まで一緒というのは恐ろしいものである。

 

 

達也 神夢家にふとした奇跡が起こり、出来た家族。

 

 

昌也『さて、達也も家の家族になったことだし、お披露目するか!』

 

 

未来『そうね。皆に心配も掛けたし、何より達也が寒そうだもの。』

 

いつの間にか空のような空間も消えており、迎えに行く時は濡れなかったのが今は濡れている状態でこのままでは風邪になってしまう。しかし、比較的浅瀬の海だったのか腰から下だけしか濡れていないが時間の問題である。

 

達也を濡れないように抱えて砂浜に上がり、CADで魔法式を構築し、服の水気を吹き飛ばすと車(電動車とは別)で神夢家のある旧 東京へ走る。

 

余談だが、神夢家が隠れ簑にしている会社がある。それは、この世界で魔法という存在が認知されて約一世紀。

魔法を使用するにあたり、魔法式構築を補助するCADが現代魔法では必要になってくる。

それを開発しているのが、日本最古のエリシオン社である。他にもローゼンやFLT(フォア リーブス テクノロジー)等数社存在する中、エリシオン社が術式補助演算機(Casting Assistant Device)の略称で、魔法発動を簡略化させる装置の開発に乗り出した会社である。

その会社の社長 森城 昌浩(ビジネスネーム・代々社長が受け継ぐ名前である)が神夢 昌也なのである。

そして、神夢家は陰陽道、修験道等様々な家が集合した家で、古式魔法もさることながら、現代魔法にも精通するという一面もある。

そして、魔法という存在が無い時代に置いても格闘術にも長けた反則的な大家である。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

5月1日 早朝 神夢家本家

 

 

昌也『ただいま、戻りました。』

 

現在、4時過ぎ眠りの真っ最中には少々大きすぎる声を出す昌也

 

未来『貴方、皆さん寝てるわよ。早く達也の着替えと布団、お風呂を用意しないと。』

 

昌也を窘め、達也の世話にかかる未来たが、

 

浩也『お帰りなさい、未来さん。その子が私達の?』

 

起きていた浩也が昌也と未来を出迎える。

 

未来『起きていたの?浩也さん。そうです。この子です。名前は達也と名付けました。』

 

浩也に達也の顔を見せる。

 

浩也『生後1週間ってところかな?ということは4月24日が産まれた日になるな。神夢家にようこそ、達也。』

 

まだ、くしゃくしゃの顔で整っていないため、生後間もないことが窺える

 

凛『玄関で居ては達也が可哀想ですよ。暖かい飲み物と食べ物、赤子の達也には、何がいいかしら?』

 

玄関先から動こうとないので、痺れを切らした凛が中に入るよう促す。

 

未来『ありがとう、凛。』

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

神夢家

5月5日

この日は達也の神夢家の子としての祝が行われていた。

 

昌也『皆さんのお陰で達也を神夢家に迎えることが出来ました。本当にありがとう。』

 

深々とお辞儀をする昌也と未来。未来の腕の中には達也が眠っている。

 

傍系『昌也さんと未来さんが強く願ったから叶ったことです。我々はあくまでお手伝いだ。』

 

 

浩也『いや、神夢家全員が一心に願ったからこそ、あそこまで詳細になり、達也を救えたんだ。』

 

救った その言葉が神夢家の全員が凍りつく。

 

昌也『浩也。それは、今は言うなと。』

 

昌也が浩也を叱る。

 

浩也『いや、これは、全員が知るべき事実。今後の達也を守るためにも今知ってもらいたいと思ったからだ。だから、兄さん。』

 

その後は、昌也からと。促す弟の浩也

 

 

昌也『……聴いての通りだ。薄々は気付いているとは思う。達也は四葉の子。しかし、達也には、四葉足りうる魔法力がない。そして、達也は処分された。そこを俺達が拾った。』

 

達也が神夢家に来た経緯を簡易的に話す昌也だが、事前に聴かされていたのか隣の未来は顔を俯かせていた。

 

傍系『それでも、おかしいところがある。』

 

事情を聴いていた、一人が核心を突く。

 

浩也『…おかしいところ?』

 

白々しくも表に出さない

 

傍系『魔法力が無いのは四葉としては、致命的だ。しかし、想子-サイオン-は達也から感じられる。あり得ない量で垂れ流しの状態だ。これだけ長い間居れば達也がどんな人物か判るはずだ。達也の扱いの云々は置いておいて、四葉として利用価値を見出ださない訳が無い。』

 

周囲も同意を示す。

 

昌也『…そこに答えがある。』

 

傍系『答え?』

 

おうむ返しに問う

 

浩也『達也から想子-サイオン-が感じられるようになったのは? 』

 

答えと同義の質問をする

 

傍系『っっ!…なるほど、最初は俺も気付かなかったな。想子-サイオン-が巨大過ぎて感知出来なかったんだ。最近になって、漸く感知出来るようになったんだ。』

 

自身の疑問が解答になるとは思ってもみなかった。

しかし、疑問は増すばかりだ。

想子-サイオン-があるなら、魔法力は必ずあるはず。魔法演算領域はブラックボックスとは言え、何か原因があるはずである。

 

傍系『最後にもうひとつ。達也の魔法演算領域は何が占有しているんですか?』

 

 

昌也『…その前に皆に頼みがある。』

 

回答すると思いきや昌也が頭を下げる

 

浩也『頼む。聴いて欲しい。』

 

浩也も同様に

 

傍系『他言無用に。なら、いつも通りですが、違うようですね。』

 

昌也『ありがとう。…この先、何があっても達也を守って欲しい。達也が生きていれば、神夢家は世界は守られる。』

 

拍子抜けな頼みが大広間を席巻する。

 

 

浩也『…何か反応をしてくれないと困るんだが。』

 

反応の無い傍系達に恐る恐る尋ねる。

 

 

未来・凛『ふふっ。』

 

今まで沈黙を守ってきた二人の妻が吹き出し、空気が弛緩する。

 

傍系『……へっ?それだけ?』

 

もっと重大な発表かと待ち構えていた分、理解が遅れる

 

浩也『それだけとは、何だ!達也のこれからが懸かっているんだぞ!』

 

まともな反応が返ってこないため怒る浩也

 

傍系『だって、達也を守って欲しいなんて何を頓珍漢なお願いなんだって、思って。』

 

当たり前の事を言われると此方が悪者の気分である。

 

昌也『いや、だって。達也は四葉の子だった訳だし。神夢家なんて四葉家以上に秘された家だからさ、皆嫌がるかなぁと。』

 

段々語尾が小さくなる昌也

 

傍系『だって、達也は四葉では、消されt…いや、処分された身でしょ?四葉から言ってみれば、知らない子だ。そして、神夢家がたまたま拾っt…救った?子だ。何の関係も無し!』

 

周囲も同様の反応だ。

 

傍系『そして、神夢家には他所では真似出来ないものかあるでしょ?』

 

今度は昌也と浩也を叱る番である。

 

昌也『…そうだったな。神夢家に入りたい者は神夢家の人間になりたいと願うこと。』

 

浩也『…願いとは…祈る事か。』

 

 

傍系『それに、神夢家に達也が来てくれるように願ったんだから何があっても守る、まあ、四葉だろうと何だろうと気に入った人間は神夢家にスカウトがモットーだけどね。たがら、二人。その頼みは却下な。』

 

誰であろうと強引に引き込もうとする周りに苦笑いの昌也と浩也

 

未来『だから、言ったでしょ?神夢家の人間が達也を嫌うはず無いって。どんなことがあってもね。』

 

宥める未来

 

昌也『本当になぁ。心配して損したよ。』

 

凛『義兄さんも、浩也さんももう少し心配性を治すことね。』

 

追い討ちをかける凛

 

浩也『心配性って。家の者を信頼してない訳じゃない。けど、達也の生い立ちを考えると…』

 

思考がネガティブになっていく。

 

傍系『心配は無用です。もし、昌也さんと浩也さんが嫌われたら家の方で面倒みるんで(笑)』

 

とんでもない発言(爆弾)が昌也と浩也に衝撃を与える

 

 

昌也『おい!俺の子に手を出すとはいい度胸だな!達也が欲しいなら俺を倒してからにしな!』

 

なんとも親馬鹿な発言であり、嫁に出す訳でもない。達也は男児だ。

 

正月同様の騒がしさをみせる中騒ぎの中心となっている達也は未来の腕の中でスヤスヤと眠っているのであった。

 

------------

 

騒がしさも未来や凛、他の女性陣に一喝され大人しくなる。

 

傍系『それで、達也の力っていうのは?』

 

 

昌也『八割程度判っているというところだな。』

 

曖昧な答えに首を傾げる

そこに浩也が説明をしていく。

①分解:物質もだが、魔法式や想子-サイオン-、霊子-プシオン-等ありとあらゆるモノを思い通りに分解してしまう。また、分解を纏わせる事も可能なほど柔軟性にも富んでいる。

②再生:物体を24時間前までの状態に「戻し」、現実のそれに上書きする。 自身と相手にも可能で、物質にも作用する。

③精霊の目-エレメンタルサイト-:魔法式や想子-サイオン-、霊子-プシオン-も視る目を持つ。イデア世界にアクセスし、周囲の魔法も全て見通すことが出来る。

④複製: その眼で見た魔法を再現できる。再現できても質は本家に負ける。但し、自身の魔法力に比例する。

※自身のスペック(魔法力)以上は再現不可

 

相手の深層心理を読む術は何も魔法だけではない。様々な術が神の国日本には存在する。

予知夢で達也の情報をある程度知っていたため読み取ることも労せず出来た昌也と浩也だか、それでも見透せない情報もあった。

 

浩也『以上が現在の達也から読み取れた魔法だ。』

 

現在、それは達也が将来において未知数の可能性を有しているということでもある。

 

昌也『他の能力は何か他の要因で発現する可能性が高い。もしかしたら、発現しないかもしれない。或いは…』

 

 

傍系『パンドラの箱かもしれないという訳ですか?』

 

 

昌也『パンドラの箱かもしれないが、何か違う気がした。神々しい感じがした。これはあくまで推測だが。達也自身の根底をひっくり返す、そんな衝撃でないと発現しないのかも知れないな。例えるなら、愛する者の死。』

 

よくあるベタな、あり得て欲しくない状況が達也に覚醒を促すなら…

 

昌也『…これ以上はもしもの話だ。さて、これから達也の育成だが、……』

 

 

 

昌也の神夢家当主としてこれ以上の話はするなと言外に告げられ全員はこれ以上は達也の能力についてはこの日以降話題に上ることはなかった。

そして、達也が神夢家に来てから昌也と未来には、一人の女の子がその年の3月に生まれ、浩也と凛には、その一ヵ月後に双子の姉妹が翌年には一人の男の子が相次いで生まれる。これにより達也は奇跡の子とさらに、可愛がられるのだが、それは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、これから神夢 達也としての生が始まる。

魔法師の名門四葉に生まれながらも、認められず。

しかし、日本の隠れされた大家に救われる。

厳しい家柄かと言えば、大空のように懐の広い一族であった。もしもの話ではあるが、達也がこの神夢家に拾われたのは運命ではなく、宿命なのだろう。

そして、この宿命が魔法師を日本をいや、世界を救う切り札になろうとは、それこそ神のみぞ知る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あーでもないこーでもないと延々と唸って書いてたら、15000字近くになりました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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