抹殺された神の愛し子   作:貴神

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全然物語が進まないのをやきもきしながら、頑張ります。



5話

早朝

 

昨日が自分の入学式の宴会で就寝が遅かったにもかかわらず達也は運動のしやすい服装である寺を目指していた。

 

--------------

 

とある事情で達也はこの場所に毎日来ている。

 

寺の境内に入ると同時に複数人が達也を襲う。

 

達也『(今日は乱取りか。)っ!』

 

襲ってくる人間は服装は白色と同じで頭を丸めている。

誰かの弟子であることは判別できる。武器は木刀や杖、トンファーだったりと多種多様である。

その弟子達を相手取ること数十秒

全員を戦闘不能に(勿論、殺さずで、気絶・体力的に)し、この寺にいる目的の人物を探す。

刹那、空気が一部変わったような感覚が達也に伝わる。その感知に掛った時間はおよそ半呼吸分。しかし、その人物はその間を許さなかった。

 

 

 

??『おはよう、達也君。段々と気配に関して上達の兆しがみられるけど、今日も僕の勝ちだね。』

 

 

達也『……おはようございます。師匠、その言い草は成長が無いと仰っているとしか聴こえませんが?』

 

この師匠と呼ばれている人物はこの寺の住職 九重 八雲(ここのえ やくも) という。

神夢家に達也を迎えてすぐのこと。九重寺と神夢家は浅からぬ縁はあるものの、滅多に関わることはない。この九重寺の目的はただ、伝統を継承すること。それ以上でもそれ以下でもない。

そんな俗世との関わりを絶ってきた寺の住職である八雲が訪れたのは達也を弟子にしたいと申し出てきたからだ。

当然、当初浩也は達也の弟子入りを拒んだ。

しかし、何度も訪れる八雲に根負けし現在に至る。

 

 

八雲『そんなことはないよ。気配を掴んだり、消したりは中々難しいからね。それに、段々と上手くはなってるよ?ただ、掴んでからの反応速度がもう少し欲しいなと思っただけだよ?』

 

 

気配を掴むということは身体が自然にどんなモノでも反応し、状況を理解するのだとか。

コツとしては大自然に溶け込む事らしいが、イマイチ要領を得ないのが難点である。

 

 

達也『…先は長そうだな。』

 

落胆の表情だが、目が死んでいないのを見留る八雲

 

 

八雲『さて、達也君。そろそろ、お得意の体術勝負といくかい?』

 

 

達也『今日こそはぶち破ってみせます。』

 

最近の純粋な体術での修行では、達也に軍配が上がる。しかし、八雲が古式魔法で相手をするとイーブン。奥の手を使えば勝てるが…。八雲の古式魔法を伝授するために弟子になっているため勝つとかいう話にはならない。ただ、今日は体術勝負のため達也が躍起になる。

 

 

八雲『さあ、来なさい。』

 

手招きをする

 

達也『…。』

 

肩の力を抜き少し前屈みの姿勢で八雲に相対する達也。周囲では、八雲の弟子達が何かを盗もうと達也と八雲の一挙一動を観察する。

達也が息を吸い込む。達也の姿が消える。

それと同時に八雲の姿も消える。二人を探すも見つからない。その代わり音と衝撃波が二人の姿の役目を果たしていた。

そして、周りの木々が犇めき合い、動物達の逃げる声がする。

 

 

 

八雲『(…っ。やるねぇ達也君。体術のみで僕についてくるんだから。やはり、弟子にして正解だねぇ。)』

 

達也の猛攻を紙一重で交わしながら感傷に浸る八雲

 

 

達也『(威力と速さではこちらに分があるが、あっさり交わされる。)』

 

達也は全力の約半分程を出している。何故か、全力を出すと疲労が早いこと。そして、威力がありすぎて寺を壊してしまわないようにするためである。

しかし、それを踏まえても八雲の忍びとしての能力に賞賛する達也。

しかし、達也も忍びとしての修行を八雲から受けているためそれなりには出来る。しかし、超一流を前に同じ技では通用しない。

 

 

達也『(ならば、敢えて隙を見せてカウンターに持ち込むのみ。)』

 

 

突きや蹴りの速度を上げ、何処かで破綻を持ち込む達也

 

 

八雲『(? 何かを狙っているのは判るけど。この速度は中々のものだね。受け流すしかないかな。)』

 

一瞬で力を受け流し、を繰り返すも受け流しに若干の綻びがみえる。

 

 

達也『(!そこだ!)』

 

その綻びを狙い、左拳の突きを大きく出す

そこに八雲が達也の懐に潜り込み掌打を顎に放つ。

 

 

達也『(だが!)』

 

読み通りに右で手刀をつくり、八雲の首へ

刹那、八雲の姿がブレる。手刀が空を切る

そして、達也の頭に手が置かれる。

 

 

八雲『惜しかったね。けど、隙の見せ方が甘い。それにしても、力が底上げされてるね。これからは5割から4割でよろしくね。壊れるから。』

 

要修行と判子を捺される

何が壊れるとは言わない。

 

達也『…(壊れるか、知らない内に影響を受けてるのかもな。)そうですね。しかし、あれをされると凹みます。』

 

あれとは、最後に八雲の姿がぶれたもの。八雲の伝授する古式魔法の一つである。

 

八雲『まぁ、久し振りに見せたからね。さて、どうする?まだ、時間はあるから修行するかい?』

 

 

達也『勿論です。お願いします。』

 

今日は何も無いため忍びの修行をお願いする

 

 

八雲『言い忘れてたよ、達也君。入学おめでとう。』

 

可愛い弟子の喜ばしい出来事なのだ。それは世俗を離れても同じこと。

 

 

達也『ありがとうございます。師匠。』

 

 

八雲『そういえば、今日は加蓮君と結那君、それに恭也君は来れなかったのかい?』

 

普段なら、達也が九重寺に通う日は必ず付いて来て、修行を受ける。

 

達也『今日は三人共に寝坊です。』

 

昨日の宴会もあり、達也は三人を起こさずに来た。

 

 

八雲『そうかい。次の修行は厳しめだね。』

 

 

少々厳しくしたところで三人が音を上げるはずがないと解っているが、どうも、弄りたいらしい。

 

 

達也『お手柔らかにはお願いしますね。』

 

念のため、フォローを入れておく。

 

 

八雲『さて、達也君と他の弟子達の修行をしようか。』

 

一団は境内奥へと消えていった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

4月8日

 

第一高校

1-E 教室

 

今日から授業が始まる。

登校早々、達也は履修登録をしていた。

 

 

エリカ『おはよう。t…守夢君。何してるの?』

 

欠伸をしながら、教室に入ってきたエリカ

 

 

達也『おはようございます。履修登録をしているんですよ。』

 

 

レオ『キーボード打ちか。珍しいな、守夢。』

 

近年では、脳波であったり、視線で操れるようになったりと様々だが、キーボードも存在する。

 

達也『えぇ。家でもこれですし、慣れれば速いので。実技は苦手というか魔法力はそこまで無いので、魔工師を目指してますのでキーボードが良いんですよ。』

 

レオ『なーるほど。頭良さそうだもんな。』

 

納得の表情のレオ

 

エリカ『というかアンタがCADの調整とかなんて出来る訳ないじゃない。』

 

レオ『なんだと?これでも自分のは自分で調整してんだよ。』

 

エリカ『あら、そうなんだ。てっきり、誰かに頼んでると思ってたわ。』

 

ニヤつきながら言うエリカ

 

レオ『てめえこそ自分でやってんのかよ?』

 

エリカ『当たり前でしょ。失礼な脳筋ね。』

 

レオ『誰がだ。』

 

喧嘩する程仲が良いとはこのことなのか。

いつの間にか登校していた幹比古と美月が止めれずにアタフタしていた。

 

 

達也『お二人共そろそろ、予鈴なりますけど。』

 

少し可哀想になったので、助け舟を出す。

 

レオ・エリカ『『…フン(ハッ)!』』

 

時計を見て、言い争う時間が無いのを悟ったが治まらないのか睨み合う。そして、互いにそっぽ向く二人に着席を促すチャイムが鳴った。

 

 

------------------------

 

昼 食堂

 

達也達はオリエンテーションの感想をし合っていた。

工房見学や3-Aの実技授業の見学。主に3-Aの見学内容は 十師族の七草 真由美の魔法であったりする。

 

レオ『午後からは、何を見るよ?』

 

エリカ『そうねぇ。』

 

あれこれと相談していると1-Aに組み分けられていた雫とほのかが後ろに厄介者を引き連れていた。

 

ほのか『た……守夢さん。』

 

達也と呼ぼうとしたが、先日の約束を思い出し、言い直すほのか。

 

達也『光井さん、北山さんも。お二人も昼食ですか?』

 

雫『はい。守夢さんのところにお邪魔しても構いませんか?』

 

達也『大丈夫ですよ。私たちも先ほどですから。』

 

ほのか『じゃあ、お邪魔します。』

 

達也と昼食が取れるのが嬉しそうなほのかと雫

だが、外野が黙っているはずもなく…。

 

 

1-A男子『光井さん、北山さん。こっちに来なよ。』

 

1-A女子『こっちで一緒に食べよ。』

 

割り込んでほのか達の邪魔をする1-Aの生徒

 

ほのか『いえ、私と雫はここで。』

 

断るほのかだが。

 

1-A男子『ウィードと相席なんて。光井さんや北山さんの評価が下がるだけだよ?』

 

1-A女子『そうそう。ブルームとしての自覚を持って。所詮ウィードは私達の踏み台なんだから。』

 

口々に二科生への誹謗中傷に我慢出来なくなったエリカとレオ

 

雫『いい加減にして。私達が誰と食べようと貴方達には関係ないこと。そんなプライドなんて要らない。』

 

クールを思わせる雫だが、内心は熱しやすい性格のようだ。しかし、この場ではそれが功を奏したらしい。

 

1-A生徒達『……』

 

 

深雪『良いんじゃないかしら?彼女達が誰と昼食をしようと。』

 

1-Aグループの奥に控えていた深雪が状況をさらに混乱させた。

 

深雪『自分が選択した事には責任をとればそれで良いだけ。どんな思想を持とうと私達がそれを辞めさせる権利などないのですから。』

 

1-Aの生徒達がこの人もかと絶望に混乱していると

 

深雪『まあ、私は魔法力の無い方達とはご一緒など御免ですけれども。』

 

そう言って去っていく深雪

 

先ほど迄と打って変わって強気になる1-Aの生徒達

ウィードや雑草、踏み台など散々罵倒して深雪の後を追って行った。

無論、最後にはほのか達がいつでも帰ってくるようにと念押しをして。

 

達也『ほのか、雫。クラスの雰囲気が悪くなるようなら、そっちを優先していいからな。俺達はいつでも歓迎するが、彼らはこれから3年間は共に授業を受けるからね。』

 

ほのかと雫を宥める達也

 

ほのか『ありがとうございます。でも、こればかりは譲れませんから。』

 

笑顔のほのか

 

雫『私も。昼食くらい自由が当然。せっかく、学校で達也さんと居れる数少ない機会なのに。達也さんは嫌?』

 

 

達也『嫌ではないよ。ただ、魔法師として勉強のために来ているからね。将来の道が狭まるようなら将来のことを優先してほしいだけだよ。』

 

達也としても好意を向けられるのは嫌いではない。しかし、自分と違い、魔法力がある分しっかりとした未来があるからそのためを思って助言しているだけなのだ。

 

エリカ『達也君てさ~、鈍感よね。』

 

レオ『それは、俺も思ったわ。』

 

達也『いきなり何を言うのかと思えば。俺のどこが鈍感なのですか?』

 

図星を突かれ、動揺を隠せない達也

 

幹比古『達也。気づいてないかもしれないけど、若干、口調が戻ってるよ。』

 

美月『その動揺を見ると誰かに言われてたんじゃあ?もしかして家族に言われてませんか?』

 

さらに、達也を追い詰める。

 

ほのか『で、でもそこが達也さんの魅力でもありますから!』

 

この一言が達也に止めを刺した。

 

達也『……。』

 

達也が苦虫を噛み潰した顔をする。

その表情に全員が笑いに包まれた。

 

 

 

------------------------

 

放課後

ほのか達と駅まで帰る約束をし、校門で待ち合わせをしていた達也とエリカ達。だが、案の定厄介な嵐に遭遇した。

 

 

 

エリカ『だーかーら、いい加減諦めたら?雫やほのかが嫌がってるじゃない。』

 

1-A男子『うるさい。これは1-Aの問題だ。ウィード如きが口を出すな。』

 

1-A女子『そうよ。光井さんと北山さんはブルーム。貴方達ウィードと仲良くするより私達と居る方がよほど為になるわ。』

 

理由は昼休憩時と同じ。二科生が一科生と居るとは烏滸がましいと。雑草は花の養分になれ。

 

 

美月『なんですか…それ。同じ一年生じゃないですか?現時点で一体どれ程貴方達が優れていると言うのですか!』

 

意外にも声を荒げたのは大人しそうに見えた美月だった。

 

 

1-A男子『どれ程だと?教えてやろうか?』

 

プライドの塊の一科生がやはり我慢が出来なかったのか

喧嘩を売る

 

レオ『おもしれぇ。是非ともご教授願いてぇな。』

 

あえて、喧嘩を買うレオ

 

 

1-A男子『なら、教えてやる!これが才能の差だ!』

 

言葉と同時に引き抜くは拳銃型CAD

魔法式を読み込むスピードは中々のもの。しかし…

 

 

1-A男子『ヒッ!』

 

意外にも情けない声を発したのは1-Aの男子生徒だった。誰がやったかというと。

 

エリカ『この間合いなら身体を動かした方が早いのよ?一科生さん?』

 

警棒型のCADを右手に持ったエリカが二人の間に割り込み、1-Aの男子生徒のCADを弾き飛ばしていた。

 

 

レオ『それは同感だが、お前俺の手も狙ってただろう?』

 

エリカ『あら?そんなことはないわよ?こんな所に叩きやすい手があるわと思っただけよ?』

 

レオ『その事を言ってんだよ!』

 

どんな状況でも言い争う二人はある意味無敵であろう

 

 

1-A男子『っ!ウィードの分際で舐めやがって!』

 

他の1-Aの生徒達が魔法を起動しにかかる。

 

 

ほのか『あっ、皆、ダメ!』

 

慌てて皆を止めようとほのかもCADで魔法式を展開させる。

 

 

雫『ほのか!』

 

雫がほのかを制止させようとするも一足遅く

 

1-A生徒達が魔法式を完成させるより一歩早くほのかの魔法が完成される

 

しかし、そのほのかの展開した魔法式に何かが襲うのを達也は知覚する

 

達也『(!?)』

 

その瞬間、達也の姿が音もなく消える

 

それに次いで1-Aの生徒達が発動しようとした魔法式が破壊される

 

ほのかに襲うサイオンの弾丸を達也が素手で破壊する

 

併せてほのかの魔法をキャンセルさせる

 

そして、達也はほのかと雫を庇う形をとった

 

 

達也『…貴女の仰る世の中というのは、強者(権力者)弱者(意に沿わない者)に強制をさせて、支配する世界を言うのですか?この状況で介入した経緯をお伺いしたいですね。七草生徒会長?』

 

達也の言った【世の中】というのは先日、真由美が一科生に言った言葉である

 

真由美『…。』

 

達也の言葉で周囲にいた人間が怪訝な顔をする

 

生徒会長がどこにも居ないからだ

 

 

達也『隠れようとしても無駄ですよ?もう一人、そちらの方もCADで魔法をいつでも発動できる状態だ。どちら様ですかね。』

 

しかし、達也には二人の姿は気配と精霊の眼で捉えている

 

??『…はぁ、バレたのなら仕方がない。風紀委員の渡辺 摩利だ。そこにいる1-Aと1-Eの生徒だな。魔法を発動するとは良い度胸だ。』

 

真由美『ちょっと、摩利。…もう、CADを使った魔法は法律違反です。解っているのでしょうね?』

 

木の陰から生徒会長である七草 真由美と風紀委員長の渡辺 摩利が姿を現す

 

 

達也『…こちらの質問に答えていただきたいのですが?』

 

勝手に出てきて、言われ放題に達也も声音が低くなる。

 

真由美『…それは。』

 

摩利『君達双方とも場を治めようとしなかっただろう?天狗になっている一科生とムキになる二科生。ならば、喧嘩両成敗というやつだ。』

 

真由美の代わりに摩利が答える

 

 

達也『貴女に訊いてる訳ではありません。邪魔しないでいただきたい。』

 

摩利の答えが聴きたい訳ではない

 

真由美の口から聴く必要がある

 

摩利『…ほう?少々口の訊き方がなっていないようだな?君、名はなんという?』

 

自惚れではないが、摩利は自分の名前はそれなりに知られている

 

そのため、少し畏れられているのは確か

しかし、達也からはその畏れを感じられず真正面から立ち向かう

 

その姿勢に興味が湧いた摩利

 

達也『……』

 

しかし、当の本人はスルーである

 

摩利『名乗る名前は無いということか?面白い、教育的指導が必要なようだ。』

 

険呑な雰囲気を醸し出す摩利

周りの人間は緊張した面持ちで見守っていた

 

 

達也『…もう一度お尋ねします。貴女の目指す理念はなんですか?七草生徒会長。』

 

摩利の雰囲気にものともしない達也が再度真由美に問い掛ける

 

 

真由美『…、私の目指したいのは、一科生と二科生の強調・仲間意識を作り出すことよ。』

 

漸く口を開いた真由美

 

達也『それを聴けて安心しました。ならば、光井さんのみに対して行った魔法はどういうことですか?』

 

またも問い詰める達也

 

真由美『っ!』

 

達也『光井さん以外にも魔法を行使しようとした生徒はいました。それなのに何故、他の生徒にはお咎めはないのですか?魔法の展開が早かったなんて言い訳にはなりませんよ?彼女は閃光魔法で失明しない程度にした威力で争いを止めようとしただけに過ぎません。平等に対処していただけませんか?お願いします。』

 

諭すようにお願いする達也

 

真由美『…ごめんなさい。言い争いが始まってすぐ駆け付けたのだけど、留まってくれるかもしれないと思ったの。』

 

だが、お互いに理性が働く状態ではなかったのだ

 

ならば、第三者が止める必要がある

 

しかし、導火線に火が点いた状態では止める機会を失ったのだ

 

それを無理矢理止めるために標的をほのかにし、注意を引き付けようとしたのだ

 

それを怠ったのは他ならぬ生徒会長である真由美や風紀委員だ

 

摩利『おい、真由美。』

 

何かを言い募ろうとする

 

 

真由美『良いのよ。摩利。事前にいざこざを止めるのも私達の仕事でしょ?ごめんなさい、光井さん。貴女だけに魔法を向けてしまって。』

 

ほのかに謝る真由美

 

 

摩利『だが、魔法を使用したのは事実だ。その罰は受けてもらわなければ。』

 

 

真由美『良いじゃない。今回は厳重注意ということで。』

 

摩利『しかしだな。』

 

真由美『だって、私達が事前の止めていれば魔法の発動は阻止出来た訳だし。それを見逃した責任は私達にもあるわ。』

 

摩利『うっむ。』

 

真由美『皆さん、魔法を一切使用するなとは言いません。しかし、ここは学校。魔法を学ぶための場所です。魔法使用はルールを守って下さいね。』

 

1-Aと1-E生徒が礼をとる

 

 

摩利『そこの1-Eの男子生徒。もう一度訊く。君の名前はなんという?』

 

達也『…守夢 達也と申します。』

 

無視されたのが、気に入らなかったのか再度尋ねられる摩利

 

めんどくさいも仕方無いため名乗る達也

 

しかし、彼女の目には興味が宿っていた

 

 

摩利『そうか。…それと、1-Aの森崎。お前には、今から職員室に来てもらう。』

 

森崎と呼ばれた男子生徒が驚愕の色に染まる

 

森崎『な、何故ですか!?』

 

摩利『当たり前だ。教職員枠で風紀委員に入るお前が諍いの渦中にいることがおかしい。来なければどうなるかわかっているだろうな?』

 

折角のエリートコースへの道を崩しかけたのだ

 

これくらいは当然だろう

 

脅しをかける摩利に森崎という人間も従うしかない

 

森崎『っ!…わかりました。』

 

どうなるか…当然、風紀委員入りの解除である(…多分)

 

摩利に引き連られて森崎が校舎へ入っていく

 

 

達也『…さて、私達も帰りませんか?』

 

達也が雰囲気を壊す口火を切った

 

エリカ『…、そうね。私もこれから用事あるし。』

 

美月『帰りましょう。光井さん、北山さん。』

 

ほのかと雫を引き連れて駅に向かう

 

他の1-Aの制止の声がするもそれを無視する

 

罪悪感に苛まれるほのかと雫を慰めながら下校する

 

 

 

 

------------------------

 

達也『ほのか、雫。気にする必要はないからな。』

 

雫『でも。私達のせいで皆に迷惑を。』

 

エリカ『な~に言ってるの?なにも気にしてなんかいないわよ。というよりあんなの昼寝しながらでも倒せるわ。』

 

気にする必要はないと宥めるエリカ

 

ほのか『それでは私達の気が済みません。』

 

達也『昼間の事は嘘なのか?俺達は二人の意思を尊重してあいつらから守ったつもりだったのだが?』

 

守ったは表現の仕方としては過激だが、概ね内容はあっているため訂正はしない

 

雫『…そうだよ。あの人達とは意見が合わないし、達也さんの方が凄いと思ったから。(それに…)』

 

ほのか『ち、違います!けど、そのせいで皆さんに迷惑を掛けたと思うと。(それに…)』

 

二人が何か口の中でもごもごと音にならない動きをして何を言おうとしているかわからない。が、目線が達也に向いており、達也に対してということは達也以外が理解をした。達也は頭上で?(クエスチョンマーク)を並べていた。

 

 

美月『そういえば、ほのかさんの魔法は生徒会長と守夢さんで止めましたけど、他の生徒さんの魔法は誰が止めたんでしょうか?』

 

柴田 美月という女子生徒は意外と鋭い疑問をする

 

達也があやふやにしようとした問題を再認識させるのが得意のようだ

 

エリカ『あっ、それは私も思った。剣術の千葉の娘である私が魔法がキャンセルされたのが見えなくて、次いでに達也君の姿も認識出来なかったのよね。』

 

言外に達也は何者だと訊くエリカ

 

 

達也『…俺がどういう人物かは追々な。魔法のキャンセルについても今は話せない。ただ一つ言えることは、今は皆の敵ではないということかな?』

 

「敵ではない」

 

この言葉に含まれた意味を正確に理解出来る人間はこの場にはいなかった

 

 

エリカ『…生意気。』

 

言いたいことはあるが、呟けたのはその一言

 

雫『達也さん、それって私達といつか敵対するってこと?』

 

おずおずと確かめるような口調で尋ねる

 

達也『危害を加えるということではないよ。まだ、皆と出会って日が浅い。俺が他人に気を許す気質ではないということだ。…それでも、皆のことは信用している。』

 

答えではなくもない答えに不満なほのか達

 

 

ほのか『じゃあ、いつか達也さんの全てを教えて下さいね!』

 

雫『私も達也さんのこと知りたい。』

 

詰め寄られる達也

 

エリカ『おやおや?こんな美少女達からアプローチされて守夢 達也殿は罪よね?』

 

答えを得れなかったため八つ当たり気味に達也を弄る

 

達也『何を言ってるんだ?エリカも美少女だろ?』

 

エリカ『え゛!』

 

思わぬ反撃を受けて動揺を隠せないエリカ

 

 

レオ『ははっ!面白ぇ顔。自分が褒められるの慣れてねえんだな。』

 

エリカ『うっさい。あんたと達也君じゃあ、言葉は同じでもあんたの場合は嫌味にしか聴こえないわよ。』

 

憎まれ口を叩くエリカ

 

幹比古『エリカ、落ち着いて。帰り道くらい楽しく帰ろうよ。』

 

エリカ『ミキ、うるさい。』

 

幹比古『なっ!僕の名前は幹比古だ。』

 

幹比古が仲裁に入るも、エリカからとばっちりを受けていた

 

その様子を美月やほのか、雫が呆気に取られている中で達也はほのか達からのお願いを思い出していた

 

今まで接してきた人間は手の平を返して達也から距離を取って行った

 

しかし、彼女達は逆に距離を詰めてきて、自分と仲良くなりたいのだと

 

とても不思議な感じがする達也

 

この気持ちがどういうものかは自分の中で理解は出来ていないが、不思議と暖かな気持ちになる

 

そんな少し穏やかな表情がいつの間にか出ていたのだろう、ほのか達が不思議そうに見ていた。

 

達也『…?どうかしたのか?』

 

雫『どうもこうも、達也さんが笑ったような感じがしたから。』

 

ほのか『そうです。何かおかしなことでもあったのかなな?って。』

 

達也『すまない。ふとな、俺の事が知りたいと言ってくれているが、皆の事を俺は全然知らないなと思っただけだよ。俺の事は追々話すとは言ったが、クレクレという皆は教えてくれないのかなと。不公平だなと思っただけだよ。』

 

言葉の端々に刺があるのは否めないが、確かに自分の事を教えていなかった

 

なんとも不思議な集団である

 

レオ『おし、それじゃあ俺から言わせてもらうぜ。名前は言ったから、得意魔法からだな。得意魔法は収束系の硬化魔法だ。だから、山岳警備隊とか目指してる。』

 

幹比古『一応、得意魔法は精霊魔法だよ。』

 

レオから始まり、順々に自分や他のメンバーに教えていく

 

それを聴きながら、いつか自分も話せたらなと

 

自身の弱さと向き合って、自分を許して皆に知ってもらえるように努力しようと心に誓う達也であった

 

 




如何でしたでしょうか?
深雪様が全然出せず申し訳ありません。
ちょっとずつ改訂しながら、話しに矛盾が無くなるように作れればと思います。
①今回は達也は九重八雲の本当の弟子にしました。今後に役立つために。
②深雪がきっかけでしたが、今回はほのかと雫で七草真由美達との邂逅に(深雪さんは接点はつくらず …本当は作ってます。)
③すみません。真由美と摩利達との会話が急展開で話が?ってなったと思われた方申し訳ありません。達也の力の一端とこれからの立ち位置のために強引にあんな会話にしていましました。(泣)

次回はもう少し読みやすく出来るよう頑張ります。では。
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