抹殺された神の愛し子   作:貴神

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入学式…背が低く、大股で歩いた記憶がある。苦い思い出



4話

講堂

 

 

 

達也『(この第一高校は一科生(ブルーム)二科生(ウィード)と顕著な程に別れているのだな。よく言うのは、差別とは、している側ではなく、されている側が感じているというが、実際問題はどうだか。)』

 

ほぼ新入生が席に埋まっている中、席を探しながらそんな思考に耽っていた

 

席を見つけ、家族を探すと時間ギリギリだったこともあり、座席の後方で自分を先に見つけて、手を振る加蓮と結那がいた。こちらも、微笑み手を振り返した

 

若干だが、双子を見る目が怪しい人間がいたが、浩也と凛が睨み潰していたのは見なかったことにした

 

間に挟まれた恭也も

 

 

 

??『ここの席は空いてますか。』

 

唐突に話しかけれ、すぐに顔を上げると男女二人ずつの計四人がいた

 

状況を考えるに席がほぼ埋まっているため、探していたところ最上段の自分の横の席が五つ程空いていたため尋ねたというところだろう

 

 

達也『どうぞ、私以外誰も座りませんので。』

 

余っている席は自分には無用のため勧める

 

??『あ、あの、ありがとうございます。』

 

大人しそうな、女子生徒がお辞儀をする

 

今時眼鏡を珍しくかけていた

 

視力を戻す方法は様々あるため、何か事情があるか、特異な能力を秘めているのどちらかだろうとアタリをつける

 

達也『いえ、そんな畏まらずに。隣が空いてると少し淋しくもありましたので、おかげで助かりました。』

 

社交辞令ながら挨拶を交わす

 

そして、眼鏡を掛けた大人しそうな女子生徒が再び声を掛けてきた

 

『あの、私、柴田 美月(しばた みづき)と言います。』

 

他の連れも美月の自己紹介に倣う

 

『私は、千葉 エリカ。よろしくね。』

闊達そうな赤髪の美少女が似合う

 

『僕の名前は吉田 幹比古(よしだ みきひこ)と言います。よろしく。』

少しひ弱そうなイメージだが、雰囲気がそうみせるのか

 

『俺の名前は 西城 レオンハルト。よろしくな。』

 

外国の血が混じってそうな、特殊な環境の人間とあたりを付けた

 

 

こうも自己紹介をされて、此方が黙するのは失礼だなと達也も軽く挨拶をする

 

達也『守夢 達也(もりゆめ たつや)です。突然で何だと思われるかもしれませんが、名前呼びではなく、守夢と呼んでいただけると有難いです。』

 

この学校で目立たないためにも不安材料は取り除くために一線敷いて、付き合いを悪くする発言をするも不発に終る

 

 

レオ『ははっ!面白ぇな!シャイボーイか?良いぜ、慣れたらで良いから名前で呼ばせてくれよ。俺のことはレオって呼んでくれ!』

 

しまった、と思った

 

こうもあっさりと引き下がられ、懐の深さを見せ付けられると、此方が悪者になってしまった

 

エリカ『ちょっと。私が先に目を付けてたのに、あんた、手を出すの早すぎよ。もしかして、そっちの気も(笑)』

 

エリカが茶化す

 

 

レオ『何だと?!お前こそ、何を妄想してんだ?』

 

こちらもエリカを誂う

 

 

エリカ『黙りなさい。あんたみたいな、むさ苦しい男に守夢君が可哀想だって言ってんのがわからない?』

 

さらに挑発をするエリカ

 

 

美月『ちょっと、エリカちゃん、西城君も落ち着いてよ。もう、式が始まっちゃう。』

 

周囲の視線から静かにしろよと向けられているのが分かり、慌てて止めにはいる美月

 

幹比古も仲裁に入るも二人の声は届かず

 

見かねた達也が助け舟を出す

 

達也『ところで、皆さんは全員が友人なのですか?』

 

達也の助け舟が功を奏した。

 

エリカ『いいえ、違うわよ?レオと美月は今日が初めて。ミキは…あぁ、幹比古のことね、幼馴染よ。』

 

聴くところによると、全員が別々で来るもレオは端末を忘れ、そこに幹比古が困っているレオに声を掛けて一緒に

 

一方、エリカは美月が空気に呑まれているのかオロオロしているところを助ける

 

たまたま、入学式会場の入口で出会したらしい

 

なんとも出来すぎではあるが、本当なのだろう

 

 

エリカ『ところで、守夢君はこのあと、予定ある?』

 

達也『すみません。この後は家族と合流するので、今日は難しいですね。今度はご一緒します。』

 

実際に家族と帰るため嘘ではないが、少々申し訳無さを感じた

 

 

エリカ『そんなのね。ホームルーム後にカフェなんてどうかな?と思ってたんだけど、また今度行こうね!』

 

こちらは然程気にした様子もなく、次回も呼んでくれるようだ

 

幹比古『そろそろ、式が始まるよ。』

 

そう言うと、黙って式の開始を待つ姿を見ると、何事においても手を抜かないタイプなのだと窺えた

 

 

----------

 

入学の式全体としては、及第点を与えるというか、どこの学校も変わらないのだなと思っていた

 

そして、新入生総代の挨拶もマニュアル通りというか特に変化は無いものだと考えていたのだが、少々嵐を呼んだ気がした

 

 

教員『新入生総代 司波 深雪(しば みゆき)さん。』

 

 

深雪『はい。』

 

檀上に上がる彼女に周囲は呑まれていた

 

無理も無い。彼女は可愛いと綺麗を併せ持つどころか、この世に存在していいのかと疑いたくなるような容姿をしており、絶世の美女という言葉は彼女に相応しいものだった

 

その影響もあったのか、総代の挨拶が能力重視というか一科生という言葉や魔法が使える者にしか価値が無いという内容も理解出来る者からすれば何様だと思いたくなる挨拶の内容だった

 

 

 

式も順調に進み、予定していたプログラムも全て終了する

 

ホームルームまで少し時間があり、浩也達と一旦合流した

 

 

加蓮『ちょっと、何よあれっ!達也に失礼よ!』

 

内心、総代の挨拶で荒れるかもしれないと予想していたが、案の定義妹達が憤慨していた

 

結那『あの発言はいただけません!達也さんに対してと判断し、抗議します!』

 

世の中で活躍している魔法師に失礼だ!とのこと

 

確かに、第一線で活躍している魔法師は一芸に秀でている魔法師

 

謂わば、魔法力が優れているのではなく、何かに特化した魔法師

 

この学校で言えば、ニ科生である

 

だが、あくまで二人の中の基準は達也らしい

 

 

恭也『姉さん、落ち着いて。義兄上が困ってますよ。』

 

落ち着けようと頑張る恭也だが、焼け石に水で効果が薄いようだ

 

 

達也『ありがとう二人とも。けど、そんな恐い表情をしていたら、可愛い顔が台無しだ。ほら、笑って。俺は二人の笑顔が好き(あくまでLike?)なんだから。』

 

微笑みながら宥める

 

 

加蓮・結那『『すっ、好き!!(LOVE)』』

 

いつもの如く達也にだけは弱い双子である

 

 

浩也『あ~ぁ。相変わらずというか、なんというか。』

 

浩也は苦笑し、凛に関しては控えめにガッツポーズをしている

 

あれこれと、研究の話をしていると、エリカ達が達也に気付いたのか声を掛けてきた

 

 

エリカ『守夢君~。どこに行ったのかと探したわよ。その人達はご家族?』

 

 

達也『そうです。紹介します。腕に抱き着いているのが、双子の義妹(いもうと)と後ろに居るのが義弟(おとうと)で義父(ちち)と義母(はは)です。』

 

エリカと美月の姿を見た瞬間に達也に女の影が?!と危機を感じたのか、結那と加蓮は腕に抱き着いて牽制をしていた

 

名前は敢えて伏せて紹介をしたのは、なるべく印象を薄くして、記憶から消すためである

 

エリカ『へぇー、可愛い妹さん達ね。私は、千葉 エリカっていうのよろしくね!』

 

牽制に気付いていないのかフレンドリーな口調で自己紹介をするエリカ

 

結那『結那といいます。』

 

人当たりの良い笑みをつくるも達也には、こいつは敵という雰囲気を醸し出しているのが判った。

 

加蓮『加蓮です。こっちが弟の恭也です。』

 

加蓮に促され、お辞儀をする恭也

 

浩也『達也の親の浩也と言います。こちらが妻の凛。』

 

 

凛『達也さんのお友達ですね。今後とも、達也の良い友人でいてやって下さいね。』

 

此方はあからさまにお前は達也の彼女には相応しくないから一昨日来やがれと言外に発していた

 

エリカVS凛・結那・加蓮の達也を巡る殺伐とした空気の中、強心臓なのか只単に空気を読まないのかレオが挨拶をする

 

 

レオ『守夢のご家族の方ですか。俺は西城 レオンハルトっていいます。』

 

それに続き、美月と幹比古も自己紹介をする

 

それのおかげでエリカVS凛・結那・加蓮が終る……かと、思われたが、更なる嵐が吹き荒れた

 

 

真由美『また、お会いしましたね。守夢君。ご家族もご一緒なのですね。』

 

第一高校三年 生徒会長 七草 真由美が嵐を引き連れて来た。

 

達也『先程はありがとうございました。』

 

自分は平穏に嫌われているのだろうか?

 

家族と平和に過ごしたいだけなのに、こうもトラブルに巻き込まれている気がしている

 

お礼を言いつつも、最悪なタイミングで介入してきた生徒会長に心の中で文句を言う達也

 

真由美『いえいえ、私も息抜きがてらでしたので。あっ、紹介します。こちらの彼は生徒副会長で二年生の服部君です。』

 

彼女の後ろに控えている男子生徒の紹介をする真由美

 

服部と呼ばれた彼は達也のエンブレムの無い制服を見ると、気分を害した表情をした

 

それを見た、双子の表情が険しくなる

 

真由美『それで、守夢君。彼と彼女達に貴方を紹介しても大丈夫かしら?』

 

真由美と服部の後方には、新入生総代の司波 深雪とエンブレムの付いた所謂一科生(ブルーム)の男女八人程の集団がいた

 

 

達也『それは、構いませんが、ニ科生(ウィード)の私如き取るに足らない存在など耳に入れても一科生の方々には不愉快なのではないでしょうか。』

 

一科生に紹介をしようとする真由美に控えめにプライドの高い一科生が二科生風情を相手にするはずがないと同時に低脳相手に紹介するなどこちらが気障りだと言外に告げる

 

もっとも、後者を理解できるのは、神夢の人間のみしかわからないが

 

 

真由美『そんなことは無いわ。世の中には、自分より凄い人はたくさん居るということを知れる機会ですからね。』

 

達也の嫌味が理解できていない真由美が真面目に答える

 

その回答に毒気が抜かれる達也

 

そして、後ろに控えていた一科生に達也を紹介する

 

真由美『皆さん、紹介しますね。こちら、今年の一年生の 守夢 達也君です。実技試験で司波さんがトップなら、こちらは筆記試験でトップで入学されました。司波さんも筆記は凄かったのですが、彼がそれを上回っていて、驚きました。世の中には、まだまだ未知の事が多いですね。』

 

 

なるべく、一科生のプライドを傷つけないよう説明したように見えたが、達也の目には「こんな奴が」、「二科生風情があり得ない」、「何か不正でもしたんじゃ」と映っていた

 

しかし、それ以外にも違った表情があったが

 

それが、憧れなのか、恋慕なのかわからない視線が二つ

 

 

深雪『初めまして、司波 深雪と申します。機会がございましたら、是非お話をお聴きしたいですわ。』

 

綺麗な笑みを作り、達也達に挨拶をする

 

言葉では友好を作ろうとするものだったが、二度とお会いしたくありません

 

魔法を満足に使えない二科生如きが私と話せると思って?と喧嘩を売っている中身だった

 

レオと幹比古、美月は容姿等に呑まれたのか、文面そのままを受け取ったようだ

 

エリカは表情を見破れなかったものの、挨拶の言葉に対しては理解し、不機嫌な顔をしていた

 

深雪に連れるように他の者も挨拶をするも二科生に名乗る理由はないのかどれも聞き取りにくい声で早口だった

 

ここでも例外は存在した

 

女子生徒が二人

 

【光井 ほのか】と【北山 雫】という名前らしい

 

 

達也『申し訳ありません。自己紹介が遅れました。 守夢 達也(もりゆめ たつや)と言います。校内でもどこでもお会いする機会があれば、声を掛けて下さい。その際はお茶でも。』

 

自己紹介をしていなかったため、名乗る

 

取って付けたお誘い文だが、この女子生徒二人には、効果抜群らしかった

 

 

雫・ほのか『『本当?!(ですか?!)』』

 

二人の目の輝きにたじろぐ

 

エリカ『あれ~、守夢君。私の時と違うなぁ。私のときもそんな誘い文句欲しかったなぁ。』

 

残念そうな声ながらも茶化すエリカ

 

ほのか『でしたら、今日のホームルーム後はお時間空いてますか?』

 

最近の女性はこんなに積極的なのだろうか?双子といい、この高校の女子生徒も、そもそも自分に魅力を感じる理由が皆無な気がするのだが

 

どこか鈍感な気質をみせる達也だが、双子がこの状況を放って置く訳もなく

 

 

結那『申し訳ありませんが、今日の達也さんのこれからの予定は家族と過ごすことですので。』

 

加蓮と結那が達也の両腕を陣取る

 

突然の双子の乱入に困惑を隠せない周囲に少々耐性のあった真由美がフォローをする

 

 

真由美『家族思いですものね、守夢君は。今度、私ともお茶しない?』

 

 

服部『会長。あの生徒と知り合いなのですか?』

 

今更だが、達也の事情を少し知っているのが気に障ったのか尋ねる

 

 

真由美『えぇ。式の前の息抜きがてらにね。』

 

その回答に服部が達也を敵と認識し、睨む

 

服部『(っ!!)』

 

達也『?』

 

何故睨まれているか解らないため無視を決め込んだ

 

 

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そうして時間を潰している間にホームルームの時間が来た

 

達也『七草会長。すみませんが、ホームルームに行きたいと思いますので。これで失礼します。』

 

丁寧に真由美と服部、深雪を含んだ一科生に計三回お辞儀をする

 

真由美『そんな時間なのね。で、さっきの返答がまだなんだけど?』

 

お茶しない?という提案を達也は場を混乱させないための冗談なのだろうと思っていたが、違ったようだ

 

達也『お茶でしたら、お互い都合の付く時にでも。』

 

少々投げやりな回答をするも

 

真由美『本当!よし、じゃあ守夢君。都合つけといてね。』

 

満足気な真由美に現金な人だと失礼ながらも思う達也

 

双子の乱入で困惑していたであろう二人に声を掛ける

 

達也『申し訳ありません。光井さん、北山さん。義妹(いもうと)達が驚かせてしまって。』

 

正直、双子の乱入は助かったといえる

 

おそらく、そのまま流されてあいまいな返答しかできず二人に迷惑が掛かってであろう

 

ほのか『い、いえ。その、こちらの都合を押し付けてしまい、すみませんでした。』

 

 

雫『私も。守夢さんがあんな言葉を掛けてくれて嬉しくて、つい暴走してしまって。』

 

 

達也『…それは嬉しいですね。こんな男に興味を持っていただけるなんて。』

 

二人の言葉から察するに、前々から達也を見初めていたらしい

 

街中はないためおそらく、入学試験時だろう

 

 

ほのか『そんな、t…守夢さんは、カッコいいです!』

 

達也と呼ぼうとした気がするが、気のせいだろう

 

 

達也『ありがとうございます。あと、先ほどの件ですが。今日は家族と過ごすので出来るなら、駅までならご一緒しますよ。そして、明日以降で必ずお茶しましょう。』

 

二人のショックの表情が不憫で焦りに妥協案を出してしまった自身に嫌気が挿した

 

本当なら、冷酷というか興味すら湧かないのに、今日はおかしい

 

ほのかと雫が深雪を混じった一科生組が離れて行く

 

その際、深雪や他の一科生達に睨まれていたのは、間違いではないだろう

 

 

達也『さて、義父さん、義母さん。ホームルーム終わったら、駅で待ち合わせの変更で良いかな?』

 

ほのか達のこともあり、場所を変更する

 

浩也『わかった。私達のことは気にするな。』

 

息子の成長を見れたのか少し嬉しそうな浩也

 

加蓮『仕方ないね。達也、早く来てね。』

 

不満そうな顔を見せるも本心からではなさそうだ

 

浩也と凛が双子と恭也を引き連れて行く

 

 

 

エリカ『いや~。守夢君もあんな顔出来たんだね。正直、見惚れちゃった。』

 

語尾に音符が付きそうな台詞である

 

達也『あんな顔?そんなだらしない表情はしてなかったはずですが。』

 

一体何を見られていたのか少々気になるところだが

 

エリカ『私が家族と一緒にいるところに邪魔しに行ったところよ。双子の妹達に微笑んでたところよ。』

 

どうやら、一番見られたくない場面を見られていたらしい

 

理由は解らないが、自分の笑みは他人に向けてはいけない類のものらしい

 

結那と加蓮から他人に笑顔で接する事を禁じられてしまったほどである

 

結論は、結那と加蓮が達也を独占…いやこの場合は寡占したいがための理由なのだが、本人は知る由も無い

 

 

達也『そんな変な笑顔でしたか?それなら、気を付けないといけないのですが。』

 

 

エリカ『違う、違う。なんていうか、ギャップっていうの?無愛想ってほどでも無いけど、印象が暗そうな守夢君が笑うとグッと来るものがあるっていうか。』

 

なんとも曖昧な回答である。

 

レオ『まあ、なんだ。守夢にそんな魅力があったから気になるってことだろう?』

 

フォローというか的確な分析を入れるレオにエリカも同意をする

 

エリカ『そうそう。あんたにしてはやるじゃない。』

 

レオ『まぁな。』

 

 

幹比古『とにかく、ホームルームに寄って帰ろう。守夢君の家族も待ってるだろうしね。』

 

この場に居ても、ホームルームは来ない

 

美月『そうですね。行きましょう。』

 

幹比古に賛同するように目的へ促す美月

 

 

 

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帰り道

 

どうやって、二人と待ち合わせるかの場所を決めていなかったため、帰っているかもしれないと考えていた達也だが、先に終わっていたらしいほのかと雫は校門の端で待っていた

 

 

ほのか『すみません。ご無理をさせてしまって。』

 

 

達也『構いませんよ。一人で淋しく帰るより集まって帰る方が暖かな気持ちになりませんか。』

 

萎縮気味のほのかを宥める

 

雫『あの、訊いてもいいですか。守夢さんは、何故誰にでも丁寧語で話されるのですか。この高校に親しい友人はいらっしゃらないからですか。』

 

七草会長はともかく、エリカやレオにまで砕けた言葉で話していない

 

 

達也『良く観察されてますね。そうですね。親しい友人はこの高校にはいません。ただ、丁寧口調と友人がいないのは、イコール(=)ではありませんよ。単なる性分というか癖ですね。あとは、同じ年の友人には恵まれませんでしたが、年上の方には恵まれたのでその人達と話すときは、敬語や丁寧語のようになってましたから。』

 

実際、達也の友人と呼べる人間には、達也より年上が多い

 

美月『そういうことだったんですね。てっきり、壁をつくられているのかなと思いました。』

 

容赦ない美月の分析が達也を襲う

 

達也『…っ。そんなつもりは…。』

 

ほのか『じゃあ、丁寧口調を直してもらうのはできませんか。なんか距離を感じるというか、その…。』

 

尻すぼみに声が小さくなるほのかに雫がフォローを入れる

 

雫『…守夢さんのその丁寧口調の癖を直して、話してもらえませんか。それか、名前呼び。してもらえませんか?』

 

同級生らしくない口調に、妥協案を提案される

 

しかもご丁寧に上目使いで

 

達也はこの上目使いに弱い

 

双子の影響なのか、はたまた神夢の教育の成果なのか

 

お願い事とこの視線には勝てた気がしない

 

 

 

達也『わかりまs……いや、わかった。こんな感じでいいかな。ただし、条件というか、名前呼びと口調を変えるときは、ここにいる六人がいるときだけにしてくれないかな。』

 

だが、しっかりと達也も妥協案は出すところはこちらも神夢の教育の成果であったりする

 

 

エリカ『OK!じゃあ、この時は達也君て呼んでいいのよね。』

 

上機嫌になるエリカ

 

レオ『仕方ねーな。』

 

こちらも嬉しそうな表情をする

 

 

ほのか『ありがとうございます。達也さん!』

 

 

雫『ありがとう。達也さん。』

 

二人とも願い事が叶ったような表情で達也に微笑んでいた

 

達也『ところで、二人共。俺にお願いはするが、二人の俺に対する口調が変わってないが?』

 

意地悪をしかけ二人をからかう

 

ほのか『そ、それは。何と言いますか。』

 

雫『ごめん、達也さん。苗字呼びから名前呼びするだけで精一杯。許して?』

 

またも、上目使いをする雫とほのかに達也も追及は避けた

 

達也『わかってるよ。二人が勇気を出してくれたんだ。それを俺が応えた。条件は俺に対してもとは言ってないからね。それに、(女性を泣かしたと聴かれれば制裁は俺に来るからな。)』

 

最後はボソッと聴こえないように口にした達也

その額には、一筋の汗が流れていた

 

 

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駅に到着し、家族を探そうとした矢先、前方から衝撃がきた

 

言わずもがな結那と加蓮なのだが、殺気だった気配を醸し出していた

 

その殺気に当てられてか、エリカやレオまでもが距離をとった。

 

達也『加蓮、結那。どうした?』

 

いつまで経っても離れようとしない双子に義妹達に優しく問いかける

 

恭也『義兄さんがいろんな女性を侍らせているから姉さん達の元から離れていくかもしらないと心配になったんですよ。』

 

双子の姉達が達也に抱き着いた経緯を簡潔にまとめる恭也

 

 

達也『それは、すまなかった。加蓮、結那。彼女達は俺の友達だ。だから、まだお前たちの元からは離れないよ。』

 

 

諭しながら、双子をなでる達也

 

その表情はまるで子供をあやす親のような表情でもあり、愛する者を守る目をしていた

 

ほのかと雫は達也の表情を初めて見たが、赤面させながらも目を逸らすことはなかった

 

寧ろ、いつか私にもしてほしいというような眼差しで見つめていた

 

なで続ける事数分、漸く落ち着いてきたのか双子が顔を上げる

 

加蓮・結那『『おかえり(なさい)。達也(さん)!!』』

 

 

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ほのか・雫達と駅で別れた後、帰宅の途に着く達也達一向

 

 

達也『ただいま、帰りました。』

 

今日は平日のため、神夢家には誰も居ないが、いつもどおりに挨拶をする

 

当然、返事が返って来ない…はずだった

 

 

??『おかえりなさい!』

 

若い女性の声がした気がした

 

神夢家の人間ではない声

 

??『達也君、おかえり。』

 

今度は穏やかな男性の声

 

おかしい。今日は平日でしかもまだ昼間だ

 

推測を立てても、家に居る人間に心当たりがない

 

更に気配を探ると、神夢家の人間が全員居る

 

まさかと思い、浩也を振り返ると、悪戯が成功したような顔をしていた

 

凛、結那、加蓮更には恭也までもが同じような顔をしていた

 

 

浩也『いやぁ、いつ達也にばれるかヒヤヒヤしたが、案外気付かなかったな。』

 

聴くところによると、自分の第一高校の合格が決まってすぐに作戦会議が行われていたらしい

 

達也『独立魔装大隊の皆さんはともかく、佐伯少将は大丈夫なのですか?』

 

先程の女性の声は藤林 響子で男性の声は真田 繁である

 

他にも柳や山中、義父の風間

更にはあり得ない人物をみとめ、心配になる

 

佐伯『あらあら、達也は私に孫のお祝いをさせてもくれないのかしら?』

 

 

ホロホロと泣き真似をする佐伯に周りも乗って達也を弄りにかかる

 

佐伯は軍では、銀狐と称されるほど、智略にも長けた有能な軍人ではある

 

その実、達也や双子、恭也達を可愛がるおばあちゃんのような一面を持つ

 

達也もこの行動にはいつも勝てず

 

ただされるがままにされている

 

 

達也『ありがとうございます。しかし、気になったのは、どうしてこんな昼間から宴会にしようとしているのですか?本当に仕事はどうしたのですか?』

 

達也の内心は不安だらけである

 

 

浩也『それは大丈夫だ。会社を休みにしたから。』

 

さらり言ってのけた浩也に達也の目が点になる

 

 

達也『……もう一回言って下さい。』

 

自分の耳がおかしいのだろうか?幻聴かと思い、聞き返す

 

 

浩也『?会社を休みにしたと。』

 

幻聴では無かったらしい

 

 

達也『全く。』

 

呆れながらも少し嬉しい気分が隠せなくなってきた達也

 

それを見ていた双子が達也に抱きつく

 

 

結那『達也さん。そういうことですので、今日は楽しみましょうね!』

 

加蓮『今日は存分に甘えてもらうんだから覚悟しておきなさいよ?』

 

こう言われては、開き直った方が得策かもしらないと考える達也

 

達也『そうだな。なら、有り難く。皆と今しか出来ない貴重な思い出を作ろうか。』

 

 

この日、神夢家にまた新しい思い出の1ページが増えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談ではあるが、その日の晩、達也は双子に下校時のハーレムを追求されていたとか

 

 




今回も読んでいただきありがとうございます。
全然、本編と違うことしているなと思いつつも、妄想が膨らみ、また訳のわからない一万字近くなってしまった。
次回辺りから戦闘シーンや九重師匠は出していこうと思います。
では、また次回まで。
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