抹殺された神の愛し子 作:貴神
というより、戦闘シーンは難しいです。
魔法の種類ってまだ理解出来ないんですよね。
魔法名も付けようかな。
悩み中です。
戦闘シーンは自信はありませんが、脳内補完していただければ幸いです。
達也VS服部&司波美雪
第一高校 グラウンド
誰が騒ぎ立てたのか定かではないが、ぞろぞろと見物人が集まっていた
それを達也は見世物ではないのだがと思うも口には出さずにいた
真由『見世物ではないのだけれど。』
摩利『全くだ。誰がこんなことを。』
憤慨している2人だが、一番迷惑を被っているのは達也なのだ
見物人の会話を聞き耳を立てていると、2科生である自分が1科生に楯突いたから生徒会公認の元公開処刑をやるとかなんとか
こういった嘘の元には、1%の事実が含まれているものだ
それが、達也が生徒会副会長 服部刑部少丞範蔵(真由美の通称では はんぞー君らしい) と今回の新入生総代である司波 深雪 の2人に模擬戦を提案したという事実からだろう
正直言って、煩わしい
奇異の目に晒されてイラつきを感じていた
他人や他の物事に関心が無いとはいえ、この見物人からの野次に対して、イラつきと嫌気がさす
目立つ行為はもとい、魔工技師としての資格が取れればそれでいい訳でそれ以上のことはどうでも良かった
とりあえず、うるさい外部との接触を断つために目と耳をシャットアウトした達也だが、審判である生徒会に知らない気配が来たことに気付く
目を開けると、部活連会頭 十文字 克人 が居た
この人も公正のために審判団に加わるのか?と考えていた。
真由『あら、十文字君も来たの?』
十文字『すまないが、俺も見させてもらっていいだろうか。』
どうやら、見物の一人としてらしい
真由『それはいいけど。』
達也はツッコミそうになった
そこは、模擬戦の当人に聴いて欲しかったと
摩利『見物人が増えたが、そこは気にせずにいこう。』
達也『……』
気にせずにはいられなかった達也だが、原因は自身もあるため大人しくすることにした
深雪・服部『…。』
摩利『当人、CADは持って来ているか?』
深雪と服部はすでに手元に準備されていた
達也もアタッシュケースにあるものの、いつでも出せるようにはなっていた
達也が中にある拳銃型のCADが二丁のストレージを交換する準備を始めていると、摩利が疑問を口にした
摩利『ほう、いつも複数のストレージを持ち歩いているのか?』
達也『えぇ、汎用型を使いこなすには処理能力が足りないので、私は特化型です。』
基本コード仮説には(加速・加重・移動・振動・収束・発散・吸収・放出)の4系統8種にそれぞれ対応した+・-の計16種類の基本となる魔法式が存在する
汎用型のCADにはこの系統を問わず99種類の魔法式格納できる
しかし、特化型のCADは同系統の魔法式を9種類しか格納できない
しかし、特化型は汎用型より速度や精度を誇る
それを聴いていた深雪と服部は勝利の確信を得ていた
1科生と2科生では、魔法の処理速度によって、分けられる。速度が圧倒的に勝るため1科生とも呼ばれる
摩利『それでは、ルールを説明する。
直接攻撃、間接攻撃を問わず相手を死に至らしめる術式は禁止。回復不能な障害を与える術式も禁止。
相手の肉体を直接損壊する術式もだ。ただし、捻挫以上の負傷を与えない直接攻撃は許可する。
武器の使用は禁止。素手による直接攻撃は許可する。蹴り技を使いたければ、学校指定のソフトシューズに履き替える事。勝敗は一方が負けを認めるか、審判が続行不能と判断した場合に決する。
3人とも開始線まで下がり、合図があるまでCADを起動しないこと。
従わない場合は私が力づくで止めるから覚悟しておけ。 以上だ。何か質問は?』
達『質問よろしいでしょうか。』
摩利『構わんが。』
達『質問というより要望事項というか、ルールの後付希望なのですが。』
服部『何を言う。恐くなったか。』
摩利『服部、少し黙れ。それで守夢、何を希望するんだ?』
達『ありがとうございます。いえ、たいしたことでは、ありません。
開始30秒間は私は魔法は使いませんし、目も閉じた状態で避けますので。
あと、そちらは死に至らしめる魔法を使用していただいて構いません。どうせ当たらないでしょうから。
私からは以上です。』
摩利・真由美・十文字・服部・深雪『なっ!』
摩利・真由美・十文字はあり得ないとおかしいのではないかと思った
当然である
実力を知らない深雪はともかく、服部はこの学校の5指に入る
その服部の魔法を避けれると断言したのだ
一方、深雪と服部は貴方の魔法は脅威にもなりませんよと喧嘩を売られたものと同じなのだ
怒らない訳がない
服部『いいだろう。後悔させてやる。』
深雪『身の程を知る良い機会にして差し上げます。』
2人の怒りの沸点に到達したことで達也は内心喜んでいた
達『(力を見せる訳にはいかないからな。2割で多分勝てるが、殺気を放ってくれてる分、避けやすいからこれでいくかあまり、自分の力(魔法)をみせる訳にはいかない。)』
怒り心頭な2人に審判側が待ったをかけるも聞く耳を持っていなかった
摩利『おいおい、私達は許可した覚えはないぞ。十文字、手伝ってくれ。』
十文字『…いや、このままでいこう。いざとなれば、俺たちで止めればいい。』
真由美『だけど、十文字君。もし、間に合わなかったら…。』
言いかけたが気圧されて押し黙った
十文字『あいつが避けると言ったんだ。半分責任は守夢にある。それに…あいつの実力が気になる。』
面白がったわけではなく、純粋に興味が湧いた十文字の言葉に真由美と摩利も賛同するしかなかった
摩利『…しかたない。…それでは、用意はいいか?………始め!』
右手を垂直に上げ、合図とともに降ろし、達也の30秒間の死闘が、模擬戦が開始された
30秒
服部『(避けれるものなら避けてみろ。基礎単一系移動魔法で…吹っ飛べ)』
発動速度およそ0.35秒
服部が放った魔法は相手を後方に吹き飛ばす魔法で、当たれば、10mは軽く飛ばされる。飛ばされる距離は魔法力によるが、10m以上は中々いない部類に属する。…あくまで当たればの話だが
達也は何気なく、座標から半歩分離れその魔法を避ける。
摩利・真由美・十文字・服部・深雪『避けた?!』
審判団と周りの見物人も同様の心境である。
魔法は座標指定があり、それが外れれば当たらない。しかし、それはあくまで座標から相手が抜け出したときの話である。その前に魔法の速度で捕まり魔法を受けてしまう。それが、どうだろうか。達也はいとも容易く抜け出し、魔法を避けたのだ。しかも目を閉じた状態で。
29秒
達『どうしました?時間が勿体ないですよ。こんなことに一々驚いていては、生死をかけた戦いでは、死にますよ?相手に通じないのであれば、次の手を考えるまで。それに、30秒というのは、お二人へのハンデですよ。これを過ぎれば、貴方たちは為す術なく負けるのですから。』
23秒
なおも挑発する達也に
二人は容赦ない魔法をぶつけにかかる。
深雪『(避けられたのは、範囲が狭かったから。ならば、逃げられない範囲の魔法で)』
発動速度 0.22秒 服部よりも圧倒的に早い
種類は加重系で地面にひれ伏しに掛るも
達『ある意味正解かな。逃げられるなら逃げ切れない範囲に広げる。』
しかし、これもいつの間にか魔法の範囲外後方に逃げていた。
22秒
深雪『くっ!』
深雪の顔が曇る。半径10mの魔法の領域から一瞬で逃げ遂せる達也に苛立ちを感じていた。
服部『(ならば、目を閉じた状態なら耳を三半規管を揺さぶれば)』
振動系の魔法を放つ服部と
それを理解した深雪は干渉ギリギリでこれも広範囲の放出系の魔法を放つ。
その広範囲な魔法が達也に当たったように見えたが、魔法の影響でグラウンドが土煙に覆われる。
15秒
漸く視界が戻ってきたため達也の姿を探すも、見当たらなかった。
周りを見回すも影が見当たらない。吹き飛んだかと思いきや。
砂を踏みしめる音が後ろでした。まさかと思い、振り返る
13秒
達『会話もせずに、あそこまでの干渉ギリギリの魔法を放てるなんて凄いですね。』
目を閉じているから判らないが、とても感心しているような雰囲気の達也がいた。
審判団も服部も深雪もさらには、見物人までもが驚愕の眼差しで達也を見た。
あり得ない。あれだけ殺意を持った魔法を向けられているのに、この男は飄々としている。
普通ならば、足が竦んで動くことも出来ないのに、まるで殺気を呼吸をするかの如く受け止めていた。
10秒
達『どうしました?まだ、俺を殺せてませんよ?さあ、続けましょう。』
いい加減に挑発するのは止めろと言わんばかりに審判団は達也を睨むも目を閉じているため達也に通じるはずもなく。さらに殺気立っていく服部と深雪
服部が足止めや補助魔法を繰出せば、深雪が殺傷性の高い魔法を繰出す。逆も然りだ。しかし、達也はそれを難なく避けていく。まるで魔法と踊るかのようにして周りを魅了していく。
いつしか見物人からは綺麗という言葉が出てくるようになった。
しかし、その魔法との演舞にも終わりがくるのは当然である。
それは必ずしも踊り手が迎えるのではなく、第三者の審判団からであった。
摩利『(綺麗だなぁ。ずっと見ていたいな……ずっと?いや、あれから何分たった。30秒はとっくに、5分以上経ってる!守夢は無事なのか。)』
横にいる真由美を見やれば、自分と同じくようやく気付いたと言わんばかりの表情で摩利を見ていた。
グラウンドを確認すると守夢が目を閉じながら避けていた。そして、視線に気づいたのか目を開き言い放った。
達也『見惚れてないで、時間はきっちり測って下さいよ。いつ気づくか心配でしたよ。』
摩利『すまない。ではない!あんな無謀な発言にこちらが心配したぞ。』
達也『そうですか?まあ、すみませんでした。では、時間も経ったことですし、反撃開始といきますかね。』
そう言うと達也の姿がブレていつの間にか服部の目の前に迫っていた。
服部『(いつの間に!今のは自己加速術式か?)』
服部の思考を読んだのかのように達也が反論する
達也『自己加速術式なんて仕込んでいませんよっ。』
言い終わると同時に膝で鳩尾を狙う。
服部は後方に避けようとするも先に鳩尾に膝が入ってしまった。
よろけていると達也は手に持っていたCADをショルダーのホルスターに戻していた。
服部『…なんのつもりだ。まだ、終わってないぞ。』
達『いえ、服部副会長には、純粋な体術で沈めようかと思いまして。二科生の力を侮られているようなので、お灸を据えるために。(ニコッ)』
その表情を見た審判団は思った。鬼だと。
服部『…なめやがって。』
達也『そうだ、司波さんでしたか?いつでも攻撃していただいて結構ですよ。服部副会長ごとでも。一緒に逃げますので。』
存外に言い放つ
深雪『では、遠慮なく。』
そう言うと、また別の魔法を繰出す
それを今度は服部を抱えて避けていく達也勿論、お姫様抱っこで
いつの間にか、服部を降ろしてまた、魔法を避けていく
服部もまた、魔法を発動しようとするも達也がそうさせてくれない
左腕につけているため右手でCADを操作するのだが、右手を執拗に狙ってくる
蹴りで返そうにも今度は足を無力化させようと潰しにかかってくる
次第に四肢が打撃で麻痺し、再度鳩尾に拳が入る
服部は耐えきれなくなり体をくの字に曲げたところに達也が首元に手刀で服部の意識を刈り取った
服部『(っく…そ)』
膝から崩れ折れる服部を肩に担ぎ上げ、移動する達也
真由美・摩利・十文字『(っ!いつの間に!)』
瞬きの間に審判団まで移動した達也は服部を横たわらせる。
達也『必要ないと思いますが、何かあれば介抱をお願いします。』
言い残すと砂だけが巻き上がり達也が居なくなる
摩利『十文字、奴に勝てるか?』
達也の戦闘能力を垣間見てから自分では勝てないと悟る摩利はわすがな可能性を尋ねた
十文字『…判らん。これが守夢の実力なら五分五分だが、最初は目を閉じて悠々と攻撃を避けていたところを見ると今の戦闘能力が全力では無さそうだ。もう一段階上があるはずだならば、俺でも持てる力全て出して、漸く互角かもしれん。』
自信過剰でもなく、出来ることしかやらない、十文字は謙虚という事でもない
しっかりと自己分析した結果からの回答に真由美と摩利は言葉を失う
真由美『そんな。十文字君が止められないなんて守夢君は一体何者なの?』
十文字は決して弱くはない
それどころか、弱冠18歳で当主代理をしている時点で立派なものである
十文字『だが、奴は本当に魔法が苦手で身体能力が高い。となると、魔法で勝負すれば、なんとかなるかもしれん。あまりそんなことにならないことを祈るが。』
摩利『そんな奴なら尚の事、風紀委員会には欲しいな。』
愉しげな声の摩利に真由美は呆れていた
一方、この模擬戦を観覧していたエリカとレオ、幹比古、美月達はー
エリカ『凄い。』
レオ『あぁ、一種の化け物だな。』
エリカ『あんた、失礼ね。でも、確かにどれ程の鍛練をしてきたのか想像がつかないわね。』
レオの言葉に非難するも内心は同じだった。
幹比古『そんな事よりも二人共。気付いてるかい?彼、まだまだ全力では無い事に。』
達也は避けているだけで攻撃はしていない。
これが攻撃に転じれば忽ち相手は防戦一方になることは予想がついた。
また、一方でほのかと雫は達也の新たな一面に驚きは隠せずにいた。
ほのか『達也さん。こんなに凄いのに、どうして秘密にする必要があるんだろう?』
雫『そうだね。何か理由があるのかも。』
ほのか『でも、絶対に話して貰おうね雫。』
雫『うん、でも達也さんのお嫁さんは私だから。』
ほのか『なっ!達也さんのお嫁さんは私!』
近くに人が居たらこういうのかもしれない。
捕らぬ狸の皮算用?
そんな言い争いをしている間にも模擬戦は終わりを迎えようとしていた。
深雪『(くっ。どうして、掠りもしないの?どれだけ範囲を広げても逃げられる。)』
深雪の苦悶の表情を見てとった達也は追い討ちを掛ける。
達也『甘ちゃんだな。』
深雪『なっ!』
その言葉に冷静を保とうとしていた理性が崩れ、怒りが激流の如く深雪を支配した。
深雪『(知らない、こんな奴死ねばいいわ。凍てつきなさい。)』
超上級魔法
広域振動減速魔法 ニブルヘイム
瞬間で発動されたため、理解した人間は四人のみ
その魔法は高校を呑み込む勢いで広がる
野次馬の生徒達が危険を察知するも逃げ切れない
深雪『(っ!やってしまった。)』
感情的になってしまい、制御が効かずどんどん範囲が拡がっていく
自分の失態に慌てて魔法の発動を止めるも遅い
十師族である十文字や七草でさえ、難しいと悟る
刹那
瑠璃の砕ける音がした気がした
ついで、魔法が破壊され、冷えた空気が徐々に元に戻ってくる
達也『(十師族でさえ、この為体か。)』
誰に向けたものでもない独り言
その十師族とは一体誰なのか達也しか知らない
そして、ゆっくりとした歩みで背後から深雪に寄る達也
深雪は、それさえ気付いていない
それほど動揺していたのか
達也の右手には、拳銃型CAD
それを彼女の頭に近づけ、引き金を引く
銃口より放たれた魔法は、深雪の意識を刈り取った
ついで、深雪が崩れ折れる、その前に達也が支える形をとる
達也は深雪を俗称お姫様抱っこで審判団の元へ歩いていく
真由美『守夢君。』
何かを言いたそうにするも無視し、深雪を地面に降ろす。
達也『あとの処理はお願いします。私はこれで失礼します。』
摩利『待て、守夢。最後の魔法を消したのはお前か?』
この模擬戦での一番の疑問を口にする
達也『さあ?七草会長かそこの十文字先輩ではないのですか?私は、彼女に止めを刺しただけです。』
そう言い残して、ほのかと雫、エリカ達同級生を連れて帰って行った
十文字『何者だ奴は?』
真由美『1-Eの生徒で、筆記試験ではダントツのトップ以外は何もわからないわ。調べてみようとは思うけれど。』
高校内部で調べられた内容は一般の家庭で入試の筆記試験がトップであることのみ
十文字『頼む。それに渡辺。』
摩利『なんだ?十文字よ。』
十文字『あいつを部活連か風紀委員に入れるぞ。』
摩利『…勿論だ。それにしても、十文字。お前も守夢が欲しくなったか?』
十文字『あぁ。』
何を思ってかは不明だが、十文字 克人という人物が達也に興味を抱いた瞬間だった
エリカ『達也君。貴方は一体何者なの?いい加減教えてくれない?』
帰宅途中痺れを切らしたエリカが達也を問い詰める
達也『そうだな。全ては無理だが。俺は 古式魔法の伝承者、忍術使い 九重 八雲の弟子だ。』
幹比古『え?あの九重先生の弟子だったの?達也。』
エリカ『なるほどね。あの身のこなし、そういうことね。』
雫『達也さん、あとは?』
達也『これでも、譲歩したんだが。そうだな、親が会社を経営している。雫の父親なら知ってるとは思うが。』
雫『お父さんが?』
達也『ああ、ヒントはCADと森城という苗字だ。』
雫『C…AD?…あっ!思い出した。ほのか、覚えてない?』
ほのか『雫、どういうこと?』
雫『ほのかも知っているよ。私の父が見せてくれたでしょ?』
記憶から確認させるようにほのかに話す
ほのか『だから、守夢さんていう方が社長をしている会社なんてないからどういうこと?って訊いてるの!』
ほのかが雫に怒るも雫は深い思考に入っているため、ほのかのことなど完全にスルーだ
雫『守夢って苗字がずっと気になってたんだ。ただ、珍しいだけかなって思ってたけど。』
ほのか『けど、何?』
雫『ほら、憶えてるでしょう?父が珍しく浮かれてた時が有ったこと。』
順々に記憶を整理し、答えを紐解いていく雫
ほのか『う~ん。いつもそんな感じだから曖昧な記憶なんだけど。』
雫に促されて最近の雫の父の記憶を引っ張り出す
周りも思い付かないと白旗を挙げる
達也『俺の義父(ちち)はエリシオン社の社長だ。ビジネスネームだから判らないのは無理はない。』
エリシオン社 CADの老舗メーカーで、技術力もさることながら、他の部門でも一流を誇る会社である
ほのか『あっ!思い出しました。雫のお父さんがエリシオン社の社長と会えたって喜んでました。』
雫『うん、エリシオン社の社長って政財界には一切顔を出さないって聞いてる。そんな人が珍しく顔を出してたって父が言ってた。』
エリカ『エリシオン社って言えば、トーラス・シルバーが在籍してるんじゃあ?』
達也『そうだな。あの人のお陰で特化型CADが十年の進歩を遂げたと言われている。俺もあの人のお陰で魔法力も無く、取り柄の無い俺が魔工技師を目指すきっかけををくれたんだ。』
真実はシルバーは達也なのだが、嘘に真実を軽く混ぜ混むと信憑性が増す
追及されないようにするにはこれが一番効果的なのである
ほのか『じゃ、じゃあ。達也さんはCADの調整とかも出来るんですか?』
達也『あぁ、自分のはやっているから多少はね。』
エリカ『じゃあ、私のもやってもらおうかしら。』
達也のCADの調整話に乗っかろうとするエリカ
達也『そういう刻印型はあまり得意ではないが、それでも良いなら。けど、良いのか?千葉には調整してくれるところもあるだろう?勿論それは、北山家にも言えることだけどね。』
エリカのCADが警棒状ということに達也以外が驚く
エリカ『へぇ、達也君。これが、CADだって判ったんだ?』
達也『中は空洞で想子-サイオン-を流すときは打ち出しと打ち込みの瞬間だけ。相当の腕だ。』
エリカ『なんか、全部知られててつまんない。』
達也の洞察力に舌を巻く
達也『褒めてるつもりなんだけどな。』
雫『達也さん、もし調整してほしいって言ったらしてくれる?』
達也『残念だけど、それは俺がライセンスを取ってから。それに、専属はあまり考えてないから契約はしないよ。』
雫『…解った。』
自分もしてほしいとお願いするも、断られ多少のショックを受ける雫
達也『さて、俺の秘密公開は時期を見てまた、話すよ。といっても、殆ど話してしまったような感じだからあまり無いよ。』
レオ『でもよ、何で達也は魔法師にならねぇんだ?あんなに戦闘スキルがあるのによ。』
達也『俺の魔法力では、良くてCランクのライセンス止りだ。それに、戦闘はあまり好きじゃない。』
レオ『なんかすまん。』
達也の理由に気まずくなる
達也『気にしなくて良い。…でも、不味いな。』
何かを思い出したように呟く。
エリカ『?何が?』
達也『さっきの模擬戦で追求を逃れるために逃げてその性で風紀委員の断りをせずに来たから明日にでも再度勧誘に来そうだなと。』
元々は風紀委員入りを断りに行ったのがこのような状況が生まれてしまった
ほのか『え、達也さん、風紀委員に入らないんですか?…せっかく、生徒会に入って達也さんと一緒に居られると思ったのに。』
達也の言葉に衝撃を受けるほのか
達也『ほのかさん?』
何故、そこまでの衝撃を受けるのかわからない達也
雫『私も、達也さんが居ないと淋しい。元々、達也さんが風紀委員入りしたら、会える時間も増えるなぁとおもったのに。』
こちらも同様に達也の風紀委員の断りに涙目である。
というよりも、好意を全面に押し出してきている。
そんなに、好意を向けられるようなことはしてないはずであるが、鈍感な達也でも、ここまで来れば判る。
エリカ『あら?達也君はこんなお願いを無下に断るのかしら?』
エリカは達也に追い討ちを掛ける。
達也『いや、元は向こうが強引に勧誘してきたからであって。研究したいこともあるからそんなことしてる暇はないんだ。だから…』
ほのか・雫『『駄目!!』』
入らないという言葉を遮る二人。
それと同時に達也に飛び付き、達也が受け止める。
達也には上目遣いが効果覿面と理解してきたのか、それでオトそうとする(+涙目)。
達也『(この二人、結那と加蓮程ではないが手強い。)…。』
何がとは言わない
実際は、双子の方がもっと恐ろしいのだが、ここでは割愛する
達也『…分かった。明日、生徒会室に行こう。』
ほのか『本当ですか?』
達也『あぁ。風紀委員入りのな。』
達也が肩をすくめ、降参のアピールをし、ほのかと雫が喜ぶ
その姿を眺めながら、明日からまた、平穏な日々が遠退いていく感覚を覚え、一人達也は嘆息した
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東京某所
司波家
ここでは、司波 深雪とそのガーディアンの桜井 水波が暮らしていた
水波も第一高校の1-Aの生徒で先の模擬戦において、傍観に徹していた
本当ならば、深雪の危機に対応するためにガーディアンはいるのだが、あくまでも模擬戦
それに、入学早々からバレる訳にはいかない
そんなことをしなくても深雪が勝つと信じていたということもある
が、見事にそれは守夢 達也という人間に打ち砕かれることになった
そして、どうやって家にまで帰って来たのか記憶が曖昧な不始末
深雪『…。』
水波『深雪様、夕食のご用意が出来ております。』
食事の用意が出来たため、深雪を呼びに行く水波
深雪『…。』
水波『深雪様?』
声を掛けるも反応がない、訝しげに再度深雪の名前を呼ぶ
深雪『水波さん。』
水波『はい。』
深雪『叔母上に連絡をとっていただけるかしら?』
水波『…畏まりました。』
反応があることに若干の安堵はあるものの、水波への返答ではなかったため、反応が遅れる
深雪の要望で四葉家に連絡を取る水波
深雪『守夢 達也。一体何者なの?』
その呟きに答える者はいない
程無く、四葉家と連絡がとれ、深雪はモニターの前に立つ
水波はその背後で控える
モニターには、現四葉家当主 四葉 真夜とその姉 深雪の母親である司波 深夜が映っていた
真夜『あら?深雪さんから連絡してくるなんて、珍しいわね。ねぇ、姉さん。』
親離れが出来ているのか滅多なことしか連絡しない深雪のため極力、真夜や深夜が定期的に連絡をとる
深夜『そうねぇ。そう言えば、お祝いの言葉がまだでしたね。入学おめでとう、深雪。』
真夜『おめでとう、深雪さん。』
深雪『ありがとうございます。母上、叔母様。』
本来ならば、嬉しい言葉も先の件で嬉しさが感じられない
その表情が出ていたのか心配をされる
真夜『どうかしたのかしら?顔色が悪いわよ?』
深雪『っ!』
表情を隠しきれなかったため動揺をする深雪
深夜『何かあったようね。話すと楽になりますから、教えてちょうだい?』
慰めるように言う深夜
深雪『…話してしまうと、また怒りが込み上げてきます。ですが、これは知っていただきたい話でもあります。四葉のためにも。』
怪訝な顔の姉妹に今日の状況を事細かに説明する
ある言葉に僅かに二人の顔が強張るも深雪も冷静を努めることに精一杯のため、気付かない
『達也』 この名前が意味するものは何なのか
深雪の説明が終わり、暫しの沈黙が訪れる。
真夜『解りました。深雪さん。今回は深雪さん、貴女の油断が招いた結果とも言えます。四葉とバレる訳にもいきませんが、四葉の魔法師としての自覚はしっかり持つように。そして、これを糧になさい。』
珍しく、叔母としての立場で深雪を励ます
入学の喜びもあるのだろうか、当主としての厳しさは鳴りを潜めていた
深雪『申し訳ありません。精進致します。』
深夜『深雪、今日のことは、私達の方で調べておきますから、貴女は心に置きつつも明日からの学校生活を楽しみなさい。貴女には学ぶべきものがたくさんあるのですから。』
母親である深夜も慰め、深雪にこれからを考えるように促す
深雪『ありがとうございます。お母様。』
真夜『期待しています、深雪さん。それから水波さん、深雪さんのことは頼みましたよ?』
深雪の後ろに控えていた水波にも声を掛ける
深雪の守るガーディアンとして、発破をかける
水波『かしこまりました、当主様。』
深夜『ガーディアンとしては半人前ですが、貴女も経験値不足なだけです。勉強はしっかりするように。』
水波『勿体無いお言葉ありがとうございます。奥様。』
真夜『家を離れて東京で暮らして少しですけど、また、顔を見せにいらっしゃいな。』
深雪『はい。』
真夜『それでは、ごきげんよう。』
最後まで冷静を努め、電話を切る真夜
深夜『真夜』
深夜が妹を励まそうとするもどう声を掛けていいかわからず、名前を呼ぶだけに留まる
真夜『…姉さんはどう思う?』
深夜『別人と考えるべきでしょうね。しかし、名前が似ていて生まれた年が同じ。偶然にしては出来すぎているとしか言いようがないわね。』
真夜『…そうよね、魔法力が多少あることで達夜であることは無いわ。想子-サイオン-もその人物にはある。しかも、私の魔法で跡形もなく消したのは私自身だもの。見間違えることはないわ。』
自身で断言しつつも不安は拭えない
本当に自分は始末したのか
仮に生きていたとして、何故私の前に現れるのか
深夜『そんな顔しないの真夜。』
真夜『姉さん?』
心配そうな姉の声
深夜『貴女、酷い顔してるわ。まるで亡霊に会ったような。』
真夜『亡霊は言い過ぎじゃないかしら?仮にも相手は生きてるのだし。』
深夜『言葉の綾よ。けれども、調べておく必要はあるでしょう?』
真夜『えぇ。葉山さんと貢さんにも頼んでおきましょう。』
静かに達也と四葉が交わる道が生まれる
そして、それは四葉にとって何を意味するのか?
さらには、達也の運命にどう関わるのか
まだ、物語は始まったばかりである
如何でしょうか。
①模擬戦は実習室→グラウンドで
②達也君、体術半端無い。
③深雪さん、初敗北
④達也君、四葉の調査対象
他も少々アレンジは加えてますが、原作のシーン沿いにはしていきたいと頑張ります。
それでは、次回。